中学受験を控えている小学生にとって、夏期講習は学力を伸ばして志望校への合格率をアップさせる重要な機会です。
一方で、中学受験の予定がない家庭でも、夏期講習に通う友だちに触発されたり、学習の基礎を固める必要性を感じたりして通塾を検討しているケースもあるでしょう。
そもそも、受験をする予定がない小学生が夏期講習に通う必要はあるのでしょうか。
本記事では、中学受験しない小学生に塾は必要かどうかを解説します。そのうえで、中学受験しない小学生にあった塾の選び方やおすすめの夏期講習を紹介するので、小学生のお子さんがいる保護者の方はぜひ参考にしてください。
- 中学受験しない小学生に塾は必要?
- 中学受験しない小学生には補習塾がおすすめ
- 中学受験しない小学生が夏期講習に通うメリット
- 学習習慣をつける機会になる
- 基礎を定着させられる
- 苦手を克服すれば成績アップにつながる
- 中学受験しない小学生にあった塾の選び方
- 性格にあった授業形式を選ぼう
- 予算にあった費用の塾を選ぼう
- 講師の質や特徴を確認しよう
- 自宅から通いやすい立地・アクセスの塾を選ぼう
- わかりやすい教材・雰囲気があう塾を選ぼう
- 成績アップの実績がある塾を選ぼう
- 塾の夏期講習以外の選択肢も確認しておこう
- 中学受験しない小学生におすすめの夏期講習10選
- 個別教室のトライ
- 個別指導なら森塾
- 東京個別指導学院(ベネッセグループ)
- 個別指導塾 トライプラス
- 個別指導Axis(アクシス)
- 個別指導 スクールIE
- 個別指導学院フリーステップ
- 個別指導の明光義塾
- ITTO個別指導学院
- ナビ個別指導学院
- 塾の夏期講習で学習習慣の定着や苦手分野の克服を目指そう!
中学受験しない小学生に塾は必要?
そもそも中学受験をする予定がない小学生を塾に通わせる必要があるのでしょうか。
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」では、小学生の子どもがいる家庭を対象にした学習費の調査が実施されています。そして、各家庭が学習塾にかけた費用について、公立小学校に通うお子さんの約6.5割が0円という結果となっています。
中学受験をするお子さんは、入試問題にあった対策が必要なため通塾する場合がほとんどです。つまり、「公立小学校に通っているお子さんのうち約6.5割の家庭が塾通いをしていない」と捉えることができるでしょう。
中学受験を考えていないお子さんの場合、家庭での指導・サポートができるのであれば、学習塾に通わせる必要はないと考えている保護者の方は多いようです。
※ 参考:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」より
中学受験しない小学生には補習塾がおすすめ
中学受験しないが塾の夏期講習を受講したいという方もいるでしょう。中学受験しない小学生におすすめなのが、学校の学習内容のサポートをメインに指導をおこなう「補習塾」です。
補習塾とは、学校のカリキュラムにあわせて授業の予習や復習を中心におこなう塾で、学校の授業でつまずいた部分や理解が浅い部分をカバーし、学校で習ったことを補強することを目的としています。
中学受験をしないお子さんは、受験対策的な勉強をする必要はありません。ただし、中学・高校へと進学した際に勉強で困ることのないように、勉強習慣を身につけておくことは大事です。補習塾に通って定期的に勉強することは、学習習慣を身につけるのに役立つでしょう。
中学受験しない小学生が夏期講習に通うメリット
中学受験をしない小学生のお子さんでも通える塾があるという点については理解したものの、「中学受験しないのであればやはり夏期講習に通う必要はないのではないか」と塾選びに踏み切れない方もいるのではないでしょうか。
具体的に塾を選びはじめる前に、中学受験しない小学生が夏期講習に通うことメリットについて確認しておきましょう。
それぞれ解説します。
学習習慣をつける機会になる
小学生のお子さんは、学習する意識や習慣がまだ身についていないことが多いです。夏休みは長期で学校の授業がない期間なので、学校から多くの宿題が出されますが、それらを解くだけでは勉強を日々の習慣にすることは難しいでしょう。
また、中学生にあがると、学校の学習内容に加えて高校受験に向けた勉強もしなければなりません。小学生の段階で学習習慣をつけておけば、テスト勉強や受験勉強へ取り組むことへの抵抗感が少なく済むでしょう。
「学習習慣」といわれると大層なもののように感じてしまいますが、たとえば「1日のこの時間は勉強する時間」など、わかりやすいルールを設けることで、中高生になっても無理なく勉強を続けやすくなります。
基礎を定着させられる
小学校で勉強する内容は、難易度が高すぎるわけではありません。ただし、今後の学習の基盤となる内容のため、学校で習った分野は不明点をなくして自分のものにしておくことが重要です。
夏期講習では、これまでに習ったことを総復習するカリキュラムを設けている塾もあります。苦手な分野があれば夏期講習での勉強で苦手意識を払しょくしたり、得意と思っていた分野も夏期講習という復習機会をとおして、理解できていなかった部分に気づくことができたりする可能性もあるでしょう。
苦手を克服すれば成績アップにつながる
前述したように、夏期講習は1学期や前学年の学習分野の復習がメインになるのが一般的です。
学校での授業が進んでいるときに、苦手分野を重点的に復習する時間を確保することは容易ではありません。夏期講習で苦手分野に集中的に取り組むことで、克服につながることが期待できます。
苦手分野を克服すれば、もちろん成績アップにつながります。そして、成績アップによりモチベーションが上がり、さらに勉強に身が入るというよいサイクルが生まれるかもしれません。
中学受験しない小学生にあった塾の選び方
中学受験しない小学生が塾に通う場合、お子さんにあった塾を選ぶことで前向きに学習に取り組めますし、通塾のストレスも少なくなります。
塾を選ぶにあたっては、以下に挙げるようなポイントで複数の塾を比較検討しましょう。
それぞれのポイントについて解説します。
性格にあった授業形式を選ぼう
塾の授業形式には集団授業・個別指導・オンライン塾があり、お子さんの性格や塾に通う目的によって、最適な授業形式は異なります。
集団授業塾では、講師1人が大勢の生徒に対して指導をおこないます。学校と同じような形式なので、違和感なく授業を受けられるでしょう。ただし、授業は基本的に講師から生徒への解説が中心なので、お子さんによっては質問や相談がしにくいと感じ、不明点を解消できないまま授業が進んでしまう可能性があります。
一方、個別指導塾では、講師と生徒が1対1または1対2~4程度の少人数で指導がおこなわれます。生徒の理解度や希望に応じて柔軟にカリキュラムが組まれ、質問もしやすいのがメリットです。お子さんのペースで勉強を進めたい、苦手分野に特化したカリキュラムで効率的に苦手分野を克服したい場合は、個別指導塾があっているでしょう。
ただし、講師と生徒の距離が近すぎるがゆえに緊張感が緩んでしまうリスクや、講師との相性が悪くモチベーションが下がってしまうケースがある点には注意しなければなりません。
オンライン塾では、自宅もしくは専用のブースで映像による授業を受講します。あらかじめ撮影しておいた授業の映像を視聴するオンデマンド形式であれば、自分の好きなタイミングで授業が受けられます。
体験授業を通してお子さんとの相性を判断し、性格にあった塾を選びましょう。
予算にあった費用の塾を選ぼう
夏期講習で通った塾は、夏期講習が終わったあとにそのまま通い続けるケースもあります。
夏期講習の費用がお得だからという理由で受講を決め、そのまま通塾すると決めた場合、通常授業の費用が予算を超えてしまって家計を圧迫してしまう可能性も否定できません。
あらかじめ通塾にかけられる予算を想定したうえで、気になる塾の「夏期講習費用+通常授業費用」の合計費用を確認しておきましょう。
講師の質や特徴を確認しよう
講師の質やお子さんとの相性は、成績やモチベーションに直結しやすいポイントです。通おうと思っている塾や教室の口コミや評判を参考にして、お子さんと相性がよさそうで、質の高い授業をしてくれそうな講師が在籍しているところを選びましょう。
また、塾によっては無料で受けられる体験授業制度を設けていることもあります。公式サイトや資料からも塾の指導方針を確認できますが、実際に授業を受けることで得られる情報も多いので、そういった制度も最大限に活用しましょう。
自宅から通いやすい立地・アクセスの塾を選ぼう
立地は塾によってさまざまですが、できるだけ自宅に近い塾を選ぶのがおすすめです。家から近い塾であれば通塾時間が短くて済むため、お子さんのストレスや負担を抑えられます。なお、通塾手段は、徒歩・自転車・電車・保護者の送迎などさまざまですが、親子ともに負担がかからないような形で通塾できるのが理想です。
体験授業の受講や夏期講習の申し込みなどで実際に塾に行く機会があれば、自宅や駅からの通塾ルートや塾周辺の治安、街灯による帰宅時間ごろの帰路の明るさなども確認しておきましょう。
わかりやすい教材・雰囲気があう塾を選ぼう
口コミや評判がよくても、使用する教材や塾の雰囲気があわなければ、学習のモチベーションは上がりません。多くのお子さんにあっている塾が、自分のお子さんにもあっているとは限りません。
使用する教材がお子さんのレベルにあっているか、塾の雰囲気は学習に集中できそうかなどは、体験授業を受講したり実際に通っている友だちに話を聞いたりして必ず確認しておきましょう。
成績アップの実績がある塾を選ぼう
中学受験をしない小学生が夏期講習に通う場合、学校の成績アップが大きな目標のひとつになります。
そのため、成績アップの実績がある塾に通うのが安心です。塾の公式サイトや資料に成績アップの実績が掲載されていることもあるので、それらに目を通してチェックしましょう。
また、実際に成績がアップしたお子さんや保護者の方が、インターネット上に塾の口コミや評判を投稿している場合もあります。「Ameba塾探し」にも、通塾経験者の口コミが多数寄せられており、塾選びの参考になるはずです。
塾の夏期講習以外の選択肢も確認しておこう
夏期講習の受講は、学校の成績を伸ばしたり勉強習慣を身につけるきっかけになったりと数多くのメリットがありますが、よく考えた結果「今はまだ塾に通う必要はないかもしれない」という結論になったご家庭もあるかもしれません。
もちろん、塾の夏期講習に通う以外にも、学習習慣を身につけて苦手分野を克服する方法はあります。塾の夏期講習に通わない場合は、以下に挙げるようなことを意識するとよいでしょう。
学校の授業がなく自由な夏休みだからこそ、遊びと勉強に関するルールを決めておかなければ遊び一辺倒になってしまいかねません。「毎日必ず午前中に1時間は勉強する」「友だちと遊びに行くのは週3日まで」などのルールを設けることで、生活がたるんでしまうのを避けやすくなります。
また、学習スケジュールを立てることも勉強習慣を身につける一助になります。ただし、小学生のお子さんが一人だけで適切な学習スケジュールを立てるのは難しいので、保護者の方もスケジュールを立てるサポートをしてあげましょう。スケジュール通りの勉強を進められたら誉めてあげることも大事です。
塾に通っていれば塾の教材を用いて勉強ができますが、塾に通っていない場合は勉強する教材に困る場合もあります。そういったときに便利なのが、市販の問題集です。お子さんの学力に応じた難易度のものを選んで復習することで、夏休み中の学習がより実りのあるものになるでしょう。
中学受験しない小学生におすすめの夏期講習10選
中学受験をしない小学生が夏期講習に通う場合、補習塾や相談のうえでカリキュラムを自由に組める個別指導塾を中心に検討することになるでしょう。
そこで、夏期講習を受けるのにおすすめの塾を紹介します。
それぞれの塾の特徴を次より詳しく説明しますので、夏期講習で通う塾選びの参考にしてください。
※ 2025年3月時点で公式サイトに2025年の夏期講習に関する情報を記載している塾が少ないため、2024年の夏期講習に関する情報をもとにしています。
個別教室のトライ
個別教室のトライは、33万人の講師のなかから選ばれたお子さんに相性ぴったりの講師による、完全1対1の個別指導が受けられる個別指導塾です。
担当講師だけでなく「教育プランナー」が、学習に関する悩みのサポートをお子さんだけでなく保護者に対してもおこなうので、親子ともに安心して塾に通えるでしょう。
個別教室のトライの夏期講習はすべてがオーダーメイドで、受講する科目や受講スケジュールを自由に調整できます。
授業の前後はもちろん、授業日以外にも利用できる自習スペースがあるので、家だと集中して勉強ができないお子さんは自習スペースで塾や学校の宿題をこなすことが可能です。
個別指導なら森塾
個別指導なら森塾は、講師1名に対して生徒2名までで授業がおこなわれる個別指導塾です。
生徒一人ひとりの能力や個性にあわせた指導は苦手な科目の克服に効果的で、不明点がある場合もすぐに質問ができます。
夏期講習では、最大5日間の無料体験を受けられます。「1科目+20点」の成績保証制度も設けているので、学校の成績アップを目的に夏期講習に通う場合はとくにおすすめの塾です。
東京個別指導学院(ベネッセグループ)
東京個別指導学院(ベネッセグループ)は、生徒一人ひとりにあわせてフルオーダーメイドのカリキュラムを用意してくれる個別指導塾です。
カスタマイズされたカリキュラムによって必要なことに効率的に取り組むことができるので、学力や成績の向上が期待できるでしょう。
夏期講習でも生徒ごとにオーダーメイドのカリキュラムで授業を実施する方針は変わりません。
2025年度の夏期講習は5月中旬ごろから受付開始です。座席が埋まってしまった時間帯では授業を受けられないので、受講を希望されている場合は早めに申し込むのがおすすめです。
個別指導塾 トライプラス
個別指導塾 トライプラスは、147万人の指導実績から生み出した「トライ式学習法」にもとづき、多彩な授業を展開している個別指導塾です。
講師1人に生徒2人までの、個別指導と演習を組み合わせたオリジナル学習システムを採用しており、「わかる」感動と「できる」喜びを実感することで「やる気」を引き出します。
夏期講習でも通常授業のように、生徒の要望に沿ったカリキュラムで授業を進めてもらえることには変わりありません。
授業をおこなう担当講師とは別に教室長がお子さんを見守ることで、学習面と精神面の双方でのサポートを受けられるのが魅力です。
個別指導Axis(アクシス)
個別指導Axis(アクシス)は、生徒それぞれの要望にあわせた学習プランと学習スタイルを提案してくれる個別指導塾です。
お子さんと講師との相性を大切にし、お子さんの性格や理解度にあわせて講師を選定しているので、前向きに授業を受けやすい環境といえるでしょう。
夏期講習は予定にあわせて日程や時間帯を自由に設計できるので、長期で家族旅行に行くような予定がある場合でも、うまく塾に通えるスケジュールを組めます。
全校舎に自習スペースが設けられているため、塾の宿題だけでなく学校で出された宿題も自習スペースでできますし、学習の進み具合もチェックしてもらえます。
個別指導 スクールIE
個別指導 スクールIEは、講師1人に生徒2人までの担任制個別指導で授業をおこなっている個別指導塾です。
独自の個性診断テストETSでお子さんの個性や性格・学習習慣・生活習慣を分析し、やる気が出る・やる気が続く指導方法と学習プランを導き出します。
夏期講習は1教科から受講できるので、苦手分野の克服に特化するもよし、幅広い教科を満遍なく復習するもよし。目的に沿った形で受講が可能です。
個別指導 スクールIEの授業を初めて受ける方を対象に、90分×4回の個別指導を3,300円で受講できる限定お試しパックもあるので、そういった制度も活用するとよいでしょう。
個別指導学院フリーステップ
個別指導学院フリーステップは、採用率30%以下の厳選された講師のみが授業を実施する個別指導塾です。
生徒一人ひとりに「今何が必要なのか」を考えたうえで、最適な学習指導を実施します。
夏期講習ではこれまでに学んだ内容で苦手な部分の復習や、得意な部分の応用・予習をおこないます。講習後には模擬試験や実力テストもあるので、夏期講習で苦手を克服できたかどうかをテストの点数という形で確認することが可能です。
個別指導の明光義塾
個別指導の明光義塾は、生徒一人ひとりの悩みや課題に向き合い、オーダーメイドの学習プランを提案する個別指導塾です。
個別指導のパイオニアとして長年培った経験とノウハウを活かし、生徒自らが考えることを重視した指導をおこなっています。
2024年は7月1日という比較的早めの日程から、夏期講習期間がスタートしていました。
丸々2か月間が夏期講習期間として設けられているので、ゆっくりと時間をかけながら苦手分野の克服と向き合うことができます。
ITTO個別指導学院
ITTO個別指導学院は、生徒のペースにあわせたきめ細やかな指導を実施している個別指導塾です。
授業を受ける講師を指名できるので、お子さんの性格にあった講師を選ぶことができ、モチベーション高く授業を受けられる環境で勉強ができます。
夏期講習では、一人ひとりの目標・目的にあわせた最適なカリキュラムを提案しているため、短期間での効率的な成績アップが見込めるでしょう。
夏期講習の特別企画として小学5,6年生を対象に「中学英語入門ゼミ」も実施されているので、中学での英語授業の内容を先取りして勉強したいお子さんは、受講がおすすめです。
ナビ個別指導学院
ナビ個別指導学院は、ほめる指導を徹底して子どものやる気を引き出す個別指導塾です。
カウンセリングをもとに、生徒の状況にあわせたカリキュラムを組んでもらえるので、勉強したい内容を的確に教えてもらうことができます。
2024年度の夏期講習期間は7/1~9/30と、ほかの塾と比べるとやや長めでした。
苦手な分野の勉強を何度も反復しながらできるので、少しずつ着実に苦手分野を克服できている実感を得られるでしょう。
塾の夏期講習で学習習慣の定着や苦手分野の克服を目指そう!
中学受験をしない小学生のお子さんであれば、塾の夏期講習に通う必要はないと考える方もいるかもしれません。しかし、塾の夏期講習に通うことには学習習慣の定着や苦手分野の克服など、多くのメリットがあります。
塾を選ぶにあたっては、授業形式や講師の質・教室の雰囲気などを確認して、お子さんにあっていそうなところを選びましょう。塾に通わずに自宅で勉強する場合は、勉強に関するルール作りや市販の問題集の活用などが効率的な学習のカギとなります。
中学受験をしない小学生のお子さんが塾の夏期講習に通うのであれば、補習塾や個別指導塾がおすすめです。塾選びに悩んだ場合は、多くの口コミが確認できる「Ameba塾探し」も活用してください。塾の夏期講習を最大限に活用して、学習習慣の定着や苦手分野の克服を目指しましょう!