子どもには感性豊かに育って欲しいと願う親は多いですよね。
子どもたちには多くのものを見て、触れて、創ることで「楽しい」「嬉しい」という感性を育んで欲しいと活動をおこなう「浦和造形研究所」代表取締役の金子希望さんにお話を伺いました。
子どもに創造する喜びを体験させたいと考えている方は、ぜひご一読ください。
子どもとアートを楽しむ!
ー本日はよろしくお願いいたします。まず、「浦和造形研究所 子ども造形教室アートキッズ」についてお聞かせください。
金子 希望さん(以下、金子):彫刻家の金子健二が、1976年に仲間との共同アトリエ「浦和造形研究所」を設立しました。
その後、集まった彫刻家たちが子どもたちに美術を教え、ともに制作する「小さな芸術家たちのアトリエ」を発足したことが、「子ども造形教室アートキッズ」の始まりです。
子どもたちは「小さな芸術家」であるというコンセプトが根幹にあり、私たちがクラスを運営するうえで大切にしていることは、「子どもたちとアートを楽しむ」こと。
講師たちは現役のアーティストでもありますから、子どもたちと一緒にカリキュラムを組み、作品をつくっていく過程を楽しんでいます。
もうひとつ大切にしていることは、「よい部分を見つけて褒めること」。
もちろん 無理やりよい部分を見つけて褒めるということはしませんよ。子どもたちがカリキュラムという制約のなかで制作して、できあがってくる作品を素直に認めてあげることが大事です。
保護者の方にも、作品をできていないと否定するのではなく、その作品を通して“どうやって制作したか”と“どう感じたか”を話してもらうようにお願いをしています。
現在、2歳半から高校生まで、子どもたちの成長に合わせた5つのクラスがあります。クラスはひとりの講師に対して幼稚園児は6名、小学生は8名までの「少人数制」で、現在は新型コロナ対策として、教室内のスペースにやや余裕を持たせています。
講師は現役のアーティスト
―どのような講師がいるのでしょうか?
金子:講師はみんな経験豊かな現役のアーティストです。絵画でも油彩、アクリル、日本画家など、そして立体造形、彫刻とさまざまなジャンルのアーティストがいることによって、幅広いジャンルや素材を使ったカリキュラムでクラスをおこなうことができます。
講師は子どもたちにどういう制作をさせたら楽しいか、どういう物を使ったら、どんなことができるか。いろいろなことを考えながらカリキュラムをつくっています。
ところが、実際のクラスでは子どもたちからさまざまな要望が出てくるんですね。
そのときには、それはできないと決めつけるのではなく、これはないけれど、どういう工夫をしたら目的に近づけるかを一緒に考えます。
また、「これを使ったらできるかもしれないよ」と、倉庫から使う予定にはなかった素材を出して使わせることもあります。
子どもたちの想定外の発想と、アーティストである講師たちの経験や発想がかみ合うときには思っていた以上に面白い作品が生まれると考えているからです。
失敗しても成功しても、そこには何か残るものがあると考えています。
無料体験は随時開催
ー今後、開催予定のイベントや無料体験レッスンについて教えてください。
金子:通常授業は基本的に無料で随時受講していただけます。
イベントとしては毎年春におこなっている「造形春フェス」があって、併設しているギャラリーなどで簡単に楽しめるアート体験をおこなっていますよ。
純粋につくることを楽しんで欲しい
ー最後に、読者へ向けてメッセージをお願いします。
金子:私たちの活動の一番の目的は、「考えてつくることを好きになってもらいたい」ということです。
今後アートに関わる関わらない関係なく、発想したり創造したことをどうやって具現化するのか。どうやって完成させるのかなど、これからの人生において問題解決能力のひとつになると考えています。
難しいことは考えずに、まずは純粋に一緒にアートを楽しんで制作できたらいいですね。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
取材協力:浦和造形研究所