高校生のなかには、大学受験に向けて勉強しているものの、学校の授業だけでは不安を感じ、塾に行くべきか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
塾に通うことにはメリットのほか注意点もあり、必ずしも大学受験のために塾に通わなければならない、というわけではありません。
大切なのは、自分の性格や環境を見極めて、自分にあった最適な手段を選ぶことです。
本記事では、塾に通うメリットや注意点、 大学受験のために塾に通ったほうがよい高校生と、塾が必要ない高校生の特徴について解説します。
また、塾の種類や選び方についても解説。大学受験に向けて塾に通おうか迷っている人、塾選びに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
- 大学受験のために塾に通う高校生の割合を紹介
- 大学受験のために塾に行くメリットとは
- メリット1.学習習慣が身につく
- メリット2.志望校にあった対策ができる
- メリット3.同じ志望校を目指す仲間と切磋琢磨できる
- メリット4.専門性の高い講師から指導が受けられる
- 大学受験のために塾に行く際の注意点
- 注意点1.塾に行くことが目的となってしまう場合がある
- 注意点2.高校と塾で授業内容を混同し、混乱してしまう可能性がある
- 注意点3.通塾に時間がとられてしまう
- 注意点4.塾費用がかかる
- 大学受験のために塾に通ったほうがよい高校生の特徴
- 周囲の環境がモチベーションになる人
- 勉強の進め方がわからず独学では不安な人
- 通っている高校が進学校ではない人
- 大学受験のために塾が必要ない高校生の特徴
- 自分で戦略を立てられる人
- 志望校の合格圏内に入っている人
- 大学受験に向けた指導がおこなわれる高校に通っている人
- 大学受験に適した塾の選び方を授業形態別に紹介
- 「集団授業」の特徴とメリット・注意点
- 「個別指導」の特徴とメリット・注意点
- 「オンライン授業」の特徴とメリット・注意点
- 大学受験のための塾選びは「Ameba塾探し」で決まり!
- 大学受験のために塾に行くべきかどうかは現在の学力などを踏まえて判断しよう
大学受験のために塾に通う高校生の割合を紹介
大学受験のために塾に通う高校生がどのくらいいるのか、実際の通塾率を見ていきましょう。
文部科学省が発表した「令和3年度子供の学習費調査」によると、高校生の通塾率は公立高校に通う生徒で33.2%、私立高校に通う生徒で38.3%でした(※1)。
さらに学年別にみると、1年生:34.5%、2年生:36.8%、3年生:42.1%という割合でした。
この結果を見ると、約3割~4割の高校生が塾に通っていることがわかります。
(※1)参考:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」
大学受験のために塾に行くメリットとは
大学受験のために塾に行くメリットとしては、主に以下のようなことが挙げられます。
メリット1.学習習慣が身につく
塾に通うことで、毎週決まった曜日の決まった時間に塾の授業を受けることになります。また、学校の宿題に加えて塾の宿題もこなすため、自宅での勉強時間も増えます。
そういった環境に置くことで、学習習慣が身につくことが期待できます。
自宅ではなかなか集中して勉強することが難しいという人の場合、塾に設けられている自習室を利用できるのもメリットでしょう。
メリット2.志望校にあった対策ができる
受験に合格するためには、入試で問われる分野に特化して勉強することが必要です。
学校では決められたカリキュラムをもとに授業が進められますが、塾では志望校の入試傾向に沿った内容の授業を受けられます。
受験に必要な知識をより吸収しやすい環境といえるでしょう。
また、短い期間で大学合格を勝ち取るためには、受験への戦略を練ることがとても大切です。
得意分野が多く出題される大学を選ぶ、合格までのスケジュールを作成するなど、ひとりでは大変なことも多いですが、塾に通えば相談しながらおこなえるため安心です。
メリット3.同じ志望校を目指す仲間と切磋琢磨できる
塾では学校の友人とは異なる同学年の仲間と切磋琢磨できるため、勉強に対する刺激を受けやすいという点もメリットです。
塾の模試を受けて塾内や全国での自分の学力的な位置を知るなどして、よい刺激を受けることも期待できるでしょう。
学校以外でも同じ学力レベルの友人や同じ志望校を目指す友人ができると、勉強のモチベーション維持にもつながりやすくなります。
メリット4.専門性の高い講師から指導が受けられる
塾に行くことで、多くの受験生を合格に導いた経験を持つ、専門性の高い講師から指導を受けることができます。
塾には、これまで多くの受験生を送り出してきた実績があり、膨大な情報やデータが蓄積されています。
生徒がつまずきやすいポイントを講師がしっかり把握しているため、たとえば「理解すべきところ」と「丸暗記したほうが楽なところ」などをわかりやすく教えてくれます。
高校にはない情報を自分の大学受験のために役立てられるというのも、塾に通う大きなメリットのひとつです。
大学受験のために塾に行く際の注意点
大学受験のために塾に行く際の注意点としては、主に以下のようなことが挙げられます。
注意点1.塾に行くことが目的となってしまう場合がある
塾に通うことは、あくまでも「大学受験に合格する」「学力を向上させる」といった目的に対する手段です。
塾に行く目的や目指す目標をあまり意識しないまま塾に通ってしまうと、塾に行くこと自体が目的となってしまい、期待しているような成果につながらない可能性があります。
塾に行っているということに安心して実は自主的な学習習慣が身についていない、ということにならないよう注意しなければなりません。
注意点2.高校と塾で授業内容を混同し、混乱してしまう可能性がある
学校の授業と塾の授業では、学習する分野や課題に対するアプローチが異なる場合があります。
同じ分野・単元であっても、指導方針や目指す習熟度が違うこともあるでしょう。
さまざまなアプローチを知ることはプラスに働くことがある反面、かえって混乱してしまう可能性も否定できません。
学校の授業できちんと学力が上がっていると感じる場合、塾に通わずに学校の勉強を深掘りするほうがよいこともあります。
注意点3.通塾に時間がとられてしまう
塾が自宅や学校から近い距離にあれば問題はないのですが、離れたところにある場合、通塾時間が負担になる可能性も考えられます。
とくに受験間際は一分一秒を惜しんで勉強したいとう気持ちが出てきやすく、そのようなときに長い時間をかけて塾に通うことがストレスに感じることもあるでしょう。
また、保護者の送迎が必要になる場合、保護者にも一定の時間に制約ができ、負担となることもあります。
注意点4.塾費用がかかる
塾に通うためには、当然ながら費用がかかります。
大学に合格するためには仕方のない出費だと割り切ることも必要ですが、長いあいだ塾に行くことになると、費用面が負担となる場合もあります。
かかる費用は塾によっても異なりますが、通常の授業料に加えて入会金、教材費、季節講習費、模試代、施設維持費など、思ったよりも多くの出費となることもあります。
あらかじめトータルの費用を算出し、受験までの期間や塾にかけることのできる予算などと照らしあわせて塾を検討することも重要です。
大学受験のための塾にかかる詳しい費用については、下記の記事をご覧ください。
大学受験のために塾に通ったほうがよい高校生の特徴
塾に通うことのメリットや注意点を踏まえると、大学受験のために塾が必要な高校生と必要でない高校生の特徴も自ずと見えてきます。
塾に通ったほうがよい高校生の特徴としては、主に以下のようなことが挙げられます。
塾に通うべきか迷っている人は、該当する項目があるかチェックしてみてください。
周囲の環境がモチベーションになる人
さまざまな相手と競い合ったほうがやる気が出る、負けず嫌いな人は、塾に通って同じ目標を持つ友人と切磋琢磨するほうが成績が上がりやすいでしょう。
また、自宅には誘惑が多く他人の目がないと集中できないという人も、塾がおすすめです。
塾に通って多くの友人と一緒に授業を受けることで、より勉強に集中しやすくなるでしょう。
自習室を自由に使用できる塾を選ぶと、より集中できる環境が得られやすくなります。
なお、自習室は受験間際になると席が埋まりやすい傾向にあります。
自習室の使用を考えている場合は、自習室の席の数と在籍生徒数のバランスをあらかじめ確認しておきましょう。
勉強の進め方がわからず独学では不安な人
大学受験に向けてどの科目を優先的に勉強すればよいかわからない、1週間の勉強スケジュールを自分で決められない、家庭学習での独学だけでは不安、という人にも塾はおすすめです。
塾に通うことで、講師から客観的な評価や勉強の仕方のアドバイスを受けることができます。
より効率的な正しい勉強方法を選ぶことは、大学受験合格への大きな近道となります。ただ、勉強方法に不安を抱えたまま独学で勉強を進めても、いまいち力が入らないでしょう。
講師とこまめに相談したり、自分にあわせたカリキュラムを作成してくれることで、安心して勉強に取り組めます。
通っている高校が進学校ではない人
また、通っている高校がいわゆる進学校ではない場合、高校で得られない情報を補うためにも塾に通うほうがよいといえます。
大学受験専用のコースがある塾を選ぶと、より専門的に大学受験対策に励むことができます。
大学受験のために塾が必要ない高校生の特徴
必ずしも塾に通う必要のない高校生の特徴としては、主に以下のようなことが挙げられます。
それぞれの特徴について、以下で詳しく説明しましょう。
自分で戦略を立てられる人
とくに現役合格を目指す場合、合格までの戦略が何より大切です。
限られた時間内で合格を目指すには、自分の得意分野にあった出題をする大学を選ぶ、その大学に適した参考書を用いて効率のよい勉強をするなど、多くの工夫をする必要があります。
勉強の仕方や合格までの戦略をが自分なりに立てられて、かつ成績にしっかりと反映できているという人は、必ずしも塾に通う必要はありません。
また、勉強のスケジュールを自分で立てられる、あるいは自分でスケジュールを管理するほうがやる気が出るという人も同様です。
周囲の誘惑に負けずに集中して勉強ができ、自分で立てたスケジュール通りに進めて結果が伴っているようであれば、自分のペースで進めるほうがあっているといえます。
塾に通うことでかえってやるべきことが増えて混乱してしまうおそれもあるため、無理に塾に通わずに自分のペースで勉強を進めていきましょう。
ただし、少しでも不安な場合は1科目でも塾に通うことがおすすめです。
1科目でも通うことで、講師へ質問をしたりアドバイスをもらう機会を獲得できます。
基本は独学で進めて、定期的に戦略のすり合わせとして客観的なアドバイスをもらうと、安心して進めやすいでしょう。
志望校の合格圏内に入っている人
すでに志望校合格への道筋が見えていれば塾に通う必要はありません。
ただし、模擬試験の結果を目安としているのであれば、その結果を信用しすぎるのは禁物です。なぜなら、実際の試験問題は大学によってまったく異なるからです。
たとえば英語の問題ひとつをとっても、大学によって文法を正しく理解できる力を重視するのか、内容の大まかな概要を汲み取る力を重視するのか、内容が大きく異なります。
目安として、志望する大学の過去問を解き、合格最低点を余裕で上回る状態などであれば、塾に通う必要はないかもしれません。
大学受験に向けた指導がおこなわれる高校に通っている人
通っている高校が進学校である場合や、大学受験に向けた指導が積極的におこなわれている場合も、必ずしも塾に通う必要はありません。
塾の強みとして、大学受験に特化したコースがあることや、大学受験に関する情報が豊富であるということが挙げられます。通っている高校でこれらが十分フォローできていると感じるなら、無理に塾に通わなくてもよいでしょう。
大学受験に適した塾の選び方を授業形態別に紹介
大学受験対策として塾に通う場合は、自分にあった授業形態を選ぶようにしましょう。
授業形態は、主に3つあります。
それぞれの形態の特徴やメリット・注意点について、以下で詳しく説明します。
「集団授業」の特徴とメリット・注意点
「集団授業」とは、複数の生徒に対して1人の講師が指導する形式の塾で、学校に近いイメージです。
集団授業型の塾には、下記のようなメリットがあります。
集団授業型の塾では、学力別にクラス分けされるケースがほとんどです。少し油断すると周囲から遅れをとるので、緊張感を持って勉強に励むことができます。
そのため集団塾には、授業の進行にあわせて自発的に勉強に取り組める、また塾内での仲間やライバルと比較して自分の位置を確認したいという競争心を持っている子にあう傾向があります。
また、定期的にテストや模試を実施しているため、自分の学力を客観的に把握しやすいというのも、大学受験に向けては重要なポイントです。
さらに、集団授業をおこなっている講師は経験や実績が豊富な講師であることが多く、そういった講師の授業を受けることで、学力を効率的に向上させられることが期待できます。
メリットも多い一方、次の2つには注意する必要があります。
集団授業では、体調不良で欠席したり、部活が長引いて遅刻をしたりすると、授業に置いて行かれる可能性があります。塾によっては、補講や振替をしてくれる場合もあるので、不安な場合は入塾前に確認しておきましょう。
また、人によっては常に他人と比較されることで過度なストレスを感じてしまい、かえって勉強に集中できない場合もあります。自分のペースでコツコツ勉強したい方は、次で紹介する個別指導の塾がおすすめです。
「個別指導」の特徴とメリット・注意点
「個別指導」とは、マンツーマン、あるいは生徒1~3人に対して講師1人が指導をおこなう、少人数制の塾です。
個別指導の塾には、次のようなメリットがあります。
個別指導では、習熟度や理解度などから一人ひとりにあわせたカリキュラムを作成してくれます。
自分の苦手なところだけをピンポイントで教えてもらえるため、効率的に勉強を進めることができるでしょう。
授業の途中でも質問をしやすい点もメリットです。
集団授業だと、恥ずかしくて授業中に質問しにくかったり、ノートをとっているうちに質問するタイミングを逃してしまうことがありますが、個別指導ではその都度質問できます。
また、塾に通う曜日や時間帯も選びやすいため、部活との両立も比較的しやすい点もメリットです。
一方で、以下に挙げる注意点があります。
個別指導は、生徒1人もしくは2人に対して講師1人で授業をおこなうため、集団授業と比べて費用が割高になる傾向があります。
費用をおさえたい場合は、受講する科目の数を苦手科目のみに絞ったり、授業の頻度を調整することをおすすめします。
また、講師との相性が悪いと、思うように成績が上がらない場合があります。
たとえば、数学が苦手で塾に通っても、講師のなかに数学が得意な人がいなければ教えてもらいづらいでしょう。
その塾の得意科目や特色は何か、どんな講師が在籍しているのか、あらかじめ確認しておきましょう。
「オンライン授業」の特徴とメリット・注意点
「オンライン授業」には、事前に録画した授業の映像をアーカイブのなかから視聴するタイプと、リアルタイムで授業を配信するタイプがあります。
オンライン授業には次のようなメリットがあります。
オンライン授業は、自宅にいながら授業を受けることができるため通塾の負担がなく、より多くの時間を勉強に費やすことができます。
また、地方に住んでいても有名講師や人気講師の講義を受けることができる点も魅力のひとつ。オンライン授業で活躍する講師は、多くの受験生を合格に導いた実績があり、生徒を飽きさせないようにわかりやすく教えてくれます。
集団授業や個別指導と比較して、授業料が安く経済的な負担が軽い点も大きなメリットです。
一方で、次のような注意点もあります。
録画された授業を視聴する形態では、いつでも好きなタイミングで授業を受けられますが、その場合は自分で授業を受けるタイミングを決めなければなりません。スケジュール管理が苦手な人にとっては難しいこともあるでしょう。
また、質問をしてもリアルタイムで回答してもらえないことが多いです。
塾によっては、チャットで塾のスタッフが質問に回答してくれるサービスがあります。不安な方は、入塾前に確認しておきましょう。
大学受験のための塾選びは「Ameba塾探し」で決まり!
塾に行く場合、数多くの塾のなかから自分にあった塾や授業形態を選ばなければなりません。ミスマッチを避けるためにも、複数の塾を比較・検討することが重要です。
そこで、後悔のない塾選びをおこなうにあたって役立つのが、塾・学習塾の検索サイト「Ameba塾探し」です。
Ameba塾探しでは、個別指導や集団授業、映像授業などの授業形式、地域、費用、カリキュラムなど、さまざまな項目で塾を比較できるため、複数の塾のなかから自分に最適な塾を選ぶ助けになります。
大学受験のための塾選びには、ぜひ「Ameba塾探し」を利用してみてください。
大学受験のために塾に行くべきかどうかは現在の学力などを踏まえて判断しよう
大学受験のために塾に通う高校生はたくさんいます。
しかし、必ずしも塾に通う必要はないため、現在の学力や学習習慣、志望校のレベルに応じて判断しましょう。
塾に通うことで、学習習慣が身につく、受験に最適な授業を受けられる、といったメリットがありますが、その反面、塾に行くことが目的になったり、通塾が負担になったりする可能性もあります。
また、塾に通うと決めた場合、どの授業形態が自分にあっているのか見極めることが大切です。
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診断結果や今回ご紹介した塾の選び方も参考に、ぜひ自分にあった塾や予備校を見つけてみてくださいね。