共働きの家庭が増え、学校が終わった後に居場所がないという子どももいます。
NPO法人の「いちかい子育てネット 羽ばたき」は、そんな子どもたちのために栃木県芳賀郡市貝町で「きぼうの丘学童クラブ」という学童保育を運営する団体です。
さらに子どもたちの生き抜く力を育むことを目的にした、子どもたちにとっての第三の居場所を作る計画を進めているといいます。
今回は理事長の永島 朋子さんにお話を伺いましたので、学校が終わった後の子どもの過ごし方に心配や興味がある方はぜひご覧ください。
学童保育の「きぼうの丘学童クラブ」を運営
ー本日はよろしくお願いいたします。まずは「いちかい子育てネット 羽ばたき」の概要について教えてください。
永島 朋子さん(以下、永島):「いちかい子育てネット 羽ばたき」は、「地域とともにみんなで子育て」をミッションとして活動しているNPO法人です。
子育て世代の方は安心して子育てができ、子育てが終わった方は協力して子どもたちを支えていけるという、誰もが参加できる子育ての実現を目指しています。
このため、人と人とのつながりを大切に持ちながら活動をしているのです。
具体的には学童保育の「きぼうの丘学童クラブ」、多世代で一緒に子育てを目指す「羽ばたきサロン」といったプログラムを運営しています。
ー「きぼうの丘学童クラブ」について詳しく教えてください。
永島:「きぼうの丘学童クラブ」は栃木県芳賀郡市貝町にある、小学校1年生から6年生までを対象とする学童保育施設です。
基本的に月単位あるいは年単位で契約いただいているのですが、日単位でもお受けすることができ、それぞれのご家庭の事情に合わせて利用することができます。
具体的な料金は下表を参照ください。
18:00まで利用の金額 | 19:00まで利用する場合の延長保育料 | |
---|---|---|
1カ月(土曜日以外) | 5,250円/月 | +5,000円/月・200/日 |
7月(土曜日以外) | 7,000円/月 | +5,000円/月・200/日 |
8月(土曜日以外) | 12,000円/月 | +5,000円/月・200/日 |
土曜日 | 1,000円/日 | - |
1日単位の預かり(春・夏・冬休み中) | 1,000円/日 | +250円/日 |
早期保育料(7:30〜8:30に登所、春夏冬休み・振替休日に適用) | 100円/日 | +1,000円/月(8月のみ) |
送迎バス・おやつ代 | 1,000円/月 | - |
これに加え、羽ばたきの利用料が1家族あたり年間1,000円(税込)、保険代が1,450円
(税込)必要です。また、学区外の場合は1ヶ月18:00までの利用が月額6,480円(税込)。
運営方針としては、それぞれの子どもにきめ細かく合わせた対応をしているのが特徴。
子どもは一人ひとり異なり、子どもの気持ちは日々変化するものです。
例えば、宿題を自分から取り組みづらい子がいればその子の気分が乗るまで寄り添ってその子のペースで宿題を進めたり、学校であったことを引きずっている子がいればよく話を聞いたうえで支援員が対応をしています。
また、おやつを出すときに一手間をかけているのもこだわりです。
アイスクリームにトッピングをしたり、ホットケーキやおにぎりといった栄養のある捕食としておやつを出すなど、子どもの食育も考えながらおやつ担当のスタッフが提供していますよ。
ー「羽ばたきサロン」はどのようなプログラムでしょうか。
永島:羽ばたきサロンはもともと、未就学の子育て親子が集まってお料理教室やお出かけをおこなう場でした。
最近では子育て中の親子を限定とした活動はクローズし、地域の高齢者も含め誰でも来てよいというサロン活動に移行しています。
多世代で子育てをおこなう場を目指し、さまざまな方々のために地域の居場所の役割も果たしていきたいですね。
自立を支援する第三の居場所作りを進める
ー実際に利用されている子どもや保護者からの反応を教えてください。
永島:きぼうの丘学童クラブを利用している保護者からは、「子どもたちが体を動かして遊べるところがありがたい」という言葉をいただいています。
きぼうの丘学童クラブは廃校を利用した施設であり、敷地がとても広いです。このため、子どもたちは宿題を終わらせてから思う存分遊んでいますよ。
また、先述のひと手間かけたおやつも好評ですね。
ー今後の展望や開催予定のイベントはありますか。
永島:現在、学童保育でもなく、家庭でもなく、学校でもない放課後の子どもたちの居場所作りを進めています。
遊びを中心としながら生活も支えていく、子どもたちの第三の居場所を目指しており、10月にオープン予定です。
ここは学童同様子どもたちが安心して過ごせるのはもちろん、密に人間関係を作ることで生活面や学習面で将来の自立に向けて子どもを支援し、生き抜く力を育む居場所になるというのがコンセプト。
さまざまなプログラムを体験したり、子ども同士だけでなく地域の方々とも思いを共有しながら活動したりといったことを考えています。
イベントとしては地域の方にお世話になりながら自然体験活動をおこなっており、5月に田植えした稲を10月に刈り取り、11月に収穫祭をおこなう予定です。
いずれも、公式ホームページにもチラシを公開しますので、ぜひチェックしてください。
地域と親子をつなげて子育てを助けたい
ー最後に読者の方へメッセージをお願いします。
永島:私たちは子育て世代だけでなく、地域の方々も含めて手を貸してほしいときに手伝ってといえるような顔の見える関係造りを心がけて活動をしています。
地域の方々も子育て世代がどんなことを思っているのか、どんな活動をしたいと思っているかとても興味があります。子どもたちと保護者がたくさん遊びに来てくれることを楽しみにしていますよ。
私たちがそこをつなげる役割を担いたいですね。
また、落ち葉のなかに埋もれるなどの自然体験をおこなったり、思いっきり体を動かして遊んだり、にぎやかに活動してきたいと考えています。
いちかい子育てネット 羽ばたきの活動に興味がある子どもや保護者、「ママだけでも自然体験活動大丈夫?」と不安に思っている方。羽ばたきに来たことのないはじめての方でも大歓迎です。
私たちがサポートする形で背中を押しますので、ぜひ市貝町に遊びに来てください!
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
■取材協力:いちかい子育てネット 羽ばたき