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NPO法人「サンカクシャ」の代表理事にインタビュー!15~25歳の若者を支援する活動内容とは?

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近年、家庭や身近な大人のサポートが受けられない若者たちが多いことをご存じでしょうか。

若年ホームレス、子どもの貧困、学校や社会に馴染めず孤立する子どもたちなど、深刻な問題が起きている現状。

今回はそんな若者たちの支援をおこなっている、NPO法人「サンカクシャ」の代表理事・荒井 
佑介さんにお話を伺いました。

孤立している若者たちの「居場所」を作っているお話から、社会へ羽ばたくための支援活動におけるお話など、「サンカクシャ」の取り組みをたっぷり語っていただきました。

「サンカクシャ」は15~25歳の若者たちを支援するNPO法人

子どもたちがテーブルを囲んで談笑する様子の画像

―本日はよろしくお願いします。まずは「サンカクシャ」が、どのような活動をしているのか教えてください。

荒井 佑介さん(以下、荒井):サンカクシャ」では、15~25歳くらいまでの若者のサポートをおこなっています。

特に、学校や社会に馴染めない若者に向けて「居場所」を作ったり、保護者や身近な大人を頼れない若者の進学や就労のサポートをしたりといった活動に取り組んでいます。

―「サンカクシャ」を設立された経緯などを教えてください。

荒井:団体を立ち上げたきっかけは「ホームレス支援」の活動に参加したこと
ですね。2008年で
私はまだ大学1年生。

当時はリーマンショックの前後で、20~30代の若年ホームレス」の方たちが増加していました。

なぜ自分と
年の近い方が路上での生活を選ぶのかと考えたときに、ちょうど私が住んでいた埼玉県が生活保護世帯の中学生に対して「高校受験のサポート」事業をおこなっていました。もともと活動に関心があったので、そのボランティアに参加することにしたんです。

そこで「子どもの貧困」という言葉に出会いました。

自分がサポートした子どもたちは無事に高校へ進学したのですが、高校に入ったあとのほうが大変で…。中退や妊娠をしたり、働き始めても仕事が続かなかったりなどを目の当たりにしました。

しかし、子どもたちの周りを見ても相談に乗ってくれるような人はいない。行くところもない。支援できるところが足りなかったんです。

そういった経緯もあり、
15~25くらいの若者を支援するための「サンカクシャ」を立ち上げました。

サンカクシャにてパソコンで業務をする様子の画像

―ホームレスの方と関わることになったきっかけはなんですか?

荒井:当時、私は大学があまり好きではなく、ほとんど通わなくなっていました。 

そんなときに偶然、新宿駅で具合の悪そうなおじさんと出会ったんです。

そして私が「大丈夫ですか?」と尋ねたら、その方がホームレスだということがわかって。おじさんの身の上話をいろいろと教えてもらったんです。

そのおじさんは話相手が欲しかったみたいで、私は毎週おじさんの話を聞いていました。そのときに話相手がいることが重要なんだと気づきました。

それからこの活動に興味を持ったことでホームレスの課題や支援団体があることを知り、本格的にボランティア活動を始めるようになったのです。

―20代のホームレスの方も多いのでしょうか?

荒井: ホームレスという言葉を聞くと、河川敷や公園で寝泊まりされている方をイメージすることが多いのですが、ネットカフェを拠点にして暮らす方も含まれます。

「ネットカフェ難民」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、1日あたり2,000円を支払ってネットカフェに泊まり、朝になったらシャワーを浴びて仕事に出かけるという20代の方も多いんですよ。

活動の3本柱は「居場所」「アウトリーチ」「社会参画」

子どもと対話をする様子の画像

―「サンカクシャ」を設立されてからは、どのような活動をされているのですか?

荒井:
15~25歳ぐらいまでの年齢の、特に保護者や身近な大人を頼れない若者をサポートしています。

多くの
若者が学校や社会に馴染めておらず、孤立しやすいのが実情です。こうした状況を解決するために、若者たちの「居場所」を作ることを積極的におこなっています

今は、東京の豊島区と文京区に3つの若者の居場所「タマリバ」を構えています。若者が自由に来て、目的なくくつろいで過ごせる場です。

若者もスタッフもみんなでテーブルを囲んでご飯を食べたり、何気ない日常会話から困りごとの話まで、スタッフといろいろな話をたり。

しかし「タマリバ」を紹介しても、初めて知る活動に自分から訪ねるには抵抗がある若者も多くいます。

そのため、若者の自宅に家庭訪問してまずスタッフと信頼関係を築き、ひとりひとりにあった活動につなげる「アウトリーチ」活動にも取り組んでいます。

また「居場所」を作るだけでなく、社会人との交流の場を作ったり、進路や就労のサポートをおこなったりして、若者が自分の将来に向き合うサポートをおこなう「社会サンカク(しゃかいさんかく)」という活動にも取り組んでいます。

孤立する若者たちの「居場所」を作り、一人ひとりに働きかける「アウトリーチ」をおこない、社会に出るための「社会サンカク」をサポートする。この3本柱で活動をおこなっています。

―「居場所」を作るだけでなく、将来に向けた支援もおこなっているんですね。こういった3本柱は当初から構想していたのですか?

荒井:活動をしていくなかで気づいていったのが大きいですね。

「居場所」を作ってみても、来るのに抵抗がある若者が多かったので、個別に家庭訪問する必要があることに気づきました。

「居場所」を利用している若者から就職の相談を受けることが多くなったので、いろいろな団体や企業につなげたりと、私たちができることに気づいていったのです。

目の前の若者によってたくさんの活動の形が作られていくのが、「サンカクシャ」の特徴のひとつではないかと思っています。

―「サンカクシャ」という名前も、社会に参画するという意味が込められているんですね。

荒井:
そうですね。「社会参画」をもじって「サンカクシャ」なんです。

近年、コミュニケーションが苦手な若者が多くなっていると聞きました。 Ameba塾探しでは、ニーズに合わせて、自分にぴったりな塾・学習塾を探すことができます。 「サンカクシャ」のある要町駅、「タマリバ」のある東京都豊島区と文京区には、塾・学習塾が充実。 ぜひ、下記のAmeba塾探しの検索ページからも探してみてください!

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大切なのは安心できる「居場所」でさまざまな人とつながること

サンカクシャの居場所で子どもたちが集まっている画像

―若者にはどのように「サンカクシャ」を活用してもらいたいですか?

荒井:自分の世界が広がるような出会いや、つながりを作ってほしい
と考えています。

サンカクシャ」を訪れる若者たちは、過去につらい経験をして、心に傷を負っていることが多いです。

だからこそ、まず第一に私たちが安心できる存在であったり、信頼できる存在でないといけないと考えています。

まず私たちと信頼関係を築き「居場所」に安心感を覚えてもらうこと。それからほかの若者たちやサンカクシャと関わりのある大人と交流して、世の中にはいろいろな人がいるんだなと知ってもらうこと。

そうしたつながりを通して「世の中にはあんな人がいるんだ」「こんな仕事があるんだ」と、さまざまな価値観を知ることができると思っています。

私たちは特に若者が人とのつながりを築いていくことを大事にしていますので、その点を活用してもらえればと願っていますね。

―新しいつながりを作るきっかけをたくさん用意されているんですね。

荒井:そうですね。今はインターネットがあるのでたくさんの情報が手に入ります。しかし、結局動ける人と動けない人が出てきてしまうんです。

たとえば、何か困りごとを抱えていても、これまでの経験から他人が苦手だと考えていたり、自分の将来に諦めるような気持ちを持っている若者は、自分から積極的に人と関わろうとしません。

だからこそ若者が社会に出たときに自分の糧となるような、いろいろな人と関わる機会を私たちが届けられたらと考えています

子どもたちとスタッフがカードゲームで遊んでいる画像

―「サンカクシャ」の活動によって若者はどのように変化されましたか?

荒井:最初は目を合わせてくれないとか、少し震えていたりとか、人が苦手という若者たちが多いです。

しかし、ゲームで一緒に遊んだり、「居場所」でいろいろな人と関わったりすると、少しずつ話せるようになってくるんですね。

やはり「居場所」に安心感を覚えることと、いろいろな人とつながっていくこと。そして、サンカクシャで出会った人に相談したりしながら自分にあった就労の形を見つけていったり、自分がどんな進路に関心があるのかに気づいていったり、さまざまな経験を積んでいくことによって変化できる
んだと感じます。

―家庭訪問をする若者はどのように見つけているんですか?

荒井:多くの団体には相談窓口がありますが、私たちは
紹介制」という形でおこなっています。相談ができない若者や、社会に出ていく意欲のない若者を対象にしているためです。

そのような若者は、地域で子ども支援の活動をされている方や行政で子ども若者支援に従事していらっしゃる方がサポートしていることが多いのですが、高校に進学したあたりで「サンカクシャに紹介したい」とお声がけいただいています。

そういった地域や行政の方たちと連携して活動することが多いです。

ほかには「居場所」を利用している若者が、友達を連れてくることも。


地域の方にはご迷惑をおかけすることも多いのですが、「サンカクシャ」がこの地域にいてよかったと言ってもらえるように、これからも活動していきたいと思っています。

「サンカクシャ」のこれからの展望について

サンカクシャの居場所にて男性2名が会話をしている画像

ー今後の展望について教えてください。

荒井:
ありがたいことに、「居場所」を提供していただいたり、寄付していただいたり、さらに「サンカクシャ」の若者を採用してくださるなど、多くの方にご協力いただいています。

そのような、サンカクシャの想いに共感してくださる方に仲間になっていただき、より多くの若者を一緒にサポートしていける仕組みを作っていきたいと考えています。

たとえば今、「サンカクシャ」では
“オトナリサン”という枠組みを作っているんです。

これは「隣の人からお醤油を借りる」というような、気軽にできる範囲で力を貸してくれるご近所さん感覚で、若者をサポートしてくれる人を増やしたいという思いをこめています。

この枠組で「若者のことを応援したい」と考えている人のネットワークを広げていくことが、「サンカクシャ」の使命ではないかとも考えています。

また、文京区の「本郷3丁目」駅から徒歩1分の場所に
DAISY BEANS(デイジービーンズ)」という名前のカフェを営業しています。

これは「働くを体験するカフェ」として、「サンカクシャ」の若者たちが中心になって運営しているんです。

お近くにお立ちよりの際は、ぜひ遊びに来ていただけば嬉しいです。

―カフェで働いている若者に変化などはありましたか?

荒井:コミュニケーションがとれるようになってきました。

はじめは、お客さんとうまく話せなかったり、接客が苦手だったりした若者もいましたが、今ではひとりでお店を切り盛りできるようになっています。

運営は大変ですが、お客さんや地域の方に「サンカクシャ」のことを知っていただけるというのは、すごくよい取り組みだと感じています。

カフェで接客対応する若者の画像

ー企業の協賛や個人の支援者からの応援があるとは思うのですが、今後さらに応援を増やしていけるようなアピールポイントなどがあれば教えてください。

荒井:「サンカクシャ」は、若者一人ひとりと丁寧に関わり、その若者が変わっていく姿を見届けていくことができる団体です。 もちろんその間には大変なこともあります。しかし、ポジティブな側面もたくさん見ることができます。

友達でもない家族でもない第三者なのに、気にかけたくなる若者がいるというのは、とても楽しいことだと思いますから。

このような環境で、自分の生き方を改めて考えてみたり、自分の価値観を見つめ直すこともできるんです。

ぜひそういった輪に入っていただき、若者や子どもを見届ける存在になっていただけたらありがたいですね。たくさんの方と一緒に活動ができたらいいなと願っています。

―最後に読者の方に向けてメッセージをお願いします。

荒井:一番大切なのは、身の周りにいる人のことを改めて見つめ直し、困っている人や大変な状況の人にそっと手をさしのべてあげたり、声をかけてあげたりすることかなと考えています。

周囲の人たちの背景に目を向けてみると、少しでも生きやすい世の中になるはずです。

 「サンカクシャ」の活動や、若者を取り巻く課題に関心がある方は、ぜひ一緒に活動ができたら幸いです。

また、これまで若者一人ひとりに合わせて、それぞれに必要な支援を実施してこれたのは、活動に共感し寄付で応援してくださった方々のおかげだと強く感じています。

そんな、若者の「いま」と「これから」を一緒に応援する寄付サポーターになってくださる方を、サンカクシャでは募集しています。

私たちの取り組みに共感いただけた方は、ぜひこちらからご支援いただけたら嬉しいです。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました!

実際の活動の様子を知りたい方はAmeba塾探しの公式YouTubeをチェック!

「サンカクシャ」の実際の活動の様子は、Ameba塾探しの公式YouTubeで近日公開予定です!

若者たちへの支援活動に興味がある方は、ぜひチェックしてみてください!


■取材協力:サンカクシャ

坂本 菜緒
この記事を執筆した執筆者
坂本 菜緒

Ameba塾探し 執筆者

ピアノ、体操、フィギュアスケートなどの習い事を掛け持ちしつつ、小学3年生から進学塾に通う。高校受験で山手学院高等学校に進学。その後、大学受験で東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻に入学。同校の大学院美術研究科を修了し、美術と工芸の専修免許状を所持。2012年から東京都公立小学校にて勤務。2018年5月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。2021年3月から「Ameba塾探し」にてエディターとして従事し、保護者の方やお子様にとって、目的にあった最適な習い事に出会える記事作りを目指しています。