◆若者の国語力の低下に対する処方箋
「国語はセンスである」「解答は一つとは限らない」「勉強しなくてもできる」などといった意見を今迄多くの人から、それこそ耳にたこができる程聞かされて来た。私は16年間高校生に大学入試の国語でいかに点を取るかという方法を教えて来たがそこで得た体験から言うと上の意見はすべて間違っている。
「センスがなくても国語はできる」「大学入試の国語において解答は一つである」 「勉強しないでできる科目なんて一つもない」、これらが真実なのだ。解答が一つでないと採点ができない、ということは考えてみれば誰だってわかる事である。それにも関わらず「国語センス論」「解答複数説」が何となく暗黙のうちに国民的常識(偏見)のようになっている。その結果「私にはセンスがない」「解答が一つでないのだから採点基準も曖昧で差がつかない」と早くから投げだす生徒が続出し、今では学校で国語は休憩時間となってしまっている。時折マスコミで日本人の言葉の乱れが取り上げられるが、それを食い止めようという議論は一向に起きず、言葉は変化するものだから仕方ないという風潮になってきている。皆が国語に対して無責任にもあきらめの心境になっている。そして確実に若者の国語力は低下を続けている。しかし私は諦めない。なぜなら原因ははっきりしているのだから。しかし私が大きな声を出しても現実が変わらない事はよく分かっている。私にはニルの学校がある。処方箋はすでに出ている。繰り返しになるが「センスがなくても国語はできる」「解答は一つである」「努力すれば必ず国語は得意教科になり他者と大きく差をつけられる」と、実践を通して実証して行く事、若者の国語力を回復するために私にできる事は、これ以外にはない。「国語センス論」「解答複数説」といった国民的偏見を覆し、若者が皆真面目に国語に取り組むようになるまで、微力であるが20年間の実践で巡り会った教え子達と共に活動して行く決意である。