子どもが宿題をしないと悩む保護者の方は少なくありません。毎日のように「宿題をしよう」と子どもにいうのは、親にとっても子どもにとってもストレスです。
子どもが宿題をやらない理由を理解し、理由に応じた適切な声がけやサポートをるようにしましょう。
そこで本記事では、小学生が宿題をやらない理由を解説するとともに、親ができるサポートを紹介します。
なお、親の声がけやサポート内容によっては、子どもがさらに勉強しなくなる可能性もあります。おすすめできないNG行動についても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
- 小学生が学校の宿題をやらない主な理由
- 宿題の意味や目的が理解できていない
- 学習内容が難しすぎる、または簡単すぎる
- 勉強に集中できる環境が整っていない
- 親の過度な干渉やプレッシャーがストレスになっている
- 学校の宿題をするために小学生の親ができるサポート方法
- 静かで整理された学習スペースを確保する
- 学習時間と休憩時間のバランスをとる
- 宿題に取り組むスケジュールを子どもと一緒に立てる
- 成功体験を積ませて子どもに自信を持たせる
- 選択肢を与えて子どもの自己決定を促す
- 家族で協力し、ポジティブな声かけを意識する
- 子どもが宿題をやらないときに親が避けるべきNG行動
- 叱責や比較を繰り返す
- 宿題を代わりにやってしまう
- 親が勉強に無関心でいる・放任する
- 宿題する習慣がつくちょっとしたコツ
- やる気を引き出すご褒美システムをつくる
- 視覚的に勉強の進捗がわかるチェックリストの作成
- 学習計画を立てるツールの活用
- AC Calendar
- Dodo
- Trello
- 長期休みの宿題はコツコツ進められるようアドバイスする
- 小学生が宿題をやらないのには理由がある!適切なサポートで学習習慣をつけよう
小学生が学校の宿題をやらない主な理由
「小学生の子どもが宿題をやらない…」「どうすれば宿題をするんだろう…」と悩んでいる保護者の方は少なくありません。
適切にサポートをするためにも、まずは小学生の子どもが宿題をやらない主な理由を確認しておきましょう。
それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
宿題の意味や目的が理解できていない
宿題をする意味が理解できていない子どもは、宿題に対して積極的に取り組まない可能性があります。
何のためにするのかわからないことに時間を費やすよりも、友だちと遊んだりゲームをしたりと、楽しいことに時間を使うほうが、子どもにとっては意味があり、有意義な時間の過ごし方のように思えるかもしれません。
お子さんが宿題をする意味や目的を理解していないときに、親が「宿題をしなさい」と言っても、強制されているように感じるだけで学習につながらない可能性があります。
まずは、「宿題をすると次回の授業がわかりやすくなる」「学校で学んだことが身につく」といったメリットをお子さんにわかりやすく説明しましょう。
宿題には意味があり、宿題をすることでメリットを得られることが理解できれば、お子さんは自発的に宿題に取り組むようになるかもしれません。
学習内容が難しすぎる、または簡単すぎる
学習内容を理解していないため、宿題をする気持ちはあっても、内容が難しすぎて取り組めない状況になっているのかもしれません。宿題を嫌がる素振りを見せているお子さんには、わからないところはないか尋ねてみましょう。
反対に、学習内容が簡単すぎて、勉強が面白くないと感じている子どももいます。勉強が簡単すぎると感じている子どもにとって、宿題は、わかりきった内容を繰り返すだけの退屈な作業です。そのようなお子さんには、「決まったルールを守ることの大切さ」を説明し、宿題をするように促してみてください。
勉強に集中できる環境が整っていない
勉強する環境が整っていないために宿題ができない子どももいます。勉強する部屋がない場合や、リビングやダイニングがいつも騒がしく、集中できないケースもあるでしょう。
また、宿題の時間がとれない子どもも少なくありません。家に帰ったらすぐに塾や習い事、その後は夕食・入浴と時間がなく、宿題が後回しになってしまうケースもあります。
親の過度な干渉やプレッシャーがストレスになっている
「やりなさい」という言葉は、子どもにとっては「やらされている」と感じる原因になることもあるため注意が必要です。親から強要されることで宿題をする気持ちが失せたり、プレッシャーに感じたりするケースもあります。
親の関わり方に問題があると思われるときは、過干渉にならないように言葉を控えるようにしましょう。子どもに命令して勉強させるのではなく、子どもの行動を見守るように心がければ、自発的に宿題をするようになるかもしれません。
学校の宿題をするために小学生の親ができるサポート方法
子どもが進んで宿題をするようになるためにも、保護者の方は、次のようなサポートをおこなってみてください。
親が上記のサポートを実施したとしても、すぐに効果が出るとは限りません。まずは気長に子どもの変化を見守るようにしてください。
静かで整理された学習スペースを確保する
子どもが集中して勉強できるように、家庭内の環境を整えましょう。静かな場所を確保し、落ち着いた気持ちで宿題に取り組めるようにします。
子ども部屋やリビングなど、お子さんが勉強したいと思える場所で宿題をできるように学習スペースを確保してください。また、お子さんが勉強しているときは、テレビや話し声などが学習スペースに聞こえないように配慮することも大切です。
学習時間と休憩時間のバランスをとる
勉強は大切ですが、そればかりでは、子どもは学習に対する意欲を失ってしまう恐れがあります。あらかじめ学習を始める時間・終了する時間・休憩時間を決めて、子どもが「勉強ばかりしている」という気持ちにならないように工夫しましょう。
また、学習時間と休憩時間を明確に分けることで、メリハリがつき、効率的に学べるようになります。小学生は学習習慣を身につけるだけでなく、勉強のやり方を覚える時期でもあります。
「勉強するときは集中する」ことを学ぶためにも、学習時間と休憩時間を明確に区切りましょう。
宿題に取り組むスケジュールを子どもと一緒に立てる
宿題や予習をする時間、遊ぶ時間などのスケジュールを決めてから学習に取り組むことは、効率的に学ぶためにも大切なポイントです。しかし、親が勝手にスケジュールを決めてしまうと、子どもは「勉強をやらされている」と思うようになり、自発的に勉強するようにはなりません。
自発的に学ぶ子どもに育てるためにも、子どもの自主性を尊重することが大切です。子どもの予定を優先することを心がけつつ、学習や遊びのスケジュールを子どもと一緒に立てましょう。適度に親がサポートをすることで、子どもが一人で適切なスケジュールを立てられるように促していきます。
成功体験を積ませて子どもに自信を持たせる
「勉強してから遊ぶ」「宿題は夕食までに終わらせる」といった家庭内ルールを決め、お子さんがルール通りに実行できたときにはしっかりと褒めるようにしてください。繰り返し褒めることで、お子さんは「ルールを守ると褒められる」という成功体験を得られるようになります。
また、時間管理に対してお子さんが自信を持つようになり、自主性を育む効果も期待できるでしょう。お子さんが自分で学習スケジュールを立て、自分で管理できるようになれば、宿題忘れも減っていくはずです。
選択肢を与えて子どもの自己決定を促す
スケジュールを自分で決めることが難しいお子さんには、親がいくつかの選択肢を提示し、決定させるようにしてみてはいかがでしょうか。「宿題とゲーム、どちらを先にする?」「国語と算数、どちらから始める?」のように声がけをしてみましょう。
子どもは「自分でスケジュールを決めた」と感じることができるため、親が命令するよりも意欲的に学習に取り組みやすくなります。また、何度か繰り返すことで、親が選択肢を与えなくても自発的に学習スケジュールを立て、宿題するようになるでしょう。
家族で協力し、ポジティブな声かけを意識する
子どものよくない点やできない点に注目するのではなく、よい点や知っていることなどに注目したポジティブな声がけも大切です。
たとえば、「学校で習ったことを教えて」「すごく知っているね」のように、親が子どもに関心を持ち、一人の人間として評価していることを示すような声がけをしてみましょう。
また、子どもが勉強をしているときは、集中しやすい環境をつくることも大切です。たとえば、子どもがリビングで勉強しているときは、親が隣りでスマートフォンやテレビを見るのは控えましょう。
子どもが宿題をやらないときに親が避けるべきNG行動
子どもが宿題をせず、だらだらと過ごしているのを見ると、親はつい何かひと言、言いたくなってしまうことがあります。しかし、親の声かけや対応によっては、子どもがさらに勉強しないようになってしまうこともあるため注意が必要です。
とくに、以下の行動はしないように気を付けてください。
それぞれの行動を避けるほうがよい理由について見ていきましょう。
叱責や比較を繰り返す
子どもが宿題をしないからといって、強い口調でとがめるのはNGです。また、子どもの事情に配慮を示さず「今すぐ宿題をしなさい」と一方的に命令したり、イライラした態度を見せたりするのもおすすめできません。
また、ほかの子どもと比較するのもNGです。子どもの自己肯定感が低くなるだけでなく、比較された相手との軋轢(あつれき)を生むこともあります。
たとえば、親がいつも「〇〇ちゃんはバレエも頑張っているのに勉強もよくできるわね。それに比べてあなたは…」のようにいうことで、子どもは知らず知らずのうちに〇〇ちゃんに嫉妬心を覚えたり、意識したりするようになるかもしれません。
宿題を代わりにやってしまう
たとえば、習い事に行く時間が迫っているのに、子どもが宿題に取りかかろうとしないとき、親が焦ってしまい、宿題を代わりにやってしまうことがあるかもしれません。また、子どもが宿題をせずに寝てしまったときに、「代わりに宿題をしておこう」と思うかもしれません。
しかし、どのような場合であれ、親が子どもの宿題を代わりにするのはおすすめできません。子どもが宿題をしないときも、あくまでも親は子どものサポートに徹するようにしてください。親主導で宿題をしても、子どもの学力は育ちません。また、子どもの考える力を奪うことにもなってしまいます。
親が勉強に無関心でいる・放任する
子どもの勉強に対して、親が無関心でいることもNGです。子どもは、「自分に親が関心を持っていないのでは…」と捉えてしまう可能性があります。
また、自主的に学習に取り組む習慣が身についていない子どもに対して、極端な放任主義をとるのもおすすめできません。学習習慣が身につかないまま学年が上がり、徐々に学習内容が複雑になって、勉強についていけなくなる恐れがあります。
宿題する習慣がつくちょっとしたコツ
子どもが自発的に宿題する習慣を身につけるために、保護者は次のようなサポートを心がけてみてください。
いずれのサポートも、子どもによって「あう・あわない」があります。お子さんの特性をしっかりと見極めてから実行するようにしましょう。
やる気を引き出すご褒美システムをつくる
子どものやる気を引き出すようなご褒美システムを、家庭のなかで取り入れてみましょう。ただし、物で釣るといったことではなく、褒め言葉や時間(ゲームの時間、一緒にお菓子を食べる時間など)としてご褒美を用意するようにしてください。
また、ご褒美は成績やテストの点数といった「結果」ではなく、子どもの「努力」に対して与えることが大切です。
学校から帰宅してすぐに宿題を終わらせたら、「えらいね!」と褒め、子どもの好きなお菓子を一緒に食べたり、ゲームをする時間をいつもよりも少し長くしたりしてみましょう。
視覚的に勉強の進捗がわかるチェックリストの作成
子どもによっては、学校の宿題以外の勉強も必要です。学校の予習と復習、塾の宿題、受験用の勉強などもあり、学ぶ内容も多岐にわたります。
どの課題が終わったか、また、どこまで進んだかが視覚的にわかるように、チェックリストや表を作成するのもおすすめです。
終わった課題や学習内容に子どもがシールを貼る仕組みにすれば、達成感を得やすくなり、学習に対する意欲を引き出しやすくなります。
学習計画を立てるツールの活用
アプリなどのツールを利用して学習計画を立てるのもおすすめです。子どもがスマートフォンやタブレットを持っているのなら、自分で勉強時間を管理できるようになり、自主的な学習を促せるようになります。
AC Calendar
シンプルにタスクや予定を管理したいときには、「AC Calendar」を使ってみてはいかがでしょうか。目標も入力できるため、目的を忘れずに勉強を続けやすくなります。
また、受験や旅行といった特別な予定は、カウントダウン機能で把握できるのも特徴です。夏休みなどの長期休みの自己管理ツールとしても活用できます。
Dodo
家族で学習スケジュールを共有するなら「Dodo」がおすすめです。個人のタスクをメンバー全員が閲覧できるため、学習進捗を管理しやすくなります。
Dodoにはチャット機能もあり、家族内のコミュニケーションにも活用できます。事務的な連絡だけでなく、「今日はいつもよりも丁寧に予習をしていたね」「宿題、頑張ったね」など、子どもの頑張りを褒めて伝える場としても利用しましょう。
Trello
お子さん自身も書き込む機会が多いときには、「Trello」を使ってみてはいかがでしょうか。予定やアイデアをToDoリストやメモの形で簡単に整理できます。
また、ドラッグアンドドロップで簡単にタスクをカレンダーに貼れるため、大切な予定や締め切りなどを忘れにくくなるのも特徴です。塾や習い事といった学校外活動が増えてきたときには、Trelloなどのツールを使って予定を管理してみましょう。
長期休みの宿題はコツコツ進められるようアドバイスする
お子さんの学習習慣をつけるためにも、長期休みの宿題はまとめてしないようにしてください。計画を立てて毎日少しずつ進めていくことで、コツコツと勉強する習慣が身につきます。
もし、お子さんがひとりで計画を立てるのが難しい場合は、保護者の方がアドバイスやサポートをしてあげましょう。
また、人間の情報処理能力には限界があるため、一度に多くの勉強をしても、すべてが記憶として定着するとは限りません。少しずつ勉強することで、学んだことを記憶として定着させ、確かな学力に昇華させましょう。
小学生が宿題をやらないのには理由がある!適切なサポートで学習習慣をつけよう
毎日コツコツと学ぶ習慣は、幼いうちにつけておくことが大切です。小学生のときに宿題をする習慣を身につければ、中学・高校・大学と進学しても、学びを習慣として継続できるでしょう。
なお、小学校の宿題が少なく学習習慣が身につきにくいときや、学習内容のレベルがお子さんにあわないときは、学習塾に通うのもおすすめです。
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