東京で田舎の遊びを体験できる「くにたち農園の会」を取材!農地を活かした活動内容を聞いてみた

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自然豊かな環境でさまざまな生命に触れながら、子どもにとってかけがえのない経験と学びを得られる。そんな場所が、東京にもあります。

今回は東京都国立市で活動する団体「NPO法人 くにたち農園の会」にインタビュー。

理事を務める村井 里子さんに、活動の内容や、実際に参加している方たちの様子などを伺いました。

新宿から電車に乗って1時間でアクセスできるこの場所で、一体どのような体験が待っているのでしょうか?

子どもたちがのびのびと遊べる場所を探している方は、ぜひご一読ください。

  1. 農地を利用し、普段はできない体験を数多く用意する
  2. 稲作を楽しめる人気イベント「親子田んぼ体験」
  3. 「お蚕フレンズプロジェクト」など、各種イベントの参加者を募集中
  4. 将来のこどもたちのために農地を守っていきたい

農地を利用し、普段はできない体験を数多く用意する

子どもたちが畑を囲んでいることが分かる画像

ー本日はよろしくお願いします。早速ですが、「くにたち農園の会」はどのような活動をおこなっているのでしょうか?

村井:「くにたち農園の会」は2016年にNPO法人化した団体で、国立市にある農地と市民をつなぐ活動をおこなっております。

具体的な活動内容については、「農園事業部」と「子育て事業部」の、2つの事業にわけられます。

農園事業部については、コミュニティ農園である「くにたちはたけんぼ」・「みんな畑」と会員制レンタル平家「畑の家」、ゲストハウス「ここたまや」の運営がメインです。

それらの施設に関連する活動、たとえば「くにたちはたけんぼ」を利用して、年間を通しての田んぼ体験など様々な体験の提供をおこなっています
続いて、子育て事業でおこなっているのは、乳幼児親子での学びや交流の場として使える「つちのこひろば」、未就学児〜小学校低学年、親子対象の自然体験、小学生対象の「谷保のそらっこフリースペース」「放課後クラブニコニコ」などの活動です。

いずれの場合も野外での活動をメインにしており、家ではできないような体験を提供しているんです。

認定こども園「風の子」の運営もしていて、こちらは幼稚園の年少から年長までの子どもを対象としている施設です。

保育と教育の両方の機能をもっているため、園長や保育士のほか、栄養士や看護師も職員として多数在籍しています。

これらのほかにもさまざまな活動をおこなっていますが、なかでも異色の活動が「お蚕フレンズプロジェクト」です。

内容は蚕(かいこ)を卵の状態から繭の状態になるまで、自宅で飼育するというものです。いってみれば、プチ養蚕ですね。

それでできた繭をワークショップに持ち寄ってクラフトに使ったり、養蚕農家のオンライン見学会をおこなったり、ほかの参加者たちと自分の飼育環境をSNSで見せあったりと、ちょっとマニアックな展開もあります。

子どもが楽しめることはもちろん、大人も夢中になれるイベントではないでしょうか。

稲作を楽しめる人気イベント「親子田んぼ体験」

子供たちが田植えをしている様子が分かる画像

ー「親子田んぼ体験」についても教えてください。

村井:「親子田んぼ体験」は非常に人気があるイベントです。
田植え・稲刈り・収穫祭などを年に3回実施します。

収穫祭ではその年に収穫した米を食べることができ、かまどを使って炊飯するため、これも貴重な体験になると思いますよ。

子どもがやりたいというよりは、大人の方が体験したいということで申し込まれる場合も多いようですね。

なかには田んぼに入りたくないという子どもや、途中で飽きてしまってほかの場所に行ってしまう子どももいます。

ですが無理に田植えに参加されることはせずに、「一回休んでからまたやろう」などと声掛けし、子どものペースに合わせて興味を持ってもらえるように工夫しています。

またオプションとして、田んぼの用水路に生息しているザリガニ・メダカ・カエルなどを捕まえて、観察するイベントも用意していますよ。

「親子田んぼ体験」はあくまで親子での参加となりますが、なかには保護者の方の参加が難しい場合があるかもしれません。

その場合も、先ほどお話しした「谷保のそらっこ」や「放課後クラブニコニコ」の活動の中でも、田んぼ体験に参加できます


ー実際に参加された方からはどのような反応がありますか?

村井:実際にいただいたアンケートの回答として、「雪の日は雪遊び、暑い日は水遊びと、天候や季節、自然に沿った遊びを提供してくれてありがたいです」といった、嬉しい声がありました。

また、家を建てるときにおこなう「餅投げ」の行事への反響もあり、取り組みに対して「放課後の時間を過ごすのに理想的な場所」「実体験を積める貴重な場所」など多くの感想をいただくことができ、私たちも嬉しく思っています。

本当は子どもたちに思いっきり遊んで欲しいのに、自由に遊びまわる場所がないと困っている保護者の方は、意外と多いようですね。

「お蚕フレンズプロジェクト」など、各種イベントの参加者を募集中

ー今後開催予定のイベントについて教えてください。

村井:まず年間を通しての活動では、放課後クラブ「ニコニコ」、「フリースペースくにたち」、乳幼児親子むけの「つちのこひろば」参加者、認定子ども園風の子の園児、コミュニティ農園「みんな畑」の区画利用登録、レンタル平家「畑の家」利用者を現在募集しています

定期のイベントでは、先ほどお話しした「お蚕フレンズプロジェクト」も受け付けていますが、「親子田んぼ体験」は人気のイベントのため現在キャンセル待ちの状態です。

単発のイベントは、レンタル平家「畑の家」で畑や手仕事などのイベントを随時開催していますので、「畑の家」Facebookでご参照いただければと思います。

いずれのイベントに関しても、参加を希望される場合は、ホームページのお問合わせフォームからご連絡いただければと思います。

それぞれのページの下にリンクを設置しておりますので、そちらをクリックすれば入力画面にアクセスできます。

将来のこどもたちのために農地を守っていきたい

子ども二人が田んぼでしゃがんでいる様子

ー最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

村井:私たち「くにたち農園の会」では、子育て支援を通じて、田畑や里山環境などの身近な自然を体験できる場の提供をしています

やはり東京では、農地がどんどん減っていってしまう問題があるんですね。

私たちが活動しているこの場所においても、去年まで「親子田んぼ体験」で使っていた田んぼに貸家が建ってしまうような状況です。

相続や担い手の問題で、田んぼを手放してしまうことはなかなか止めることができません。

ですが、普段から食べている農作物がどのように育っていくのかを知ってもらったり、そこで遊んだりする体験は、とても大事なことだと思います。

たとえ直接的に関わらなくても、都会のすぐそばに田んぼや畑があることで精神的に癒されるなど、よい面もあると思うんです。

ですから、私たちはこれからも、将来の子どもたちのためにも、農地を残すための活動を続けていきたいと考えています。

また、「くにたち農園の会」は、地域の子どもたちができるだけ気軽に参加できるように、ボランティアスタッフなどの協力を活用し、フリースペースや放課後クラブなど、地域向けの活動は参加費のハードルを下げるよう工夫しています。 

これまでは、さまざまな助成金に頼ってきた事情もありますが、助成がなくなった場合、参加費を値上げしたり、無料だったものを有料に変えることは本意ではありません。

ご家庭の事情で参加が難しい場合には、参加費を免除しているケースもあります。

放課後クラブ「ニコニコ」やフリースペースなど、子どもの居場所を守り続けるためにも、活動に賛同いただける方は、ぜひ寄付やスポンサーとしてのご協力をお願いいたします。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました!

■取材協力:くにたち農園の会