不登校のお子さんを持つ保護者の方々にとって、お子さんの学習や将来への不安は大きな課題です。
しかし、適切な塾を選ぶことでその不安を解消し、お子さんの成長をサポートできます。
本記事では、不登校のお子さんが塾に通うメリットやデメリット、塾選びのポイントなどを詳しく解説します。不登校の子どもにおすすめの塾も2つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。学習の遅れを取り戻し、いつでも学校に復帰できる体制を作っていきましょう。
塾なら不登校でも学習できる環境がある
不登校のお子さんを持つ方のなかには、学校に通えないことでお子さんの将来に影響が出るのではないかと心配している方もいるのではないでしょうか。
塾であれば、不登校のお子さんでも安心して学習できる環境が整っています。個別指導や柔軟なスケジュール、さらにはオンライン授業など、お子さんの状況にあわせた学習サポートがあります。
塾は、お子さんが学習の遅れを取り戻すチャンスとなるだけでなく、同じような境遇の子どもたちと交流することで、社会性を養う場にもなるでしょう。お子さんの状況や目標にあわせて適切な塾を選ぶことで、不登校でも学習をしながら将来に向けて着実に歩んでいくことができます。
不登校の子が塾に通うメリット・デメリット
塾通いは、お子さんの学習面だけでなく、心理面や社会性にも影響を与える可能性があります。一方で、新しい環境に踏み出すことへの不安もあるかもしれません。
ここでは、不登校のお子さんが塾に通うメリットとデメリットについて詳しく解説します。
不登校の子が塾に通うメリット
不登校の子が塾に通う際、おもに以下のようなメリットが考えられます。
学習の遅れを取り戻せる
学校の授業を受けられないお子さんでも、塾に通うことで学習の遅れを取り戻すチャンスがあります。とくに個別指導塾では、一人ひとりの学習ペースにあわせた指導が受けられるため、効果的に学力を向上させることができます。
受験や進学のための学力をつけられる
塾に通うことで、不登校であっても希望する高校や大学への進学に必要な学力を身につけられます。
受験に特化したカリキュラムや塾ならではの受験情報を活用することで、効率的に受験対策を進めることが可能です。
コミュニケーション能力や社会性が育つ
不登校の状態では人との関りが少なくなってしまいますが、塾に通うことで、家族以外の人との関わりが生まれます。
講師やほかの生徒との交流を通じて、コミュニケーション能力や社会性を育む機会となります。同じような境遇の仲間と出会うことで、お子さんの孤独感が軽減されることもあるでしょう。
学習意欲の維持・向上につながる
勉強に適した環境で集中して学習に取り組む習慣をつけ、小テストなどでコツコツと結果を出すことで、勉強へのモチベーションが上がる場合があります。
達成感を味わうことで自信がつき、さらなる学習意欲につながる好循環が生まれるでしょう。
学校への出席扱いとなる可能性がある
文部科学省の方針により、ICTなどを利用したオンライン学習が指導要録上出席扱いとなる可能性があります(※)。
学校におこなっていない間は塾で勉強することで、学校へ復帰する際も勉強の遅れを心配しなくて済みます。
※参考:文部科学省「「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日」
※参考:文部科学省「(別記1)義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」
不登校の子が塾に通うデメリット
不登校のお子さんを塾に通わせることには、以下のようなデメリットが生じる可能性がある点は理解しておきましょう。
根本的な問題解決にならない可能性がある
塾に通うだけでは、不登校の根本的な原因を解決できない場合があります。学習面の不安は解消できても、人間関係や学校環境に関する問題が残ったままでは、学校に復帰することは難しいでしょう。
塾通いと並行して、お子さんの心理的なケアや学校との連携などの対策が必要になるかもしれません。
経済的負担が増える可能性がある
不登校のお子さんに適した個別指導や専門的なサポートを受けるには、通常の塾よりも費用が高くなる場合があります。
塾選びの際は費用対効果を慎重に検討し、家庭の経済状況も考慮する必要があるでしょう。
不適切な塾選びにより逆効果となる可能性がある
不登校に対する理解が不十分な塾や、お子さんとの相性が合わない講師がいる塾を選んでしまうと、お子さんのストレスが増加し、学習意欲の低下や自己肯定感の低下につながる可能性があります。
塾選びの際は、不登校への理解度や講師の対応力、お子さんとの相性などを十分に確認しましょう。
学校復帰への障壁となる可能性がある
塾の学習環境に慣れると、学校への復帰が難しくなる場合があります。
将来的に学校復帰を考えている場合は、塾と学校の両立や学校復帰のプランを事前に検討しておくことをおすすめします。
不登校の子どもが通う塾を選ぶ際のポイント
不登校の子どもが通う塾は、どのように選べばいいのか悩む方も多いでしょう。
お子さんの心理状態や学習の遅れ、将来の目標など、考慮すべき点は少なくありません。ここでは、不登校のお子さんに適した塾を選ぶ際のポイントを解説します。
不登校の生徒をサポートする体制
不登校のお子さんは、さまざまな理由で学校に通えていない状態が続いています。
そのため、塾を選ぶ際は特別なサポート体制が整っているかどうかが重要なポイントです。以下の点に注目して塾を選びましょう。
個別指導やオンライン授業の有無
1対1や少人数での指導など、お子さんのペースにあわせた学習が可能かどうかを確認しましょう。個別指導であれば、お子さんの理解度や心理状態に応じて柔軟に授業を進められます。
自宅から参加できるオンライン授業を提供している塾も増えているため、外出に不安を感じるお子さんでも学習を継続できます。オンラインと対面のハイブリッド型の授業を提供している塾であれば、お子さんの状況に応じて柔軟に対応できるでしょう。
不登校への理解がある講師の存在
不登校に対して深い理解がある講師が在籍している塾を選ぶことが重要です。
「怠けている」「ずるい」などの誤解や偏見を持った講師がいると、お子さんは深く傷つく可能性があります。面談や体験授業を通じて、講師の不登校に対する理解度や対応力を確認しましょう。
メンタルケアの体制
学習面だけでなく、メンタル面のサポートも重要です。カウンセラーなどの専門家と連携し、お子さんの心の悩みに対応できる体制がある塾がおすすめです。
不登校の生徒を受け入れた実績
不登校のお子さんを受け入れた実績がある塾は、不登校生徒の特性や課題を理解しており、適切なサポートが期待できます。
不登校生徒の受け入れ数や、学習成果・進学実績、特別なプログラムの有無などを確認してみましょう。
自宅からの距離が遠すぎない
自宅から安心して通える距離にある塾を選ぶことも、不登校のお子さんにとってはとくに重要です。近い塾であれば、お子さん一人でも通うことができ、通塾もおっくうになりにくいでしょう。
徒歩または自転車で通える距離か、公共交通機関を利用する場合は乗り換えが少ないかがチェックポイントです。お子さんと一緒に、実際に通塾ルートを歩いてみるのもよいでしょう。
無理なく通える授業時間や時間割である
不登校のお子さんが無理なく通い続けられるよう、授業時間や時間割を確認することが大切です。
不登校の生徒に向けた教育を実施している塾では、午前中に授業を実施しているところもあります。たとえば、朝が苦手なお子さんには午後や夕方の授業、夜型の生活リズムのお子さんには夜間の授業など、柔軟に対応できる塾が理想的です。
また、オンライン授業の選択肢があれば、体調や気分に応じて自宅から授業に参加できます。これは、不登校のお子さんにとって大きな安心感につながるでしょう。
不登校の子どもの塾選びにおける注意点
ここでは、不登校のお子さんの塾選びにおける注意点をご紹介します。お子さんの個性や状況にあった塾を選ぶために、どのような点に気をつければよいのか、具体的にお伝えします。
子どもの意見を尊重する
塾選びにおいてもっとも重要なのは、お子さんの意見を尊重することです。お子さんが嫌々通う塾では、学習効果は期待できません。
また、不登校のお子さんにとって、新しい環境に踏み出すことは大きな挑戦です。その挑戦を成功させるためには、お子さん自身が「この塾なら通ってみたい」と感じることが重要です。お子さんと十分に話し合い、どんな環境で学びたいか、どんな先生に教わりたいかなど、具体的な希望を聞き出してみましょう。
お子さんの意見を中心に据えながら、保護者の方の意見も加えてぴったりな選択をしていくことが大切です。
塾に通うだけでは単位は取れない
塾に通うことで学習の遅れを取り戻すことはできますが、高校の単位を取得することはできません。単位を取るには、学校の定期テストで基準点以上を取ることが一般的な条件となります。
塾で出席日数を満たせても、テストを受けずに単位を取得することはできません。
留年を避け、高卒資格を得るには、塾での学習に加えて学校との連携が不可欠です。留年を防ぐための救済措置を設けている高校もあり、補習や追試などの機会を活用できないか学校の先生に相談してみましょう。
塾に通うだけでは解決しないことを理解する
最後に、塾に通わせるだけでは不登校の根本的な問題解決にはならない可能性があることを理解しておくことが重要です。
塾に通うことも大切ですが、お子さんのメンタルケアや学校との連携、家庭でのサポート、将来の進路についても考えていく必要があります。焦らずに、お子さんの成長を多面的にサポートしていくことが大切です。
不登校のお子さんにおすすめの塾を紹介
不登校のお子さんにとって、適切な学習環境を見つけることは学力の向上だけでなく、自信の回復や将来への希望を育む上でも重要です。しかし、一般的な塾では対応しきれない不登校特有のニーズもあり、塾選びに悩まれる保護者の方も多いのではないでしょうか。
ここでは、不登校のお子さんに特化したサポートを提供している塾を紹介します。学習指導はもちろん、メンタルケアや社会性の育成など、不登校のお子さんの総合的な成長をサポートすることを目指している塾です。
キズキ共育塾
キズキ共育塾は、不登校やひきこもり、発達障害など、さまざまな背景を持つ生徒に対応した、完全1対1の個別指導塾です。
最大の特徴は、生徒一人ひとりのニーズにあわせたきめ細かな指導と、心理面でのサポートの充実にあります。完全マンツーマン指導で生徒それぞれに専任講師がつくため、お子さんのペースや学習スタイルにあわせた、オーダーメイドの授業が受けられます。また、通塾とオンライン授業を選択可能です。講師陣の中には不登校やひきこもりの経験者がいるため、お子さんの気持ちに寄り添った指導も魅力です。
さらに、キズキ共育塾では学習指導だけでなく、メンタル面や生活面のサポートも提供しています。授業の振替や休塾制度、初回授業後の全額返金制度など、お子さんと保護者の方が安心して利用できる制度も整っています。
個別教室のトライ
トライのオンライン個別指導塾は、不登校のお子さんに特化したサポートコースを提供している個別指導塾です。きめ細かな個別指導と総合的なサポート体制が特徴です。
完全マンツーマン指導で教師1名につき生徒1名の授業形態により、お子さんのペースや理解度にあわせた学習が可能です。オンライン授業も提供しているため、外出が難しい不登校のお子さんでも自宅から学習できます。この点は、外出に強い不安を感じるお子さんの学習を進めるうえで大きなメリットとなるでしょう。
また、全国で約33万人になるトライの教師陣は、不登校や発達障害のある生徒への指導実績が豊富です。「教育プランナー」と呼ばれる専門スタッフが、担任のような立場でお子さんをサポートします。通信校や志望校の選び方、学校復帰に向けたアドバイスなど、学習面だけでなく、進路選択においてもサポートを受けられます。
さらに、前日までの授業振替や何度でも無料で教師交代が可能など、柔軟な対応も特徴です。
トライのオンライン個別指導塾の受講が、在籍校での出席扱いとして認められた実績もあります。
不登校の場合もお子さんの意見を尊重しながら塾を選ぼう
お子さんの塾選びは、お子さんの自信回復と将来への希望を育む重要な決断です。
もっとも大切なのは、お子さん自身の意見を尊重することです。どのような環境で学びたいか、どのような先生に教わりたいかなど、お子さんの希望をしっかりと聞き、一緒に最適な塾を探していきましょう。同時に、塾通いですべての問題が解決するわけではないことも理解しておくことが大切です。
お子さんのメンタルケアや学校との連携、家庭でのサポートなども必要です。焦らず、お子さんの成長を見守りながら、一緒に前に進んでいきましょう。