高校生のなかには、大学受験のために塾に行ったほうがよいのか迷っている方もいるのではないでしょうか。
塾に通う場合、「志望大合格」というゴールから逆算して、通いはじめるタイミングを見極める必要があります。また、自分にあった学び方ができる塾を選ぶことも大切です。
この記事では、大学受験対策の塾に通いはじめるタイミングや、塾を選ぶポイントなどについて説明します。
さらに、高校生の学年別に塾に通うメリットや注意点も解説。ぜひ入塾時期の参考にしてみてください。
- 文部科学省のデータをもとに高校生の通塾率を紹介
- 大学受験のための塾はいつから通う?志望大学別におすすめの入塾時期を紹介
- 国公立大学を目指す場合
- 私立大学を目指す場合
- 志望大学が決まっていない場合
- 大学受験のために塾に通うメリットと注意点とは
- 大学受験のために塾に通うメリット
- 大学受験のために塾に通う注意点
- 【学年別】高校生が大学受験のために塾に通うメリットと注意点とは
- 【高校1年生】塾に通うメリットと注意点
- 【高校2年生】塾に通うメリットと注意点
- 【高校3年生】塾に通うメリットと注意点
- 大学受験のための塾選びを5つのポイントで紹介
- 授業形式があっているか
- 講師の質はどうか
- 大学受験に特化したコースを設けているか
- 合格実績や口コミはどうか
- 費用はどのくらいかかるのか
- 大学受験のための塾選びは「Ameba塾探し」がおすすめ!
- 大学受験のために塾に通うタイミングは目指す大学によって異なる
文部科学省のデータをもとに高校生の通塾率を紹介
文部科学省が発表した「令和3年度子供の学習費調査」によると、高校生の通塾率は、1年生:34.5%、2年生:36.8%、3年生:42.1%です。
ただし、塾に通いはじめる時期としていつが最適なのかは、志望する大学や入試の形態などによって異なります。
たとえば、国公立大学を目指すのか、私立大学を目指すのかなどによっても、塾に通いはじめるべきタイミングは異なるでしょう。
塾を決める前に、国公立大学と私立大学の入試にはそれぞれどのような特徴があり、どんな対策が必要なのかを知っておくことが大切です。
大学受験のための塾はいつから通う?志望大学別におすすめの入塾時期を紹介
先述したように、大学受験のための塾通いは、国公立大学と私立大学のどちらを志望するかによって通う時期が異なります。
ここでは、国公立・私立大学それぞれの入試の特徴を解説するとともに、入塾するタイミングについて説明します。
国公立大学を目指す場合
国公立大学の入試には、次の3つの特徴があります。
国公立大学の入試では、大学入学共通テストの得点と、各大学が実施する二次試験の得点の合計で合否判定がおこなわれるケースが一般的です。
文系・理系を問わず5教科7科目を課す大学がほとんどで、対策すべき科目が多いのが特徴です。
たとえば理系の場合、各大学の入試に必要な科目は英語・数学・理科(物理・化学・生物・地学から選択)であることが多いですが、共通テストではそれらに加えて国語・地理・歴史・公民も必要です。
また、首都圏にある国公立大学の場合、共通テストで基本的に8割程度の得点率が必要となり、高い学力が求められます。
地方の国公立大学でも、大学入学共通テストで6割以上得点していなければ二次試験に進めないことが多く、合格を勝ち取るためには、早いうちから苦手を克服しておく必要があります。
多くの科目において基礎固めをおこなうには時間がかかるため、なるべく1年生の早いうちから塾に通いはじめ、着実に勉強を進めていくのがよいでしょう。
私立大学を目指す場合
私立大学の入試には、次の2つの特徴があります。
私立大学の入試では、各大学別の個別学力検査のみで合否判定をおこないます。
必ずしも共通テストを受けなくてよいので、俗にいう「足きり」を気にする必要もありません。
また、国公立大学では文系・理系問わず幅広い知識が求められるのに対し、私立大学では3教科3科目入試が一般的です。
ただし、選抜方式や科目数は大学によって異なります。共通テストを利用した選抜方式もあれば、小論文を課す大学もあるので、早いうちから情報収集をしておくことが大切です。
基本的には、文系では「国語・地理歴史・英語」、理系では「英語・数学・理科」の組み合わせが多く、得意科目で勝負ができます。
科目数が少ない分、ひとつひとつの科目の勉強に比較的時間をかけることができます。国公立大学を目指す場合と比べると、それほど入塾を急ぐ必要はないでしょう。
とはいえ科目数が少ない分、問われる知識は深くなります。
とくに歴史系の科目は範囲が膨大であり、全範囲を学習するには時間がかかります。また、英語は一朝一夕で成績が伸びるわけではなく、語彙力やリスニング力は習得するのに時間がかかります。
苦手な科目が1科目でもある場合、高校1年生や2年生のうちに1科目だけでも塾に通い始めるほうがよいでしょう。
志望大学が決まっていない場合
漠然と大学進学を検討しているものの、志望する大学が決まっていない場合は、一度、塾の体験授業に行ってみることが望ましいです。
体験授業に行き、講師の客観的な意見を早めに聞くことで、得意科目と不得意科目を見極めやすくなります。
また、将来や進路について講師に相談する機会がもてるため、大学の選択肢を広げておくことができます。
高校3年生になってから「国公立大学を目指したい!」と決めても、慌てることなく受験に臨むことができるでしょう。
大学受験のために塾に通うメリットと注意点とは
大学受験のために塾に通うことには、メリットだけでなく注意点もあります。
塾に通い始めるタイミングによってもメリットを享受する度合いが異なるため、自分の場合はどうか見極めることが大切です。
大学受験のために塾に通うメリット
大学受験に向けて塾に通うことのメリットには、主に以下のようなことが挙げられます。
ひとりで勉強していると、「1日〇時間勉強する」「夏までに終わらせる」など、目標設定が曖昧になりがちです。
志望校に合格するためには、入試当日から逆算してスケジュールを立てることが大切です。
塾では、合格までに必要な学力がどのくらいで、今の自分には何が足りないのか教えてもらえるため、効率よく学習を進めることができます。
また、経験豊富な講師に志望大学の相談をできる点や、学校以外の仲間から刺激を受け受験当日までのモチベーションを維持しやすい点もメリットといえます。
Ameba塾探しが2022年~2023年に実施したアンケートで、「受験勉強のモチベーションを上げてくれたもの」を調査したところ、1位に「友人」が、4位に「塾の講師」がランクインしました。
受験は長期戦なので、塾に通うことでモチベーションの維持ができるのは嬉しいポイントです。
ほかにも、自宅ではなかなか集中できないという人でも、勉強するための環境が整っている自習室など、塾の施設を利用できるという点もまたメリットです。
大学受験のために塾に通う注意点
大学受験のために塾に通うことの注意点として、主に以下のようなことが挙げられます。
学習習慣が身についていない場合は、“塾に通っている”というだけで勉強をした気になり、安心してしまう可能性があります。
毎日勉強をしていると、つい本来の目的を忘れてしまいがちですが、塾は志望校に合格するための「手段」だということを意識しましょう。
与えられた課題や宿題をただこなすだけではなく、昨日と比べて何ができるようになったのか、合格には何が必要なのか、常に振り返ることをおすすめします。
また、通塾にかかる体力・精神的な負担や費用面についても、十分に検討する必要があります。
学校・塾・自宅の距離が離れていれば、それだけ移動に時間がかかってしまい、疲れて勉強に集中できない可能性があります。塾を選ぶときは、通塾の負担が少ない塾を選びましょう。
塾の費用は、塾ごとや授業形態によって異なりますが、授業料のほかに教材費や季節講習費がかかることがほとんどです。
入塾してから「こんなにかかると思っていなかった!」とならないよう、合格するまでにどのくらい費用が必要か、前もって試算しておきましょう。
大学受験に必要な費用については、下記の記事をご覧ください。
【学年別】高校生が大学受験のために塾に通うメリットと注意点とは
高校生が大学受験のために塾に通うことのメリット・注意点について説明しました。
ここからは、さらに学年別に詳しく解説していきます。
【高校1年生】塾に通うメリットと注意点
塾に通うことで毎週決まった曜日の決まった時間は塾で勉強することになります。また、塾で出された課題を家でこなすため自宅でも勉強する必要があり、自然と学習習慣が身につきます。
また、早めに塾に通うことで苦手な科目を早期から克服できることも、メリットのひとつです。
とくに、高校数学でつまずく人の多くは中学の数学を理解できていなかったり、論理的思考のトレーニングが足りていなかったり高校数学でつまずく人の多くは中学の数学を理解できていなかったり、論理的思考のトレーニングが足りていなかったりする場合があります。
数学のように、暗記では太刀打ちできない科目は、高校1年生のうちから取り組むのがおすすめです。
志望大学が明確な人は、高校1年生のうちから特定の科目に集中して勉強できるので、より多くの時間を受験勉強に費やすことができます。
推薦のために内申点を上げる対策を打つこともできるでしょう。
一方で、高校に入ったばかりでは、「大学受験」というものに対してまだ実感が持てないケースも多く、そのような状態で勉強のモチベーションを維持するのは大変です。
また、当然ですが、長く塾に通う分、総合の費用が高くなりやすいのもデメリットでしょう。
高校1年生の間は学校の授業や部活動に慣れることに精一杯で、塾が大きな負担となる場合もあります。
体育祭や文化祭などの学校行事も、心身の健やかな成長に欠かせない大切な要素です。塾に通う場合は、授業を詰め込みすぎず、バランスよく勉強に取り組めるように工夫しましょう。
【高校2年生】塾に通うメリットと注意点
高校1年生の間は基礎的な学力を向上させるための授業が多いですが、高校2年生からは受験を意識した内容の授業が少しずつ増えてきます。
学校の授業形式とは異なる、大学受験に特化した形式の授業を早くから受けられることは、塾に通う大きなメリットのひとつです。
また、高校2年生は、高校3年生のクラス編成に向けての科目選択もある場合が多く、進路について悩みやすい時期でもあります。
具体的な志望校が決まっていなくても、国公立と私立のどちらを受験するか決めておけば、受験に必要な科目を把握できます。塾では、受験の方向性や志望校を決めるための相談もできるので、塾に通う場合はぜひ活用しましょう。
一方で、高校2年生は部活動を含め学校では中心的な役割を担う時期でもあります。
とくに、高校3年生が部活を引退する夏以降は、2年生が部の全体を引っ張る必要があります。
学校生活がもっとも充実する時期に塾に通いはじめると、スケジュール過多で疲れてしまうことや、精神的に負担となってしまう可能性もあります。
【高校3年生】塾に通うメリットと注意点
高校3年生から塾に通う場合は、「基礎が固まっていること」「志望校や科目がある程度絞られていること」が前提になります。
志望校が決まると受験に必要な科目を集中して学習できるので、より重点的な対策をおこなうことができます。
夏以降は部活動に割く時間も徐々に減っていき、学校でも授業時間が少しずつ減っていくことも多いなかで、受験のみに集中して勉強することが可能です。
受験まで残り1年を切ることになるため、「あと〇か月頑張れば…!」とゴールが見えている状態で集中して勉強できることも、メリットといえるでしょう。
一方で、塾に通いはじめるまで自分なりに受験向けの勉強をおこなってこなかった場合、基礎が固まっていないことも十分考えられます。
受験に必要な科目数によっては高校3年生からでも基礎固めが間にあうこともありますが、体調不良や思わぬトラブルで思うように勉強を進められなければ、受験に間にあわないということもあり得ます。
また、塾に通いはじめてから講師との相談などで進路変更の必要性を感じた場合、1年生や2年生であればまだ修正は容易ですが、3年生になってからの進路を変更するのはなかなか厳しい場合が多くなります。
大学受験のための塾選びを5つのポイントで紹介
大学受験の塾を選ぶ際は、以下に挙げる5つのポイントをチェックするようにしましょう。
授業形式があっているか
塾の授業形式は、主に「集団授業」と「個別指導」、「映像授業」に分けられます。
「集団授業」の塾は、学校の授業のように複数の生徒に対して1人の講師が授業をおこなう形態です。
ほかの生徒と切磋琢磨できる、テストや模試などで自分の学力を客観的に把握しやすいといったメリットがある一方で、個人の習熟度や理解度を考慮せずに授業が進むことや、プレッシャーを感じやすいことなどは注意点となります。
周りからの刺激やライバルの存在、また仲間と励ましあうことによってやる気がでる人が集団授業に向いていると言えます。
「個別指導」の塾は、1~2人の生徒に対して1人の講師が授業をおこなう形態です。
カリキュラムを柔軟に組んでもらえる、授業時間の変更などにも対処してもらいやすい、その都度質問がしやすいといったメリットがある一方、周囲からの刺激を受けにくい、講師との相性が悪いと学習の効果が出にくいといった注意点があります。
比較的勉強が苦手で基礎学力が付いていない人や、集団の授業のなかでは質問がしにくい性格の人は、一人ひとりにあわせた指導をしてくれる個別指導の塾が向いているといえます。
「映像授業」の塾には、あらかじめ録画した映像を配信する形態と、リアルタイムで授業を配信する形態があります。
時間に融通が利きやすく、住んでいる地域を選ばないといったメリットがあります。その一方で、自宅での学習習慣が身についていない場合は、保護者の方から声かけをするなどのサポートが必要です。
また、実際に塾に行って対面で指導を受ける場合に比べて、勉強のモチベーションが維持しにくい可能性があるなどの注意点もあります。
自宅や学校の近くに塾がない人や、塾への行き帰りに時間をかけたくないという人に向いている授業形式です。
どの授業形式にもそれぞれメリットや注意点があるため、自分にあっていると思う形式の塾を選ぶことが重要です。
講師の質はどうか
塾を選ぶ際には、担当の講師が「プロの専任講師」と「アルバイト講師」、どちらであるかも確認しておきたいポイント。
学生のアルバイト講師は、年齢が近く質問しやすい、親しくなりやすいといったメリットがあります。実際に受験に成功を経験しているので、実体験に基づいた成功法や対策を教えてもらえる点も魅力です。
プロの専任講師は、塾で使うテキストを作ったり参考書を執筆したりしている場合があり、その科目について深い知識を持っています。
また、生徒を飽きさせないように授業の途中で小話を入れるなど、教え方のスキルも持っているため、生徒が楽しく講義を受けられます。
塾によっては、授業はプロの専任講師、質問は学生のアルバイト講師と分かれているケースもあるため、事前に確認するのがおすすめです。
個別指導の塾を選ぶ場合、講師との相性がよくなかった場合に変更ができる制度があるかどうかも、事前に確認しておくと安心です。
大学受験に特化したコースを設けているか
塾によっては「京大特選コース」「早慶上智突破コース」などのように、特定の大学・大学群に特化した授業を設けているところがあります。
受験したい大学が決まっているのであれば、志望大学に特化した授業をおこなっている塾を選ぶか、ない場合は志望校の特徴にあうコースがある塾を選ぶのもおすすめです。
志望大学がおおよそでしか決まっていない場合も、「国公立理系」「私立文系」などのコースを選ぶのもよいでしょう。
合格実績や口コミはどうか
合格実績も、塾選びで重要な要素のひとつです。目指したい大学に多くの生徒を送り出している塾には、その分ノウハウも多く蓄積されていると考えられます。
その塾に通っている(いた)人の口コミなどの評判も大切な判断材料です。実際に通っている友人がいる場合は、直接聞いてみるとよいでしょう。
口コミを確認することで、相談のしやすさや授業の分かりやすさなど、実際に通ってみないと分からない情報を知ることができる、ミスマッチを防ぐことができます。
費用はどのくらいかかるのか
塾に通えば、当然ながら費用が発生します。毎月の授業料や教材費だけでなく、長期休みには夏期講習・冬期講習の費用も必要なため、月謝だけで判断するのではなく、ほかの出費も踏まえて年間トータルの費用を考えることが大切です。
費用が高ければ高いほどよい塾というわけではないため、目的を明確にして塾選びをおこなうことを心がけましょう。
大学受験にかかる塾費用については、下記の記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
費用を抑えたい場合は、受講科目数を絞る、オンライン塾を利用するといった選択肢も有効です。
大学受験のための塾選びは「Ameba塾探し」がおすすめ!
大学受験のための塾は、自分の性格や志望大学にあった塾を選ぶことが重要です。
そのためには、ひとつの塾ではなく複数の塾を比較・検討することが大切です。
全国展開する大手塾から地元密着型の個人塾まで選択肢が多いため、どの塾を選べばよいかのか悩んでしまうこともあるでしょう。
そんなときに役立つのが、塾・学習塾の検索サイト「Ameba塾探し」です。
Ameba塾探しでは、個別指導や集団授業、映像授業などの授業形式のほか、地域、費用、カリキュラムなどさまざまな項目から塾を比較できます。
各種予約申込数や表示回数などをもとに算出された独自のランキングや、自分にあう塾を診断してくれる「ぴったり塾診断」も用意されているため、自分に最適な塾を選べます。
塾選びで悩んでいる場合は、ぜひ「Ameba塾探し」を利用してみてください。
大学受験のために塾に通うタイミングは目指す大学によって異なる
大学受験のために塾に通いはじめるタイミングは、国公立・私立大学など目指す大学によってよって変わります。
塾に通うタイミングはなるべく早いほうが望ましいですが、高校1年生から通い始めてもモチベーションの維持が難しい場合もあります。
自分なりにベストのタイミングを探って通うことを心がけましょう。
大学受験のための塾を選ぶポイントなども参考に、ぜひ自分にあった塾を選んでください。