多くの塾では夏休みに夏期講習を実施しており、苦手単元の復習や受験頻出分野の特訓など、それぞれの塾が独自のカリキュラムによる授業をおこなっています。
ただし、夏期講習を実施している塾の数は非常に多いので、どの塾を選べばよいか迷っている方もいるのではないでしょうか。
夏休みは、学校の授業が進まないなかで勉強に打ち込める絶好のタイミング。この期間をどう過ごすかは、学力向上、ひいては志望校合格に大きく影響するので、自分にあった塾を選ぶことが重要です。
そこで本記事では、夏期講習に通う塾を選ぶ際の注意点や、夏期講習に通うメリット・デメリットを解説します。
さらに、夏期講習を実施している塾をランキング形式で紹介しますので、どの塾の夏期講習に通おうかと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
夏期講習だけ塾に通うことは可能?
夏期講習だけ塾に通うことは可能です。ただし、塾によっては既存の塾生のみを対象にしている場合もあるので注意が必要です。
また、塾生でない一般の方は夏期講習にかかる費用が高くなるケースも考えられます。一方で、夏期講習に関するお得なキャンペーンを実施している塾も多くあります。
視野を広げるために、現在通っている塾以外の夏期講習を受講するのもおすすめです。たとえば、普段は個別指導塾に通っている方が、夏期講習のみ集団授業を受けるとよい刺激となります。
通いたい塾が見つかったら、夏期講習のみの受講が可能か問いあわせてみましょう。
塾の夏期講習はいつから通う?
夏期講習にいつから通うかは人それぞれです。
「Ameba塾探し」では、小学生~高校生までの子どもの保護者500人を対象に、塾の夏期講習に関するアンケートを実施しました。
アンケートの結果、初めて夏期講習を受けた学年は、主に小学校1年生~中学校3年生までの期間に分散していました。
初めて夏期講習に通った人数が多かった学年は、勉強が難しくなると言われる小学校5年生と、区切りの学年となる中学校1年生です。
次に多いのが、高校受験を控えた中学3年生でした。小学校で初めて夏期講習を受講した生徒は約6割となっています。
夏期講習の受講のきっかけは、「受験」や「学力に不安がある」という回答が多かったようです。
塾の夏期講習にかかる費用
夏期講習にかかる費用は、学年や塾によって異なります。
小学生~高校生までの子どもの保護者500人を対象にしたアンケートで夏期講習にかかった費用を調査したところ、以下のような結果になりました。
【小学生の夏期講習の平均費用】
学年 | 夏期講習の平均費用 |
---|---|
1年生 | 約23,919円 |
2年生 | 約26,795円 |
3年生 | 約28,104円 |
4年生 | 約37,807円 |
5年生 | 約37,361円 |
6年生 | 約51,583円 |
【中学生の夏期講習の平均費用】
学年 | 夏期講習の平均費用 |
---|---|
1年生 | 約38,194円 |
2年生 | 約47,766円 |
3年生 | 約64,111円 |
小学校は4年生、中学校は3年生になると費用が高くなる傾向があります。
小学校は中学受験、中学校は高校受験対策のために費用が高くなると思われます。
小学校対象の夏期講習でも、中学受験対策のために夏期講習に通う方は平均よりも費用がかかると考えた方がよいでしょう。
高校生の場合は、塾に加えて予備校という選択肢も出てきます。小学生・中学生に比べると授業内容が専門的になることに加え、塾に通う目的も多様化しています。そのため、夏期講習で受講するコマ数や講座数は生徒によって大きく異なります。
これらの要因から、夏期講習にかかる費用も、小・中学生に比べて高くなるのが実情です。また、塾によっては夏期講習を合宿形式でおこなうこともあり、宿泊を伴う合宿や長期間の合宿の場合は一般的な塾の夏期講習よりも費用が高額になる傾向にあります。
夏期講習に通うメリット
塾の夏期講習に通うことを検討しているのであれば、夏期講習に通うメリット・デメリットの双方を把握しておく必要があります。
塾の夏期講習に通うメリットは、主に以下が挙げられます。
夏休み中は学校の授業がないので、塾に通っていなければ、勉強をしないままダラダラ過ごしてしまう可能性もあります。自分の部屋にスマートフォンやテレビ・ゲームなど多くの誘惑があると、集中して勉強するのも難しいでしょう。
塾の夏期講習に通えば、ほかの生徒と一緒に集中して授業を受けることで切磋琢磨でき、授業以外の時間でも自習室で勉強をすることができます。
自宅ではなかなか集中できないお子さんにとって、勉強に集中できる環境に身を置けるというのは、夏期講習に通う大きなメリットのひとつです。
夏期講習では授業を受けるだけでなく、授業ごとに宿題が出ることがあるため、授業の冒頭で前回内容の復習テストがおこなわれることもあります。
そのため、授業を受けた後に宿題をして授業内容の復習をするというサイクルが自然と身につくので、学習習慣を身につけるのに一役買ってくれます。
一度学習習慣を身につければ、夏期講習が終わったあとも計画的に勉強を進められるようになるので、新学期もスムーズにスタートを切れるでしょう。
さらに、夏期講習の授業では、プロ講師が指導してくれるケースが一般的です。プロ講師による質の高い指導を受けることで、効率的な勉強方法がわかれば、自学自習がこれまで以上に捗るでしょう。
効率的に勉強を進められるようになることは、勉強に対して前向きになるために欠かせないポイントです。
最後に、夏期講習は現在の自分の実力を客観的に把握できるという観点においても重要です。塾によってはクラス分けのためにテストを受ける場合もありますし、夏期講習の総仕上げに夏期講習内容のテストや模試を設けているような塾もあります。
テストや模試を通じて自分の学力を客観的に把握することで、これからの学習計画をより適切に立てられるようになるでしょう。
夏期講習に通うデメリット
上述したように、塾の夏期講習に通うことにはいくつものメリットがあります。
その一方で、以下に挙げるようなデメリットがあることも認識しておかなければなりません。
夏期講習に通うための費用は、塾の通常授業の費用より割高に設定されている場合があります。普段は学校での授業が終わった後に塾に通うので、1日あたりの受講コマ数は1~2コマ程度です。
しかし、夏期講習中は朝から晩まで塾に通い、1日あたり4~6コマ程度の授業を受けるケースも珍しくありません。そのため、必然的に受講費用が高くなりやすいといえます。
上述したように、1日に多くの授業を受講する場合、宿題や復習のための時間を確保するのが大変な場合があります。とくに部活動をしているお子さんは、夏期講習の受講と部活の練習や試合を両立するとなると、かなりハードスケジュールになります。
疲れが溜まって「ただ授業を受けているだけ」になってしまうのはもったいないので、塾での授業と復習や宿題をする時間、部活動の練習などを無理なくこなせそうかどうかを踏まえて、スケジュールを組むことを心がけましょう。
塾の夏期講習のスケジュールと自分の夏休みのスケジュールがあわない場合は、生徒の都合で柔軟に日程を組みやすい個別指導塾やオンライン塾の利用も検討してみてください。
塾の夏期講習を選ぶ際の注意点
夏期講習といっても、どの塾も同じというわけではありません。
お子さんにあった夏期講習を受けるためには、以下の注意点を押さえましょう。
せっかくの夏休みを使って通うからには、後悔したくないですよね。
それぞれの注意点を詳しく解説するので、塾選びの参考にしてください。
①通う目的を明確にしておく
夏期講習の塾選びでは、まず通う目的を明確しましょう。
ひとくちに夏期講習といっても、塾によって授業形式・カリキュラム・費用などが異なります。目的をハッキリさせれば、どのような塾を選ぶべきかが見えてきます。
夏期講習に通う目的の具体例はこちらです。
親子で夏期講習に通う目的を決めて、各塾を比較しましょう。
たとえば受験対策をしたいのであれば、学校の授業内容のフォローを中心におこなってくれる塾よりも進学塾の夏期講習に通うほうが、目的に沿った勉強ができるでしょう。
②授業形式やサポート体制を確認する
塾によって、授業形式やサポートの体制は異なります。
塾の授業形式は、大まかに集団指導と個別指導の2つに分けられます。
【授業形式の種類と特徴】
授業形式 | 生徒数 | どんな子に向いているか |
---|---|---|
集団指導塾 | ~数十名 | ・ライバルと競いあいたい生徒 ・仲間同士で勉強したい生徒 ・自分で復習ができる生徒 ・集団でも質問できる生徒 |
個別指導塾 | 1~3名程度 | ・自分のペースで授業を受けたい生徒 ・周囲からの影響を受けたくない生徒 ・勉強したい箇所がハッキリしている生徒 ・集団授業では質問できない生徒 |
勉強の目的やお子さんの性格によって、選ぶべき授業形式は変わります。
集団指導塾の多くは、比較的ハイペースで授業が進んでいきます。意欲的に勉強したいお子さんにピッタリです。仲間の存在も勉強に集中するためのよい刺激となるでしょう。
ただし集団指導塾は、その日授業で得た知識を定着させるための復習が必要です。授業の流れに乗れないと、思うような結果が得られないお子さんもいるでしょう。
個別指導塾では、自分のペースで勉強を進められるのが利点です。苦手な部分はゆっくりと丁寧に学び、十分に理解している部分は応用問題に進むなど理解度によって柔軟な対応をしてもらえるでしょう。
また、個別指導塾では、担当講師が勉強のやり方や進路などの悩み相談にのってくれる場合もあり、生徒のよい理解者となってくれます。
③費用を確認する
夏期講習にかかる費用は塾によって異なります。集団指導塾と個別指導塾で比べると、授業料が高い傾向にあるのは個別指導塾です。
夏期講習の受講を検討する際には、夏期講習の相場や候補にあがっている塾の費用についてあらかじめ確認し比較しておきましょう。
また、塾によって実施されている夏合宿や特別講座には、多くの場合別途費用が必要となります。費用面も考えながら、お子さんとよく相談してください。
夏期講習が終わったらそのままその塾に通い続ける可能性もあるでしょう。通常授業の費用も併せて確認しておくのがおすすめです。
尚、低予算で受講したい場合は、料金割引や無料といったキャンペーンをおこなっている塾の夏期講習を選ぶとよいでしょう。
キャンペーンの利用に適用条件を設けている塾もあるので、公式サイトできちんと確認したうえで申し込んでください。
④通いやすいかどうか確認する
夏期講習で受講する授業の日程によっては、連日塾に通うようなスケジュールになることも考えられます。そのため、塾が家から遠いと通塾時間が負担になってしまいます。
予習復習の時間や休息時間を確保するためにも、家から通いやすい距離にある塾を選ぶことを意識しましょう。この点は、夏期講習後にそのまま入塾して通常授業を受ける場合、より重要なポイントとなります。
また、授業が終わる時間が夜になる場合も多いため、できるだけ安全な駅近の塾を選ぶことも意識しましょう。少し駅から離れる場合は送り迎えのバスなどがないか確認し、車での送迎も視野に入れる必要があります。
⑤複数の塾を比較する
塾を決定する際には、まず複数の候補を選びましょう。そして「通う目的」「授業形式・サポート体制」「費用」を考えつつ、比較して候補をしぼっていきます。
無料で体験授業や見学を実施している塾も多くあります。可能ならば、複数の体験授業を受けてみてください。体験や見学をせずに決めてしまうと、塾に入ってから雰囲気や講師、ほかの生徒との相性が悪いことに気が付く可能性があります。
「自宅の近くだから」「友だちが通っているから」などの安易な理由で選ばず、複数の塾を比較して自分にあったところを選びましょう。
Ameba塾探しでは、お子さんの状況にあわせた塾選びができる「ぴったり診断」を利用できます。候補の塾を探す際にはぜひご活用ください。