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NPO法人「市川子ども文化ステーション」を取材!子どもがつくるまち「ミニいちかわ」に注目

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心の成長をうながすために、自分の子どもにはいろいろな体験をさせたいところ。

しかし、各家庭や学校で用意できる体験には限界があります…。

そのようななか、面白い取り組みをしているのが千葉県市川市にある「市川子ども文化ステーション」です。

今回は団体の目的や具体的な活動内容などを、理事長の加藤 香都代さん、副理事長の安田 知佐子さん、同じく副理事長の三ツ森 菜央子さんに伺いました。

市川市にお住まいで、子育て中の方はぜひご覧ください!

“みる・あそぶ・つどう”がテーマの体験活動

ミニいちかわ

ー本日はよろしくお願いします。まずは「市川子ども文化ステーション」がどのような団体なのか、概要を教えてください。

加藤 香都代さん:私たち「市川子ども文化ステーション」は、「異年齢で見る、遊ぶ、話す、作ること」を通して、みんなの自己肯定感を育むことを目的に活動しているNPO法人です。

すべての子どもと大人がふれあいのなかで育ち、わくわくドキドキする気持ちや笑顔があふれる社会の実現を目指しています。

私たちの活動における大きな特徴のひとつは、年齢層が幅広いことです。

赤ちゃんから小・中・高校生の子ども、18歳以上の青年、そして子育て世代からもっと上の年代の大人まで、それぞれがお互いにサポートしたり一緒に楽しんだりしながら、イキイキと活動しています。

活動のメインは、“みる”こと、“あそぶ”こと。

“みる”は舞台劇・人形劇・音楽・芸能などの舞台芸術を生で鑑賞して、心に栄養を蓄えます。

鑑賞する作品は会員みんなで選ぶことを大事にしておりまして、そのうえで年齢にあったプロによる作品を、年間3作品鑑賞します。

また、事前に劇団の方からお話を聞いたり、ワークショップをおこなったり、会場に飾る看板や当日配布するプログラムをつくったりと、鑑賞当日が楽しみになるような取り組みもご用意。

“あそぶ”は、子どもたちの発想を大切にした体験活動により、心と身体を解放します。

異なる年齢どうしで遊ぶ会や、同年代での遊びの場などでは、子どもの「やりたい」が実現するように大人や青年がサポートしていますね。

思い通りにいかなくても、それはそれで貴重な経験です。子どもたちは「やりきった」という達成感を得ることができるでしょう。

子どもたちが主体となって“まち”をつくる「ミニいちかわ」では、「子ども実行委員」や「子どもスタッフ」が、それぞれ自信をつけながら活動を楽しんでいます。

“つどう”も、体験活動における重要なテーマです。子どもたちが一緒に過ごすなかで気持ちを共有したり、ぶつかりあったりしながら、心を成長させます。

未就園児とその親を対象とした「おやこサークル」では、子どもたちにはお友だちができ、大人たちには子育てをする仲間ができます。

地域のサークル会や、中高生・青年の高学年サークルなど、気心の知れた仲間での集まりも楽しい場になっていますね。

また、地域とのつながりを目的としたこども食堂「つなぐ食堂」、通うことが楽しくなる学童保育クラブ「ぴいす」、そして市川市からの委託事業であり0〜3歳の親子を対象とした「親子つどいの広場」。

これらは地域の利用者から「あってよかった」と言っていただける存在になっています。

私たちのこういった活動は「子どもの権利条約」の子ども観に基づいて、一人ひとりを尊重し、子どもと大人が対等な関係で一緒に活動するパートナーとしておこなっているものです。

そのためにはまず「子どもの権利条約」を知ることが重要であるとして、学習する機会をつくったり、活動の際に掲示したりといった取り組みもおこなっています。

子どもが主役の一大イベント「ミニいちかわ」

ミニいちかわ

ー「ミニいちかわ」の活動内容について、詳しく教えてください。

三ツ森 菜央子さん:「ミニいちかわ」は自分がやりたい仕事を見つけて、働いて、お給料をもらって、そのお金で遊んだり買い物をしたりする、あそびのまちです。

現在、「市川子ども文化ステーション」では2つの会場で開催しています。

会場によって多少の違いはありますが、事前の公募で集まった小学4年生から18歳までの子どもスタッフが会議を重ねて、まちのしくみやルールを考えます。

会議のなかで話しあうのは、まち全体についてのことや必要な店、自分がやりたいブースなどについてです。

子どもスタッフ同士が仲良くなって、発想をより広げられるように、専門の講師によるワークショップもおこなっています。

子どもスタッフは経験も年齢もさまざまですが、楽しい「ミニいちかわ」をつくるという共通の目標をもった仲間が増えていくところも魅力のひとつですね。

子どもたちは、「何をするためのブースか?」「材料はなにがどれくらい必要か?」「商品をいくらで売るのか?」などたくさんのことを考える必要があるので、大人スタッフと一緒に考えながら準備をしていますよ。

なかには自分のブースのイメージがなかなかつかめず、具体的な構想にならない子もいますが、大人スタッフが根気強く子どもの考えていることを聴いて寄り添うことで、徐々にかたちになっていきます。

まちの市長や副市長も、子どもたちのなかから選ばれる役割です。「ミニいちかわ」開催前の会議では進行役となり、開催当日は市役所を運営しながら、まち全体の様子にも気を配ります。

学校の先生や本物の市役所で働く方など、見学にいらっしゃった大人にまちの説明をしたり案内したりするのも、市長・副市長の大事な仕事です。

そして「ミニいちかわ」当日は、さまざまなアクシデントが起こります。子ども同士のトラブルが発生したり、商品が予定通りにできなかったり、お客さんが来なかったりと。

そして働く人が求人の人数以上に多く来たり、逆に全然来なかったり。

そのようなトラブルが起こった際には、子どもスタッフがほかの人やブースの参加者と協力して対処します。

大人スタッフはそれを見守るのが原則です。子どもたちから相談されれば一緒に考えますが、解決するのはあくまで子どもたちです。

大人は子どもの力を信じてみんなの発想を楽しんだり、感心したり、子どものワクワクを応援したりします。

大人スタッフとして初めて関わるボランティアさんも、子どもたちがもつ力に気づき、一緒に楽しめるようになります。

主役である子どもたちは、「ミニいちかわ」の魅力を“自由”であるとか、“やりたいことができる”ことだと表現してくれますね。

遊びのなかで自ら考えて行動することや、遊びきったという自信が、その言葉につながるのだと思います。

今年は第1回の「ミニいちかわ」開催から、20周年を迎える年です。

つい先日は、これまで「ミニいちかわ」に子ども側として関わった経験をもつ青年のトークイベントをおこないました。

そしてそこでの経験が彼らのなかに生きていることを、私たちは実感しました。

「ミニいちかわ」を続ける必要性、そして責任を、ひしひしと感じているところです。

「ミニいちかわ」は子どもたちが、楽しみながら多くのことを経験、そして学べるイベントですね!

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キャンプや工作教室など多数のイベントを開催

ー今後、どのようなイベントを開催する予定ですか?

安田 知佐子さん(以下、安田):今年の「ミニいちかわ」は、行徳会場(行徳駅前公園)にて10月15・16日に、大洲会場(大洲防災公園)にて10月22・23日に開催する予定です。

参加の方法については、9月頃にホームページでお知らせします。

それにともない、「ミニいちかわ」に参加する19歳以上のボランティアを募集しています。ボランティア説明会は、8月21日にオンラインで実施します。

そのほかの活動としてはキャンプ・デイキャンプ・工作教室・夕涼み会などの体験活動に舞台鑑賞活動など、たくさんあるんですよ。

会員を対象としたのものや一般の方にも参加いただけるものなど、参加条件は活動によって異なりますので、詳細は当団体のホームページをご覧ください。

ー最後に、読者へ向けてメッセージをお願いします。

安田:私たちの活動は、子どもが子どもの時間を、自分らしく過ごせることを大切にしています。


さまざまな活動をしていますが、どの活動も子どもが自分の居場所を見つけ、心豊かに成長できることを目指したものです。

会員は随時募集しておりますので、興味がある方はぜひお問いあわせください。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました!

■取材協力:市川子ども文化ステーション

福岡 萌子
この記事を執筆した執筆者
福岡 萌子

Ameba塾探し 執筆者

幼少期はダンス、フィギュアスケート、ピアノ、英会話などを習う。英語に特化したカリキュラムが豊富な私立高校の国際情報コースに通い、イギリスでの短期留学を経験。その後、恵泉女学園大学人間社会学部にてインドネシア文化とフランス文化を学ぶ。その後、幼児~シニアを対象としたダンス講師として従事。2021年4月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。保護者やお子さまの目線に寄り添い、知りたい情報を確実にお届けできるよう目指しています。