NPO法人「わこう子育てネットワーク」が取り組む“プレーパークの運営”と“多文化子育て支援事業”とは

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子どもにとって遊び場がたくさんあり、子育てがしやすい街はとても魅力的です。

埼玉県にある和光市は、自然が豊かな公園があったり、湧き水が流れていたり、子育てするにはぴったりな街。

今回は、和光市でプレーパークや子育て支援事業をおこなう、NPO法人「わこう子育てネットワーク」代表の森田 圭子さんと、プレーパーク担当で理事の猪瀬 知順さんにお話を伺いました

自然のなか子どもたちが自由に遊べる環境“わこうプレーパークの魅力”と、和光市と取り組む“多文化子育て支援事業”の内容を、ぜひご覧ください。

地域の大人と子どもが一緒につくる遊び場「わこうプレーパーク」

プレーパークで寝転がって空を見ている人の画像

ー本日はよろしくお願いします。まず初めに、NPO法人「わこう子育てネットワーク」のおこなっている、わこうプレーパークについてお聞かせください。

猪瀬 知順さん(以下、猪瀬):「わこうプレーパーク」では、地域のみなさんと子どもたちで一緒に遊び場づくりをしています。


0歳から18歳までの子どもだったら誰でも参加可能で、大人でもひとりでふらりと来て遊びに寄れる場です。

なによりプレーパークは、子どもたちが主体となって、小さい子だったら小さい子なりの遊びをしたり、小学生は体を動かして遊んだり、中高生は焚火のまわりで地域の大人やプレーワーカーと遊んだりして過ごしています。

開催場所は、和光市内でもひとつの場所に限定せずに、市内の南側と北側でどちらの子どもたちにも遊びが届くよう開催しているんです。

南側の公園で開催するときは、とても広い芝生の公園や、園路がある公園などで、地域の子どもたちの普段の遊びに繋がるようなものを持っていって遊びを広げていますね。

たとえば、ダンボールや、チョークでのお絵描き、また朝霞の材木屋さんから廃材を無料でもらってきて、それをボランティアで運び、木工作ができる環境も整えています。

寒い時期だと、焚き火、昔ながらの原始時代の火おこし器やマッチを使った火おこし体験など、いろいろな方法で火を起こす体験もするんですよ。

今ってお家がIHで、火を見てきた経験があまりない子どもたちが多くて、火を起こすことがすごく新鮮だったりするので、家族で夢中になって楽しんでもらえたりしますね。

あと、置いておいたロープを小さい子が引っ張って、いつの間にか、通りがかりの知らない人も加わり、みんなで綱引きが始まることもあります。

一方、北側の公園で開催する際は、自然が豊かな公園なため、湧き水で遊んだり、ヤゴや、カワニナ、サワガニ、毒がないヘビといった、自然のなかの虫や生き物に触れたりする機会をつくっています。

きちんと自然の知識を備えたプレーワーカーが自然を壊さないようにしていますね。

また、子どもたちのやりたいタイミングをすごく大事にしているので、遊ぶタイミングは強制していません。

子どもたちがやりたいなーって言ったら、周りの大人と材料を出して、本当に準備から最後の片付けまでみんなでおこない、遊び場をつくって遊び場を元に戻すところまでやるんですよ。

外国籍家族をサポートする「多文化子育て支援事業」とは

ー「多文化子育て支援事業」についても、お聞かせください。

森田 圭子さん(以下、森田):
わこう子育てネットワークでは、多文化子育て支援事業として、日本語が分からない子育て中の外国籍家族へ、保育園、幼稚園、学校などの説明会や個人面談時に、通訳サポーターが同行するサポート事業を令和元年から市とおこなっています

もともと私たちは、2004年ぐらいから多文化子育て支援をおこなっていて、生活習慣の違う日本での子育てで仲間が見つけにくい外国籍の方に対して、仲間づくりのお手伝いなどをしていました。

そんななか、お子さんの学校で配布されるプリントの内容が分からない、幼稚園の説明会で言葉が理解できず用意するものが分からない、などといった声が多かったんですね。

そこで、結婚で来日してそのまま日本で暮らしている外国の方とか、在日の方とか、夫の海外赴任先での子育て中に自身も助けてもらった経験がある日本の方々が、通訳サポーターとして手をあげてくださいました。

私たちは、専門性が高い医療の通訳や、プロ級の通訳はできないけれど、子育てや日本の状況を含めたリアルな情報を提供しながら分かりやすく説明できます。そのため、まずは子育てに関する通訳サポートに取り組んでみようとなったんです。

やはり始めるにあたって、ニーズを調整しながらボランティアとマッチングさせなければならないので、事業について市や制度でバックアップしてもらいながら、私たちがおこなってきた子育て支援をベースに1時間1000円で提供することになりました。

近年、さまざまな外国の方が来日していますが、外国籍の子どもたちが普通の公立の学校に入ることで孤立する状況は、その子どもたちにとってだけでなく、すべての子どもたちにとってもよいことではありません。

親御さんをバックアップすることが、子どもたちの環境の整備やサポートに繋がると考えています。

また、令和元年にサポーター養成講座を広く募集したところ、60人を超える方々がご参加くださって、英語や中国語、韓国語など、多言語に対応できるよう、たくさんの方に登録していただき一緒に通訳サポートをおこなっています。

日本語が分からないなかでの子育ては大変な苦労があるのですね。外国籍の家族に、通訳サポーターの事業が広まってほしいなと思いました!

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乳幼児もOK!幅広い年齢層が参加可能なプレーパークを随時開催中

二歳児がのこぎりで木を切っている画像

ー今後、開催予定のイベントなどあれば教えてください。

猪瀬:わこうプレーパークは、毎月大体第3日曜日を目安に開催
しています。

開催時間は10時半から16時までで、開催場所は柿ノ木坂湧水公園という、湧き水が出ている公園です。

乳幼児から参加できるちびともプレーパークは0歳から5、6歳までの未就学児が対象で、3月3日木曜日の10時から11時半、柿ノ木坂湧水公園で開催しています。

乳幼児のプレーパーク事業は年9回程度ですが、私たちがおこなっている乳幼児の広場と連携していて、普段は小さい公園で開催しているため外遊びデビューとしても最適です。

ブルーシートにラグマットをひいて、お母さんと赤ちゃんが日向ぼっこできるのですが、お母さんひとりで赤ちゃんを外遊びさせるのは大変でもここではほかのお母さんたちが一緒に見てくれて楽だし、お母さんたちも子どもも安心してのんびり気が抜ける場なんですよ。

ほかには、市の事業として開催しながら、地域の団体と一緒に連携もしていて、樹林公園のイベントとしては、遊び場を出張で持っていったり、湧き水の会の方とイベントの計画を立てたり、地域の団体との事業も予定していますね。

また、わこう子育てネットワークのパパ組と一緒に焼き芋タイムをおこなうこともあり、今後も子どもの過ごしやすい環境づくりをみんなで目指しています。

遊びながら学ぼう!大人も子どもも自然のなかで小さな冒険を

子どもたちがロープ遊具で遊ぶ画像

ー最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

猪瀬:
プレーパークには、焚火の匂いや、土の手触り、季節の風の匂い、小鳥の声、虫の動き、湧き水の流れる音、またいろいろな子どもたちが遊ぶ声も聞こえてくる環境です。

外で遊ぶので、親御さんは体力と気遣いが必要になりますが、子どもたちと一緒に親御さんも小さな冒険をして楽しんでもらえたらと思っています

学校や幼稚園では、プログラムのなかでしか得ることができないことがありますが、遊び場ではそういった枠を全部取っ払うことが可能です。

子どもたちや大人たちが興味を持ったことをどんどん遊びながら深めていける場なので、ぜひ楽しみを見つけに遊びにきてもらえたらと思います。

遊びながらいつの間にか学びになっていることがとてもありますよ。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました!


■取材協力:NPO法人 わこう子育てネットワーク

福岡 萌子
この記事を執筆した執筆者
福岡 萌子

Ameba塾探し 執筆者

幼少期はダンス、フィギュアスケート、ピアノ、英会話などを習う。英語に特化したカリキュラムが豊富な私立高校の国際情報コースに通い、イギリスでの短期留学を経験。その後、恵泉女学園大学人間社会学部にてインドネシア文化とフランス文化を学ぶ。その後、幼児~シニアを対象としたダンス講師として従事。2021年4月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。保護者やお子さまの目線に寄り添い、知りたい情報を確実にお届けできるよう目指しています。