2023年はコロナ明けとなり、4年ぶりに“制限のない”夏休みとなっています。各地で、お祭りや花火大会など夏ならではの行事が戻り、観光地も大変な賑わいを見せている様子。またこの長期休みを利用して定期で通う以外に、さまざまな短期の習い事に子どもを参加させている保護者もいるのではないでしょうか。
「Ameba塾探し」では、小学生の保護者を対象に「夏休みの習い事」についてアンケートを実施。人気の夏休みの習い事やその費用について調査したところ、昨年の約5割から微増の約6割の保護者が今年の夏休みに子どもに何かしらの習い事をさせる予定があると答えました。
人気はスポーツ系教室! 今年は約6割が夏休み限定の習い事へ
まず、小学生の保護者に昨年の夏休みに子どもに何かしらの習い事をさせたか尋ねたところ、約半数となる503人中270人(53.7%)の保護者が、定期的に通っている習い事以外に何かしらの習い事(定期的に通っている習い事の夏期限定の特別教室なども含む)へ、子どもを参加させていることがわかりました。
習い事のジャンル別に見ると、多かったのは「スポーツ系教室」(19.2%)と「塾・学習塾」(15.5%)。以降は「サマーキャンプ・体験教室」(8.7%)と「英語・英会話教室」(6.8%)と続きました。
また、4年ぶりに“制限のない”夏休みとなった今年ですが、昨年と比べて子どもの習い事事情に変化はあったのでしょうか。
アンケート結果によると、2023年は503人中303人 (60.2%)と、約6割が子どもを何らかの習い事に参加させると回答。昨年と比べると6.5ポイント増の微増となりました。
習い事のジャンル別では、昨年と順位に大きな変動はなく、夏休みの習い事では「スポーツ系教室」「塾・学習塾」が定番となっている様子。スポーツ系教室では、短期の水泳教室や定期的に通っているスポーツ教室の夏期特別教室などに子どもを参加させる保護者が多いようです。
また、コロナ明けとなった今年は、「その他」で「地域のボランティア活動に参加する」「水族館の飼育員体験に参加する」など昨年よりバラエティに富んだ回答が寄せられました。
平均費用は約25,000円! 通いやすさより「費用対効果」を重視
続いて、保護者は子どもの夏休みの習い事選びにおいてどのようなことを重視しているのか尋ねました。もっとも多かったのは29.6%で「子どもの意思」。続いて「費用対効果」(15.5%)、「費用」(14.5%)、「将来性(将来役に立つかどうか)」(11.0%)でした。
以前、「Ameba塾探し」でおこなったスポーツの習い事についてのアンケートでは、費用よりも交通の便などを重視する保護者が多くいましたが、夏休みの習い事においてそれらの項目を重視する保護者は減少。これには短期であることが関わっているのかもしれません。
また、記録的な物価高が続いていますが、そんな中で保護者は夏休みの習い事にいくらかけているのでしょうか。
昨年子どもに夏休みの習い事をさせた保護者と今年させる予定の保護者に費用について尋ねたところ、昨年の平均は24,956円。今年の予算も平均は約24,875円と、いずれも約25,000円で、大差は見られませんでした。
習い事のジャンル別に見たところ、「塾・学習塾」は平均約29,585円、「サマーキャンプ・自然体験教室」は平均27,429円と全体の平均額を上回る結果に。「スポーツ教室」は安価なものから合宿などを伴う高価なものまで値幅が広く、平均15,753円でした。しかし、遠征や合宿などに参加させる場合は、2~30,000円程度を見込んでおく必要がありそうです。
また、もっとも高額だった夏休みの習い事の金額について聞いたところ、中学受験を控えた子どもの「塾・学習塾」、宿泊を伴うものや英語でおこなわれる「サマーキャンプ・自然体験教室」が、高額となっており、10万円をゆうに超えるものもありました。
- 「中学受験のため、個別の塾に通わせた」約140,000円(小学6年生の保護者)
- 「北海道の5泊6日のサマーキャンプに参加しました。川下りや農業体験など毎日予定がびっしりでした」約200,000円(小学5年生の保護者)
- 「インターナショナルスクール毎年主催のサマーキャンプに1週間通った」約70,000円(小学4年生の保護者)
- 「7泊8日のサマーキャンプに参加した。まったく知っている人がいない状況でたくさん友達を作っていて、料理やミッションを楽しんでいた」約90,000円(小学5年生の保護者)
しかし、夏休みの習い事選びで重視する点において「費用対効果」や「将来役に立つかどうか」が上位に入ってくることを踏まえて考えると、保護者にとって夏休みは子どもを成長させる期間なのかも知れません。
「初めてのお泊りで自信がついた!」習い事を通して保護者が期待することは?
最後に、保護者が子どもに夏休みの習い事を通して成長を期待する点について尋ねたところ、もっとも多かったのは「積極性(チャレンジ精神)」(15.1%)。続いて「コミュニケーション力」(12.7%)、「学力」(11.4%)、「スキル(技術の向上)」(10.6%)となりました。
夏休みの習い事の感想や今年の夏休みの抱負についてのコメントもいくつかご紹介。
- 「普段とは違う環境で自発的に学ぶ力を身につけて欲しい」サマーキャンプ・自然体験教室などに参加(小学2年生の保護者)
- 「昨年のキャンプで初めて1人でお泊まりをしたので、少し自分に自信がついたようだった。今年も些細なことでも成長してくれると嬉しいと思う」サマーキャンプ・自然体験教室などに参加(小学4年生の保護者)
- 「興味ある分野のスキルを本人なりに獲得し、楽しいと思ってもらいたい。コロナ明けの夏休み、去年はできなかった経験をさせてあげたいと思います」プログラミング教室に参加(小学3年生の保護者)
- 「野球の合宿を通じて他学年との繋がりや6年生として年下の子どもたちをまとめたり、引っ張っていけるようになってほしいから。小学校最後の夏休みなので勉強や運動、遊びも全力でやってほしいです」サマーキャンプ・自然体験教室などに参加(小学6年生の保護者)
- 「中学受験を検討しているため、基礎的な学力や集中力などを身につけて学力を伸ばして欲しい。“夏を制する者は中学受験を制す”という言葉があるように、今年の夏はコツコツ勉強をして自信に繋げて欲しいなと思っています」塾・学習塾に参加(小学5年生の保護者)
- 「普段から特定の友だちとしか交流しないので、いろいろな人と交流をしてほしい。子どもの希望でプールに行ったときはとてもはしゃいでいて楽しそうだった。今年の夏も子どもの希望するところに連れて行ってあげたい」習い事は特になし(小学6年生の保護者)
- 「前に出ることが苦手なので、今夏は舞台慣れを少しでもできるようにと思い、発表会などに参加することにした。コロナが明けたのでいろいろチャレンジさせたいです」アート系の教室などに参加(小学4年生の保護者)
子どもを習い事には特に参加させないという保護者も、今年は家庭でいろいろと計画をして4年ぶりの“いつもの夏休み”を楽しんでいるようです。
まとめ
コロナ明けとなった今年の夏休みは約6割の小学生が、夏休み期間に何かしらの習い事に参加をするようです。
習い事選びで重視する点では、子どもの意思のほかに費用に見合った効果が得られるか、将来役に立つかどうかが上位に入っていました。具体的には積極性や、コミュニケーション力、学力の成長を期待しているようです。実際に、夏休みの習い事を通して「子どもに自信がついた」「積極的になった」などの声も多く寄せられました。
夏休みの習い事の平均費用は約25,000円でしたが、中学受験のための夏期講習や、英語でおこなわれる宿泊を伴うサマーキャンプについては10万円を超えたという声も聞かれました。
しかし今、低所得世帯の子どもとの間に体験機会の質や量に格差が生じているという子どもの「体験格差」が話題となっています。今回のアンケート結果は、その格差の一端を垣間見るような結果とも言えるのかもしれません。
【調査概要】
調査期間:2023年7月4日~8月1日
調査機関:自社
調査対象:全国の小学2年生~6年生の保護者、503人
調査方法:インターネット(クラウドワークス)
調査内容:「夏休みの習い事」に関するアンケート