「子どもが学校になじめない」「子どもの発達に凸凹があって…」と悩みをもったり不安に感じている保護者の方は意外と多いのではないでしょうか。
学校になじめない、発達に悩みを抱える子どもの個性を見つめ、ポジティブに伸ばしていけるようサポートしているのが、三幸学園グループ運営の「東京未来大学子どもみらい園」です。
今回は「東京未来大学こどもみらい園」の教務チーフ 池田 準(いけだ じゅん)さんにお話を伺いました。
子どもの個性を伸ばしたい方、得意なことはあるのに学校になじめないと悩んでいる保護者の方は、ぜひご一読ください。
大学と一緒に研究・サポートする発達支援塾
ー本日はよろしくお願いします。まず「東京未来大学こどもみらい園」の設立経緯や概要についてお聞かせください。
池田 準さん(以下、池田):学校で人との関わりや集団生活が苦手な「発達障害グレーゾーン」といわれる、学校になじみにくい子どもたちがいます。
そういった「学校の教育にはなじみにくい、でも得意なことが実はある」子どもをフォローするために、当園は始まりました。
子どもの心理を主に研究している「東京未来大学」と一緒に研究をしているイメージで、大学の心理臨床センターの中にある教育機関という位置付けになります。
当園は、心理学をベースに子ども一人ひとりの個性に合わせた教育をする発達支援塾で、未就学児~を対象に「発達に凸凹がある」「学校生活で困っている」といった子どもを受け入れていますね。
個性を尊重してその子に合った教育をすることを軸に、保護者を含めたサポートをおこないます。最初は個別指導からスタートしましたが、今は集団指導もおこなっていますよ。
心理学に基づきポジティブに個性を伸ばす「完全担当制」
ー「東京未来大学こどもみらい園」の特徴や特色について教えてください。
池田:当園は学習支援をおこなっていますが、心理士が常駐するあくまでも発達支援の場であることが特徴です。
発達障害や学校になじめないなどの悩みを抱えた子どもを中心に、個別指導はもちろん、小集団でもなるべく個別に合わせた教育をする「完全担当制」をとっていますね。
当園の教育は、弱みのケアより強みを伸ばすことで、できないことを見るより、できることを見ていくほうが教育効果も高いからです。
また、以前からある発達障害のある子ども向けの「療育」といわれる場所とは、少し雰囲気の違う教育現場にしたいとも考えています。
当園では、どの先生もポジティブに子どもの将来を見据えて、未来がワクワクするような捉え方で子どもと関わっていますね。
「発達障害です」と言われた瞬間、保護者は暗くなりがちですが、「いやそうじゃない、ここからが明るい将来へのスタートでよ」というふうにポジティブになれる支援を心がけています。
個性に合わせて増えた、さまざまなコース
ー「東京未来大学こどもみらい園」でおこなわれているコースについて教えてください。
池田:ホームページを見ていただくとコースが非常に煩雑で「どのコースを選べばいいの?」という状態かもしれませんが、実はこれが特徴です。
「子どもの個性に合わせた支援をしたい」という子どものニーズに合わせて考えた結果、たくさんのコースが増えていったんですね。
たとえば、個別指導は「学習支援コース」のほか「あたまの体操」「イングリッシュ」「IT」「アート」「ダンス」「体操」などがあります。
元々は学習に困って当園に来た子でも、最初はまだその段階ではない場合があります。また「学習支援コース」ではなく、もっと自己肯定感を高めるために別のコースのほうがいい子もいますよね。
基本的に、その時の子どもから少し先の将来を見据えた状態像に合わせてコースを用意しています。そのため、ちょっと頑張るコースもありますし、ワクワクするような趣味を突き詰めるようなコースもあるんです。
たくさんのコースをもつことで、最初のニーズとは違っても、その時の子どもの状態に合わせて「こっちのほうがいい」と勧められるよう、コースの変更も含めて準備をしていますよ。
当園では、子どもの興味関心や個性を見つけて、カリキュラムも保護者と相談しながら、二人三脚で子どもの学びを進めています。
子どもの将来や保護者とも長く付き合える場所に
ー今後の展望をお聞かせください。
池田:あくまでも私たちは、心理学や心理教育、発達心理学をベースに、困っている子どもたちとその保護者を支えていく場所でありたいという思いが根幹にあります。
まずは今まで通り、子どもの「心理と教育」を合わせてできることを、大学の研究機関としてやっていきます。
「東京未来大学こどもみらい園」を始めて8年目になりますが、今、園から社会人になる子たちが出てきたんですね。
子どもを就労までしっかりと支えられる計画をつくり、その後の生涯も支えられる場所であり続けたいと思っています。
ー最後に、読者の皆様に向けてメッセージをお願いします。
池田:子どもの発達障害の話になると、保護者の方はどうしても悲観的になりがちですが、私どもの園に一度ご相談いただければ、新しいアプローチや新しいやり方、希望をもつ方法などを、一緒に探していけると考えています。
「発達支援塾」という聞き慣れない言葉かもしれませんが、一度ご相談に来ていただければ、新しい未来が開けるはずです。
もちろん相談だけでも構いませんので、ぜひ一度足を運んでいただければと思いますね。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
■取材協力:東京未来大学こどもみらい園