新型コロナウイルスの影響により、講義を自宅で受講できるオンライン授業に注目が集まっています。また、オンライン授業は予備校や校舎への移動時間が発生しないため、今までの通学時間を勉強に費やすことが可能です。
本記事では、オンライン授業が注目されている理由や、メリットやデメリットをご紹介します。加えて、編集部がおすすめするオンライン授業サービス4つもまとめています。サービスの特長や費用についても掲載していますので、オンライン授業を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
今オンライン授業が注目されている!その背景や理由とは
全世界で猛威を振る新型コロナウイルスの影響にともない、リモートワークが推進されるとともに、遠隔地にいながら授業を受けられるオンライン授業が注目されています。
生徒が同じ教室で授業を受けるスタイルが当たり前であり、長らく変化をしなかった教育業界に一体どんな変化があったのでしょうか。まずはオンライン授業が注目されている背景や理由について解説します。
通信技術の発達
近年、各家庭のインターネット環境の整備が進んでいることが、オンライン授業が注目される理由のひとつとなっています。光回線が普及し、Wi-fiルーターなどが各家庭に導入されたことで、動画の視聴やファイルの送受信を安定しておこなえるようになったのです。
また、新たな通信技術として注目を集める5Gによって、さらに快適な通信環境でのオンライン授業の実施が期待されています。
たくさんの情報を高速で伝えられる通信技術が発達すれば、大人数での双方向通信が可能となったり、同時接続による映像の遅延がなくなったりと、より発展的なオンライン授業環境が構築されることができるでしょう。
都心と地方との教育現場のギャップの解消
オンライン授業は、都心と地方との教育現場のギャップ解消も期待されています。たとえば、離島や地方に住んでいる生徒の場合、受験勉強のために何時間もかけて遠い学習塾や予備校に通う必要がありますが、オンライン授業では、スマートフォンやタブレット、PCがあれば、いつでもどこでも充実した学習を受けられます。
オンライン授業なら生徒が遠い距離を移動する必要がないので、塾や予備校までの移動時間を勉強時間に置き換えることができます。また、自宅での学習がメインになることで、交通費が削減され、保護者への経済的な負担を軽減できるのです。
また、オンライン授業ならではの大きなメリットのひとつとして、場所や時間を問わず同じ授業内容を受けられるという点が挙げられます。オンライン授業であれば、地方在住の方や夜型の生活リズムで暮らす方でも、有名講師による授業を受講することができるのです。
生涯学習の時代へ
オンライン授業は、近年注目される「生涯学習」という考え方にも合致した学習スタイルです。たとえば、大人になってから大学受験をしたい方や、資格取得のために勉強したいと思っている方も、オンライン授業を活用すれば年齢や場所・目的を問わず学習に取り組めるのです。
オンライン授業の活用から考えられるメリットとデメリット
オンライン授業は、通信規格の発展や教育環境の整備、生涯学習の考え方の変化から、全国で導入されはじめています。ここからは、オンライン授業についてさらに理解を深めるために、メリットとデメリットを解説していきます。
オンライン授業のメリット5つを解説
オンライン授業のメリットは、下記の5項目が挙げられます。
それぞれの項目について、既に実施されているサービスの具体例を挙げながら詳しく解説していきます。
1.学習に対するコストを抑えられる
オンライン授業は、経済的な負担が少ないというメリットがあります。大人数制の授業をおこなう予備校や塾では、入塾料や授業料が数万から数十万にもなるケースもみられますが、オンライン授業は塾や予備校と比較してリーズナブルな価格で受けられるのです。
たとえば、Z会大学受験生向けコースは、12ヶ月一括払いで支払った場合、1ヶ月あたり5,082円(税込)で受講可能となっており、一般的な予備校の月額の3分の1程度の料金で受講することができます。
2.場所や時間にとらわれず学習できる
オンライン授業の魅力のひとつとして、スマートフォンやタブレット、PCを利用して授業を受けることから、場所や時間にとらわれず、いつでもどこでも学習できる点が挙げられます。
一般的な学習塾や予備校は、学校が終わってから通うことになるので、どうしても帰宅時間が遅くなってしまいます。仕事の都合上、送り迎えができない保護者の方は、お子さんの帰り道に不安を抱くこともあるでしょう。
しかし、オンライン授業なら自宅で授業を受けられるので、事件や事故に巻き込まれる心配はありません。また、通学のために必要な交通費もかからないので、経済的な負担も軽減できる点も嬉しいですね。
3.個々の習熟度に合わせて自分のペースで進めることができる
一般的な大人数制の授業では、先生へ質問するタイミングを見失った結果、不明点を質問・解決できないまま授業が進んでしまうこともありますが、オンライン授業であれば、生徒一人ひとりの習熟度に合わせた学習が可能です。
たとえばスマイルゼミの場合、専用タブレットの問題から単元ごとの理解度を判定し、苦手克服できるための問題を配信します。どこまでさかのぼって学習すべきなのかも判断してくれるので、不明点がそのままにならず、基礎から応用まで網羅できるのです。
4.画像や動画を活かした学習ができる
オンライン授業は映像と音声で講義をおこなうため、プリントによる問題や講師の口頭説明よりも学習内容を捉えやすい学習形式となっています。たとえば英語では、先生が話す言葉を何度も繰り返して視聴することでリスニング・スピーキング能力の両面を高められるほか、一時停止することで重要な箇所をじっくりとノートにまとめることもできます。
たとえばスタディサプリが配信する授業では、先生が黒板の前で収録をおこなっています。これにより、先述のメリットに加えて「座席によって見づらい」といった教室授業のデメリットが解消されていることも嬉しいポイントとなっています。
5.保護者が進捗をチェックしやすい
小中学生のお子さんを持つ保護者の方のなかには、「子どもがスマートフォンやタブレットに夢中になって、ちゃんと勉強しているか不安になる」という悩みを抱えている方もいらっしゃると思います。
小中学生向けのオンライン授業サービスでは、保護者が生徒の学習状況を把握できるシステムも用意されています。
たとえば、スマイルゼミの場合、科目の取り組み状況や科目ごとの点数が可視化された情報を保護者がスマートフォンで確認できるので、「ちゃんと勉強しているの?」と厳しく問いかける必要もありません。
オンライン授業のデメリット4つ
ここまで、オンライン授業のメリットについて振り返ってきましたが、オンライン授業の受講を検討する際には、注意点やデメリットについても留意しておくことが大切です。
オンライン授業のデメリットとしては、下記の4項目が挙げられます。
ここからは、それぞれのデメリットについて詳しく解説するとともに、オンライン授業サービスを提供する各社が取り組むデメリットの解消法や、ユーザー側でおこなえる対処法などをご紹介していきます。
1.ネット環境の整備の手間や回線トラブルが発生する可能性がある
インターネット環境が整備されていない場合、通信機器によっては回線トラブルが生じ、学習中に通信が途切れることも考えられます。また、Wi-Fiを利用するために、ルーターを購入したり、機種と回線を繋げたりする作業も必要です。
こうした点に配慮して、オンライン授業を展開しているスマイルゼミでは、入会前にWi-Fiなどの通信環境の確認をおこなうサービスを提供しており、快適な学習環境を構築したうえで、オンライン授業を受けることができます。
2.長時間の使用で目や耳が疲れやすい
オンライン授業は、スマートフォンやタブレット、PCを利用した授業形式であるため、長時間使用していると、液晶画面から発せられる「ブルーライト」によって目が疲れることもあります。勉強に一生懸命になりすぎないよう、適度な休憩をとることが大切です。
また、近年ではブルーライトをカットするメガネや液晶カバーシートなどが発売されています。オンライン授業を長時間・長期間受ける際には、自主的な対策をして目の疲れに備えておくようにしましょう。
3.個々の自主性や学習意欲が不可欠
スマートフォンやタブレットがあれば学習できるというオンライン授業は、使用する端末の都合上、インターネットやアプリを自由に触れることができる誘惑が常につきまといます。そのため、学習にあたっては生徒の学習に対する自主性が問われます。
また、学習塾や予備校は、授業の開始時間と終了時間が決められていますが、オンライン授業では自主的に学習する時間を作る必要があります。
こうした点をサポートするために、小中学生向けの教材を提供するスマイルゼミでは、学習時間に応じてもらえるポイントを使って、アプリやゲームを使用できる「Androidモード」に切り替えられるポイントシステムを設けています。
ポイントによる学習意欲の刺激が期待できるほか、スマイルゼミの教材に取り組む時間と「Androidモード」を楽しむ時間を保護者側でコントロールすることができるので、メリハリのある勉強スケジュールの確立にもつながるのです。
4.不明点や疑問点をその場ですぐに確認できない
学校の校舎や塾の教室でおこなわれるリアルタイムの授業では、不明点をその場ですぐに確認することができます。
しかし、映像授業のように一方通行で授業が進むオンライン授業では、即座に先生へ質問することができません。
そうしたデメリットをふまえ、タブレット通信教育をおこなっているスタディサプリでは、チャット機能を導入しています。担当の先生が、効率的に学習できるスケジューリングや、不明点のアドバイスまでサポートしてくれます。
問題を解いたり講義を聞くことに加えて、双方向のやり取りで理解度を深めることを大切にしたい方は、サポート体制が充実している講座を選ぶようにするのがおすすめです。
編集部おすすめのオンライン授業サービス4選
Z会
Z会は、幼児から大学受験生までを対象とした教育をおこなう学習塾です。近年はタブレット端末を活用した通信教育にも力を入れており、大学受験生向けコースでは、通常半年で学ぶ内容を2ヶ月に凝縮。
最重要ポイントを厳選しているからこそ、確実に点数を伸ばしていけるのです。
Z会は、東大コースや京大コース、難関国公立コースなど、志望校に特化した講座があり、1講座1ヶ月あたり5,082円(税込)と、リーズナブルな価格で受けられます。
Z会は、徹底した学習サイクルで高得点を狙える力をつけていきます。
具体的には、テキストと動画を組み合わせた授業で基礎知識を落とし込み、添削問題で理解度を確認し、さらに復習をすることで実践力を定着させるのです。
Z会では、会員専用のWebサイトである「Z会My Page」から個別相談ができるので、不明点をすぐに解決できるサポート体制が設けられています。
勉強だけではなく、受験に取り組む姿勢のアドバイスも受けられるので、常に高いモチベーションで学習に臨むことができます。
スタディサプリ
スタディサプリとは、小学生から社会人まで対応したオンライン学習サービスです。受験対策はもちろん、「ビジネス英会話コース」では、実践的な英語力が身につくので、英語を活用したビジネスを目指す社会人にも選ばれています。
スタディサプリの大学受験講座は、「ベーシックコース」と「合格特訓コース」に分かれており、どちらも月額制の料金体制を採用しています。
スタディサプリのコースまとめ
項目 |
ベーシックコース |
合格特訓コース |
---|---|---|
料金(税抜) |
月額1,650円 |
月額9,800円 |
無料体験 |
14日間 |
14日間 |
志望校向け学習プラン |
△ |
〇 |
担当コーチの個別指導 |
× |
〇 |
月10問の科目質問対応 |
× |
〇 |
「ベーシックコース」と「合格特訓コース」どちらも年会費や初期費用なども不要なので、経済的な負担も少ないことが魅力です。
スタディサプリは、単元ごとに授業動画が収録されており、授業を何度も見返せるようになっています。自分のペースで学習を進められるほか、繰り返し授業を視聴することで、理解度をより深められるのです。
一般的なオンライン学習サービスでは、専用タブレットやPCを活用しますが、スタディサプリはスマートフォンがあれば学習可能です。
通学中や夕食前のスキマ時間を勉強に充てられるので、文武両道を目指す学生にも選ばれています。
進研ゼミ
通信教育の老舗である進研ゼミは、テキストによる学習と併せて、小学生から高校生まで幅広い年齢層を対象にしたオンライン授業を実施しています。
小学講座では「チャレンジタッチ」というサービスを展開しており、オリジナルのタブレットを使用したレッスンで学習を進められます。九九や漢字といった暗記が重要となる学習内容も、ゲーム形式で楽しく学べるようになっており、学習意欲を高めるための工夫が込められているのも特長です。
「チャレンジタッチ」の受講料は学年別に異なり、以下のようになっています。
月あたりの受講費(※)
学年 |
価格 |
---|---|
小学1~2年生 |
2,980円 |
小学3年生 |
3,740円 |
小学4年生 |
4,430円 |
小学5年生 |
5,320円 |
小学6年生 |
5,730円 |
(※):12ヶ月分一括払いの場合の3月号までの受講費。すべて税込価格です
中学講座では「双方向ライブ授業」を活用したオンライン授業を実施しています。授業を受けている中で分からない点はチャットで即座に質問が可能。「質問専用スタッフ」がその場で回答してくれます。
また、参加できなかった授業も録画配信をおこなっており、何度でも授業を見返すことができます。
高校講座では週2回、英語と数学の「オンライン特講」を学年別に開催。講義ラインナップは英作文や微分積分など、高校の学習内容でつまづきがちな単元の講義が中心となっており、ほかの会員と一緒に集中して授業に取り組めます。
中学・高校講座のオンライン授業は追加受講費が不要となっており、費用を気にすることなく自宅学習の質を高めることが可能です。
スマイルゼミ
スマイルゼミは、タブレット端末を用いた学習が特徴の通信教育です。幼児や小学生、中学生を対象としており、各年代で必要な学習を手軽に体験できることが魅力です。
中学生向け通信教育では、国語や数学、英語をはじめとする基本的な科目に加えて、音楽や保健体育、美術の計9科目と定期テスト対策がタブレット端末に集約。中学1年生から3年生までの豊富な内容が、月額6,578円(税込)から受けられます。
そのほかにも、スマイルゼミでは「夏季集中講座」を設けており、単元ごとに理解度を判定し、生徒一人ひとりの苦手克服を目指した講座を提供しています。
不得意な分野を克服することで、学力の底上げはもちろん、小さな成功体験の積み上げから、学習に対する自主的な意欲をかき立てられるのです。
スマイルゼミ独自の特長としては、全額返金保証制度を導入していることが挙げられます。初回入会者限定で、会費とタブレット代の返金をおこなっているのです。
万が一、オンライン授業が苦手と感じた場合は返金されるので、オンライン授業が初めての方にも選ばれています。
まとめ
本記事では、オンライン授業のメリットとデメリット、編集部がおすすめするオンライン授業サービス4つをご紹介しました。
オンライン授業サービス |
特長 |
---|---|
スマイルゼミ |
生徒一人ひとりに合わせた授業を受けられる |
Z会 |
徹底した学習サイクルで確実に得点アップができる |
スタディサプリ |
通わせやすい料金プラン |
進研ゼミ |
無料で受講できる「オンライン授業」 |
オンライン授業は、インターネット環境が整っていれば、いつでもどこでも学習できることが魅力です。普段から使っているスマートフォンやPCを活用して勉強したい方、効率的な学習習慣を身に付けたい方はオンライン授業を活用してみてください。