「NPO法人 エコ.エコ」がおこなう環境保全活動とは?

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虫が苦手だという方は少なくないでしょう。ところが、昆虫が滅びると、陸上生態系は崩壊すると言います。

私たち人間が生きていく上で、昆虫も大事な役割をしてくれています。

今回はさいたま市を拠点に湿地保全などをおこなう「NPO法人エコ.エコ」副代表理事の加倉井 範子さんにお話を伺いました。

子どもと一緒に自然について考えたいという方は、ぜひご一読ください!

  1. 生物多様性が保たれる環境を広げたい
  2. 毎月自然に触れられるイベントを開催
  3. 目標は“持続可能”な保全活動を定着させること

生物多様性が保たれる環境を広げたい

エコエコ

ー本日はよろしくお願いいたします。まず、「NPO法人エコ.エコ」についてお聞かせください。

加倉井 範子さん(以下、加倉井さん):「NPO法人エコ.エコ」は、生物多様性が保たれる環境が広がることを目的に活動している団体です。希少な動植物の保護、自然観察会、環境講演会、里山体験、学校支援などをおこなっています。

主な活動場所はさいたま市の見沼たんぼのトラスト1号地、さいたま市南部領辻三角下のマルコ(エスペラント語で湿地の意味)、さいたま市緑区南部領にある(公財)さいたま緑のトラスト協会保全第1号地、五斗蒔の斜面林と畑などです。これらの場所をまとめてベルダ(エスペランド語で緑の意味)と呼んでいます。

つる植物のクズで覆われた湿地で手入れを続けていると、いろいろな動植物を確認できるようになってきました。季節を変えて咲く花々や生き物に会うことも楽しみの一つです。

生態系の頂点にいるオオタカやフクロウは広い面積を必要としています。保全することで、多くの生きものに住処を提供できます。それが「生物多様性」の力のひとつになると考え活動しています。

それと並行して、専門の講師を招いての「自然観観察」、自然の恵みを体感する「里山.com」、農薬を使わない環境保全型の農地で畑作業もおこなっていますね。

近隣の学校支援やさいたま市立浦和くらしの博物館民家園などでは、自然理解の活動も。

環境講演会では、ドイツでの取り組みなどを紹介してもらい、環境をよい形にしていくための道をみんなで考えるんですよ。

毎月自然に触れられるイベントを開催

エコエコ

ー今後開催予定のイベントなどがあれば教えてください。

加倉井:2022年度、観察会や里山.comに参加する家族会員を募集中
です。

イベントを実施する際には、随時ホームページで紹介します。集合場所や時間はイベントの種類によって異なりますので、ホームページをご確認の上、申し込んでください。

2022年度観察会(予定)
4/24食べられる野草
5/22クモ博士になろう
7/24虫ムシ探検隊
7/30セミの羽化をみよう
8/27コウモリ博士になろう

2022年度里山.com(予定)』 
6/11じゃがいも収穫
10/8さつまいも収穫
11/26里芋収穫
1/14焼き芋・竹で鉛筆立てをつくろう
2/11ヨシ刈り・泥団子を作ろう
3/11「龍神・マルコ」の開眼式

2022年度の保全活動は、第2木曜日、第3金曜日9時から11時おこなう予定です。

また毎週火曜日9時から11時は、畑作業
もおこなっています。

YouTubeチャンネル「NPO法人エコ.エコ kaerunomaru」では、たくさんの映像を紹介していますので、ぜひご覧ください!

アクティブラーニングはいろいろな体験を通して、面白いとか疑問とか不思議だと思うことに気づき学ぶことや考え調べることの大切さを伝えています。

参加者からの夏休みの自由研究での成果報告が、私たちの活動の励みにもなっているんですよ。

目標は“持続可能”な保全活動を定着させること

エコエコ

ー最後に、読者へ向けてメッセージをお願いします。

加倉井:
2015年9月に国連総会で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、人が地球で長く住むための取り組みですが、もっとも基本的なこととして、陸や海の豊かさを守らないと人は生きていくことができません。

人が長く地球に住むためには人の視点だけでなく、多様な生きものの視点を持つことも大切でしょう。

自然保護活動をしている場所の昆虫、クモ、カタツムリの調査報告を冊子にまとめています。

以下はその冊子に書いた文章です。

多くの人が自然の営みに気づくことが、私たち人の幸せにつながる道です。


人は虫を益虫害虫に分けて考えがちですが、圧倒的に“ただの虫”が多いのです。

天敵も多い多様な自然の中では、食べたり、食べられたりしていて、害虫と呼ばれている虫も“ただの虫”になります。

生物多様性の世界的リーダーでアリ学者のハーバード大学、エドワード・O・ウィルソン名誉教授は「人類の生存に昆虫は不可欠だが、人類が全滅しても滅びる昆虫はコロモジラミとケジラミぐらいだ」と述べています。

昆虫が滅びた場合、陸上生態系は崩壊します。人は“ただの虫”に支えられて生きているのです。
  
自然はつながっています。そのつながりを断ち切らないようにしていくことも人として大切な役割でしょう。私たちがその一つの力になればと思います。

*参考:金子修治・鈴木紀之・安田弘法編著『博士の愛したジミな昆虫』岩波ジュニア新書(『ただの虫のただならぬ働き-農業害虫と天敵』桐谷圭治著 部分引用)

ー本日は貴重なお話をありがとうございました。

■取材協力:NPO法人エコ.エコ