中学受験を目指して子どもを塾に通わせているものの、成績が伸び悩んでおりこのまま今の塾に通わせ続けてよいものか…とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現状を打破するための方法はいろいろと考えられますが、「転塾」はそのなかでも有効な選択肢のひとつです。
ただし、塾を変えることは学習環境を大幅に変えることにつながるので、転塾のメリット・デメリットを把握したうえで検討しなければなりません。
本記事では、中学受験を控えている子どもの転塾を成功させるためのポイントや注意点を解説します。
転塾のメリットやデメリット、転塾にベストなタイミングも紹介しますので、子どもの転塾を検討している保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
- 中学受験で転塾を考える主な理由
- 転塾する前に確認すべきこと
- 現在の塾で改善が見込めないか
- 他塾の情報を比較してみる
- 子ども自身の意見とモチベーション
- 中学受験で転塾することのメリット・デメリット
- 中学受験のために転塾するメリット
- 中学受験のために転塾するデメリット
- 【中学受験】転塾を成功させるポイント|転塾のベストなタイミングを紹介
- 転塾にベストなタイミング
- 転塾を避けるべきタイミング
- 【中学受験】転塾で失敗しない塾の選び方
- 子どもにあう授業形式
- 合格実績や口コミ・評判
- 講師との相性
- 塾の費用をチェック
- 通いやすさ
- 実際の転塾の手順とは
- 中学受験で転塾した方の口コミを紹介
- 【中学受験】転塾に関するQ&A
- 転塾は選択肢のひとつ!最適な塾で中学受験を乗り切ろう
中学受験で転塾を考える主な理由
最初に選んだ塾にずっと通い続ける子どもも多いなかで、学習環境を変えてまで転塾を考えるからには、何かしら大きな理由があるケースが多いでしょう。
転塾を考える主な理由やきっかけとしては、以下が挙げられます。
指導方法は塾によってさまざまで、基礎的な説明までしっかり徹底する塾もあれば、演習を中心に進める塾もあります。どちらの方法がよい悪いというわけではなく、大事なことは指導方法が子どもにあっているかどうかです。
指導方法があっていない塾に通い続けても、子どもは前向きに勉強に打ち込めないため、転塾を考えたほうが状況が改善する可能性が高いでしょう。
中学受験を目指して塾に通うからには、志望校合格が絶対的な目標になりますし、その目標を達成するためには学力アップおよび成績アップも必要不可欠です。
長く塾に通わせているにも関わらず、なかなか成績がアップしなければ、保護者としては転塾を検討するのも仕方のないことといえます。
また、塾の環境や自宅や学校からの距離によっては、子どもが集中して勉強できない可能性があります。
自習室の環境が良好でなければ自習は捗りませんし、自宅や学校から塾までの距離が遠いと行き来だけで体力を使い果たしてしまい、授業に集中できません。そのような環境では成績アップも望みにくいので、転塾を検討するのが賢明です。
さらに、親子間での意見の対立も転塾を検討する要因になり得ます。子どもが今の塾に通いたい理由が、将来的に子どものためにならないと考えた場合、親の判断で転塾を決定したほうがよいこともあります。
転塾する前に確認すべきこと
転塾は子どもにとっても親にとっても一大決心なので、簡単に判断すべきではありません。
転塾したあとで「前の塾のほうがよかった…」と後悔しないためにも、実際に転塾を決断する前に以下に挙げる点を確認しまよう。
それぞれのポイントについて、以下で詳しく説明します。
現在の塾で改善が見込めないか
現在通っている塾の担当講師や教室長に相談して、家庭として問題だと感じている点を解決できるかどうか確認してみましょう。
「塾の授業開始時間が早すぎてクラブ活動に参加できないので1時間遅くしてほしい」といった内容であれば、塾側としても対処しようがありません。
しかし、「解説ばかりで演習時間が少ないので、もっと演習時間を増やしてほしい」「ほかの生徒がうるさくて授業に集中できないので講師からしっかり注意してほしい」といった内容であれば、塾側の対応次第で問題が解決するかもしれません。
塾の対応によって状況が改善するのであれば、転塾する必要はないでしょう。
他塾の情報を比較してみる
転塾すべきなのは、塾を変えることによって今抱えている問題が改善される可能性が高い場合です。
「塾の進度が遅くて受験対策ができない」という理由で転塾を検討している場合、転塾先は今のところよりも進度が速いところを選ぶべきでしょう。
「同じ学校の生徒がたくさんいるので授業に集中できない」ということが転塾の検討理由なら、友だちや知り合いが少ない塾でなければ転塾を検討する意味がありません。
抱えている悩みが転塾によって解消されそうかどうか、事前に他塾の情報を比較して考えましょう。
子ども自身の意見とモチベーション
子ども自身が今の塾に対してどう思っているのか、どうしたいのか、意見を聞いてみることも重要です。
転塾することで子どものモチベーションが上がるようなら、それに越したことはありません。
ただし、子ども自身が現在楽しく塾に通っていて、モチベーション高く学んでいるようなら、転塾するのは早計の可能性があります。
子どもを取り巻く学習環境に対して本人がどれだけ満足しているのか、しっかりと子どもに確認しましょう。
中学受験で転塾することのメリット・デメリット
中学受験を予定している子どもの大半は塾に通っている最中かもしれませんが、そのようななかで転塾することには、メリットもあればデメリットもあります。
それらを子どもと保護者がお互いに把握したうえで、転塾すべきかどうかを考えなければなりません。
ここからは、中学受験のために子どもが転塾することのメリット・デメリットについて説明します。
中学受験のために転塾するメリット
中学受験で転塾することのメリットは、主に以下が挙げられます。
転塾することは、学習環境を大きく変化させることにつながります。
今までの環境が子どもにあっていなかった場合、転塾によって環境を変えることで、勉強に対するモチベーションが大きくアップするかもしれません。
たとえば集団塾に通っている場合、それぞれの生徒の細かな悩みまでは講師の目が届かない場合もあります。
同じ集団塾でも今の塾より規模の小さめなところに移ることで、子どもが抱えている悩みをより迅速に解決してもらえるようになる可能性があります。
また、今通っている塾よりも進学実績が優れている塾に移るという判断も、転塾においては重要です。
塾の指導方法はそれぞれ異なり、解説を重視する塾もあれば、演習のなかでの子どもたち自身の気付きや理解を大事にする塾もあります。
指導方法が大きく異なる塾に移り、新しい塾の指導方法が子どもにあっていれば、子どもの成績が一気に向上することも期待できるでしょう。
中学受験のために転塾するデメリット
一方、中学受験で転塾することのデメリットとしては、主に以下の点が挙げられます。
新しい塾に通い始めるということは、これまでとは異なる環境に身を置くことを意味します。
とくに、子どもが人見知りをするような場合は、新しい環境に慣れるまでに少し時間が必要かもしれません。
塾が変われば利用する教材は変わりますし、勉強の進度も変わります。
新しい塾での授業についていくためには、これまで使ったことのない教材に慣れる必要がありますし、新しい塾ではもう過ぎてしまっている単元については、自分なりに勉強しなければならない箇所もあるでしょう。
環境の変化も相まって、子どもに一時的に大きな負担がかかる可能性があるので、保護者はその点をしっかりケアしてあげる必要があります。
また、進度が違うということは、受験に向けたスケジュール管理が異なるということでもあります。
転塾する前に通っていた塾で立てたスケジュールが中断されることになるので、新しい塾の進度に対応したスケジュールを早急に立てましょう。
【中学受験】転塾を成功させるポイント|転塾のベストなタイミングを紹介
転塾を検討する場合、そのタイミングはいつでもよいというわけではありません。転塾に向いている時期もあれば、転塾を避けるべき時期もあります。
ここでは、転塾するタイミングについて紹介します。
転塾にベストなタイミング
転塾にベストなタイミングとしてまず考えられるのは、学年の切り替え時です。
たとえは、小4から小5に学年が上がるとき、小5から小6などの学年の切り替え時には、塾内でクラスが再編成されることも多いので、カリキュラムも再編成後のクラスから改めてスタートすることになります。
そのタイミングで転塾すれば、カリキュラムの最初から授業を受けられるので、授業にも無理なくついていきやすいです。
また、大きな模試やテストの後も、転塾を検討すべきタイミングとして挙げられます。
模試やテストで思ったような結果を残せなかった場合、今通っている塾の指導方法が子どもにあっていない可能性があります。
学習環境を変えるかどうかの判断材料として、模試やテストの点数は重要な役割を果たすでしょう。
転塾を避けるべきタイミング
逆に、受験直前期は転塾をすべきではありません。
受験直前期は受験に向けて追い込みをすべきタイミングであり、そのような時期に転塾をして学習環境を変えるのは、子どもにとって大きなストレスになります。
また、少しでも多くの時間を勉強に充てるべきタイミングで塾を変えて、新しい教材や環境に一から馴染まなければならないのは悪手でしかありません。
中学受験で転塾すべきかどうかの判断は、遅くとも小6の夏休みごろまでに下すべきでしょう。
【中学受験】転塾で失敗しない塾の選び方
子どものために転塾すべきという判断を下したとしても、転塾先の環境が子どもにとって理想的なものでなければ、再び転塾を検討しなければならなくなります。
転塾で失敗しないためには、以下に挙げるようなポイントで転塾先の候補を比較するとよいでしょう。
それぞれのポイントについて、以下で詳しく説明します。
子どもにあう授業形式
どのような授業形式があうかは、子どもによって異なります。
ほかの生徒と競争しながら切磋琢磨したほうが頑張れる子どもには集団授業が向いていますし、自分のペースで学習を進めたい子どもには個別指導や家庭教師がおすすめです。
子どもの性格や通塾の目的にあわせて、最適な授業形式の塾を選びましょう。
尚、授業形態や塾の種類については、下記の記事て詳しく解説していますので、併せて参考にしてみてください。
合格実績や口コミ・評判
志望校合格を目的として塾に通う以上、志望校への合格実績も重要なポイントです。
同じ塾であっても校舎ごとに合格者数にばらつきがあるので、塾全体だけでなく「校舎単位」でも合格実績を見ることが大切です。
また、授業や教室の雰囲気はどうなのか、過去に通っていた人の口コミ・評判についてもしっかり確認しましょう。
講師との相性
講師との相性は、子どもが勉強に対して前向きになれるかどうかを左右します。
とくに個別指導の場合は、講師との相性が学力向上にも深く関わってくるので、相性のよい講師を選べる塾がベストでしょう。
講師との相性は継続して授業を受けなければ判断できないものではありますが、体験授業を受けることで子ども自身があう・あわないを感じ取れる場合もあります。
体験授業を利用して、指導の様子や講師の対応などをチェックしましょう。
塾の費用をチェック
転塾する場合、塾に通うために毎月必要な費用が変わることになります。
これまでの塾よりも費用が減るのであれば問題ありませんが、費用が増える場合は予算の範囲内に収まるかどうかは確認しなければなりません。
新しい塾に通い始めたはいいものの、塾の費用が家計を逼迫するという理由で再度転塾を検討するのは、子どもにとって不幸なことなので避けましょう。
なお、中学受験の塾費用については、下記の記事で詳しく紹介していますので、併せて参考にしてください。
通いやすさ
転塾を検討している理由が「塾に行くだけで時間がかかるから」「塾からの帰宅時間が遅く、安全面が心配だから」という場合は、自宅や学校から近くて通いやすい塾を選ぶのがおすすめです。
自宅や学校から少し離れている場合でも、送迎バスを出してくれている塾であれば、通いやすさに関するハードルは下がるでしょう。
塾に通うのは親ではなく子どもなので、なるべく子どもの負担を軽減することが大事です。
実際の転塾の手順とは
転塾することを決めたものの、どのように手続きを進めればよいのかわからない保護者の方もいるかもしれません。
実際に転塾する際の手順は、おおむね以下のとおりです。
転塾は保護者だけでなく子どもにとっても大きな節目となるので、子どもにストレスを感じさせないこと、子どもの勉強スケジュールをなるべく遅らせないようにすることを意識する必要があります。
上述した手順をなるべく速やかにこなして、新しい学習環境にスムーズに移行しましょう。
中学受験で転塾した方の口コミを紹介
中学受験を控えた子どもを転塾させるべきかどうか迷っている場合、実際にそのような決断を下した保護者の方の口コミを見るのが参考になります。
同じような悩みを抱えている保護者の方が、どのような点を決め手にして転塾先を決めたか、転塾した結果どうだったかを知ることができれば、よりしっかりとした基準をもって転塾に関して判断できるでしょう。
ここでは、実際に中学受験で転塾した方の口コミを紹介します。
【中学受験】転塾に関するQ&A
中学受験を控えた子どもの転塾は、その先の子どもの人生にも関わることなので、いろいろと悩みが出てくるのも当然のことです。
気になる点をなるべく解消したうえで転塾を検討すれば、転塾に関して親子ともに納得のいく形で判断できるでしょう。
以下では、転塾に関する疑問や悩みに対してQ&A形式で回答していきます。
塾によって必要な出費の種類や金額は異なるので、転塾予定の塾で事前に確認しましょう。
なお、塾によっては「転塾キャンペーン」をおこなっている場合があり、入塾金や初月の授業料がお得になることがあります。
また、塾によっては志望校別特訓や補習コースが用意されており、それらの受講を希望する場合は別途費用がかかる点に注意しましょう。
新しい塾には独自の指導方針やカリキュラムがあるため、勉強の進め方や重点を置くポイントがこれまでの塾とは異なります。
転塾後には、転塾先のカリキュラムの進度に追いつくために、補習や追加の自学習が必要になる場合があります。
対応策としては、転塾先の使用教材を確認し、どの程度のギャップがあるかを把握しておくとよいでしょう。
また、塾ごとに志望校対策の戦略が異なるため、志望校に向けた過去問対策や独自のカリキュラムが、転塾後に新たに追加される場合もあります。
子どもを否定せずに、どうして嫌だと思うのか丁寧に聞き、なぜ転塾を考えているのかを具体的に説明することが重要です。
実際に塾に通って中学受験をするのは子どもなので、親の一方的な決断にならないことを心がけましょう。
子どもの目線で転塾することのプラス面を説明することも、子どもを転塾に対して前向きにするには効果的です。
「もっと質問しやすい先生がいる塾に行けるよ」「少人数制だからもっと手厚く教えてもらえるんだって」といったことを説明したうえで、複数の塾を見学・体験し、子ども自身に選ばせましょう。
また、現在の塾をすぐに辞めるのではなく、並行して新しい塾に通わせてみるなど、転塾への移行期間を設けることも検討してみましょう。
急に転塾を決めると抵抗が強くなるため、ある程度時間をかけて子どもの気持ちを整理する猶予を与えなければなりません。
子どもがどうしても不安を拭えない場合でも、最終的な決定は親がする必要があります。
「家族として一緒にこの決断をサポートしていく」という姿勢を見せて、子どもを安心させましょう。
転塾は選択肢のひとつ!最適な塾で中学受験を乗り切ろう
転塾は、子どもにとってより適した学習環境に身を置くために、効果的な選択肢のひとつです。
ただし、転塾には費用がかかり、学習環境を変えることで子どものストレスになる可能性もあります。
今の塾で状況が改善される見込みが薄いことを踏まえたうえで、事前にしっかりと情報を集めて転塾先を決め、親子ともに納得のいく形で転塾することを目指しましょう。
なお、複数の塾を比較検討したり口コミを確認したりする際には、「Ameba塾探し」が便利です。
Ameba塾探しの情報も参考にしながら、子どもにとって最適な塾に転塾して中学受験を乗り切りましょう。