「大東文化大学第一高等学校」を取材!学習メンターシステムで放課後学習を支援する

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大学生が中学校や高校に来校し、放課後に学習サポートをするメンターシステムがあることをご存じでしょうか。

年齢が近い大学生から勉強を教えてもらうことで、気軽に相談ができる、学習習慣がつくなどの理由から、取り入れている学校は年々増えています。

そこで今回は、学習メンターシステムを取り入れている「大東文化大学第一高等学校」を取材。

進路指導部部長の黒滝 光さんに学習メンターシステムの取り組みについてお話を伺いました。

大東文化大学第一高等学校に興味がある方や、学習メンターシステムに興味がある方は、ぜひご一読ください。

  1. 大学生が高校生の勉強をサポートする学習メンターシステム
  2. 生徒一人ひとりにiPadを貸与しICT教育を取り入れる
  3. より上を目指したい生徒にチャレンジできる仕組みを作っていきたい

大学生が高校生の勉強をサポートする学習メンターシステム

大東文化大学第一高等学校の学習メンターシステムの様子

ー本日はよろしくお願いします。早速ですが「学習メンターシステム」について教えてください。

黒滝 光さん(以下、黒滝):
学習メンターシステムは、放課後学校に残って学習する高校生に、大学生がわからないところを教えるなど学習をサポートする制度です。

学習のわからないところだけではなく、進路相談に乗ったり、定期テストに向けての学習計画を立てたりなどのサポートもしてもらっています。

生徒全員ではありませんが、特定の生徒は連日利用していますね。

学習メンターは、優秀な大学に通っている方が多いので、学習メンターの出身大学に尻込みしてしまい、なかなか利用しなかった生徒もいました。

しかし、一度利用してみると、きちんと生徒に目線をあわせて、わかりやすく丁寧に指導してくれるという印象をもっている生徒が多いようです。

とくに利用制限はつけていないので、放課後利用したい生徒に自由に活用してもらっています。

ー学習メンターシステムが始まったきっかけや経緯を教えてください。

黒滝:副校長から、学習習慣の定着や放課後の学習支援を充実させるために、学習メンターシステムを導入するという話があり、2019年4月から始まりました。

生徒のなかには、学習習慣が不十分で「勉強しないといけない気持ちはあるけど、どうしたらいいのかがわからない」といった生徒が一定数いたので、学習メンターから勉強のやり方もサポートしてもらい、自学自習する土台を作れたらと思ったんです。

しかし、1年目は学習メンターが来てくれても、ひとりも生徒が利用することなく終わってしまう日もありました。

進路指導室の前室があるので、最初はそこに学習メンターをひとり配置して、質問がある生徒はそこに来てもらう形をとっていましたが、その場所が奥まったところだったので、生徒から利用しづらいという声がありまして。

そんな1年目でしたが、学校としてはもっとこのシステムを活性化したいという気持ちでした。

というのも、学習メンターが指導する様子を見ていると、生徒と目線をあわせて、現状をしっかり把握し、指導の仕方や声がけなど、とても丁寧な指導をしてくれている印象があったんですね。

なので、これは場所の問題やシステムの運用方法を改善することによって、十分に機能するのではないかと思いました。

そこで、学習メンターの活性化のためにいくつかやったことがあります。

1つ目は、勉強部をつくりました。

勉強部に所属すると、長期休暇中に学習メンターがおこなうガイダンスや、学習相談や定期的な面談が受けられ、放課後は学校に残って学習することを習慣づけることができます。

2つ目は、進路指導室の隣に理科室があったのですが、そこを放課後自習をする場所として確保し、学習メンターの指導を受けたい生徒は、そこに集まって学習できるように整備しました。

そうすると、1年目に比べて利用者が増えたんです。2年目から利用する生徒が少しずつ増え、学校全体への認知度が増し、軌道に乗り始めました。

さらに、特進クラスの生徒に対して、担任だけではなく、学習メンターからも(担任とは異なる角度で)声がけや学習に関するアドバイスをしてもらいました。

その結果、2年目、3年目とどんどん制度の認知が広まっていき、放課後の学習指導や勉強部のガイダンスに加えて、学年に対して受験の心構えについてのガイダンスをしてもらうなど、学習メンターが関わる機会が増えてきたというのが現状です。

実際に、1年生のときにあまり勉強に対して前向きではなかったけど、学習メンターシステムを活用するようになって、勉強するのが楽しくなって、自分からどんどん勉強するようになった生徒もいますね。

生徒一人ひとりにiPadを貸与しICT教育を取り入れる

iPadを使用した指導

ー「ICT教育と多角的な学習支援」について教えてください。

黒滝:2021年度から、生徒一人ひとりにiPadを貸与しており、今年度は全学年の生徒が利用しています

また、各教室に電子黒板があり、各教科で場面に応じて利用しており、生徒の理解度の向上につながっています

授業だけではなく、アンケートや配布物もGoogleClassroomを使用するなど、極力iPadを使用してさまざまなことをおこなうようにしていますね。


ー大東ラーニングキャンプについても教えてください。

黒滝:大東文化大学の東松山キャンパスで、夏休みに2泊3日や3泊4日泊りがけで勉強合宿を数年おこなっていました。

缶詰めになって勉強することは、生徒ひとりでは経験できないことなのでよかったのですが、準備や教員にかかる負担が大きく、コロナもあり、合宿ができない時期が続いたので、代替案を探していたんです。

さまざまな他校事例を調べているなかで、日帰りで自学自習をしている学校を見つけ、合宿という形でなければ教員の負担も減り、コロナ禍であっても十分実施可能ではないかと考えました。

さらに、大東文化大学板橋キャンパスの施設を使うことにより、普段と
は異なる場所での学習ができると思い、朝8時30分から17時過ぎまで3日間自習をするということを、一昨年の3月から始めました。

それ以降、夏も冬も春もやろうという意見が進路指導部から出まして、次の年は夏冬春でおこないました。

ひたすら自習をさせていたところから、時間を決めて模試をやってみたり、過去問を解いてみたり、学習メンターによるガイダンスを入れてみたりなど、
内容も変えましたね。

ほかにも、さまざまな意見が出たので、いろいろとチャレンジしたのが昨年度です。年々試行錯誤しながら、今年度に入って、ようやく形が定まってきたところです。

3日間みっちり自習するというのは、自分ひとりではなかなか体験できないことですね!

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より上を目指したい生徒にチャレンジできる仕組みを作っていきたい

大東文化大学第一高等学校での自習風景

ー今後の展開についてお聞かせください。

黒滝:当校は、大東文化大学の附設高校であることが、他校とは違う特徴のひとつです。

当校には3つのコースがありますので、大東文化大学に入れる環境がありつつも、上を目指したい生徒に対しては目指せるような環境を与えていければと思っています。

それを考えると、コースによって指導が変わる部分も出てくるのかなと思っているんですね。

たとえば、進学クラスの生徒は大東文化大学に入れるような力、大学に入ってからも適応できる学力をしっかりとつけて、チャンスがあればもっと上の大学にもチャレンジできる仕組みですね。

 内部推薦や公募推薦などで年内に多くの生徒を確保しようとする大学が一定数あります。勉強しなくても入れる大学があることは、生徒や保護者からすれば安心材料になりますが、それが学力低下につながる要因でもあります。

内部推薦も指定校推薦も、信頼関係の上で成り立っているので、生徒を入学させて終わりではないんですね。入学した先で、どういう4年間を送れるかが大事だと思うので。

そこまで考えると、進学クラスの生徒も、きちんと学習して、進学する大学に見合った学力を有した状態で入学してほしいんです。

また、「選抜コースはMARCHを目指そう」「特進コースは難関私大や国公立を目指そう」というコース目標を掲げていますので、それを達成するための日々の指導の強化はもちろん、学習メンターシステムを活用していければと考えています。

学習メンターは大変優秀なので、それぞれのコースや志望校にあわせて生徒を引き上げてもらえればと思っています。よりよく学習メンターを活用できるよう試行錯誤は続けていかなければいけないですね。

ー最後に、読者の方へ向けてのメッセージをお願いいたします。

黒滝:高校3年間は、将来の目標を見つけ、それを実現するための大切な準備期間です。

自分のやりたいことが見つけられるようにたくさん悩み考えてください。

そして、何事にもチャレンジする気持ちを大切にしましょう。その経験が自分自身の成長に繋がるはずです。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました!

■取材協力:大東文化大学第一高等学校

竹内 えりな
この記事を執筆した執筆者
竹内 えりな

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

幼少期は、ピアノ、英会話、水泳、そろばんなどを習う。中学~高校では友人と共通の学習塾に通塾。塾が楽しく、先生のおかげで苦手な数学の点数が大幅アップ。その後、さまざまな職種を経験した後、ライター業へ転身。2022年より「テラコヤプラスby Ameba」で編集者兼ライターとして従事。お子さんや保護者の選択肢を広げ、知りたい情報が知れる記事づくりを目指しています。