コロナ禍を経た現在、自宅で受講できるオンライン授業は、塾・予備校の受講スタイルの選択肢のひとつになりつつあります。
オンライン授業は予備校や塾への移動時間が発生しないため、その時間を勉強に費やすことが可能です。
さらに、手軽に高品質の授業や有名講師の講義が受けれることから需要が高まっています。
そこで本記事では、オンライン授業が注目されている理由や、メリット・デメリットを詳しく解説します。
さらに、おすすめのオンライン授業サービスも紹介!サービスの特徴や費用についても掲載していますので、オンライン授業を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
- オンライン授業とは
- オンライン授業が注目されている背景や理由
- 通信技術の発達
- 都市部と地方との教育現場のギャップの解消
- 生涯学習の時代へ
- オンライン授業のメリット・デメリット【学習者】
- オンライン授業における学習者のメリット
- オンライン授業における学習者のデメリット
- オンライン授業おすすめ4選|大手通信教育や話題のサービスを紹介
- Z会
- スタディサプリ
- 進研ゼミ
- スマイルゼミ
- オンライン授業のメリット・デメリット【学校側】
- オンライン授業における学校側のメリット
- オンライン授業における学校側のデメリット
- オンライン授業のメリット・デメリット【学習塾側】
- オンライン授業における学習塾側のメリット
- オンライン授業における学習塾側のデメリット
- オンライン塾を開業する方法
- オンライン塾 開業までの流れ
- オンライン授業まとめ
オンライン授業とは
先生(講師)が教室でおこなう従来の対面授業に対し、オンライン授業はインターネットを介しておこなう授業を指します。「リモート授業」や「遠隔授業」ともいわれています。パソコンやスマートフォンで配信アプリなどを利用して授業を受けることが一般的です。
オンライン授業のメリットは、時間や場所にとらわれず授業を受けることができることです。対面では一度しか受けることができない授業が、インターネットで配信することで、何度でも視聴できます。
また、家が遠くて塾に行けないなど、何らかの事情で直接通うことができない方も授業を受けることができます。ただ動画を視聴するだけでなく、リアルタイムで説明を受けたり、質問をしたりしながら授業を受けることも可能です。
オンライン授業が注目されている背景や理由
コロナ禍を経た現在、リモートワークが選択肢のひとつとして定着しているとともに、遠隔地にいながら授業を受けられるオンライン授業が注目されています。
生徒が同じ教室で授業を受けるスタイルが当たり前であり、長らく変化をしなかった教育業界に一体どんな変化があったのでしょうか。
まずは、オンライン授業が注目されている背景や理由について解説します。
通信技術の発達
近年、各家庭のインターネット環境の整備が進んでいることが、オンライン授業が注目される理由のひとつとなっています。
光回線が普及し、Wi-fiルーターなどが各家庭に導入されたことで、動画の視聴やファイルの送受信を安定しておこなえるようになったのです。
また、新たな通信技術として注目を集める5Gによって、さらに快適な通信環境でのオンライン授業の実施が期待されています。
膨大な情報を高速で伝えられる通信技術が発達すれば、大人数での双方向通信が可能となったり、同時接続による映像の遅延がなくなったりと、より発展的なオンライン授業環境の構築が可能になります。
都市部と地方との教育現場のギャップの解消
オンライン授業は、都市部と地方との教育現場のギャップ解消も期待されています。
たとえば、離島や地方に住んでいる生徒の場合、受験勉強のために何時間もかけて遠い学習塾や予備校に通う、といったことも考えられます。
しかし、オンライン授業ではスマートフォンやタブレット、PCがあれば、いつでもどこでも充実した学習環境のもと授業を受けられます。
また、オンライン授業なら生徒が移動する必要がないため、塾や予備校までの移動時間を勉強時間に充てることができます。
自宅での学習がメインになることで交通費が削減され、保護者の経済的な負担も軽減できるのです。
オンライン授業ならではの大きなメリットのひとつとして、場所や時間を問わず、同じ授業内容を受けられるという点が挙げられます。
オンライン授業であれば、地方在住の方や夜型の生活リズムで暮らす方でも、有名講師による授業を受講することができるのです。
生涯学習の時代へ
オンライン授業は、近年注目される「生涯学習」という考え方にも合致した学習スタイルです。
たとえば、大人になってから大学受験をしたい方や、資格取得のために勉強したいと思っている方も、オンライン授業を活用すれば年齢や場所を問わず学習に取り組めるのです。
義務教育に加えて、自主的に学習を継続することで人生を豊かにしていく「生涯学習」。より気軽に学習をおこなう手段として、オンライン授業の需要は高まってきています。
オンライン授業のメリット・デメリット【学習者】
オンライン授業は、通信規格の発展や教育環境の整備、生涯学習の考え方の変化から、全国で導入されはじめています。
ここからは、オンライン授業における学習者のメリット・デメリットについて紹介します。オンライン塾の利用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
オンライン授業における学習者のメリット
学習者のメリットとして、下記の5つが挙げられます。
それぞれの項目について、既に実施されているサービスの具体例を挙げながら詳しく解説していきます。
1.場所や時間にとらわれず学習できる
オンライン授業の魅力のひとつとして、スマートフォンやタブレット、PCを利用して授業を受けることから、場所や時間にとらわれず、いつでもどこでも学習できる点が挙げられます。
一般的な学習塾や予備校は、学校が終わってから通うことになるので、どうしても帰宅時間が遅くなってしまいます。仕事の都合上、送り迎えができない保護者の方は、お子さんの帰り道に不安を抱くこともあるでしょう。
しかし、オンライン授業なら自宅で授業を受けられるので、事件や事故に巻き込まれる心配はありません。また、通学のために必要な交通費もかからないので、経済的な負担も軽減できる点も嬉しいですね。
学校での導入であれば、体調が悪く欠席してしまった際にも、録画を残しておくことで勉強することができます。また、不登校で教室にはなかなか行きづらいという生徒もオンライン授業を導入することで授業が受けられる可能性があります。
2.個々の習熟度にあわせて自分のペースで進めることができる
一般的な大人数の集団授業塾や学校では、講師や先生へ質問するタイミングを見失った結果、不明点を質問・解決できないまま授業が進んでしまうこともあります。
しかし、オンライン授業であれば、生徒一人ひとりの習熟度にあわせた学習が可能です。発言するのは恥ずかしいと思っている生徒でも、チャットを使って気軽に質問ができます。
たとえば「スマイルゼミ」の場合、専用タブレットの問題から単元ごとの理解度を判定し、苦手克服できるための問題を配信します。
どこまでさかのぼって学習すべきなのかも判断してくれるので、不明点がそのままにならず、基礎から応用まで網羅できます。
3.画像や動画を活かした学習ができる
オンライン授業は映像と音声で授業をおこなうため、プリントによる問題や講師の口頭説明よりも学習内容を捉えやすい学習形式となっています。
たとえば英語では、講師が話す言葉を何度も繰り返して視聴することでリスニング・スピーキング能力の両面を高められるほか、一時停止することで重要な箇所をじっくりとノートにまとめることもできます。
スタディサプリが配信する授業では、講師が黒板の前で収録をおこなっています。これにより、先述のメリットに加えて「座席によって見づらい」といった教室授業のデメリットが解消されることにもつながります。
4.学習に対するコストを抑えられる
オンライン授業は、経済的な負担が少ないというメリットがあります。
大人数制の授業をおこなう予備校や塾では、入塾料や授業料が数万から数十万にもなるケースがありますが、オンライン授業は塾や予備校と比較してリーズナブルな価格で受けることができます。
たとえば、Z会大学受験生向けコースは、12か月一括払いで支払った場合、1か月あたり5,082円(税込)で受講可能となっており、一般的な予備校の月額の3分の1程度の料金で受講することができます。
5.保護者が進捗をチェックしやすい
小中学生のお子さんを持つ保護者の方のなかには、「子どもがスマートフォンやタブレットに夢中になって、ちゃんと勉強しているか不安になる」という悩みを抱えている方もいらっしゃると思います。
小中学生向けのオンライン授業サービスでは、保護者が生徒の学習状況を把握できるシステムを用意しています。
たとえば、スマイルゼミの場合、科目の取り組み状況や科目ごとの点数が可視化された情報を保護者がスマートフォンで確認できるので、「ちゃんと勉強しているの?」と厳しく問いかける必要もありません。
学校での導入の場合も、先生と保護者でしっかりと連携することで、宿題の管理がやりやすくなります。また、授業の動画や資料を一緒に見て理解できているかの確認もしやすくなります。
オンライン授業における学習者のデメリット
学習者のデメリットとしては、下記の3項目が挙げられます。
それぞれの項目について詳しく解説していきます。
1.長時間の使用で目や耳が疲れやすい
オンライン授業は、スマートフォンやタブレット、PCを利用した授業形式であるため、長時間使用していると、液晶画面から発せられる「ブルーライト」によって目が疲れたり、長時間イヤホンを装着することで聴力に影響を与える可能性があります。
そのため、オンライン授業を受ける際は、勉強に一生懸命になりすぎないよう、適度な休憩をとることが大切です。
また、近年ではブルーライトをカットするメガネや液晶カバーシートなどが発売されています。オンライン授業を長時間・長期間受ける際には、自主的な対策をして目の疲れに備えておくようにしましょう。
2.個々の自主性や学習意欲が不可欠
スマートフォンやタブレットがあれば学習できるというオンライン授業は、使用する端末の都合上、インターネットやアプリを自由に触れることができる誘惑が常につきまといます。
そのため、生徒の学習に対する自主性が問われます。また、学習塾や予備校は、授業の開始時間と終了時間が決められていますが、オンライン授業では自主的に学習する時間をつくる必要があります。
こうした点をサポートするために、小中学生向けの教材を提供するスマイルゼミでは、学習時間に応じてもらえるポイントを使って、アプリやゲームを使用できる「Androidモード」に切り替えられるポイントシステムを設けています。
ポイントによる学習意欲の刺激が期待できるほか、スマイルゼミの教材に取り組む時間と「Androidモード」を楽しむ時間を保護者側でコントロールすることができるので、メリハリのある勉強スケジュールの確立にもつながるのです。
3.不明点や疑問点をその場ですぐに解決できない
学校や塾の教室でおこなわれるリアルタイムの授業では、不明点をその場ですぐに解消することができます。
しかし、録画形式の場合映像授業のように一方通行で授業が進むため、即座に講師へ質問することができません。
そうしたデメリットをふまえ、オンラインの通信教育をおこなっているスタディサプリでは、チャット機能を導入しています。
担当の講師が、効率的に学習できるスケジューリングや、不明点のアドバイスをおこない、生徒一人ひとりの学習をサポートします。
問題を解いたり講義を聞くことに加えて、双方向のやり取りで理解度を深めることを大切にしたい方は、サポート体制が充実している講座を選ぶようにしましょう。
オンライン授業おすすめ4選|大手通信教育や話題のサービスを紹介
ここからは、オンライン授業をおこなっているおすすめの塾(サービス)を紹介していきます。
小学生から社会人まで、さまざまな年齢を対象にサービスが展開されていますが、今回は小学生~高校生(既卒生)を対象としているサービスから以下の4つを紹介します。
オンライン授業の内容や費用感を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
Z会
Z会は、幼児から大学受験生までを対象とした教育をおこなう学習塾です。近年はタブレット端末を活用した通信教育にも力を入れており、大学受験生向けコースでは、通常半年で学ぶ内容を2か月に凝縮。
東大コースや京大コース、難関国公立コースなど志望校に特化した講座があり、1講座1か月あたり5,000円(税込)とリーズナブル。徹底した学習サイクルで高得点を狙える力をつけていきます。
内容としては、テキストと動画を組み合わせた授業で基礎知識を落とし込み、添削問題で理解度を確認し、さらに復習をすることで実践力を定着させます。
会員専用のWebサイト「Z会 My Page」から個別相談ができるので、不明点もすぐに解決できるサポート体制も魅力。
勉強だけではなく、受験に取り組む姿勢のアドバイスも受けられるので、常に高いモチベーションで学習に臨むことができます。
スタディサプリ
スタディサプリは、小学生から社会人までに対応したオンライン学習サービス。受験対策はもちろん、「ビジネス英会話コース」では実践的な英語力が身につくため、英語を活用したビジネスを目指す社会人にも選ばれています。
スタディサプリの大学受験講座は、「ベーシックコース」と「合格特訓コース」に分かれており、どちらも月額制の料金体制を採用しています。
【スタディサプリの各コース】
項目 | ベーシックコース | 合格特訓コース |
---|---|---|
料金(税抜) | 月額2,178円 | 月額10,780円 |
無料体験 | 14日間 | 14日間 |
志望校向け学習プラン | △ | 〇 |
担当コーチの個別指導 | × | 〇 |
月10問の科目質問対応 | × | 〇 |
「ベーシックコース」と「合格特訓コース」共に年会費・初期費用は不要。経済的な負担が少ないことも魅力のひとつです。
単元ごとに授業動画が収録されており、授業を何度も見返せるようになっています。自分のペースで学習を進められるほか、繰り返し授業を視聴することで、理解度をより深められます。
一般的なオンライン学習サービスでは、専用タブレットやPCを活用しますが、スタディサプリはスマートフォンがあれば学習可能です。
通学中や夕食前のスキマ時間を勉強に充てられるので、文武両道を目指す学生にも選ばれています。
進研ゼミ
通信教育の老舗である進研ゼミは、テキストによる学習と併せて、小学生から高校生まで幅広い年齢層を対象にしたオンライン授業を実施しています。
小学講座では「チャレンジタッチ」というサービスを展開しており、オリジナルのタブレットを使用したレッスンで学習を進められます。
九九や漢字といった暗記が重要となる学習内容も、ゲーム形式で楽しく学べるようになっており、学習意欲を高めるための工夫が込められているのも特徴です。
「チャレンジタッチ」の受講料は学年別に以下のようになっています。
【ひと月あたりの受講費(※)】
学年 | 価格 |
---|---|
小学1年生 | 4,020円 |
小学2年生 | 4,320円 |
小学3年生 | 5,320円 |
小学4年生 | 5,590円 |
小学5年生 | 6,710円 |
小学6年生 | 7,150円 |
(※):毎月払いの受講費。すべて税込価格です
中学講座では「双方向ライブ授業」を活用したオンライン授業を実施。授業中にわからない点はチャットで即座に質問でき、「質問専用スタッフ」がその場で回答します。
また、参加できなかった授業については録画配信をおこなっており、何度でも授業を見返すことができます。
高校講座では週2回、英語と数学の「オンライン特講」を学年別に開催。講義ラインナップは英作文や微分積分など、高校の学習内容でつまづきがちな単元の講義が中心となっており、ほかの会員と一緒に集中して授業に取り組めます。
中学・高校講座のオンラインの追加受講費が無料!費用を気にすることなく自宅学習の質を高めることが可能です。
スマイルゼミ
スマイルゼミは、タブレット端末を用いた学習が特徴の通信教育。幼児や小学生、中学生を対象としており、各年代で必要な学習を手軽に体験できることが魅力です。
中学生向け通信教育では、国語や数学、英語をはじめとする基本的な科目に加えて、音楽や保健体育、美術の計9科目と定期テスト対策が可能。中学1年生から3年生までの豊富な内容が、月額8,580円(税込)~受講できます。
そのほかにも、スマイルゼミでは「夏季集中講座」を設けており、単元ごとに理解度を判定し、生徒一人ひとりの苦手克服を目指した講座を提供しています。
不得意な分野を克服することで、学力の底上げはもちろん、小さな成功体験の積み上げから自主的な学習意欲を育みます。
入会前にWi-Fiなどの通信環境の確認をおこなうサービスを提供。快適な学習環境を構築したうえで、オンライン授業を受けることができます。さらにスマイルゼミでは、初回入会者限定で、会費とタブレット代の全額返金保証制度を導入。
万が一、オンライン授業が苦手と感じた場合は返金されるので、オンライン授業が初めての方にも選ばれています。
オンライン授業のメリット・デメリット【学校側】
オンライン授業は、感染予防の観点から学校でも導入されています。
ここからは学校側の立場からみた、オンライン授業のメリット・デメリットを紹介します。
オンライン授業における学校側のメリット
学校側のメリットとしては、下記の3項目が挙げられます。
それぞれの項目について詳しく解説していきます。
1.板書が必要なくなる
オンライン授業は基本的に映像を使った授業になるため、資料を用意しておくことで板書をする必要がなくなります。対面の授業では板書は必須であり、授業で一番大切といっても過言ではありません。
しかし、大切な要素だからこそ時間がかかるものでもあります。オンライン授業であれば、この時間を短縮することができます。先生が書く時間が無くなるため、より多く教える時間に使えます。
事前の資料作りには、対面の授業準備よりも時間がかかるというデメリットがありますが、一度作ってしまえば何回も使えるためメリットは大きいです。
2.生徒の表情がわかりやすい
生徒の表情がわかりやすいということもメリットとして挙げられます。オンライン授業では、画面に全員の顔が映し出されます。教室だと、人数にもよりますが、全員を見れているようで見落としていることも考えられます。
表情やリアクションをみて、生徒が理解しているかなども把握しやすくなります。個別にチャットを送ることもできるため、一人ひとりに確認することもできます。
授業の最後にチャットで全員から質問や感想をもらい、次の授業で回答するなど、効率のよい授業をすることも可能です。
3.録画しておくことで予習や復習にも使える
授業を録画しておくことで、予習や復習で使うことができます。予習用の簡単な動画を事前に配信しておくことで、授業をよりスムーズにおこなうことができます。予習用の動画が、授業後には復習用にもなる動画を作っておくとよいでしょう。
また、欠席をしてしまった生徒のために授業の動画を録画しておくこともできます。自分がいなかった日の授業を後で見ることができるため、欠席をしても授業についていけなくなることが少なくなることが考えられます。
先生に後日わからなかったところを聞くことで、より理解度が増すことでしょう。先生としてもその授業のわかりにくいポイントを知ることができるため、次に生かすことができます。
オンライン授業における学校側のデメリット
学校側のデメリットとしては、下記の3項目が挙げられます。
それぞれの項目について、詳しく解説していきます。
1.学校のインターネット環境を整える必要がある
学校でオンライン授業を導入するには、インターネット環境を整える必要があります。費用や時間がかかるため、この点はデメリットといえるでしょう。
とりあえず整えればいいというわけではありません。授業を円滑におこなうには高速回線が必要になります。
通信環境に問題があると、授業がスムーズに行われず、マイナスの要素が大きくなってしまいます。生徒が聞き取りずらかったり、フリーズしてしまったりことも考えられるため、しっかりと準備しておくことが必要です。
2.生徒の不正行為に気づくことが難しい
オンライン授業では、不正行為に気づくことが難しいです。テストなどを実施する際に、答えを見ていたとしても気づきにくいため、この点はデメリットとなります。
また、別のことをしている生徒を見つけることも困難となります。対面の授業でも気づけないことがあるため、オンライン授業ではより難しくなります。
頻繁に一人ひとりに声掛けをして発言させるような機会を作り、生徒が集中力を保てるようにしましょう。
3.科目によっては実施が困難である
科目によっては、実施が難しいことがあります。それは、実技や体験をする授業です。主に、家庭科や体育、理科の実験などが考えれます。
これらの授業は、オンライン授業での実施は向いていません。何かトラブルが起きたときに、対応ができないためです。また、危険が伴うこともある科目のため、実施は対面でおこなうのが無難でしょう。
もしオンラインでおこなう場合は、先生がお手本を見せるだけにしたり、対面授業がスムーズにおこなえるようにするための導入として実施したりするのがよいでしょう。
オンライン授業のメリット・デメリット【学習塾側】
先述したように、オンラインの塾・サービスは一般的になってきています。対面式の学習塾が、オンライン授業を導入することも珍しくありません。
ここからは、学習塾がオンライン授業を取り入れることのメリット・デメリットについて紹介します。
オンライン授業を導入するか悩んでいる方、塾を経営したいが対面式かオンラインかで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
オンライン授業における学習塾側のメリット
学習塾側のメリットとしては、下記の3項目が挙げられます。
それぞれの項目について詳しく解説していきます。
1.教室運営のコスト削減になる
学習塾ではオンライン授業を導入することで、教室のコスト削減につながります。オンライン授業がメインの塾であれば、広い教室は必要ありません。そのため、賃料や水道光熱費を安く抑えることができます。
塾を経営するうえでコストを削減できるということは大きなメリットです。そのほかのことにお金を使えるようになります。授業の質を上げるために使ったり、広告費に使ったりすることができます。
塾側だけでなく、学習者側にもメリットがあるため、コスト削減の観点から導入も考えてみましょう。
2.全国各地の生徒を対象にできる
オンライン授業の強みとして、場所にとらわれないということが挙げられます。つまり、本来は近隣に住んでいる生徒にしか教えることができなかったのが、宣伝をすることで全国各地の生徒が対象になります。
遠いから通えない、送迎ができないから通えないという理由をなくすことができます。
これは学習塾としては非常にメリットだと考えられます。広告費こそかかってしまいますが、全国に宣伝することで生徒をたくさん集められる可能性があります。
家の周辺に学習塾がなかったという生徒も指導対象になることが利点のひとつです。
3.授業の質を上げられる
オンライン授業は、授業の質を上げることができます。実際の対面の授業では、基本的には板書が必要になります。しかし、オンライン授業では、事前に作りこむことができます。
学習塾の場合、何度も授業動画を使うため、授業内容を改良することができます。ほかの講師がどんな授業をしているかの確認もできるため、参考にすることや、フィードバックをすることが可能になります。
授業の質を均一にすることができるため、生徒の理解度が講師によって異なるといった問題を解決することができます。
オンライン授業における学習塾側のデメリット
学習塾側のデメリットとしては、下記の3項目が挙げられます。
それぞれの項目について詳しく解説していきます。
1.対面よりも教え方の技術が求められる
オンラインでの授業は、対面のときよりも教え方の技術が求められます。対面であれば、目の前で紙に書いたり、板書をしたりして教えることができます。しかし、オンライン授業だと画面越しでしか会話ができないため、より技術が必要となります。
そのため、事前に用意した資料やチャット機能を使いながら教えることが必要になります。どうしたら生徒が理解できるかをしっかりと考えておきましょう。
録画形式の授業であれば、質問がリアルタイムでできないため、より質の高さが求められます。生徒がつまずきそうなポイントは入念な説明が必要です。わかりやすい資料・動画づくりが必須となります。
工夫次第では、オンライン授業ならではの教え方もできるため、研究をしてほかの塾に差をつけましょう。
2.通信環境などの準備にコストがかかる
メリットでは、教室運営のコスト削減になると紹介しましたが、反対に通信環境などの準備にはコストがかかります。オンライン授業をするうえで、通信環境の準備は必須です。そのほかにも、カメラやマイクなどが必要になります。
通信環境が悪いと授業の質が落ちてしまい、生徒が集まらなかったり、やめてしまう可能性があるため、しっかりと環境を整えましょう。
オンライン塾であれば、対面の塾に比べて教室運営のコストは削減できているものの、通信環境や物品にコストがかかることを理解しておくことが必要です。
3.生徒のモチベーションを維持することが難しい
オンライン授業では、生徒のモチベーションを保つことが難しくなります。というのも、対面の授業では目の前に講師や友だちがいますが、オンライン授業では画面越しにいるため、集中力を維持するのが難しい場合があるからです。
オンライン授業は対面のときよりも一人でやっている感覚になりやすいことから、講師の声掛けの仕方や教える技術がより大切になってきます。
また、オンライン授業は自宅で受講することが大半であるため、誘惑が多いことも考えられます。対面の場合、勉強道具と机しかありません。しかし、家の場合は近くにおもちゃやゲームなどがあり、集中力が続かないことも考えられます。どうしたら生徒が集中して取り組めるかを考える必要があります。
オンライン塾を開業する方法
学習塾側のオンライン授業のメリットを知り、実際にオンライン塾を開業(導入)したいと思った方もいるのではないでしょうか。
ここでは、オンライン塾を開業したい方のために、開業までの手順を紹介します。
オンライン塾 開業までの流れ
- インターネット環境を整える
- 塾のルールや形式を決める
- オンライン塾のサイトを立ち上げる
- 開業届・事業開始申告書を提出する
まずはインターネット環境を整えましょう。回線トラブルがすぐにおきるような状態では、スムーズな授業はできません。高速回線とスペックの高いパソコンは必ず用意しましょう。
次に、塾のルールを決めましょう。授業の形式や時間、コース、料金といった必要最低限のことで構いません。塾の軸となる部分を決めておくことで宣伝しやすくなります。
ルールを決めたら、塾の公式サイトを作りましょう。さまざまなサイトに広告を出して、宣伝していきます。
無料で利用できるブログサービスでも可能ですが、自分でサーバーを契約してWebサイトをつくるほうがよいでしょう。
本格的にビジネス化するなら、しっかりとしたWebサイトが必要になるため、開業前に立ち上げておきましょう。
ここまで準備ができたら、開業にあわせて、開業届や事業開始申告書を用意しましょう。開業届は、開業から1か月以内に税務署に、事業開始申告書は各都道府県に提出します。
これは各都道府県が地方税を扱っているためです。提出をしなくても罰則はありませんが、開業届を提出するときに、一緒に済ましておくのがよいでしょう。
オンライン授業まとめ
本記事では、学習者・学校・学習塾別にオンライン授業のメリット・デメリットについて紹介しました。
オンライン授業を展開する塾・サービスの特徴は下記のとおりです。
オンライン授業サービス | 特徴 |
---|---|
Z会 | 徹底した学習サイクルで確実に得点アップができる |
スタディサプリ | 通わせやすい料金プラン |
進研ゼミ | 無料で受講できる「オンライン授業」 |
スマイルゼミ | 生徒一人ひとりにあわせた授業を受けられる |
オンライン授業は、インターネット環境が整っていれば、いつでもどこでも利用できることが魅力です。
たくさんのメリットがあるため、学校や学習塾でもぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
普段使っているスマートフォンやPCを活用して勉強したい方、効率的な学習習慣を身につけたい方は、ぜひオンライン授業を活用してみてください。