受験生にとっては共通テストの点数によって、志望校の合格がかかってくるわけですから、自分の共通テストの点数がライバルのなかでどのような位置にいるのか気になりますよね。
共通テストリサーチの使い方は簡単で、自己採点した共通テストの結果をオンラインで入力するか、各塾の校舎に提出することで、志望校の最新の合格可能性判定などを無料で知ることができます。
共通テストリサーチのなかでも河合塾の「バンザイシステム」が有名ですが、どのくらい信頼できるものなのでしょうか。そこで本記事では、河合塾の共通テストリサーチの内容と信憑性について解説します。
- 河合塾の共通テストリサーチの概要
- センターリサーチとの違いは?
- 共通テストリサーチの信憑性は?
- 共通テストリサーチの判定基準は?
- 利用方法について
- 結果内容からわかること
- 河合塾のほかに共通テストリサーチができる予備校は?
- 駿台予備学校×ベネッセ「データネット」
- 東進ハイスクール「合否判定システム」
- 浪人生も共通テストリサーチを利用できる?
- 共通テストリサーチの公開スケジュール
- 共通テストリサーチ結果の活かし方
- 河合塾の共通テストリサーチに関してよくある質問
- Q.昨年インストールしたバンザイシステムは引き続き使用できますか?
- Q.私立大一般入試の判定はできますか?
- Q.判定結果はどのくらい詳細に見られますか?
- 河合塾の共通テストリサーチまとめ
河合塾の共通テストリサーチの概要
河合塾では、昨年度の志望者の大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の点数と実際の入試の合否からボーダーラインを割り出しています。
センターリサーチとの違いは?
センターリサーチとは、かつて実施されていた大学入試センター試験(以下、センター試験)の結果をもとに、志望校の合格可能性を判定する手段のことです。
以前の大学入試は「センター試験」と「大学ごとの個別試験」を組み合わせておこなわれており、センター試験の点数が受験の第一関門となっていました。しかし、このセンター試験は2020年1月(2020年度入試)を最後に廃止され、2021年1月(2021年度入試)から大学入学共通テストが導入されています。
名称は「センターリサーチ」から「共通テストリサーチ」に変わりましたが、基本的な役割は変わらず、自己採点結果をもとに志望校の合格可能性を判定します。
また、河合塾でもかつて「センター・リサーチ」を実施していましたが、共通テスト導入後は「共通テストリサーチ」と連動した「バンザイシステム」に移行しています。
共通テストリサーチの信憑性は?
しかし、約8割もの人数を集計しても共通テストを受けた人全員が結果を出しているわけではないため、出してない人の点数が自分より上なら判定も変動するので絶対とはいえません。
とくに得点が非常に高い人や低い人は出さない傾向がありますので、上位層がどれだけいるか未知になってしまうところがあります。
実は、自己採点の集計は河合塾がはじめたシステムが最初なので、センター試験(現在の共通テスト)初期のころから実施されていてノウハウがあり、こうした点からも信憑性が高いといえます。
また、共通テスト結果と河合塾の第三回全統記述模試とのドッキング判定が可能なので、過去の成績を二次試験に見立てた判定を知ることができます。
共通テストリサーチの判定基準は?
あくまで共通テストレベルの学力と過去の成績からの判定であり、A判定なら必ず合格するとは限りません。
ただし、私立大の単独型の共通テスト利用入試の判定であればかなり信憑性は高いでしょう。
また、二次試験の配点が高い大学は共通テストリサーチの判定が低くても、二次試験で巻き返せる可能性が高いです。
とくに東大、京大、東工大は文系、理系の専門科目以外の共通テストの科目があるので足切りにあわないかどうかくらいの気持ちで判断して、二次試験の対策に時間をかけましょう。
利用方法について
または河合塾の校舎に行って所定のシートに点数を記載して提出するか、学校や塾単位でシートを提出すると結果を郵送してもらうことができます。
結果は校舎や学校に取りに行くか、個人宛に郵送してもらう場合には別途郵送費がかかる場合があります。
結果内容からわかること
さらに、志望校別の平均点や得点分布を知ることができますので、ライバルのなかの自分の位置がわかります。合格判定結果が悪くても、得点分布によっては挽回できる位置にいるかもしれませんのであきらめるのはまだ早いです。
また、国立大医学部などで足切りが予想される場合には、一次選抜のラインが表示されますので参考にすることができます。
ほかに、河合塾で10月ごろにおこなわれる全統記述模試に参加した人は、模試の結果から見た二次試験の評価偏差値も出ます。あくまで過去の模試の結果からの判定であり、過去の自分に対する評価でもあります。
模試の結果は本番の試験のレベルとは差が生じます。これから伸びる人もいますので、結果を気にしすぎてモチベーションを下げないようにしましょう。
河合塾のほかに共通テストリサーチができる予備校は?
最大手のひとつである代々木ゼミナールは、2014年を最後にセンター・リサーチの実施を廃止しました。現在、河合塾のほかに実施しているのは、駿台予備学校×ベネッセと、東進ハイスクールです。それぞれの共通テストリサーチについて解説していきます。
駿台予備学校×ベネッセ「データネット」
10月に実施される駿台・ベネッセ記述模試を受けた場合は、模試と共通テストの結果をあわせたドッキング判定を出すことができます。
この「データネット」は前年度の判定システムが公開されており、通年で見ることができるのも特徴です。前年度の共通テストを解いて自己採点結果を入力すると前年度の判定が出ますので、今年度の共通テストの前にやってみると練習や参考にもなりおすすめです。
東進ハイスクール「合否判定システム」
東進ハイスクールでは、共通テストの結果から二次試験の結果を予測して判定を出しています。また、共通テストを利用しない私立大の合格可能性判定も共通テストリサーチで出せることが特徴です。
浪人生も共通テストリサーチを利用できる?
河合塾の共通テストリサーチを校舎に提出する際は、提出可能な校舎が限られているので近隣にない場合はインターネット上のバンザイシステムを利用したほうが便利です。
駿台予備学校×ベネッセの共通テストリサーチは所定の集計カードに結果を記入したあと、カードの提出のため駿台校舎に行く必要があります。郵送は受け付けていないので注意してください。もし校舎に行けない場合は「インターネット選太君」を利用しましょう。
東進ハイスクールはインターネット上の合否判定システムに登録することで利用できます。
共通テストリサーチの公開スケジュール
いずれのシステムも共通テスト2日目終了後の2~3日後に公開されています。
各社ともインターネットから共通テストリサーチの結果を受け取る場合は、当日回線が混み合うことが予想されますので、登録を事前に済ませておくと共通テスト結果を入力するときに時間をかけなくて済みます。
インターネット上からの利用は大変便利ですが、各社ともデータをダウンロードする必要があったり、会員登録が必要だったりするので事前に済ませておくのがおすすめです。
共通テストリサーチ結果の活かし方
共通テストリサーチがA判定やB判定だったとしても油断はできません。共通テストリサーチを提出しない受験者もいますし、二次試験もあるので結果は必ずではないからです。
これまでは共通テスト対策に時間を取られてきましたが、ここから二次試験に向けてグンと伸びる人は実際にいます。結果に一喜一憂せず、冷静に現状を分析して、受験までにできることをしていくことが大事です。
二次試験はまだこれからですし、CやD、E判定だったとしても挽回するために必要なことをしていきましょう。「あと何点必要か」「問題傾向からどの部分を強化するか」などです。ちょっとしたケアレスミスや読み違いも含めて自分の弱点を少しでもなくすよう、厳しい視点ことも大切です。
何度も解いた問題でも、記述に足りない部分はないか、式の展開にミスはないかなど細かくチェックします。焦っても身にならないので、よく考えて解答を出すよう意識しましょう。必要ならランクを下げ、思い切って志望校を変更する判断をします。
やれることをやりきっていくことが自信に変わります。いい結果でも油断せずに勉強を続けて自信をつけ、悪い結果なら志望校の過去問などやりきって自信をつけて不安を消しましょう。
河合塾の共通テストリサーチに関してよくある質問
最後に、河合塾の共通テストリサーチ「バンザイシステム」に関して、受験生からよく寄せられる質問をまとめました。実際に利用する前に確認しておきましょう。
Q.昨年インストールしたバンザイシステムは引き続き使用できますか?
昨年度インストールしたシステムのバージョンによって、そのまま使えるかどうかは異なります。現在の最新バージョンは「2.16」です。このバージョンをインストール済みであれば、そのまま利用可能です。
一方で、バージョンが「2.15」以前の場合は、最新プログラムに更新する必要があります。更新の詳細は、こちらのページを参照してください。
利用しているバージョンがわからない場合は、こちらの方法で確認できます。
Q.私立大一般入試の判定はできますか?
バンザイシステムは、国公立大学と共通テストを利用する私立大学・短期大学に対応しています。そのため、共通テスト利用する私立大一般入試であれば、バンザイシステムで判定が可能です。
一方、共通テストを利用しない私立大学・短期大学については、「第3回全統記述模試」の個人成績データを取り込むことで、バンザイシステムで判定することができます。
各私立大一般入試のボーダーライン(合否の可能性が50%にわかれるライン)は、河合塾が提供する大学入試サイト「Kei-Net」で確認できるので、併せて活用するとよいでしょう。
Q.判定結果はどのくらい詳細に見られますか?
バンザイシステムの判定結果は、アルファベット(A~E)で合格可能性が示されます。合格可能性の目安は、以下のとおりです。
- A:80%以上
- B:65%
- C:50%
- D:35%
- E:20%未満
なお、この他の判定状況として、G・H・X・*などの記号が使われる場合があります。詳細はこちらのページをご参照ください。
また、判定結果画面では以下の詳細データも確認できます。
- ボーダー得点・偏差値
- 利用者の得点・偏差値
- 総合ポイント
- 配点ウェイト
- 第1段階選抜予想ライン
- 出願予定者・平均点
- 前年度倍率
- 得点分布グラフ
加えて、大学ごとに公表されている「入試科目」や「配点」も確認できるので、二次試験や併願校選びに役立てられるでしょう。
河合塾の共通テストリサーチまとめ
共通テストリサーチの結果から、その時点での自分のやるべきことを見つけることが大切です。共通テストリサーチの結果が良かったからといって安心せず、二次試験に向けてより丁寧な解答を心がけてケアレスミスを防ぎましょう。
反対に結果が悪かったら足りないところを補っていくか、思い切って志望校変更を検討する勇気も必要です。
最後まで自分を信じて力を出し切り、後悔のないよう受験に臨めるといいですね!