みなさんが感じるゴルフのイメージはどんなものですか?
年配の方が多そう、コストがかかりそう、敷居が高そう、といった声が多いのではないでしょうか。
今回は、都内最大級のゴルフスクールで、子ども向けにジュニアレッスンをおこなう「COMO GOLFERS ACADEMY(コモゴルファーズアカデミー)」ゼネラルマネージャーの三宅 美知子さんにお話を伺いました。
スポーツとしての楽しさや魅力はもちろん、子どもたちにたくさんの学びがあるゴルフ。
子どもにさまざまな可能性を磨いてほしいとお考えの保護者の方は、ぜひご一読ください。
ゴルフからの学びを伝える「COMO GOLFERS ACADEMY」
ー本日はよろしくお願いします。まず初めに、「COMO GOLFERS ACADEMY」がおこなう、ジュニアゴルフレッスンについてお聞かせください。
三宅 美知子さん(以下、三宅):COMO GOLFERS ACADEMYは、創立当初から“生涯ゴルフを楽しむ”をコンセプトとして、体づくりとゴルフスキル習得の両輪で取り組んでまいりました。
そして、子どもたちには「ゴルフというスポーツからなにを学んでもらいたいか」ということを考えてきたんですね。
ゴルフは、ティーイングエリアからスタートして、選んだクラブで止まっている球を飛ばし、パッティンググリーンに乗ったらパターで転がして、ホールに入れるまでに要した打数の少なさを競うゲームです。
また、プレーヤーの技術・判断・心理状態によって左右されるだけでなく、風・雨・温度などといった自然条件にも影響を受け、運や不運で結果が変わる場合もあります。
それだけでなく、ゴルフは審判員のいない個人プレーなので、結果はすべて自分のプレーに起因するんですよ。
自己責任のなかでさまざまな状況と向き合っていくゴルフのラウンド経験は、子どもの心を育み、大人になってからの人生を支えることにも繋がっていくと思っています。
社会でも不可欠な“忍耐・判断・誠実”が身につくゴルフ
ー子どもたちにとってどのような成長があるのか、詳しく教えてください。
三宅:子どもたちにとっての気づきや、将来のライフスキルに繋がる、ゴルフならではの要素として3つあると考えています。
まず1つ目は、忍耐です。
ゴルフでは、自分の思いどおりにならないことが1日のラウンド中に何度も起こります。
自分に責任があるものだけでなく、自分にはどうすることもできない天候や、運の要素なども影響してくるんです。
そんなとき、目の前で起こった現実をどう受け止め、焦り、不安、怒り、恥ずかしさなどといった負の感情をどのように処理するかが大切になってきます。
このように、いろいろな場面で、負の感情をコントロールすることが要求されるゴルフは、忍耐の必要性を教えてくれるんですね。
また、ゴルフは感情をコントロールする難しさも知ることができ、大事な場面で平常心を保つことの重要性を知ることができるゲームだと思います。
そして2つ目は、判断です。
思考のスポーツともいわれるゴルフでは、一打一打に判断が伴います。
判断材料は、地形や天候、使用するクラブ、自分の技量など多岐に渡りますが、絶対的な正解のないいくつかの選択肢から、最善だと思うことを選択する行為は、社会生活のなかでも常に求められることではないでしょうか。
子どものころは、これらを理屈ではなく直感的におこなうことも多いでしょう。
ただ、ゴルフを続けていれば、成長していくなかで少しずつ思考のスポーツといわれる意味を理解していき、社会生活にも繋げていくことができると思っています。
3つ目は、誠実です。
ゴルフは審判のいないスポーツなので、ルール遵守はゴルファー自身にほぼ委ねられています。
そのため、ゲームの公平性は各プレーヤーの“誠実さ”に大きく依存します。
人間はごまかしや偽りを抱えると、後ろめたい気持ちが芽生え、心が乱れますよね。
もしスコアの不正をし、そのままラウンドを続けた場合、心は乱れたまま、プレーに集中できないばかりか、ゴルフを楽しむことすらできなくなってしまうでしょう。
個々のゴルフへの関わり方は、多面的で多様性があり、競技ゴルフはその一面にしか過ぎません。
アメリカでは、子どもの教育プログラムをはじめ、社会人のビジネス研修、会社の採用面接など、幅広くゴルフが利用されていることから、ゴルフには社会生活に必要な“気づき”や“学び”の機会が多分にあることが伺えます。
そんな“気づき”や“学び”が得られる貴重なラウンドの機会を、今後も子どもたちにできるだけ増やしていきたいと考えています。
身体やスキルの土台を養う!発育や成長に合わせたレッスンを
ー成長に合わせた「年齢別のレッスン」についてお聞かせください。
三宅:COMO GOLFERS ACADEMYでは、年齢によってクラス分けをしています。
一番大きな理由は、年代ごとに優先される、運動による刺激があるからです。
たとえば、未就学児のクラスでは、多種多様な神経系への刺激が大切な時期となり、前庭覚、固有感覚、触覚、視覚、聴覚、の五感をどのように刺激していくかが、プログラムの大事な要素となります。
6ヶ月ワンクールで、「振る/打つ」、「引く」、「持つ/運ぶ/わたす」、「捕る/積む」、「押す/蹴る」、「投げる/あてる」という、動きのバリエーションを重視しています。
小学生クラスでは、多種多様な運動パターンの実践がコンセプトです。
「目と手の協調性」「目と身体全体の協調性」「微細運動(手の器用さ)を高める」「リズム/テンポを養う」「バランス感覚を養う」「もの真似能力/反応能力を養う」といった、少しだけ複雑な運動にチャレンジしてもらっていますね。
中高生クラスでは、小学生クラスで実践しているメニューを引き継ぎつつ、基本的なストレッチや、体幹トレーニングなどを少しずつ指導しています。
上記の要素をできるだけ、遊びや、ゲームに組み込んで実践しているんですよ。
特に小学生以下のクラスでは、子どもたちに体を動かすことは楽しいと感じてもらうことを大切にしています。
未就学クラスに通っていた子どもたちの多くが、現在小学生や中学生になっていますが、多少ハードな運動でも、運動の時間を楽しんでくれている姿を見ると、将来のことも含めて嬉しく思いますね。
自然を感じて“家族の絆”や“人間性”を深めるラウンドをしよう!
ー最後に読者の方へ一言メッセージをお願いします。
三宅:ゴルフは性別や年齢を問わず楽しめるスポーツです。
また、人工物の多い現代社会のなか、ゴルフ場のような自然物に囲まれた広い空間は、子どもにとって非常に価値が高いと思います。
親子で一緒にプレーすれば、コミュニケーションを取りながら、丸1日時間を共有することができます。
今回、この記事でCOMO GOLFERS ACADEMYを知っていただき、ひとりでも新しいジュニアゴルファーが生まれてくれれば幸いです。
Instagramもやっているので、ぜひ見てみてくださいね!
ー本日は貴重なお話をありがとうございました!
■取材協力:COMO GOLFERS ACADEMY