塾とは?学校・予備校との違いや塾に通うメリット、進学塾・補習塾の特徴を詳しく解説!

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「学校の授業についていけない」「定期テストの点数を伸ばしたい」「受験に向けて準備を始めたい」など、学習面の課題や悩みを解決するために、塾に通うことを検討している方も多いでしょう。

塾と聞くと「学校や予備校でもいいのでは?」と考える方がいるかもしれません。しかし、塾と学校、予備校では明確な違いがあります。

何を目的に通うかによって選択肢が定まってくるため、定義や特徴を認識しておくことが大切です。

この記事では、塾とはどのような場所か、塾・学校・予備校の違い、塾に通うメリットやデメリットについて説明します。

さらに、塾通いが適している子どもについても解説。ぜひ参考にしてください。

そもそも塾とは?

塾の教室内画像

一般的に「塾」と呼ばれていますが、正式名称は「学習塾」です。

学習塾の始まりは江戸時代の寺子屋といわれており、『広辞苑』では「勉学を教授する私設の学舎」と定義されています

塾には主に2つの役割があります。

  • 進学を目指して学力を向上させる(進学塾)
  • 学校の授業で理解できなかった部分を補う(補習塾)

大手から個人経営まで塾の数は非常に多く、どの塾に通うべきか迷ってしまうケースも多いでしょう。

子どもの性格を踏まえつつ、塾に通う目的・予算・移動時間など基準を明確にしておくと、スムーズに候補を絞り込めます。

無料体験や見学などを活用して、子どもにあう塾の大まかな種類をチェックするのもおすすめです。

塾の種類については、下記の記事で詳しく説明しています。

塾と学校と予備校との違い

予備校の教室内画像

塾・学校・予備校は「勉強をするところ」として一括りにされることも多いですが、大まかに「通う目的」「形式」「環境」の3点で異なります。

塾と学校や予備校との違いについて、以下で詳しく確認していきましょう。

塾と学校との違い

塾と学校との違いは、以下のとおりです。

  • 塾は「受験のため」や「学校の授業の補習のため」、「指導要領外の科目を学ぶため」に通う
  • 学校は「基礎学力を身につけるため」に通う

あくまでも学力育成のベースは学校の授業にあり、学校には行かず塾にのみ通うというケースは基本的にありません。

塾は学校の授業に対する理解を深める、あるいは受験対策に特化して取り組むことを目的としています。

また、授業環境の面においても違いがあるのが特徴です。

学校は集団授業をベースとして、学習指導要領に沿ったカリキュラムで学びを進めます。

一方、塾は個別か集団かなどの授業形式・受講科目・料金・講師などを比較的自由に選択可能です。

「全教科のボトムアップをおこないたい」「内申点をアップさせたい」「弱点科目のみカバーしたい」など学力や目的にあわせて、サービスを選択できます。

また、授業以外の時間に自習室を利用したり、アプリや動画で復習できたりするなど学習が充実するオプションを利用できるのもメリットです。

塾と予備校との違い

塾と予備校との違いは、以下のとおりです。

  • 塾は「幅広い年齢の子がさまざまな目的のために」が通う
  • 予備校は「主に高校生や高卒生が大学受験合格のために」通う

塾は小学生から高校生を対象に補習や受験対策をおこなうのに対して、予備校は主に高校生・高校卒業生を対象として「大学受験対策」をおこなうのが特徴です。

また、資格試験対策として専門的な知識を指導する場でもあります。塾にも大学受験に対応したタイプもありますが、予備校の場合は「大学受験」に特化している点が最大の特徴。

両者は授業環境においても違いがあります。

塾は個別・集団の授業形式を選択できたり、生徒と講師の間で対話をしながら学習を進めたりすることも可能です。

一方、予備校は講義形式の集団授業が基本で、講師が生徒へ一方的に解説をおこないます。授業中に講師と生徒の間でのやり取りはあまりありませんが、講師が生徒に質問をする場合もあります。

一般的に予備校は大規模なところが多く、講師やスタッフの数が多くプロフェッショナルな知識・ノウハウを持っている傾向があります。

また、共通テスト対策だけではなく学校推薦・総合型選抜対策など、さまざまな入試に対応する予備校も多いです。

志望大学が明確な方や、プロフェッショナルな授業を受けたい方は、予備校へ通うことも検討してみましょう。

予備校については下記の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

塾の種類|進学塾や補習塾の特徴を紹介

塾で勉強している学生の画像

塾の種類には以下の3つがあります。

  • 進学塾
  • 補習塾
  • 総合学習塾

それぞれの特徴について解説します。

進学塾

進学塾は、受験対策ができ、志望校合格を目指した塾のことです。塾によっては、中学・高校・大学受験のすべてに対応した塾や、中高一貫校の内部進学のサポートに特化した塾もあります。

学校で学ぶ基礎的な内容は習得済みという前提のもと、応用問題や入試問題に取り組むのが特徴です。

進学塾のなかには学力のレベルでクラス分けがされている場合もあり、志望校や目標に向かってモチベーションや緊張感を維持しながら取り組めます。

補習塾

補習塾とは、学校の授業を補うための勉強に取り組む塾のこと。「授業についていけない」「定期テストの点数が伸び悩んでいる」など、学校で学ぶ範囲で課題を持つ子どもにおすすめです。

学校で習ったことを復習するタイプと、学校で習う前に予習するタイプの主に2つがあります。

生徒のペースにあわせながら授業が進み、コミュニケーションを重視する塾が多いのも特徴です。

総合学習塾

総合学習塾は、進学塾と補習塾の両方の役割を持った塾のこと。基礎から応用まで対応しているため、さまざまなニーズ・課題にあった指導を受けられます。

基礎クラスから受験クラスへの変更など、途中で目的が変わった場合にも便利です。

ただし、同じ塾のなかでもレベルによって講師の質や授業のペースが異なるため、コース変更をする場合は塾と事前に相談する必要があります。

塾に通うメリットとは

女学生が机に向かっている画像

塾に通うメリットとして、主に次のことが挙げられます。

塾に通うメリット
  • 自身の学力を客観的に把握しやすくなる
  • 個別に学習・進路指導を受けられる
  • 勉強の習慣が身につく
  • 勉強へのモチベーションが向上する
  • 受験対策ができる

それぞれのメリットについて詳しく説明します。

自身の学力を客観的に把握しやすくなる

学校でもテストの結果を友人同士で比べることはできますが、塾に通うことでより大きな母集団における自分の立ち位置がわかります

塾内テストの結果を貼り出したり、成績によってクラスが変動したりする塾もあるので、自身の学力をより客観的に把握しやすくなるでしょう。

全国模試ともなれば、さらに大きな集団のなかでの自身のレベルをチェックでき、細かな成績表が出るため弱点克服につながりやすいのもポイント。

定期的に講師との面談が受けられる塾もあり、入塾後の成績の伸び方や志望校合格の可能性について、講師の目から見た客観的なフィードバックをもらうことも可能です。

自身の客観的な学力を把握することは弱点克服につながるため、成績アップに役立つでしょう。

個別に学習・進路指導を受けられる

講師から個別に指導を受けられるのは、塾に通う大きなメリットのひとつです。

多くの塾では生徒一人ひとりに向けた勉強に関する指導や進路指導を受けられます。

塾が持つ客観的なデータとあわせて、勉強の方向性を確認したり修正したりすることも可能です。

講師の手が空いているタイミングであれば、勉強すべき科目の優先順位や受験までの期間の勉強スケジュールなど、こちらから質問できるでしょう。

学校の先生には相談しづらいことでも、適度な距離のある塾の講師であれば相談しやすいのも魅力です。

学習や進路についていつでも頼ることができる存在がいるのは、精神的な安心にもつながります。

勉強の習慣が身につく

勉強の習慣を身につけられるかどうかは受験に向けて非常に重要なポイントです。

部活動やほかの習い事など忙しい場合もあるため、自分なりに努力してもなかなか勉強習慣を身につけられないケースもあるでしょう。

塾に通うと確実に学習時間を確保できるので、自然と勉強の習慣化につながります。

また、宿題を出す塾もあり、授業・宿題・テストのサイクルを繰り返すことで確実に学習習慣を身につけられます。

塾によっては自習室が設置されているところがあります。「自宅ではテレビやゲームをしてしまう」「兄弟姉妹がいてなかなか集中できない」という環境上の悩みがあっても、自習室を利用できる塾であれば集中して取り組めます。

基本的には講師が常駐しているため、わからないところをすぐに聞けるのも魅力です。充実した施設を利用ができることも塾に通う大きなメリットだといえます。

自身にあった学び方で楽しく勉強できれば、学習習慣も身につきやすいでしょう。

勉強へのモチベーションが向上する

塾では、さまざまな学校に通う生徒と一緒に授業を受けます。

成績アップ・志望校合格など同じ目的をもった仲間・ライバルができるため、モチベーションを維持しやすいのが魅力です。

とくに周囲の環境に影響されやすい子どもにとっては、塾に通うことは大きなメリットにります。

また、講師とのコミュニケーションや面談を通してモチベーションを高められるのも特徴です。

講師には多くの生徒を導いた実績とノウハウがあるため、子どもは自分の学力や性格にあわせた的確なアドバイスを受けられます。

受験対策ができる

塾には受験に関するデータやノウハウを蓄積しているので、効果的な対策ができます。

最新の出題傾向に対応している塾もあり、先手で対策を打てることも魅力です。

塾は入試から逆算して学習スケジュールを組んでいるため、効率よく勉強できます。自身で管理すると甘くなりがちですが、塾であれば徹底管理されているので安心です。

受験に向けて、苦手や弱点を確実に克服できるのも嬉しいポイントでしょう。定期テストや成績表、模試の結果などから得点力を伸ばすためのアドバイスをもらえます。

塾に通う際の注意点

塾の費用を抑えるために考える画像

塾に通う際の注意点として、以下のデメリットが挙げられます。

塾に通うデメリット
  • 塾に通うことで安心してしまう可能性がある
  • 拘束時間が発生する
  • 費用が発生する

それぞれ詳しく解説していきます。

塾に通うことで安心してしまう可能性がある

塾に行くことは勉強の習慣を身につけるために効果的ですが、ある程度の主体性がなければ習慣化できません。

「塾に行ってるから自宅で勉強しなくても大丈夫」と安心してしまう場合も考えられます。

塾に行くことは目的ではなく手段であるということを、きちんと認識しておかないと成績アップにつながらないため注意が必要です。

模試やテストの機会がある塾を選ぶと、定期的に自身の学力を把握できるため緊張感を持ちながら通えるでしょう。

拘束時間が発生する

塾で授業を受ける場合、受講時間は拘束されることになります。

塾が自宅・学校・最寄り駅から遠い場合は、塾に通うだけで多くの移動時間が必要となるため、注意してください。

部活動やほかの習い事が忙しい方は、継続するのが難しい場合もあるでしょう。

対面の塾に通うのが困難な場合は、オンラインや通信制の塾を選ぶ方法もあります。

また、最近では対面とオンラインの両方を都合にあわせて切り替えられる塾も少なくありません。忙しい時期はオンラインで、時間が取れる場合は対面を選ぶところもあります。

受講科目を苦手教科のみに絞る、特別講習を受けないといった選択をもひとつの方法です。

逆に夏休みや冬休みにまとまった時間が確保できるのであれば、特別講習のみ利用するのも有効な手段だといえます。

費用が発生する

塾を利用するためには、授業料をはじめとして入学金・教材費などの費用が発生します。

継続的に利用するためにも、無理なく通える塾を選んでください。また、月謝だけではなく教材費や模試などトータルの金額で判断することが重要です。

兄弟姉妹で通う場合は、兄弟割引などがある塾を選ぶとリーズナブルに通えます。

費用面がネックでせっかくモチベーションを上げて勉強している子どもに塾通いをあきらめさせることのないよう、情報を集めて無理なく続けられるようにしておきたいものです。

塾通いが適している子どもの特徴は?

塾で講師の説明を聞いている学生の画像

ひと口に塾といってもさまざまなタイプがあり、塾の種類によって子どもに適した塾が異なります。

子どもの性格や特徴にあわせて、塾を選ぶのがおすすめです。

塾のタイプ適している子どもの性格・特徴
補習塾   集団授業・知識が定着するまで時間や経験を要する子
・仲間やライバルがいるとモチベーションを維持しやすい子
個別指導   ・学習習慣をつけたい子
・集団のペースについていくのが難しい子
・内申点をあげたいが苦手な教科がある子
・学校のテキストを使用したい子
進学塾   集団授業・負けず嫌いな子
・切磋琢磨しながら取り組みたい子
・主体性を持って取り組める子
個別指導・志望校合格に向けて個別で細やかな指導を受けたい子
・オーダーメイドの学習プランで学びたい子
・部活動やほかの習い事で忙しい子


補習塾は、学校で習ったことを学び直したり、復習したりすることで、より知識が定着しやすくなるため、知識が定着するまでに時間のかかる子どもにおすすめです。

なかには予習型の補習塾もあります。塾で先行して学ぶことで、学校での授業の理解がスムーズになり、自信を持てるようになるケースも。

また、内申点を上げるのにも効果的なので、推薦入学を視野に入れている子どもにも有効です。

進学塾は受験を見据えて勉強するため、主体性を持っている子どもや志望校が明確な子どもだと活用できます。

集団・個別の授業形式を選択する場合は、子どもの性格やペースを見て判断しましょう。

集団授業ではモチベーションを維持しやすいメリットがありますが、周囲のペースについていく必要があります。

個別指導は子どものペースにあわせた細やかな指導を受けられるものの、競争心を刺激しにくい面もあります。

塾に通う目的や学習のペースを照らし合わせながら、メリットが多いと感じるスタイルを選択してください。

補習塾・進学塾の詳細は、下記の記事で詳しく説明していますよ。

塾のメリットを最大限享受するためのポイント

塾で勉強している学生の画像

塾に通うメリットを最大限に享受するためのポイントは3つあります。

  • 目標や塾に通う目的を明確にしておく
  • 塾以外の時間を賢く使う
  • 保護者の理解とサポートを受ける

子どもの学力・成績・通う目的によって、適した授業のレベルは異なります。

学校の授業を理解するので精いっぱいの状態で難関校進学を目的とした塾に通っても、授業内容を理解できるとは思えません。

逆に、学校の授業はほぼ完ぺきに理解できているような子どもが補習塾に通っても、時間の無駄になってしまう可能性が高いでしょう。

そのため、自分の学力および希望する方向性に適する塾を見つけることが重要です。

基礎学力向上・成績アップ・入試など塾に通う目的はさまざまですが、塾以外の時間を賢く使うことによりさらに学習効果が高まります。

模試や個別相談へ積極的に参加したり、授業前後で講師に質問したりすることで不安や弱点を解消可能です。

保護者が塾とコミュニケーションを取っておくと、子どもへ適切なサポートができるでしょう。

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スマホで塾を検索している学生の画像

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問1
学年を教えてください

塾と学校と予備校の違いを理解し、最適な学習環境を選ぼう

塾は、学校や予備校と比較して自由度がより高いことが特徴です。

さらに塾は「進学塾」と「補習塾」に分類することができ、前者が「進学を目指して学力を向上させる」ことを目的としているのに対して、後者は「学校の授業で理解できなかった部分を補う」ことを目的としています。

塾に通う目的を明確にしたうえで、最適な塾を選ぶことを心がけましょう。

塾選びで迷ったら、ぜひ「Ameba塾探し」を活用してみてください。

やまざきちとせ
この記事を執筆した執筆者
やまざきちとせ

Ameba塾探し 執筆者

出版社で編集・記者を経て現在は「Ameba塾探し」で編集担当。教育・進学に関する媒体制作の経験あり。幼少期はピアノ、習字、そろばんを習い、小学生~高校生時代には学習塾、予備校に通う。どんな大人になりたいか、そのために今は何をすべきかと考えるお子さんとその保護者の方に少しでもお役に立てるような記事づくりができるよう、常にアンテナを張っています。