「もしかしてうちの子、成長が遅いかも」
子育てをしている保護者の多くが、このような疑問を持ち不安に感じたことがあるでしょう。
そのとき、誰かに相談しましたか?相談する場所はありましたか?
子どもの発達に対するつまづきや不登校など、支援を必要とする子どもと保護者に居場所を提供する児童発達支援事業所「ナチュファミ」代表の𠮷崎加奈子さんにお話を伺いました。
児童福祉に興味のある方は、ぜひご一読ください。
困りごとを抱える人たちを助けたい
―本日はよろしくお願いいたします。まず、ナチュファミの活動についてお聞かせください。
𠮷崎:ナチュファミは少人数の整った環境で、児童発達支援活動をおこなっている団体です。
子どもたちが遊びを通して、楽しみながら得意なところを伸ばし、苦手なところに対する対処法を学ぶことをお手伝いしています。
私自身の経験から保護者の方の支援にも力を入れていて、不登校や発達の困りごとの相談も受けていますよ。
もう成人していますが、私の子どもが不登校だったんです。
当時から保護者が気軽に悩みを相談できて、子どもたちが安心して過ごせる場所があったら、子どもももう少し違った成長の仕方ができたのかなという思いがありました。
学校からスクールカウンセラーとの相談会のお知らせがあっても、なかなかそこへ出向くことを躊躇してしまう方が少なくないと思うんですね。
私自身もそうでした。お知らせをもらっても足を運ぶことができず、本当に困り果てたときにやっと相談することができたんです。
地域のクリニックでカウンセリングを受けてもいましたが、どうしても繋がりにくさを感じて、それだけでは不十分だと思っていました。
地域のなかにもっと気軽に相談できる場所がないと、保護者も疲れきってしまうでしょう。
そこで私が十数年前に経験したのと同じように、困っている保護者の助けになればと立ち上げたのが~a natural lover family~「ナチュラルラバーファミリー」です。
造語で直訳すると自然愛好家とか自然のままにといった意味になると思いますが、「ありのままの子どもの個性を大切に」という想いを込めて名付けました。
あまり長いと覚えていただくのも大変なので、事業所名は略して「ナチュファミ」です。
子どもの成長を丁寧にサポート
ー「児童発達支援 キッズナチュ」について詳しく教えてください。
𠮷崎:一般的には10人前後でおこなっているところが多いと思いますが、ナチュファミの児童発達支援は1日に多くても6名以内の少人数でおこなっています。
子どもたちが遊びのなかで成長をして、自分たちの世界を広げてくれることが目標です。
子どもによって苦手なことは違いますよね。それがコミュニケーションだったり、発語の少なさだったり、突発的な行動を取ってしまうことだったり。
ナチュファミでは保育士、児童指導員のほかにも、毎月数回、言語・心理・体操の専門の先生方にも来ていただいているんですよ。
遊びを通じて得意なところを伸ばして、苦手なところに対する対処法を学べるように、先生方に個々の苦手なところを専門的に分析してもらっています。
そうすることによって、苦手なことに対して子ども一人ひとりにあった支援をおこなうことができます。
先生方は皆さん、子どもの療育に対する熱い思いを持っていらっしゃるので、その思いを職員と共有しながら支援していただいていますね。
地域で活躍する先生を招いてのイベント
ー今後、開催予定のイベントなどの告知があれば教えてください。
𠮷崎:ナチュファミの利用者だけではなく、一般の方にも呼びかけをして、毎年6回ほど「子育て支援」を開催しています。2022年も1月と2月におこなう予定です。
2022年1月25日は日本糖尿病療養指導士の米盛章子先生に「食べる事は生きるための基本!食を楽しみませんか」というタイトルで講演をしていただきます。
2022年2月22日にはセラピストの河野夕子先生による「自宅で簡単 セルフケア アロマフットセラピー」を開催予定です。
どちらも参加無料ですので、気になる方はぜひ、ご予約のうえご参加ください。
私たちが“地域密着”を謳っていることもあって、来ていただく先生も大半が地元で活躍されている方々なんですよ。
そのほか、2022年度の利用に向けての療育児の見学・体験は随時おこなっております。
ひとりではなく一緒に子育て
ー最後に読者へ向けてのメッセージをお願いいたします。
𠮷崎:「子どもがうまれたから、親になる」とはいっても、親だって1年生。急になんでもできるわけではないですよね。
困ったときはひとりで悩まず、周囲に話してくださいね。
たとえばナチュファミのような場所で、気軽な気持ちでお茶飲みながらおしゃべりをして、子どものことをポロっと口に出したら、周りの人が解決に繋がるアドバイスをくれることもあるでしょう。
でも、黙っていると周りの人も気がついてはくれないんですね。だから、少しでも困っていることがあれば、気軽に子どもの話をしてくださいね。必ず助けてくれる人が周りにいます。
よくこういった相談は子どものためにすると考えがちですが、子どものためだけではなく、ご自身のためにも行って欲しいんです。
もし親子関係が難しくなっているとき、保護者が自分の人生のことも大事にしていると子どもが自然と寄ってきて口を開いてくれることもあると感じますね。
子育てをひとりで背負い込まず、周囲に頼りながら一緒に育てていきましょう。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
取材協力:ナチュファミ