中学受験や高校受験、大学受験を控えた時期の転塾は、お子さんの将来を左右する重要な決断となります。
成績が伸び悩んでいる、講師との相性が合わないなど転塾を検討する理由はさまざまでしょう。
しかし、転塾のタイミングを誤ると、かえって学習に悪影響を与える可能性もあります。
本記事では中学受験・高校受験における適切な転塾タイミングについて詳しく解説します。また、現在通っている塾への転塾理由の伝え方についても失敗しないための具体的なステップをご紹介します。
転塾を繰り返すことなくお子さんに最適な学習環境を見つけるためのポイントをお伝えしますので、慎重に検討を進めていきましょう。
- 転塾のタイミング診断チェックリスト
- 診断方法と評価基準
- 転塾を積極的に検討すべきケース(「はい」が5つ以上、または学習面で3つ以上)
- 現状維持しながら改善を試みるケース(「はい」が3から4つ)
- 現在の塾で問題ないケース(「はい」が0から2つ)
- 転塾するタイミングはどのように決めるべき?中学・高校受験をそれぞれ解説
- 中学受験で転塾を検討するタイミング
- 高校受験で転塾を検討するタイミング
- 転塾を考えるきっかけ・理由
- 成績が上がらないため
- 塾の雰囲気や講師との相性が悪いため
- 授業についていけないため
- サポート体制に不満があるため
- 転塾のメリット・デメリット│慎重に判断しよう
- 転塾のメリット
- 転塾のデメリット
- 転塾する際の失敗しない塾への理由の伝え方とは
- ステップ1:感謝の気持ちを最初に伝える
- ステップ2:前向きな転塾理由を説明する
- ステップ3:円満な退塾手続きを進める
- 転塾を成功させるためのポイント・注意点
- 現在の塾で状況改善ができないか確認する
- 適切なタイミングで転塾する
- 目的を達成できる転塾先か検討する
- お子さんとしっかり話し合い意見を尊重する
- さまざまな形態の塾を比較して転塾先を選ぶ
- 転塾後の費用をチェックする
- 転塾を繰り返すことをおすすめしない3つの理由
- 1.学習の継続性が失われ、成績向上の妨げになる
- 2.お子さんの精神的な負担とストレスが増大する
- 3.根本的な問題解決にならず、同じ問題を繰り返す
- 理由と目的を整理したら転塾を進めよう!
転塾のタイミング診断チェックリスト
まずは転塾を検討する際は感情的な判断ではなく、客観的な基準で現状を評価することが大切です。
以下のチェックリストを使ってお子さんの状況を冷静に分析し、転塾が本当に必要かどうかを判断しましょう。
診断方法と評価基準
以下の12項目について、「はい」か「いいえ」でチェックしてください。「はい」の数が危険信号の数となります。
中学受験・高校受験どちらの場合でも共通して確認すべき重要なポイントをまとめています。なお、入塾から3か月以上経過してからの診断がおすすめです。
【転塾チェックリスト】
チェック項目 | はい | いいえ |
---|---|---|
1.3か月以上成績が停滞または下降している | □ | □ |
2.宿題の量が多すぎて理解する時間がない | □ | □ |
3.質問しても納得できる説明が得られない | □ | □ |
4.志望校の対策が不十分だと感じる | □ | □ |
5.塾の雰囲気になじめず、通塾が苦痛になっている | □ | □ |
6.授業のレベルが合っていない(簡単すぎる/難しすぎる) | □ | □ |
7.定期的な面談や進路指導がない | □ | □ |
8.通塾時間が長すぎて疲れている | □ | □ |
9.費用対効果に疑問を感じる | □ | □ |
10.先生との信頼関係が築けていない | □ | □ |
11.授業の振替制度が不十分で休んだ際のフォローがない | □ | □ |
12.最新の受験情報や進路情報の提供が不足している | □ | □ |
各項目は学習効果、精神的負担、将来性の3つの観点から設定しています。特に1、3、4、6の学習面に関する項目は重要度が高いためこれらで「はい」が多い場合は早急な対応が必要となります。
特に1の項目に関しては通塾している本人の勉強量にも関係するため、通っている塾が合わないのか、勉強量不足によるものかは適切な判断が必要でしょう。
転塾を積極的に検討すべきケース(「はい」が5つ以上、または学習面で3つ以上)
「はい」の項目が5つ以上、もしくは学習面の項目(1、3、4、6)で3つ以上ある場合は、現在の塾がお子さんに合っていない可能性が高いといえます。早めの転塾を検討することをおすすめします。
まず、具体的にどの部分に問題があるのかを整理してください。成績の停滞や授業レベルの不一致、志望校対策の不足など、主要な問題を明確にすることで次の塾選びの基準が定まります。
転塾先を探す際は現在の問題点を解決できる塾を選ぶことが重要です。体験授業や面談を通じてしっかりと確認してから決定しましょう。転塾のタイミングは学期の変わり目や長期休暇前が理想的です。
受験学年の場合は特に慎重な判断が必要ですが、問題が深刻な場合は思い切った決断も大切でしょう。
現状維持しながら改善を試みるケース(「はい」が3から4つ)
「はい」の項目が3から4つの場合はすぐに転塾するのではなく、まず現在の塾に通いつつ改善を試みることをおすすめします。
改善を試みて2、3か月経過しても状況が変わらない場合は転塾を本格的に検討するタイミングといえるでしょう。
また、受験学年以外で直接的な勉強面以外の項目(5、8、9、10)の該当が多い場合は、お子さんが環境自体にストレスを感じている場合が多いので転塾を検討することをおすすめします。
この期間の記録を残しておくことで次の塾選びの参考にもなりますので、日々の変化をメモしておくとよいでしょう。
現在の塾で問題ないケース(「はい」が0から2つ)
「はい」の項目が0から2つの場合は現在の塾で問題ないといえるでしょう。転塾を考える必要はなく、現在の環境で学習を継続することをおすすめします。
ただし、受験が近づくにつれて状況は変化します。
3か月に1度現在の状況を確認し、問題が生じていないか確認することが大切です。特に志望校が変わった場合や学年が上がった際は、改めて評価し直すことをおすすめします。
現状に満足することなくさらなる成績向上を目指して、家庭学習の充実や塾の活用方法の工夫を続けていきましょう。
良好な関係を保ちながら受験成功に向けて邁進することが、最終的な目標達成への近道となります。
転塾するタイミングはどのように決めるべき?中学・高校受験をそれぞれ解説
上述した診断チェックリスト以外にも、転塾のタイミングは受験の種類や学年によって大きく異なります。
適切な時期を選ぶことで、学習の連続性を保ちながら新しい環境でのスタートを切ることができるでしょう。
中学受験で転塾を検討するタイミング
中学受験における転塾はタイミングが特に重要となります。一般的に小学4年生から5年生の春期講習前後が転塾に適したタイミングといえるでしょう。
この時期であれば新しい塾のカリキュラムにも順応しやすく、基礎固めから応用まで十分な学習時間を確保できます。
一方で、小学6年生になってからの転塾は慎重に判断する必要があります。受験直前の転塾はお子さんに大きな負担をかける可能性が高いため、どうしても必要な場合は夏期講習前までに決断することをおすすめします。
転塾ブログなどでも多く語られていますが、中3での転塾と同様に受験学年での環境変化はストレスになりやすいためメリットとデメリットを十分に比較検討することが大切でしょう。
高校受験で転塾を検討するタイミング
高校受験における転塾のタイミングは中学2年生の冬期講習から中学3年生になる前が理想的といえます。
この時期であれば新しい塾で受験対策を本格的に始められるでしょう。
中3での転塾はできるだけ避けたいところですが、どうしても必要な場合は1学期中に決断することが重要です。夏期講習から新しい塾でスタートを切れれば受験までの時間を有効に活用できます。
転塾タイミングとして高校受験では、部活動の引退時期も考慮に入れる必要があります。部活動を引退してから本格的に受験勉強を始める生徒も多いため、その時期に合わせて転塾を検討するのも一つの方法でしょう。
大学受験を見据えた場合は、高校入学後の転塾も選択肢に入ります。
高校1年生の段階で自分に合った塾を見つけることで3年間を通じて計画的な学習を進められるでしょう。
転塾を考えるきっかけ・理由
転塾を考えるきっかけや理由はそれぞれ異なりますが、以下に挙げるような理由で転塾を考える方が多いのではないでしょうか。
それぞれの理由を、詳しく説明します。
成績が上がらないため
塾に通う目的は人それぞれですが、共通しているのは「成績を上げるため」という点でしょう。そのため、塾に通ってしばらくしても成績が上がらない場合は、塾に通う意味がありません。
成績が上がらない理由はケースバイケースですが、指導方法やカリキュラムがあっていない可能性があります。
塾の雰囲気や講師との相性が悪いため
塾の雰囲気や講師との相性は、勉強に打ち込めるかどうかを左右する重要な要素です。
教室の雰囲気があわず学習に集中できなかったり、講師やほかの生徒との相性がよくなく通塾のモチベーションが下がってしまう場合は、転塾を検討してみたほうがよいでしょう。
授業についていけないため
塾の授業のレベルが高く、今の学力のままではついていけない場合もあります。
自分から積極的に質問できて解決できるのであれば、状況を打破して成績を劇的に伸ばせる可能性はあります。ただし、質問することが苦手であったり委縮したりしてしまう場合は、自分にレベルがあった塾や個別指導塾への転塾も視野に入れたほうがよいでしょう。
サポート体制に不満があるため
期待したサポートが受けられないなど、不満がある場合も転塾を考えるきっかけとなりえます。
「学校のテスト対策もバッチリ」とうたっている塾でテスト対策にあまり時間を割いてもらえなかったり、日によっては質問受けをしてくれる講師が不在であったりすると、十分なサポートが受けられていないと不満を感じてしまうのも当然です。
より適切なサポートを受けられる塾を見つけるよい機会にしましょう。
転塾のメリット・デメリット│慎重に判断しよう
転塾して環境を変えることには、メリットもあればデメリットもあります。
メリットをより魅力に感じるのであれば、今すぐにでも転塾を検討するべきですが、気になるデメリットが多い場合は今一度考え直してみたほうがよいかもしれません。
すぐに転塾して後悔しないために、転塾のメリット・デメリットを詳しく説明します。
転塾のメリット
まずは、転塾するメリットを確認しておきましょう。
学習環境が変わりモチベーションが上がる
転塾して学習環境を変えることは、モチベーションアップにつながります。
とくに、あまりあわない塾に通っていた場合は、学習環境が改善されることで通塾・学習に対するモチベーションの向上が期待しやすいでしょう。
モチベーションのアップにより、これまでより積極的に授業を受け、自習室に通うなど自学自習に励み、最終的に成績アップにつながることが理想です。
子どもにあった指導方法に出会える可能性がある
お子さんの性格によって、相性がよい指導方法は異なります。
また、周囲の生徒と切磋琢磨しながら学習に励みたい場合は集団授業、疑問点が出てきた際にすぐに質問したい場合は個別指導といったように、指導方法ごとに強みは異なります。
現在通っている塾の指導方法があわず、「塾に通いたくない」「勉強したくない」という気持ちを抱いてしまっている場合でも、ほかの塾の指導であれば楽しく通塾できる可能性は十分にあります。
勉強することに対して強い苦手意識を持ってしまう前にお子さんにあった指導方法に出会えれば、この先また通塾する機会が来たときにも安心です。
Ameba塾探しに寄せられた口コミを見ると、転塾によって学習効果がある教育を受けられるようになり、その結果成績が上がったという声もあがっています。
個別対応や進学実績のよい塾へ移籍できる
今の塾のサポート体制に不満がある場合、より対応が細やかな塾を選ぶことで満足いく指導を受けられます。
また、進学実績や合格実績に対して不安を感じる場合、今よりも実績がよい塾を選ぶための転塾も可能です。「いざ塾に通ってみたら懸念点が浮き彫りになってしまった」という方にとっては、転塾によってお子さんの志望校合格に多少近づくことができるでしょう。
Ameba塾探しに寄せられた口コミのなかには、転塾先の講師の対応が良く満足しているという声が見受けられます。
転塾のデメリット
一方で、転塾するデメリットは主に以下のとおりです。
それぞれのデメリットを、詳しく説明します。
新しい環境への適応が必要
転塾すると、学習環境ががらりと変わります。
塾の立地が変われば通塾にかかる時間や通塾手段が変わりますし、教室や自習室の雰囲気が変われば慣れるまでは勉強に集中できなくなってしまうかもしれません。子どもによっては、環境の変化がストレスになってしまうことが懸念されるので、その点には注意しましょう。
教材や進度の違いで一時的に負担が増える
塾によってカリキュラムや教材、授業の進度は異なります。
転塾のタイミングによっては、元の塾ではまだ習っていない単元の学習についていかなければならない可能性もあるでしょう。また、教材の種類や使い方など、はじめのうちはさまざまな変化に対応するのがストレスになってしまう懸念があります。
受験までの学習スケジュールを再度検討する必要がある
現時点で受験までの学習スケジュールを想定している場合は、転塾によって、スケジュールの中断やずれが生じる可能性があります。
その場合は再度学習計画を組むべきですが、その時点での学力や志望校の偏差値などを踏まえた最適なスケジュールをお子さんひとりで引くことは難しいでしょう。あわててスケジュールを設計しなおすのではなく、転塾先の講師に相談してみましょう。
転塾する際の失敗しない塾への理由の伝え方とは
転塾を決断したら現在通っている塾への伝え方も重要なポイントになります。円満に退塾手続きを進めることで気持ちよく新しいスタートを切ることができるでしょう。
ステップ1:感謝の気持ちを最初に伝える
転塾の挨拶では、今までの指導に対する感謝の気持ちを伝えることが大切です。
たとえ期待した成果が得られなかったとしても、講師の方々が時間を割いて指導してくださったことは事実でしょう。
「これまでご指導いただき、ありがとうございました」という言葉から始めることで、相手も話を聞く姿勢になってくれます。転塾理由を伝える前にまずは良好な雰囲気を作ることが、円満な退塾につながるでしょう。
感謝の言葉は形式的なものではなく、具体的なエピソードを交えるとより誠意が伝わります。「苦手だった数学が少しずつ理解できるようになったのは先生のおかげです」といった具体的な感謝を述べることで相手にも納得してもらいやすくなるでしょう。
ステップ2:前向きな転塾理由を説明する
転塾理由はできるだけ前向きな内容で伝えることをおすすめします。
「成績が上がらないから」「講師と合わないから」といったネガティブな理由ではなく、「子どもの学習スタイルにより適した環境を探したい」といった建設的な理由を伝えましょう。
たとえば、集団授業から少人数授業や個別指導への転塾であれば、「子どもと相談して、大人数での授業よりも少人数での授業の方が向いていると判断しました」などと伝えることで、塾への批判ではなくお子さんに合った環境を求めての決断であることが伝わります。
また、転塾を繰り返すことを避けるためにも新しい塾で何を期待しているのかを明確にしておくことが大切です。
転塾の失敗を防ぐには理由を明確にして、それが新しい塾で解決できるかを事前に確認しておくことが大切でしょう。
ステップ3:円満な退塾手続きを進める
転塾の手続きは各塾の規定に従って進める必要があります。多くの塾では、退塾の1か月前までに申し出ることが求められるため余裕を持って手続きを始めましょう。
必要書類の提出や教材の返却など、事務的な手続きも丁寧に行うことが大切です。最後まできちんと対応することで万が一将来的に再入塾を検討する際にも、良好な関係を保つことができるでしょう。
転塾キャンペーンを利用する場合でも、現在の塾との手続きが完了してから新しい塾への入塾を進めることが重要です。二重在籍にならないようスケジュール管理をしっかりと行い、スムーズな転塾を実現させましょう。
転塾を成功させるためのポイント・注意点
別の塾への転塾を考えているものの、「今よりもよい指導が受けられるのだろうか」「今の塾の方が相性が良かったなど、失敗したらどうしよう」など不安を感じている方もいるでしょう。
転塾を成功させるために、主に以下のポイントをおさえて塾を選びましょう。
現在の塾で状況改善ができないか確認する
転塾を検討している理由によっては、現在通っている塾で状況を改善できるかもしれません。
たとえば、「成績が上がらない」という理由であれば、まず講師に相談し、授業の回数を増やしてみたり、自習室を利用する回数を増やしたりと、いくつかの打開策が考えられます。
また、「授業についていけなくなってしまった」という理由であれば、今よりもレベルが低いクラスへの打診を検討することも選択肢にあがります。
まずは「現在通っている塾を最大限に活用する」というつもりで、改善したい点を洗い出し相談してみましょう。
適切なタイミングで転塾する
転塾はタイミングが大切です。適切なタイミングを選ぶことで、スケジュールを大きく変更させることなく新しい塾での勉強をスタートさせられます。
ここで、適切なタイミングをチェックしておきましょう。
中学受験対策の塾では、季節講習では復習中心のカリキュラムが組まれることが多いので、学期が切り替わるタイミングは転塾にはぴったりです。ただし、受験学年の冬期講習は受験直前のため避け、できるだけ小学6年生になった時期の春期講習までに転塾を終えましょう。
中学生や高校生の場合も、既存の単元の学習がひととおり終わって復習や受験に向けた演習が増えてくるタイミングで転塾することで、転塾先の進度についていけず焦るという経験をせずに済みます。塾によって進度に差はあるものの、中学生の場合は中2の冬期講習から中3になる前、高校生は高2の冬期講習前後での転塾がおすすめです。
目的を達成できる転塾先か検討する
「志望校合格」や「学校の成績を上げる」など、通塾開始当初から目的にしていることが各々あると思います。
転塾するのであれば、そういった目的を次こそ達成できるよう、実績や指導方針を慎重に確認する必要があるでしょう。塾のホームページや資料、過去に通ったことがある方の口コミなどを確認することで、自分の目的に沿った指導を受けられる塾かどうか判断しやすくなります。
たとえば「Ameba塾探し」では、「口コミ・評判一覧」からそれぞれの塾の口コミや評判を確認できます。
事前にこちらで口コミを確認してから転塾先の候補を絞ることで、塾選びで失敗しにくくなるでしょう。
お子さんとしっかり話し合い意見を尊重する
転塾は子どもの意思を尊重したうえで決断することが大事です。保護者の考えだけで転塾を決めてしまうと、以下のような場合に子どもの思いとすれ違ってしまう可能性があります。
親も子どもも納得したうえで、転塾先を決定しましょう。
さまざまな形態の塾を比較して転塾先を選ぶ
今の塾で感じたことを踏まえて、あらためて子どもにあった授業形態を検討してみる必要があります。
周囲の生徒と一緒に勉強できるほうがよいと思っていたものの、いざそのような環境で授業を受けるとプレッシャーに負けそうになってしまった場合は、個別指導やオンライン授業を提供している塾を転塾先として選ぶほうがよいでしょう。
子どもの性格と授業形態にミスマッチが起きないように、できるだけ体験授業を受けるのがおすすめです。先ほども少し触れましたが、過去に通った方の口コミも授業形態が子どもにあうかどうかの重要な参考情報になります。
転塾後の費用をチェックする
転塾をしたら、あらためて転塾先の入会金や教材費が発生する点にも、注意しなければなりません。
場合によっては、授業料を含めた毎月の費用が高くなる可能性もあります。
キャンペーンや割引制度を用意している塾もあるので、費用を抑えるために利用できるものがないか確認しましょう。
転塾を繰り返すことをおすすめしない3つの理由
転塾を検討する際、最も避けたいのが短期間での転塾の繰り返し。「成績が上がらないから」という理由だけで安易に転塾を繰り返すと、かえってお子さんの学習に悪影響を及ぼす可能性があります。
複数回の転塾を繰り返すことのリスクとそれを避けるべき具体的な理由を3つご紹介します。
1.学習の継続性が失われ、成績向上の妨げになる
塾によってカリキュラムや指導方法が異なるため、転塾するたびに学習内容に抜けや重複が生じます。新しい塾のペースに慣れるまでに時間がかかるため学習効率が低下するでしょう。
特に受験学年では、この空白期間が致命的な遅れにつながる可能性があります。たとえば、数学の単元で前の塾では図形を学習していたのに新しい塾では関数を扱っている場合、お子さんは両方の単元で遅れをとることになるでしょう。
さらに、教材や問題集も塾によって異なるため慣れた学習スタイルを一から構築し直す必要があります。
このような学習の断絶が繰り返されることで本来伸ばせるはずだった実力が十分に発揮できなくなってしまうリスクがあるのです。
2.お子さんの精神的な負担とストレスが増大する
新しい環境への適応はお子さんにとって大きなストレスとなるでしょう。せっかく築いた友人関係や先生との信頼関係がリセットされ、また一から人間関係を構築する必要があるためです。
このような環境の変化を繰り返すことで勉強に集中できなくなったり、塾そのものへの不信感を抱いたりする恐れがあります。
特に思春期のお子さんにとって、安定した学習環境は心理的な安心感をもたらす重要な要素です。
転塾を繰り返すことで「どうせまた塾を変えるんだろう」という諦めの気持ちが生まれ、新しい塾でも真剣に取り組めなくなる可能性もあります。
結果として、本来の学力を発揮できないまま受験を迎えることになりかねません。このような悪循環を避けるためにも、転塾は慎重に判断することが大切でしょう。
3.根本的な問題解決にならず、同じ問題を繰り返す
成績が伸びない原因は必ずしも塾にあるとは限りません。学習習慣や家庭での復習方法、お子さんの理解度など、他の要因が影響している可能性があります。
根本原因を解決せずに転塾を繰り返しても新しい塾で同じ問題に直面することになり、結果として時間とお金の無駄になってしまうでしょう。
たとえば、家庭学習の時間が確保できていない場合、どんなに優秀な塾に通っても成果は期待できません。
転塾を検討する前に、まず現在の学習状況を客観的に分析することが重要です。お子さんと話し合い、何が問題なのかを明確にしましょう。
場合によっては、塾の先生に相談して学習方法を見直すだけで状況が改善することもあります。安易な転塾ではなく、現在の環境で最大限の努力をしてから判断することが受験の成功につながるでしょう。
理由と目的を整理したら転塾を進めよう!
今の塾がお子さんにあっていないと感じる場合、親子で話し合ったうえで転塾を検討しましょう。
転塾することで学習環境が変わってモチベーションが上がったり、より子どもにあった指導方法と出会えたりするメリットが考えられます。
一方、転塾によってこれまでの学習スケジュールが中断される可能性がある点などは、デメリットとして把握しておくべきでしょう。転塾の目的やタイミングを保護者と子どもで共有したうえで、目的にあった塾を探して、転塾手続きを進めましょう。
転塾先の塾で悩んでいる場合は、複数の塾の特徴を比較できて、それぞれの塾の口コミや評判なども確認できる「Ameba塾探し」の利用がおすすめです。口コミや評判を参考に、お子さんが後悔なく学習に打ち込める塾を見つけましょう。