自転車で地域活性化!NPO法人「輪プロジェクトみやざき」が取り組む“子どもが熱中するイベント”とは

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幼いころ、自転車になかなか乗れず、大人に助けてもらいながら、一生懸命練習した遠い昔の記憶。そんな思い出がある方も多いのではないでしょうか。

子どもが補助輪なしで自転車に乗れるようになった瞬間というのは、大人にとっても感動的な瞬間です。

今回は、自転車を活用して地域活性化に取り組むNPO法人「輪プロジェクト」理事長の黒木 史也さんと、広報担当の飯牟禮 真知子さんに、自転車を活用した楽しいイベントや、子ども向け自転車教室についてお話を伺いました

普段から身近な乗りものとして自転車を利用している方、子どもに自転車の練習をさせたいと考えている保護者の方は、ぜひご一読ください。

自転車での地域活性化に取り組む「輪プロジェクトみやざき」とは

西都原エンデューロでたくさんの人が自転車で走っている画像

ー本日はよろしくお願いします。まず初めに、NPO法人「輪プロジェクトみやざき」の設立経緯と、活動内容についてお聞かせください。   

黒木 史也さん(以下、黒木):「輪プロジェクトみやざき」は、平成23年に自転車を通じて「自転車を身近に感じてほしい」という理念のもと、約10人の有志スタッフから始まった活動
です。

活動を始めたきっかけとしては、地域おこしをしたいという気持ちも強かったですね。

当時ブームの兆しを見せていた自転車を活用して地域活性化を取り組めないかという声があり、行政と市内の自転車店「サイクランド おくぐち」と連携して、観光事業に取り組み始めたのが設立経緯です。

それをきっかけに、さらに事業展開の構想を練り、平成25年1月に九州本土では例のない、公道封鎖型のサイクルイベント「西都原エンデューロ」を始めました。

開始した当初は4時間耐久でしたが、現在は3時間耐久になっています。

舞台は宮崎県初の日本遺産のひとつにも指定されている西都原古墳群で、公道がぐるっと一周できるようになっているんです。だからレースをしやすかったという点は大きいですね。

飯牟禮 真知子さん(以下、飯牟禮):しかも毎回、県内外問わず300人を超える参加者が集う“宮崎を代表するイベント”として成長しているんですよ。

それ以外にも、初心者の方でも気軽に参加できるようなサイクルイベントや、自転車の講演会、子ども向けの自転車教室「ウィーラースクール」、町全体で取り組むワークショップなどを展開して、今に至ります。

プロ選手も混じって“大人も子どもも熱中する”本物のレースを体感

西都原ウィーラースクールで子どもたちが自転車を練習している画像

ーレース活動について、詳しく教えてください。

黒木:ベルギー発の子ども向け自転車教室「ウィーラースクール」というものがあり、これは中学生以下の子どもが参加できるイベント
です。

日本で一番楽しい自転車教室といわれていて、日本でこの教室を主催している方を招いてイベントを開催しています。

飯牟禮:すでに補助輪なしの自転車に乗れる子どもには、正しい自転車の乗り方や、交通ルールを重点的に教え、まだ補助輪が外れていない子どもには、ペダルがついていない子ども用二輪車のストライダーや、自転車を使って指導します。

自転車はペダルと補助輪を外してしまうんですね。そしてまたいだ状態で、足で蹴って進み、バランス感覚を養います。

ただ乗り方を教えたり、進んだりするだけではなくて、子どもたちが楽しく参加できるようにいろいろなコースを作るんです。

みんな「楽しい!」と言ってくれて、早い子だと数時間で自転車に乗れるようになりますよ。

西都原エンデューロで数人がゴールしている画像
黒木:一方、西都原エンデューロは、時間を競って1位、2位、3位を決める本気のレースです。

サイクリングイベントというと、一般的にはコース内をゆっくり走ってもらうものがほとんど。

スピードを争うものでも、レース場を借りておこなうことが大半で、公道を封鎖してスピードを争う“本物のレース”はなかなかありません。

レースの見どころは、子どもが参加している場面。中学生から参加が可能で、近年では県内外の高校の自転車部が参加してくれています。

飯牟禮:自転車部がない学校だと、自分たちでサークルをつくったり、個人で参加してくれたりする子もいますね。


子どもたちが大人顔負けのレースを展開し、高校生や、10代が優勝したことも2回あります。

また、学生のころから参加してくれていた女の子がプロのレーサーになったんですよ。

TEAM BRIDGESTONE Cyclingのプロ選手たちも参加してくれているので、大人や、プロ選手と一緒に走ることができるというのは魅力のひとつだと思います。  

プロの選手と一緒に走れる機会はなかなかないですよね。小さい子どもから大人まで夢中になってしまうのも納得です!

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輪プロスタッフもお手伝い!県内でさまざまなサイクリングイベントが開催

サイクリングイベントで子どもがご飯を食べている画像

ー今後、開催を予定しているイベントがあれば教えてください。

黒木:
毎年1月の第3日曜日に西都原エンデューロ3時間耐久を開催していますが、新型コロナウィルス感染症の影響により、残念ながら昨年度に続き、今年度も中止のアナウンスをしたばかりです。

その代わり、県内さまざまな自転車イベントのお手伝いなどには参加する予定となっています。

飯牟禮:11月23日におこなわれる「自転車パラダイスみやざき2021宮崎・西都・綾自転車3マップ完成記念合同イベント」は、主にスタッフとして参加します。

このイベントは名前のとおり、宮崎・西都・綾で同時におこなう、フェニックスシーガイアリゾート様主催の一般参加型のサイクリングイベントとなっています。

ほかにも、2022年2月27日にDISCOVERY GOURMET RIDE IN KOYU・SAITOという最大300人規模(今回は県内在住者のみ募集)の大きなグルメイベントがおこなわれますが、こちらにもスタッフとして参加させていただく予定です。

(申し込みは1/18まで / 参加希望者はこちら)

自転車走行環境を整えて“愛される乗りもの・スポーツ”に

幼稚園訪問型自転車教室で幼児が指導を受けている画像

ー今後の展望をお聞かせください。

黒木:スタッフ不足で停滞している、子ども向けの自転車教室は今後の課題ですね。

というのも、当団体は10人ほどのメンバーなので、子どもにきちんと安全に教えられるスタッフが不足してしまっているんです。

もちろん、県内には「チャレンジ・ザ・バンク〜ジュニア初心者サイクル教室」という、小学校低学年から一般までが対象の、スポーツバイクに特化した自転車教室もあります。

しかしこれからは、もっと生活に身近で、気軽にサイクリングを楽しめるような、そんな自転車教室をおこなっていきたいです。

飯牟禮:私は高校生のヘルメットを義務化してほしいです!

高校生ともなるとヘルメットをかぶるのを恥ずかしがったりしますしね。私の子も「誰もかぶらないから」と言って、なかなかかぶろうとしないんですよ。親としては、いつも心配でたまりません。

ですから、たとえ義務化できなくても、私たちが高校生のヘルメット着用を推奨して取り組んでいきます!

黒木:自転車や、スポーツバイクに乗る方が増えてきて、残念ながらマナーの悪い方も目立ちます。

そのため、自転車を“愛される乗りもの、愛されるスポーツ”にしていきたいですね。

飯牟禮:また、西都原エンデューロの継続はもちろんですが、コロナ前におこなっていたグルメサイクリングイベントをコロナ禍でも安全におこなえるように企画していきたいと考えています。

グルメサイクリングでは、各チェックポイントで、簡単な軽食や、デザートが食べられるのが特徴です。

西都市自慢の食材を使った料理がふるまわれ、それらも市内の飲食店様協力のもとおこなわれていて、初めて参加される方はもちろん、子どもから大人まで、観光しながら参加できる最高に楽しいイベントになっています。

さらに、今後は私たちのイベントだけではなく、県内で開催される自転車イベントも積極的にサポートしていきたいです。



ー最後に、読者の方に向けてメッセージをお願いいたします。
 

黒木:自転車は手軽で身近な乗りものです。そしてスポーツ面では、オリンピックもあることから注目を集めています。

ところが、日本での自転車競技はまだ馴染みの薄いスポーツで、大会を開催することも簡単ではありません。

だからこそ、いろいろなイベントを通じて周知を深め、自転車競技力の向上を目指していきたいと思っています。  

自転車はエコを推進するためのツールでもあり、健康増進にも役立つ素晴らしい乗りもの。コロナ禍においても、運動不足の解消に有効な乗りものとして関心を持たれています。

したがって、心身ともに健康な日々を過ごしていただくためにも、自転車が安全に走れる空間づくりを目指していきたいと思っています。

―本日は貴重なお話をありがとうございました!


取材協力:輪プロジェクトみやざき

福岡 萌子
この記事を執筆した執筆者
福岡 萌子

Ameba塾探し 執筆者

幼少期はダンス、フィギュアスケート、ピアノ、英会話などを習う。英語に特化したカリキュラムが豊富な私立高校の国際情報コースに通い、イギリスでの短期留学を経験。その後、恵泉女学園大学人間社会学部にてインドネシア文化とフランス文化を学ぶ。その後、幼児~シニアを対象としたダンス講師として従事。2021年4月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。保護者やお子さまの目線に寄り添い、知りたい情報を確実にお届けできるよう目指しています。