「水戸葵陵高等学校」が目指す“勉強と部活動”の両立!eスポーツ部で新しい教育の可能性を広げる

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近年、世界各国で盛り上がりを見せている、eスポーツ。詳しく知らない方も、eスポーツという言葉を聞く機会は増えているのではないでしょうか。

eスポーツは、オンラインを用いた対戦ゲームをスポーツ競技として捉え、世界中で大会が開かれています。

日本国内でも大きな注目を集めているなか、部活や授業でeスポーツを導入する学校も。

そこで今回は、茨城県水戸市に校舎を構える「水戸葵陵高等学校」のeスポーツ部を取材!eスポーツ部 顧問の益子 泰地さんと、教務部 部長の萩原 裕樹さんに、創部のきっかけや教育的効果について伺いました。

eスポーツを通じた、新しい教育の取り組みを、ぜひご覧ください。

  1. 勉強と部活動の両立!躍進を続ける水戸葵陵
  2. 学習や教育につながる「eスポーツ」を部活動として発足
  3. eスポーツを通じて生徒一人ひとりに活躍できる場を

勉強と部活動の両立!躍進を続ける水戸葵陵

生徒たちがホワイトボードに書き込んで話し合っている画像

ー本日はよろしくお願いします。はじめに、「水戸葵陵高等学校」がどのような学校なのか、概要を教えてください。

萩原 裕樹さん(以下、萩原):茨城県水戸市に校舎を構える「水戸葵陵高等学校」は、建学の精神に、“国を愛し、人を愛し、平和を愛して社会に貢献できる有為な人材を育成する”を掲げ、1985年に創立
されました。

また、教育方針「文武不岐」、校訓「質実剛健」のもとに、心の豊かさ、精神力の逞しさを併せ持つ人格教育と、前途有為な人材教育を見据えた、特色ある教育に努めています。

本校では、将来活躍できる人材育成に力を入れており、勉強と部活動の両立でその実現を目指し、実際に全国制覇を目指す剣道部をはじめ、書道パフォーマンスでの活躍が有名な書道部など、目覚ましい勢いで躍進しています。

本校には、それぞれが明確な特徴を持つ「医歯薬コース」「特進iコース」「進学Vコース」の3つのコースがあり、生徒一人ひとりが進路を自分で決定できるように全職員でサポートしていることが特徴です。

医歯薬コースは、今年度創設20年を迎え、医療を目指す多くの生徒たちが医学部や薬学部に合格し、医師や薬剤師として医療の第一線で仕事をしています。

このように水戸葵陵高等学校の卒業生は、医療界・経済界・産業界など、多岐に渡る分野で活躍しています。

学習や教育につながる「eスポーツ」を部活動として発足

生徒たちが並んでeスポーツをしている画像

ー水戸葵陵高等学校の部活動のひとつ、「eスポーツ部」についてお聞かせください。

益子 泰地さん(以下、益子):eスポーツ(※)は、コンピューターゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉えた名称になります。

アメリカからスタートしたといわれているeスポーツは、日本でも知られるようになり、年々需要が拡大し、着実に新たな文化として国内で普及・浸透しています。

そんななか、茨城県は国体でeスポーツを初開催し、本校でもeスポーツに取り組む生徒が増えたことが創部のきっかけです。私自身も長年、eスポーツのプレーヤーでした。

eスポーツと聞くと、ゲームというイメージが強いかもしれませんが、実際、競技性の高いゲームとして扱われていることや、部活動のサッカーのように、戦略・研究・練習が必要なんですよ。

本校でも、最初はやはりゲームのイメージが強かったため、保護者や学校の先生方からの理解を得るのに少し苦労しました。

しかし、実際に先生方にeスポーツを体験してもらう体験会などをおこなったり、テスト期間前は部内で集まって勉強会をしたり、学習面もきちんと取り組むことで、部活動としての想いが伝わり、今では応援してもらっています。

なかには、ご両親がeスポーツをやっているから始めた生徒や、eスポーツ部に入部したからパソコンを1台用意したご家庭などもあり、十分にみなさんの理解は得ているのかなと思います。

一方、生徒に関しても、最初は学校でゲームができる感覚で入部するケースが多かったのですが、試合の分析など、競技性のあるゲームだと理解してもらうまでに時間がかかりました。

勝ち負けがはっきりとつくゲームなので、入部時に比べ、負けたことに対して悔しがるようになり、次の試合に向けて生徒同士で話し合う姿には成長を感じています

eスポーツに取り組むお子さんに対して、懸念や不安のある保護者の方は、ぜひお子さんが真剣に取り組んでいるeスポーツを一緒にやってみてほしいです。

また、eスポーツにもさまざまな種類があるので、お子さんが取り組んでいるのはどういったものなのかを聞いて、お子さんに直接教えてもらってください。

人に教えるには、自分の知識をアウトプットして説明するスキルが必要なので、会話することで学習につながり、総合的によい効果が得られると思っています。

eスポーツに限らず、熱中できるものがあるということは、学校生活においてとても重要だと思うので、お子さんが熱中していることを理解して応援してあげてほしいなと思います。

(※)eスポーツとは、エレクトロニック・スポーツ(Electronic Sports)の略。

ーeスポーツによって得られる、教育的な効果があれば教えてください。

益子:
部活動という側面においては、ふたつの効果があると考えています。

まず1つ目は、クラス以外のコミュニティを持ち、集団で活動することで、人間関係を形成する能力を養います

とくに部活動の場合、同級生だけでなく、先輩後輩などの上下関係があるほか、学校内の別コースの生徒とも関わるので、人間関係を築くことや規律のある集団生活を送ることが可能です。

2つ目は、思考力や判断力といったスキルを身につけることができます

サッカーや野球の場合、監督やコーチなどの指導者がいますが、eスポーツでは基本的に生徒同士で作戦を立て、次の展開なども自分たちで考えます。

顧問の私は少し助言する程度なので、生徒たちはPDCAサイクルに自ら取り組み、自主性を高めることができるのです。

また、近年は授業のなかでもeスポーツを取り入れた教育がおこなわれていて、実際にNASEF JAPAN(ナセフ ジャパン / NPO法人 北米教育eスポーツ連盟 日本本部)という教育団体が、eスポーツを通じて学習や教育を促進するために活動しています。

たとえば、「Farmcraft(ファームクラフト)」という教育プログラムでは、世界中の農業生産者や流通業者が直面する課題の理解を深めることができます。

ゲーム空間のなかで最高の農地をつくることを目指し、災害など、環境変化を始めとしたさまざまなシチュエーションへの対応、効率的な作物の育て方を考えるんですよ。

本校でも、eスポーツを学習や教育につなげる効果的ツールとして活用していけたらいいなと思っています

eスポーツは、子どもたちの成長につながる、さまざまなスキルを養うことができるのですね!

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eスポーツを通じて生徒一人ひとりに活躍できる場を

男子生徒がパソコンの前に座りノートに書き込んでいる画像

ー今後の目標を教えてください。

益子:eスポーツを教育の一環として、学校のカリキュラムに導入していければと考えています。


なぜなら、eスポーツプレーヤーである私自身、これまで培った経験、考え方が生活のなかで大変活きていると感じるからです。

試合で負けたら、なぜ負けたのか、次どうすればよいのか、そのための練習を考えなければなりません。

このように、常にPDCAサイクルを意識して取り組むことで、将来につながる力でもある、思考力・判断力を生徒たちに身に付けてもらいたいですね。

ー最後に、入学を検討している読者にメッセージをお願いします。

萩原:本校は、生徒一人ひとりが主人公になれる学校を目指しております。

勉強が得意な子は、勉強だけでなく、部活動でも活躍してほしい。逆に運動が得意な子は、勉強においても活躍してほしいのです。

また、運動は、体格や年齢など、個々の状況が結果に大きく影響する場合もあるかもしれませんが、eスポーツは比較的誰でも楽しむことができるスポーツだと考えています。

さらに、地域や文化の壁を乗り越えて、eスポーツは世界で盛り上がりを見せています。

こういった部活動をつくったということは、グローバルな人材を育成できるということであり、生徒一人ひとりに活躍できる場がある学校だとみなさんに伝えたいです。

益子:eスポーツの需要は、今後間違いなく増えていくと思っています。

世界のeスポーツの競技人口は年々増え続けており、実は野球と同じぐらい競技人口がいるんです。

一方で、世界に対し、日本のeスポーツの競技人口は少ないのが現状で、まだまだ発展途上だといえます。

しかしながら、今後成長し続けることは間違いなく、日本においてeスポーツの授業も増え、大きく発展していくことでしょう。

eスポーツは、本人が頑張れば頑張った分だけ成果が出るようになる。そういった特性を持っているので、ご興味のある方は、ぜひ実際に本校で体験してほしいですね。

eスポーツをやったことのない方にも、eスポーツのよさを知っていただければなと思っています。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました。


■取材協力:水戸葵陵高等学校

有田 幸恵
この記事を執筆した執筆者
有田 幸恵

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

幼少期は5歳から小学校6年生まで英会話教室に通う。高校受験時には家庭教師や塾の特別講習で猛勉強し、第一志望に合格。その後、芸能関係の道に進み、ライター業に転身する。エンタメや美容ジャンルの執筆を経験した後、弁護士コンテンツの法律記事に携わったのをきっかけに、読者の役に立つ情報発信を志し、2020年9月から株式会社サイバーエージェントのグループ会社 株式会社CyberOwlで編集者兼ライターとして従事。現在、テラコヤプラス by Amebaで保護者やお子さまの未来に繋がる記事づくりを目指しています。