大学受験を控えた高校生やその保護者の方にとって「予備校にいつから通うべきか」は重要な悩みのひとつでしょう。志望大学のレベルや現在の学力によって、予備校にいつから入るのがベストなのかは異なります。
特に国公立大学を目指す場合は、共通テストと個別試験の両方で高得点が必要となるため、早めの対策が欠かせません。では、実際に予備校にいつから行くべきなのでしょうか。
本記事では、学年別・志望校別に予備校への通塾を始める最適なタイミングを詳しく解説します。
高校1年生から3年生まで、それぞれの学年で予備校がいつから始まるのか、どの時期に入塾すると効果的なのかを具体的にご紹介。
難関大学や私立大学、浪人生など、さまざまなケースに応じた通塾開始時期もお伝えします。予備校選びや入塾時期でお悩みの方はぜひ参考にしてください。
- 予備校に通い始めるタイミングとは?
- 【学年別】予備校には何月から通うべき?おすすめの時期を紹介
- 高校1年生におすすめの時期
- 高校2年生におすすめの時期
- 高校3年生の春から夏の時期
- 高校3年生の秋から冬の時期
- 【目的別】予備校通いをスタートするベストタイミング
- 大学受験対策の場合
- 苦手科目克服の場合
- 学校の定期テスト対策の場合
- 【大学受験】国公立や浪人の場合などの場合は予備校にはいつから通うべき?
- 難関大・国公立大の場合
- 私立大学の場合
- 浪人生の場合
- 予備校選びで失敗しないための5つのポイント
- 目的(受験対策・定期テスト対策)にあっているか
- 授業形式があっているか
- 講師やサポート体制は十分か
- 費用は適正かどうか
- 合格実績や口コミはどうか
- 予備校に通い始める時期に「早すぎる」ことはない!
予備校に通い始めるタイミングとは?
予備校に通い始めるベストなタイミングは、志望校のレベルや現在の学力などによって異なります。
しかし、一般的に予備校に通い始めるべきタイミングとしては、学年ごとに下記のような傾向があります。
【学年別・予備校に通い始めるタイミング】
学年 | 通い始めるタイミング |
---|---|
高1〜高2 | ・基礎固めをしたいとき ・学校の授業についていくのが難しくなったとき ・学校の授業進度では志望校合格が難しいと感じたとき |
高3 | ・本格的に受験対策をスタートしようと思ったとき |
浪人生 | ・できるだけ早く通い始めるべき |
当然ながら、予備校に通い始める時期が早ければ早いほど、学習習慣や基礎固めはしやすくなります。
志望校に合格するために今自分に何が必要なのかしっかり見極めたうえで、いつから予備校に通い始めるのかを決めるようにしましょう。
【学年別】予備校には何月から通うべき?おすすめの時期を紹介
予備校に通い始める時期は学年によって異なりそれぞれの学年で最適なタイミングがあります。
何月から予備校に行くべきかを悩んでいる高校1年生から3年生まで、学年別におすすめの通塾開始の時期を詳しく解説していきます。
高校1年生におすすめの時期
高校1年生は、大学受験に必要不可欠な基礎学力を身につける大切な時期です。
特に英語と数学でつまずきを感じたら、できるだけ早めに予備校への通塾を検討しましょう。
4月から6月の1学期は、高校の授業ペースに慣れる時期でもあります。定期テストの結果を見て、思うような成績が取れなかった場合は夏休み前の7月から通い始めるのがおすすめです。
難関大学を目指す場合は、高校入学と同時の4月から予備校に通う生徒も多くいます。東大や京大といった最難関大学では、3年間かけてじっくりと実力を養成することが合格への近道となるでしょう。
また、中高一貫校の生徒は学校の授業進度が速いため、学校のカリキュラムに対応した予備校を選ぶことで、効率的な学習が可能になります。
高校1年生で予備校に通い始めた方の口コミを一部紹介します。
高校2年生におすすめの時期
高校2年生は、大学受験に向けて勉強を始めるのにぴったりの時期です。
受験本番まで1年から1年半というこの時期に予備校を利用することで、学校の定期テストのための勉強から大学受験対策へスムーズに移行できます。
多くの高校で文理選択が確定する2年生の4月から5月は、予備校に通い始める絶好のタイミングといえるでしょう。
文系・理系それぞれの専門科目の対策が本格化する時期でもあり、予備校でも文理別のカリキュラムが充実してきます。模試で苦手科目が明確になった場合は、その都度対策を始めることが大切です。
高校2年生で、いつから予備校に通うべきか悩んでいる人は、秋の10月から11月も通塾開始としておすすめします。この時期から始めれば、受験本番まで約1年半の準備期間が確保でき、基礎固めから応用力養成まで計画的に学習を進められるでしょう。
部活動をしている生徒は、オフシーズンや活動が落ち着く時期を狙って通い始めるケースも多く見られます。
高校2年生で予備校に通い始めた方の口コミを一部紹介します。
高校3年生の春から夏の時期
高校3年生の春は多くの受験生が予備校通いを始める時期です。4月の新学期開始と同時に通い始めれば、約1年間の受験対策期間を確保できます。
夏休み前の5月から6月は予備校に入るタイミングとしては少し遅いかもしれませんが、夏期講習を最大限活用でき、受験の天王山といわれる夏休みを有効に使えます。
この時期の予備校では、志望校別・レベル別のクラス編成が行われ、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨しながら学習できる環境が整います。自習室や質問対応などのサポート体制も充実しているため、効率的な受験勉強が可能になるでしょう。
遅くとも7月の夏休み前には予備校に通い始めることで、基礎固めから実践演習まで計画的に進められます。
この時期では、いつから予備校に通うべきかを悩むよりも自身の苦手科目の克服や、夏休みを有効に使いたいと考えた時点で予備校に通い始めることをおすすめします。
高校3年生の秋から冬の時期
高校3年生の秋以降から予備校に通い始める場合は、短期集中型の学習が必要になります。
9月から10月から始める場合、残り時間は限られていますが効率的な学習で十分に成績向上を狙えるでしょう。
この時期の予備校では、大学別の過去問対策や直前期講習が充実しています。苦手科目の克服や得点力アップに特化した講座を選ぶことで、短期間での成績向上が期待できます。
11月から12月から始める場合は、共通テスト対策や私立大学の個別試験対策に集中することになります。予備校の冬期講習や直前講習を活用し、最後の追い込みをかける形になるでしょう。
ただし、高校3年生の秋から冬の時期での通塾は時間的制約が大きいため、明確な目的意識を持って効率的に学習することが不可欠です。
ここでは、高校3年生で予備校に通い始めた方の口コミを一部紹介します。
【目的別】予備校通いをスタートするベストタイミング
予備校に通い始めるベストなタイミングは、目的によっても異なります。通う目的がはっきりしている場合は、こちらのおすすめ時期も参考にしてください。
大学受験対策の場合
大学受験対策のために予備校に通うなら、遅くとも高2の終わりまでに通い始めるのが理想です。
特に基礎学力がしっかり身についていない人や教科ごとに成績にムラがある人、難関大学を目指している人は、できるだけ早く予備校に通い始めたほうがよいでしょう。
大学受験は、高校で学ぶ範囲はもちろん、それらを応用した難問も解ける学力が求められます。そのため、1年以上かけて基礎から応用まで地道に積み上げることが大学合格への近道です。
苦手科目克服の場合
苦手科目の克服だけを目的にするなら、定期テストで成績が落ちたタイミングに通い始めるのがおすすめです。
1科目のみでも受けられる予備校や、苦手克服に特化した季節講習・短期集中講座などを活用しましょう。
苦手だなと感じたら早めに対策することで、苦手意識をなくすだけでなく、得意科目にまで変えられることもあります。
学校の定期テスト対策の場合
学校の授業についていくことや定期テストで高成績をとるのが目的の場合、学期の初めや授業進度が早くなったタイミングで通い始めると効果的です。
中高一貫校や私立高に通っているなら、在籍する学校の授業進度やテキストにあわせた指導を受けられる予備校を選ぶとよいでしょう。
また、大学付属の高校に通っていて内部進学を希望しているのであれば、学校の定期テストで高成績をキープすることが重要です。予備校のコースやカリキュラムを調べ、在籍する学校に沿った授業が受けられるところを見つけましょう。
【大学受験】国公立や浪人の場合などの場合は予備校にはいつから通うべき?
志望する大学の種類や受験生の状況によって、予備校に通い始めるべき時期は変わってきます。
いつから予備校に通うべきか悩んでいる方に向けて国公立大学や私立大学、浪人生それぞれのケースについて、最適な通塾開始のタイミングを解説します。
難関大・国公立大の場合
難関大学や国公立大学を目指す場合、高校2年生の秋頃から予備校に通い始めることが理想的です。共通テストと個別試験の両方で高得点が必要となるため、十分な準備期間が欠かせません。
東大・京大・医学部などの最難関大学では、高校1年生から通い始める生徒も多く見られます。これらの大学では単なる知識の暗記だけでなく、深い思考力や応用力が求められるでしょう。
国公立大学の場合は5教科7科目という幅広い科目の対策が必要です。遅くとも高校2年生の終わりまでには予備校での学習を開始し、計画的に全科目の実力を養成することが合格への近道となります。
また、記述式問題への対応力も重要なため、予備校での添削指導や個別指導を活用することで、着実に実力を伸ばせるでしょう。
私立大学の場合
私立大学を目指す場合は高校3年生の春から予備校に通い始めても間に合うケースが多いです。
受験科目が3教科程度に絞られるため、集中的な対策が可能となります。
ただし早慶上智やGMARCH、関関同立などの難関私立大学を目指す場合は、高校2年生の後半から準備を始めることをおすすめします。これらの大学では、科目数は少なくても各科目で高い完成度が求められるでしょう。
私立大学は大学・学部によって出題傾向が大きく異なるため、志望校に特化した対策が重要です。予備校の志望校別対策講座を活用することで、効率的な学習が可能になります。
推薦入試や総合型選抜を検討している場合は、それぞれの入試時期に合わせて早めの対策が必要となるでしょう。
いつから予備校に通うか悩んでいる場合、通い始める時期が早すぎるということはありません。特に高校3年生の夏時点で点数が伸び悩んでいたり、苦手科目が克服できていない場合は早急に予備校に通うことをおすすめします。
浪人生の場合
浪人生は4月の新年度開始のタイミングで予備校に通い始めることが一般的です。
1年間という限られた期間で結果を出す必要があるため、できるだけ早いスタートが重要となります。
3月の合格発表後すぐに予備校の説明会や体験授業に参加し、4月からスムーズに学習を開始できるよう準備を整えましょう。
「いつから予備校に通い始めるか」といった勉強以外のことに時間をかけすぎず、早めに学習環境を整えることが大切です。
浪人生向けの予備校では朝から夜まで充実したカリキュラムが組まれています。現役時代の反省を活かし、苦手科目の克服や得意科目のさらなる強化に取り組むことで、確実な成績向上を目指せるでしょう。
予備校選びで失敗しないための5つのポイント
予備校に通い始めるベストタイミングがわかったら、同時に予備校選びも進めていきましょう。
ここでは、予備校選びで失敗しないためにチェックしたい5つのポイントについて解説します。
目的(受験対策・定期テスト対策)にあっているか
予備校は、大学受験対策がメインですが、学校の定期テスト対策に力を入れているところもあります。
たとえば、四谷学院では「定期試験バックアップ」という定期テストサポートを1回1週間、年5回まで無料で実施しています。
また、東進ハイスクールでは「学年末対策特訓講座」で3週間の定期テスト対策をおこなっています。
このように、予備校ではさまざまな定期テスト対策をおこなっているため、コースやカリキュラム、特別講座などをしっかり確認して自分の目的にあわせた予備校を選ぶようにしましょう。
授業形式があっているか
予備校や塾の授業形式は、大きく分けて「集団授業」「個別指導」「映像授業」の3種類です。
予備校の授業は「集団授業」が一般的ですが、なかには「映像授業」や「個別指導」をおこなうところもあります。
ここでは、それぞれの授業形式の特徴と向いている生徒の特徴を一覧にしました。自分にあった授業形式を見つけたい場合は、こちらを参考にしてください。
【授業形式別・指導の特徴と向いている生徒の特徴】
授業形式 | 指導の特徴 | 向いている生徒の特徴 |
---|---|---|
集団授業 | ・学校の授業のように講師1名が大勢の生徒に向けて講義する ・決まったカリキュラム・授業進度で進められる ・周りの生徒と切磋琢磨しながら学力向上を目指せる | ・志望校や学力レベルが同等の生徒と一緒に授業を受けて切磋琢磨したい人 ・学校の授業と同じ形式のほうが学びやすい人 |
個別指導 | ・講師1名に対して生徒1〜4名ほどで一人ひとりの学習内容にあわせて指導する ・学習状況や志望校、受験形式などを考慮した個別カリキュラムで指導する ・授業日時が柔軟に決められる | ・自分のペースで学習したい人 ・戻り学習も含めた基礎固めや苦手克服をしたい人 ・いつでも講師に質問できる環境で学習したい人 |
映像授業 | ・教室の視聴ブースで映像講義の視聴やオンデマンド受講をして学習する ・自分のペースで受講でき、自由に受講日時を決められる | ・時間や場所にとらわれずに予備校の講義を受けたい人 ・自宅や学校近くに通いたい予備校がない人 |
講師やサポート体制は十分か
予備校は基本的に「プロの専任講師」が講義を行いますが、中には「アルバイト講師」が指導する場合もあります。
また、講義はプロ講師、質問対応や生徒の学習管理は学生講師と役割を分けている予備校もあります。
そのため、プロ講師による質の高い講義を目的として予備校に通うなら、プロ講師の担当範囲や講義以外の学習サポート体制をチェックしておきましょう。
費用は適正かどうか
予備校に通うと毎月の授業料や教材費はもちろん、長期休みには夏期講習・冬期講習の費用も必要です。
そのため、月にかかる授業料だけで判断するのではなく、長期休み中や受験対策のための出費も踏まえて年間いくらかかるのかを考えましょう。
予備校はコース制・コマ制など受講形式もさまざまなので、いくつかの予備校を調べてみることをおすすめします。
また、予備校によっては受講料が一括払いの場合もあります。家計に余裕があるか確認し、支払い方法についても注意するようにしましょう。
合格実績や口コミはどうか
志望校合格を目指す受験生にとって、予備校の合格実績は重要な要素のひとつです。
志望校の合格実績が豊富な予備校には、合格するために必要なノウハウが多く蓄積されていると考えられます。
また、合格実績が豊富だからといって、予備校との相性がよくなければ成績がぐんと伸びることはあまりありません。そのため、実際に通塾経験のある人の口コミも大切な判断材料です。
検討中の予備校に実際に通っている友人がいる場合は、予備校について直接聞いてみるとよいでしょう。
実際に通っている人の口コミを聞くことで、講義のわかりやすさや教室スタッフへの相談のしやすさといった生の情報を知ることができ、より自分に適した予備校を選ぶことができます。
予備校に通い始める時期に「早すぎる」ことはない!
予備校に通い始めるタイミングは一人ひとりの状況によって異なり、どれが正解ということはありません。
いつから予備校に通うべきか悩んでいる場合、通い始めるのが遅すぎることはあっても早すぎることはないので早めの行動がおすすめです。
早いうちから予備校に通うことによって、基礎をしっかり固めて、より高いレベルの大学を目指せるようになります。志望校合格という目標を達成するために、あなたにあったタイミングで一歩を踏み出しましょう!
なお、塾・学習塾の検索サイト「Ameba塾探し」では、合格実績や授業形式のほか、地域、費用、カリキュラムなどさまざまな項目から予備校を比較することが可能。最適な予備校を見つけるためにぜひご活用ください。