「オンライン塾って本当に効果があるの?」「うちの子には意味がないのでは?」
お子さんをオンライン塾に通わせている、または通塾を検討している保護者の方のなかには、このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
画面越しの授業では講師とのコミュニケーションが取りづらく、自宅という環境では集中力が続かないなど、対面式の塾とは異なる課題があるのも事実です。
しかし、塾選びでもっとも大切なのはオンライン塾そのものの良し悪しではなく、お子さんの性格や学習スタイルにあった環境を選ぶことです。
本記事では、オンライン塾は意味がないと感じてしまう具体的なケースや、その対処法をご紹介します。お子さんにあったオンライン塾の選び方や、オンライン塾以外の学習方法についても詳しく見ていきましょう。
- オンライン塾は意味がないと感じてしまうケース
- 学習のモチベーションが上がらない
- 十分な費用対効果が得られない
- サポートやコミュニケーションが不足している
- オンライン環境での受講に不安がある
- オンライン塾があわない・向いていない子の特徴
- ライバルと切磋琢磨しながら学習したい子ども
- 学習意欲がない・モチベーションが低い子ども
- 学習習慣が身についていない子ども
- 子どもにあったオンライン塾の選び方
- ①塾の種類が子どもにあっているか
- ②質問などのコミュニケーションが取りやすいか
- ③充実したサポート体制が設けられているか
- ④塾の指導方針や講師の指導力が十分か
- ⑤予算以内の費用で通えるか
- オンライン塾以外の学習方法
- 対面の集団授業塾や個別指導塾|手厚いサポートや切磋琢磨できる環境
- 家庭教師|一人ひとりに寄り添った丁寧な指導
- オンライン家庭教師|比較的安い料金で家庭教師の指導が受けられる
- 通信教育|自分のペースで学習を進めやすい
- お子さんの性格を理解して適切な学習環境を選ぼう
オンライン塾は意味がないと感じてしまうケース
オンライン塾は便利な学習環境ですが、対面式と異なる特徴から「意味がない」と感じてしまう場合があります。具体的なケースと対処法を見ていきましょう。
学習のモチベーションが上がらない
オンライン塾では、タブレットやスマートフォン、PCを介して授業を受けるため、学習環境が従来の塾とは大きく異なります。
対面の塾では、講師との直接的なコミュニケーションを通じて質問がしやすく、同じ目標をもつ仲間と共に学ぶことでモチベーションを維持しやすい環境があります。
一方で、オンライン塾は自宅で一人を進めなければならず、お子さんによっては気が散りやすい環境といえます。とくに自己管理が苦手なお子さんは、画面越しの授業にただ参加しているだけで積極性をもつことが難しいケースがあります。
お子さんがモチベーション低下に悩んでいる場合は、まず親子で話し合うことが大切です。学習スペースを工夫したり、受講時のルールを決めたりするなどの環境改善を試みても効果がなければ、対面式の塾への転塾も検討してみましょう。
大切なのは、お子さん自身が「学びたい」と思える環境を整えることです。
十分な費用対効果が得られない
オンライン塾は、対面の塾と比較すると月謝が安価な傾向にありますが、年間の合計費用は決して少なくない教育費になります。
期待していた成績向上や学力アップが見られない状況が続くと「お金を払って通わせる意味があるのだろうか」と疑問を感じてしまうこともあるでしょう。こうした不満を解消するためには、まず塾側とのコミュニケーションを大切にすることが重要です。
多くのオンライン塾では定期的な保護者面談の機会を設けており、お子さんの学習進捗状況を共有しています。面談では積極的に質問し、現状の課題や改善点について率直に相談してみましょう。カリキュラムの見直しや学習方法の調整によって、状況が好転する可能性があります。
十分な時間を費やしても期待する効果が得られない場合は、お子さんの学習スタイルによりあった別のオンライン塾や対面指導を取り入れた塾への転塾も視野に入れましょう。
サポートやコミュニケーションが不足している
タブレットやスマートフォンといったデジタル機器を通じて授業を受けるオンライン塾では、対面式と比べて講師とのコミュニケーションが取りにくいと感じる場合があります。画面越しでは質問のタイミングがつかみづらかったり、理解度を講師に伝えづらかったりするでしょう。
オンライン塾のなかには、週に1回個別面談の時間を設けるなど、積極的にコミュニケーションの機会を確保している塾もありますが、すべての塾がそうした体制を整えているわけではありません。
とくに不登校のお子さんなど、学校以外の学習環境を重視している場合は、オンライン塾でのサポート体制が学習継続の大きな鍵です。入塾前に説明されたサポートが実際には受けられていないと感じるなら、遠慮なく塾側に現状を伝え改善を求めましょう。
サポート内容に問題がなくても実際には不十分と感じる場合は、保護者自身が学習サポートを補う必要が出てきます。ただし家庭での対応には限界があるため、最終的には子どもの学習スタイルにあったサポート体制がある塾を探し直すことも選択肢のひとつです。
オンライン環境での受講に不安がある
オンライン塾は自宅でタブレットやスマートフォン、PCを通じて授業を受けるため、インターネット環境が必要です。
ネット上にはSNSや動画サイトなど、学習の妨げとなる誘惑が数多く存在し、クリックひとつで授業画面から別のサイトに移れてしまう環境は、保護者にとって大きな懸念です。
さらに、長時間液晶画面を見続けることによる視力低下や、姿勢の悪化といった健康面への影響も無視できません。
こうした不安を解消するためには、家庭でのルール作りが大切です。授業時間外のインターネット利用時間を明確にしたり、学習専用のデバイスを用意したりすることで、メリハリのある学習環境を整えられます。
オンライン塾があわない・向いていない子の特徴
すべての学習方法には相性があり、オンライン塾も例外ではありません。お子さんの性格や学習スタイルによって、効果が十分に得られない場合があります。
以下の特徴を確認し、お子さんに適した学習環境を見つけていきましょう。
ライバルと切磋琢磨しながら学習したい子ども
対面式の集団授業塾では、同学年で似た学力レベルの生徒がひとつの教室に集まり、良きライバルとして刺激しあいながら学習できます。
「あの子には負けたくない」「みんなも頑張っているから自分も」という競争意識が、学習への原動力となる子どもは少なくありません。
しかし、オンライン塾の性質上、基本的に一人で画面に向かって授業を受ける形式となります。同級生の存在を感じたり、休憩時間に勉強の話をしたりする機会がほとんどないのです。
なかにはオンライン上でグループ学習を取り入れている塾もありますが、対面で得られる刺激とは質が異なります。
もし、お子さんが周囲に刺激されるタイプであれば、オンライン塾よりも対面式の集団授業塾のほうが学習効果を期待できる可能性があります。
学習意欲がない・モチベーションが低い子ども
オンライン塾の授業は画面越しでの受講となるため、受け身の姿勢になりがちです。
講師の目が直接届かない環境では、自発的な学習意欲がない子どもは気が散りやすく、授業内容が頭に入ってこないことも多くなります。
とくに、保護者に言われて仕方なく勉強している状態の子どもにとって、自己管理が求められるオンライン塾はハードルが高いといえるでしょう。
対面授業では講師が生徒の様子を見て声かけが可能ですが、オンライン環境ではその機会が限定されてしまいます。
一方で、明確な目標を持ち、自ら学習計画を立てて取り組める子どもは、オンライン塾の自由度の高さを活かすことができます。隙間時間を有効活用したり、自分のペースで復習したりすることで、効率的な学習が可能になるのです。
お子さんが「なぜ勉強するのか」目的意識を持てていない場合は、まずは学習の動機づけから始めることが大切です。無理にオンライン塾に通わせるよりも、お子さんの学習意欲を高める環境作りを優先してみましょう。
学習習慣が身についていない子ども
学習習慣が確立されていない子どもの場合、オンライン塾の授業時間だけが唯一の勉強時間になってしまいがちです。
授業前後の予習・復習まで自主的に取り組むことは難しく、学習効果が限定的になってしまうでしょう。対面授業と異なり、講師が直接声をかけて学習を促す機会が少ないため、自己管理能力が問われます。
サポート体制が整ったオンライン塾なら、個々の学習状況に応じたカリキュラムを提案してくれる可能性はあります。しかし、根本的な学習習慣の形成には家庭での取り組みも不可欠です。
まずは毎日決まった時間に宿題をする、短時間でも机に向かうなど、小さなことから始めてみましょう。それでも自宅学習が定着しない場合は、対面の個別指導塾のような、より密接なサポートが受けられる環境を検討しましょう。
気になる塾があれば、まずは体験授業を受けてお子さんとの相性を確認することをおすすめします。
子どもにあったオンライン塾の選び方
塾選びでもっとも重要なのは、お子さんの性格や学習スタイルとの相性です。
オンライン塾にもさまざまなタイプがあるため、お子さんに最適な学習環境を見つけるためのポイントを確認していきましょう。
①塾の種類が子どもにあっているか
オンライン塾は双方向型、ライブ配信型、オンデマンド型の3種類に分けられます。
双方向型は主に個別指導形式の塾で採用されており、講師とリアルタイムで質疑応答をおこないます。
ライブ配信型は、授業映像をリアルタイムで配信する授業のこと。実際の授業のように配信時間が決まっており、授業を教室で受けるか自宅で受けるかだけの違いなので、対面式授業を受けるときと同じような感覚で授業を受けることができます。
オンデマンド型は、あらかじめ収録されている授業の映像を生徒が視聴するタイプの授業のこと。時間にとらわれず授業動画を見ることができ、わからないところがあれば、その箇所を繰り返し視聴することができます。
お子さんの性格や学習スタイルによって、適した授業形式は異なります。たとえば、積極的に発言できる子どもなら双方向型の授業が向いていますし、じっくり考えて理解しい子どもには録画授業が適しているかもしれません。
まずはお子さんの特性を把握し、それにあった授業形式を選ぶことが成功の鍵となります。 多くのオンライン塾では無料体験授業を実施しているので、実際に受講してみてお子さんの反応を確認することをおすすめします。
②質問などのコミュニケーションが取りやすいか
オンライン塾での学習では、疑問点をすぐに解消できる環境が学習効果を大きく左右します。
画面越しの授業では対面よりも質問のハードルが高くなりがちですが、チャット機能やメッセージアプリを活用し、気軽に質問できる仕組みを整えている塾も増えています。
授業中にリアルタイムで質問を受け付ける塾もあれば、授業後に個別で質問時間を設けている塾もあるでしょう。
お子さんの性格によって、適したコミュニケーション方法は異なります。人前で質問するのが苦手な子どもには、個別にメッセージで質問できる環境が向いているかもしれません。一方で、その場ですぐに疑問を解決したい子どもには、授業中に即座に質問できるシステムが適しているでしょう。
質問への回答スピードや講師の対応の丁寧さも重要なポイントです。疑問を残したまま次の単元に進むと、理解の遅れにつながる可能性があります。
入塾前に質問対応の体制について詳しく確認し、お子さんが安心して質問できる環境かどうかを見極めることが大切です。
③充実したサポート体制が設けられているか
オンライン塾で継続的な学習効果を得るためには、授業以外のサポート体制も大切な役割を果たします。
学習計画の作成支援や進捗管理、定期的な模擬試験の実施など、総合的なバックアップ体制が整っている塾を選びましょう。とくに受験対策では、志望校の傾向分析や個別の学習戦略が必要となるため、きめ細かなサポートが欠かせません。
また、オンライン自習室の設置も注目すべきポイントです。自宅学習では集中力を保つのが難しい場合もありますが、画面越しにほかの生徒と一緒に学習する環境があれば、適度な緊張感を持って勉強に取り組めます。
保護者向けの相談窓口や定期的な面談機会も、お子さんの学習状況を把握するうえで重要です。学習の悩みや進路相談に専門スタッフが対応してくれる塾なら、家庭での不安も軽減されるでしょう。
サポート体制の充実度は塾によって異なるため、入塾前に具体的な内容を確認することが大切です。
④塾の指導方針や講師の指導力が十分か
塾の指導方針は学習効果に直結する大切な要素であり、オンライン塾選びの際に確認すべきポイントです。
演習中心のカリキュラムを採用する塾もあれば、基礎からじっくり理解を深める方針の塾もあります。お子さんの学習目的や現在の学力レベルにあった指導方針を選びましょう。
公式サイトやパンフレットで指導理念を確認するだけでなく、実際の授業の流れや教材の質も重要な判断材料となります。
講師の指導力や相性は、とくに個別指導型のオンライン塾では学習成果を大きく左右する要素です。経験豊富な講師陣が在籍しているか、研修制度が充実しているかなども確認しておきましょう。
可能であれば体験授業を受けて、講師の説明のわかりやすさや、お子さんとのコミュニケーションの取り方を観察してみましょう。お子さん自身が「この先生となら頑張れそう」と感じるかどうかも、重要な判断基準です。
⑤予算以内の費用で通えるか
オンライン塾は一般的に対面式の塾より料金が抑えられている傾向にありますが、それでも長期的な教育投資として考えると決して小さな出費ではありません。
基本料金だけでなく、教材費や追加オプション、季節講習費なども含めた総額で検討することが重要です。魅力的なカリキュラムやサポートに惹かれて次々とオプションを追加していくと、想定以上の金額になってしまうこともあるでしょう。
継続的な学習が学力向上の鍵となるため、無理のない範囲で支払いを続けられるかどうかが大切なポイントとなります。授業の回数や時間、受講科目数によって料金が変動する場合も多いので、お子さんに必要な学習量と予算のバランスを慎重に見極めましょう。
また、兄弟割引や長期契約割引など、各種割引制度の有無も確認してみてください。料金体系が明確で、追加費用が発生する条件が事前に把握できる塾を選ぶことで、家計をコントロールしやすくなります。
オンライン塾以外の学習方法
オンライン塾があわない場合でも、ほかに対面塾、家庭教師、通信教育などさまざまな選択肢があります。
費用面や学習スタイルに応じて、お子さんに最適な学習環境を見つけていきましょう。
対面の集団授業塾や個別指導塾|手厚いサポートや切磋琢磨できる環境
対面式の塾は、講師と生徒が同じ空間で授業をおこなうため、きめ細かい指導とサポートが受けられる点が大きな魅力です。
集団授業塾では、同じ目標をもつ仲間と切磋琢磨しながら学習できる環境があり、競争意識がモチベーション向上につながります。
個別指導塾では、お子さんの学力や性格にあわせたオーダーメイドの指導が可能で、苦手分野の克服に効果的です。
対面の場合は講師が生徒の表情や反応をリアルタイムで確認できるため、理解度に応じた適切なフォローができるのも大きなメリットといえるでしょう。
一方で、通塾に時間がかかることや、保護者の送迎が必要な場合があることなど、物理的な制約もあります。
費用面では施設維持費や人件費が反映されるため、オンライン塾と比較すると月謝が高めに設定されていることも少なくありません。
お子さんの性格や学習スタイルを考慮し、費用対効果を検討したうえで選択することが大切です。
家庭教師|一人ひとりに寄り添った丁寧な指導
家庭教師であれば、自宅にいながら対面での個別指導が受けられます。
講師がお子さんの理解度や性格を深く把握し、完全にカスタマイズされた指導をおこなうため、学習効果が高い点が特徴といえます。
オンライン塾では画面越しのやり取りに限定されますが、家庭教師なら隣に座って一緒に問題を解きながら、つまずきポイントを即座に発見・解決できるでしょう。また、家庭の雰囲気のなかでリラックスして学習できるため、緊張しやすいお子さんや不登校のお子さんにも適しています。
保護者との連携も密に取れるため、学習状況を細かく把握できる点もメリットです。
一方で、完全個別指導という性質上、費用はオンライン塾や集団塾と比較して高額になる傾向があります。相性のよい講師を見つけるまでに時間がかかる場合もあるでしょう。
しかし、お子さん一人ひとりの個性や学習ペースに完全にあわせた指導は、ほかの学習方法では得られない価値があります。
オンライン家庭教師|比較的安い料金で家庭教師の指導が受けられる
オンライン家庭教師は、従来の家庭教師の個別指導のよさとオンライン学習の利便性を組みあわせた学習方法です。
マンツーマンでの指導が受けられるため、オンライン塾で課題となりがちなコミュニケーション不足やサポート体制の弱さを補うことができます。講師と一対一で向き合えることで、質問のしやすさや理解度の確認がスムーズになり、お子さんのペースに完全にあわせた授業展開が可能です。
対面の家庭教師と比較すると交通費が不要なため、料金を抑えながら質の高い個別指導を受けられる点が大きなメリットといえます。全国から相性のよい講師を選べるため、選択肢の幅が広いのも魅力です。
一方で、画面越しでの指導となるため、対面の家庭教師ほどの細やかな観察は難しい面もあります。インターネット環境に依存するため、通信トラブルが学習の妨げになることもあるでしょう。
オンライン塾でモチベーション維持が難しいお子さんには、講師との密接な関係性が築けるオンライン家庭教師も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
通信教育|自分のペースで学習を進めやすい
通信教育は、送られてくる教材を使って自宅で自分のペースで学習を進める方法で、オンライン塾よりもさらに費用を抑えられます。
毎月届く教材は体系的にカリキュラムが組まれており、基礎から応用まで段階的に学習できる点が特徴です。
オンライン塾のような授業時間の制約がないため、部活動や習い事で忙しいお子さんでも空いた時間を活用して学習を進められます。また、タブレット学習教材であれば動画解説やゲーム要素を取り入れた学習も可能で、楽しみながら勉強に取り組めるでしょう。
一方で、講師による直接指導がないため、分からない問題に直面した際のサポートが限定的になる点はデメリットです。オンライン塾でコミュニケーション不足が課題だった場合、通信教育ではさらにその傾向が強まる可能性があります。
しかし、自己管理能力が高く、自分のペースで学習を進めたいお子さんにとっては、通信教育の自由度の高さは大きなメリットとなりえます。保護者のサポートが可能な環境であれば、オンライン塾の代替として十分に機能する学習方法といえるでしょう。
お子さんの性格を理解して適切な学習環境を選ぼう
オンライン塾は便利な学習環境ですが、お子さんの性格や学習スタイルによっては「意味がない」と感じることもあります。
モチベーション低下、費用対効果への不満、サポート不足など、さまざまな課題が生じる可能性があるでしょう。
大切なのは、お子さんの特性を理解し、適切な学習環境を選ぶことです。オンライン塾があわない場合は、対面塾や家庭教師、通信教育など、ほかの選択肢も検討してみましょう。お子さんに最適な学習環境を見つけることが、学力向上の第一歩です。
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