益若つばさ「泣きながら話し合ったことも…」母子でとことん向き合った中学受験を語る<子育てインタビュー・後編>

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20~40代女性からの圧倒的支持を集め、モデルのほか化粧品ブランドなどのプロデュースも手掛けている益若つばささん。プライベートでは現在中学生の息子さんをもつ一児の母です。

「テラコヤプラス by Ameba」ではそんな益若さんの母親としての一面にクローズアップし、前編と後編にわけてインタビューをお届け。

後編では、小学校受験や中学校受験など子育てについてお話しいただいています

写真:堤 博之

益若つばさ

「私は息子になにをしてあげられるのだろう…」子育てと向き合うなかで、自分のしたいことを常に尊重してくれていた両親のことを思い返すようになったと益若さんは話します。

益若:私は親に決められたことは一つもないんです。かと言って私自身も自分の意思を言うような子ではなく、誕生日プレゼントすら欲しいって言わないような子でした。

でも、小学生のときかな…「ビデオカメラが欲しい」と言ったことがあったんです。今思えばすごく高いし、意外なものなので両親も戸惑ったと思うのですが「滅多に欲しいものを言わないつばさがそんなに言うなら…」とプレゼントしてくれました。

私はそのビデオで、オリジナルのCMやTV番組を作ったりしていました。あと「めざわりテレビ」って言うパロディ番組も。星座占いするんですけど、結果が全部“目障り”なんです(笑)

当時は将来エンタメ方面の仕事がしたいと思っていたわけではありませんでした。でも、振り返ると今のこの仕事に繋がっているのかも知れないと気づき、両親にはあのとき「子どもがそんなの持つべきじゃない!」なんて言わずにいてくれたことにすごく感謝しています

そのため、「レールを敷くのではなく、選択肢を広げてあげること」を子育てのモットーのひとつにしているという益若さん。しかし、過去には子どもを想うがあまり、安定した道を歩ませたいと少し過保護になっていたかも知れないと思った時期も…。

益若:実は我が家は小学校受験も経験しているんです。離婚した直後だったので、とにかく不安で…「子どもを安定させてあげたい」という一心で小学校から大学までの一貫校を受験しました。

途中で受験がある学校よりも、大学まである一貫校なら安心できるし、ある程度学費のめども見えるので、あとはそこに向かって仕事を頑張るだけだと思ったんです。

そのために、子どもは志望校専用の塾や体操教室などに通い、私自身も願書のために作文や面接の練習をしたり…どちらかと言うと子どもより親が試されているようでしたね。今は「髪の色なんか関係ないよ」なんて言っていますけど、さすがにそのときは暗く染めましたし、バラエティ番組などへの出演もセーブしてなるべく目立たない恰好をしていました(笑)

シングルマザーでも、息子に何不自由なくさせてあげたかった。でも、今思えば結局自分が安心したかっただけだったんですよね。

益若つばさ

その後、海外への移住検討にともないインターナショナルスクールへ転校するも新型コロナウイルスの影響で白紙に。そんなときに息子さんから中学受験の話を切り出されたと言います。

益若:小学校受験やインターは“子どものため”と言いつつ、結局「私の都合で決めていたことなのかもしれない」、「息子にはこれでよかったのかな…」、そう悩んでいた矢先でもあったので、その話を切り出されたときに今回は息子が自分で学校を選べるようにしてあげたいと思いました

そこで息子に話したのは、日本の私立中学だけでなく公立中学、そして海外留学までさまざまな選択肢があり、それぞれメリットデメリットがあるということ。また、さまざまなバックグラウンドをもつ周囲の人にも協力してもらい、「私が行ったのはこんな学校だったよ」とか「こんなこと勉強して今の職業に就いたよ」などと話をしてもらったんです。

そのうえで、「ママが決めるのではなくて、自分で決めてほしい」と、「正直、ママはりおん(息子さん)が学校に行っても行かなくても、あなたを好きなことは変わらないし、あなたの価値は変わらない。だけど、頑張ることで自分の選択肢は広がるよ」と息子に伝えました

息子は何日も考えていましたね。考えて考えて、もう泣きながらプレゼンしてきたことや、私も一緒に泣きながら話したこともありました。そのなかで選んだのが今の学校です。

行きたい学校が決まったら自主的に勉強を頑張っていました。もうすぐ高校生ですが、自分で選んだからこそ「ここに入りたくなかった」とは1回も言わないですし、勉強が順調にいかないときがあっても、息子なりに頑張っているのを見て、自分で選択することの大切さを私自身も改めて感じています。

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初めは中学生の寮生活に不安はあったものの、子どもの自立の早さに驚いたと言います。ただ、息子さんにはこれからどんな大人になってほしいと思うかと尋ねると、それまでの歯切れよさとは一転、少し間を置いたのちに「今の時期が息子にとって一番苦しいときだと思う…」と話し始めました。

益若:自分自身を振り返っても中学生、高校生って楽しいけれど、しんどいですよね。今じゃ同じことできないなって思うぐらい。

息子は朝から夕方まで真面目に英語で勉強してサッカー部の練習にも取り組んで、夜は宿題して勉強。土日は試合で遠征に行って定期的にある試験のために勉強して…すごく忙しい。私より忙しいんですよ。

連絡をとるとときどき「大変…」って言うときもあるんですよね。「辛かったらやめてもいい」とは伝えていますが、それと同時に息子に話すんです。「いろいろなことを毎日続けられること、続けられたことは大人になったとき、社会に出たときにあなたの強みになるから。できる限りはやってみた方がいいとは思う」と。

これまで日本は“我慢”とか“頑張り続けること”が美徳とされてきましたが、この数年は“頑張らなくていいよ”と言ってあげることが優しさと言われるようになりました。

“無理をさせない”ことはもちろんとても大切です。でも“頑張らない”“頑張らせようとしない”、それもまた違いますよね。今の時代は“頑張る”と“頑張らなくていい”、その二つのバランスが極端に“頑張らなくていい”方向に振り切れているような気がするんです。

それが社会全体でいいバランスをとれるようになるのが、今の子どもたち世代が社会で活躍するときなのかなって。
だから、息子には頑張る時期と休む時期のバランスがとれる人になってほしい。今、息子はその練習の時期だと思っています

私は立ち位置として“いい相談相手”でいられるよう心がけていますが、親だからこそ話しにくいことも。周囲の方々にも、何かあれば相談にのってあげてほしいとお願いしています。

益若つばさ

話を聞いていると、益若さんの子育てには周囲の人もたくさん関わっていることがわかります。「初めからひとりで子育てはしないと決めていた」と話しますが、その理由は…?

益若:私は実家が居酒屋なので、小さいときからお店で宿題してご飯食べながら、お店にくるいろいろなお客さんの話を聞いてきました。根っから悪い人ってそうそういなくて、みんなどこかで苦労していることを知ったので、私嫌いな人ってほぼいないんです。 だから息子にもいろんな人を見てほしくて、たくさん人に会わせています。それこそ、私の友人全員が「この人は“やばい”」って口を揃えて言うような人にも (笑)

今のところはすごくいろんなもの受け入れられる子にはなっているので、このまま“柔らかい人”になってほしいなって。人にはいろいろな背景があってだからその発言をしていたりするんだってそういうことまで考えられる子になってもらえたら嬉しいですね。

益若さんが“いい母親”の固定概念に悩んだ自身のことについて話してくださったインタビュー前編はコチラから!

取材協力:益若つばさ
Instagram:@tsubasamasuwaka1013
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YouTube:益若つばさ TsubasaMasuwaka 

写真:堤 博之

ひらおか ましお
この記事を執筆した執筆者
ひらおか ましお

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

大学で入部したスポーツ新聞部をきっかけに、大学卒業後から本格的にライター業に従事。主にスポーツ雑誌を中心に活動していましたが、結婚と出産を機にwebや地元の情報誌などに活動拠点を移しました。子どもの成長と共に教育関連に興味をもち、2021年11月よりテラコヤプラスby Amebaで執筆を担当する二児の母。インタビューを通して得た情報を皆さまにシェアする気持ちで執筆しています。