2020年度から施行された新学習指導要領により、小学3年生・4年生には「外国語活動」、小学5年生・6年生には「外国語」として英語学習を進めていくことが決定されました。私立の小学校のなかには、低学年から英語学習に取り組む学校もあります。
英語は、中学校や高校、大学でも必須科目になることが多いため、小学生のうちに意欲的に勉強するための土壌をつくっておくことが必要です。家庭でも勉強する機会を設け、子どもが英語に親しむようにサポートしていきましょう。
そこで本記事では、家庭でできる英語の勉強方法やおすすめの教材、家庭学習を進めるポイントを解説します。また、家庭での学びを深める学習支援サービスも紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
小学生の英語学習の重要性と現状
英語に親しむこと、そして、英語での「読む・書く・話す・聞く」に苦手意識を持たないことは、英語教育において早期に獲得しておきたい要素です。小学生における英語教育の重要性、また、英語の公教育の現状について見ていきましょう。
小学生が英語を勉強するメリット
小学生が英語を勉強することには、次のメリットがあります。
母国語並みの発音を習得する能力は、12歳ごろまでといわれています。小学生のうちに英語を話す機会を多く持つことで、将来的にさまざまな国の人々とコミュニケーションをとれる素地をつくっておきましょう。
また、英語学習は、子どもの将来の選択肢を広げることにもつながります。英語を公用語や準公用語としている国は50を超え、世界の人口の約3割を占めます。学びたい場所で学び、働きたい場所で働くためにも、英語のスキルは不可欠といえるでしょう。
英語教育の現状
従来、日本の公教育における英語学習は、中学1年生から始まっていました。しかし、2011年度からは「外国語活動」として小学5・6年を対象に公立学校での英語教育が始まり、2020年度からは小学3・4年生は「外国語活動」、小学5・6年生は「外国語」と、英語教育の早期化が進行しています。
なお、外国語活動とは、「話す・聞く」をベースとしたコミュニケーションの習得を目指す科目です。一方、外国語(英語)はコミュニケーションに「読む・書く」が加わった科目で、評価対象の教科として成績がつきます。
英語教育の早期化とその背景
グローバル化が進むなか、英語でのコミュニケーションは生活のうえでも必要不可欠な要素となってきました。幼いうちから英語に親しみ、苦手意識を払拭することが大切です。
日本は諸外国よりも英語の勉強を開始する時期が遅い傾向にあります。たとえば、2010年以前、日本は中学生から英語が必須科目でしたが、すでに韓国や台湾、中国などの東アジアの国々では小学生から英語学習を開始し、トータルで10年ほど学ぶカリキュラムが採用されていました。
日本は2020年になってから小中高で10年間英語を学べるカリキュラムになりましたが、ようやく諸外国と足並みがそろった程度であり、決して「英語先進国」ではありません。英語教育のさらなる早期化も視野に入れ、子どもの学びをサポートしていくことが必要です。
家庭でできる小学生の英語勉強方法
小学校の中学年からは公立学校でも英語の勉強が始まりますが、外国語活動は年間35時間程度、外国語は年間70時間程度と、決して十分な時間数ではありません。家庭でも取り組み、英語の学びを深めておくことが必要です。
また、高学年からは成績もつくため、中学受験をする場合なら英語学習は内申点対策にもなります。英語への苦手意識が払拭し、英語に対するハードルを感じにくくするためにも、家庭学習に取り組みましょう。
フォニックスを活用した発音練習
スペリングと発音の関係を学ぶフォニックスは、正しい英語の読みを身につける学習法です。リスニングスキルが改善されるだけでなく、聞いた言葉を書きとれるようになるため、意味を理解する能力の向上にもつながります。
フォニックスは英語教室で学べますが、すべての教室で対応しているわけではありません。フォニックス学習を取り入れているのか、また、どの程度の比重をおいているのか調べてから教室を選ぶようにしましょう。
動画やCD、DVDなどのフォニックス教材もあります。フォニックスは繰り返し聞く・話すことが必要な学習法です。どの方法で学ぶ場合も、習得できるまで何度も反復することを心がけましょう。
日常生活での英語の使用
英会話のスキルは、話す機会を増やすことで向上できます。普段の会話に英語を取り込んでみてはいかがでしょうか。
使う機会が増えることで、英語の勉強に対するモチベーションアップも期待できます。また、知っている単語や言い回しを使って文章を組み立てることで、英語で思考する習慣も身につけられるでしょう。
英語の歌や絵本を使った学習
子どもが幼いうちから、日本語の絵本に加え、英語の絵本も読み聞かせるようにしましょう。また、読み聞かせているときに子どもが文字を目で追うようになったら、自分で音読するように励ましてみてください。理解した内容を話すことで、脳と口が連動し、記憶として定着する効果も期待できます。
また、普段から英語の歌を流すこともおすすめです。リスニングスキルが向上するだけでなく、正しい発音も習得できるため、会話能力全体の向上も期待できます。
小学生におすすめの英語教材とその活用法
英語教材には、紙書籍型とオンライン型、アプリ型の3つのタイプがあります。
ここでは、各タイプの特徴と活用法を見ていきましょう。
小学生向けの市販教材
紙の教材なら、インターネットに接続できない環境でも英語を勉強できます。また、目的のページを開きやすいため、繰り返し学習にもおすすめです。
市販教材のなかには、QRコードを読み取ると発音を確認できるものや、専用の配信サイトで音声を確認できるものもあるため、単語力アップだけでなく発音改善や会話力アップにも活用できます。
小学生向けのオンライン学習ツール
オンライン学習ツールなら、タブレットやパソコンとインターネット環境さえあれば、どこでも英語学習ができます。ゲーム感覚で学べるツールも多く、飽きにくいように工夫されているのも特徴です。
なかには年齢や目的にあわせてカリキュラムを選択できたり、ネイティブ講師とレッスできたりするものもあるため、英会話能力アップにも活用できます。
小学生向け英語学習の無料アプリ
英語勉強の習慣を身につける手軽な方法として、無料の学習アプリも検討してみてください。スマートフォンとインターネット環境さえあればどこでも英語を学べるため、すきま時間を有効に活用できます。
英検5級~2級の学習にも対応しているアプリや、挨拶や会話をゲーム感覚で学習できるもの、多言語学習に対応しているものなど、さまざまなアプリがあるため、お子さんの年齢やニーズにあわせて選んでください。
ただし、無料アプリのなかには課金が設定されているものもあります。有料アプリよりも高額な費用がかかるケースもあるため、慎重に利用しましょう。
小学生の英語学習には英語塾や英会話教室もおすすめ
オンラインや市販教材を利用した家庭学習もおすすめですが、塾や教室で英語を学ぶのもおすすめです。
講師と向き合って学習を進めることで、モチベーションを維持しやすく、より継続した的に学習が可能です学びやすくなるでしょう。
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英語の勉強を小学生が継続するためのポイント
英語の勉強は一朝一夕に身につくのではありません。確かな実力を身につけるためにも、毎日コツコツと勉強し続けることが大切です。
ここでは、小学生が英語学習を継続するためのポイントを解説します。
保護者のサポートが重要
英語を学ぶ習慣が自発的に身につくとは限りません。とくに小学校のうちは、学習習慣が確立していない子どもも少なくありません。
英語学習を習慣化するためにも、保護者が勉強を継続できるようにサポートすることが必要です。数分であっても毎日の学習に付き添うようにすれば、英語の勉強が日常生活の一部になります。英語が苦手な方は、お子さんと一緒に学び直しをするのもおすすめです。
無理のない学習スケジュール
学習量が多すぎると、英語に対して拒否反応を起こす恐れがあります。一度に多くを詰め込まないように、無理のない学習スケジュールを組むようにしましょう。
また、学習スケジュールを定期的に見直すことも大切です。お子さんによっては最初に立てたスケジュール通りに勉強が進行しないことがあるかもしれません。無理なく勉強できているか確認し、お子さんを継続的にサポートするようにしましょう。
モチベーション維持をサポート
目標を立てて英語勉強に取り組むと、お子さんもモチベーションを維持しやすくなります。たとえば、英検などの資格獲得を目標に設定すると、勉強を続けやすくなるかもしれません。過去問のテキストを使い、反復学習をしてみてはいかがでしょうか。
また、覚える英単語の数を決めるのもおすすめです。覚えた数だけシールを貼るなど「見える化」すれば、お子さんのモチベーションアップにつながるかもしれません。
小学生の英語の勉強でよくある質問とその解決策
小学生の英語の勉強において、よくある質問と解決策の一例をまとめました。ぜひ参考にして、家庭学習に役立ててください。
小学生のうちに英語の勉強をして基礎を構築しておこう
ネイティブレベルの発音は12歳を超えると習得が難しいともいわれています。英語に対する苦手意識を持たないためにも、小学生のうちから家庭でも英語に触れるようにしてみましょう。
英語塾や英会話教室に通うと、より効果的に英語学習を進めやすくなります。ぜひAmeba塾探しを活用して、お子さんにあった塾や教室を見つけてください。