街で「マジック教室」を見かけたことはありますか?バレエ教室や書道教室はあるのに、マジック教室はなかなか見かけることはありません。
マジックは知っているけれど、実際にマジックをしたことがある方は少ないと思います。
「マジックをしてみたい」と思ったことはあるけれど、どう教わればいいのか。そもそも誰に習えばいいのか疑問をもった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、「初心者からでも手軽にマジックを学べる場を作りたい」そんな思いで設立したマジック教室「トザキマジックスクール」の代表 戸崎 拓也(とざき たくや)さんにお話を伺いました。
マジック初心者も歓迎!「トザキマジックスクール」とは
ー本日はよろしくお願いします。まず「トザキマジックスクール」を設立された経緯や概要を教えてください。
戸崎 拓也さん(以下、戸崎):2013年から手品を教える団体として活動しています。
活動を始めた当初は、若手マジシャンの指導をしたり、マジシャンを招いての講習会やマジックイベントを主催をしていました。
トリックがあるものなので、なかなかオープンにしづらい業界ではあります。
ですが僕としては、もう少し外に向けた活動がしたいと思い、気軽に初心者も習えるマジック教室を2017年に始めました。
あとは、ダンス教室やバレエ教室、書道教室は街を歩いているとありますが、「マジックを教えます」といったマジック教室はないと思ったのもきっかけです。
現在はオンラインレッスンも取り入れ、これまでに500名を超える生徒にマジックを指導しています。
トリックから見せ方まで!一人ひとりに合わせたマジックを提案
ー具体的な活動内容について教えてください。
戸崎:「個別レッスン」と「グループレッスン」の2つをメインに活動をおこなっています。
それぞれ本格的に習いたい初心者から出し物のためにプロまで幅広い層の方まで対応しており、子ども向けのレッスンもあります。
「個別レッスン」は、一人ひとりに寄り添ったレッスンです。
子どもといっても小学1年生と6年生では手の大きさや理解度もずいぶん違うので、参加してくれたお子さんに合わせて対応するためのものになっています。
「グループレッスン」は、現在はコロナ禍ということもあり少ないのですが、以前はクリスマス会や地域の子ども会に向けたものもおこなっていました。
また、学童や小学校、キッズスクールに出張してマジックを教えることも可能です。
教え方の手順としては、まずは実際にマジックの実演をし、その後でトリックを教えます。一度、どういうマジックなのかを体験してもらってから、実際にどうやってやるかを解説するようにしていますね。
トリックだけがわかってもどういう経緯でマジックを展開し、どんなセリフを使うかでマジックの印象が変わるので、見せ方の指導も大切にしています。
まずはやり方を覚えて、その後にどう見せるかといったステップに進むことになるでしょう。
オンラインレッスンか対面レッスンかにもよりますが、練習をしてもらったあと、実際に見せていただきフィードバックを返していきます。
チャレンジしたいという気持ちからスタート
ー具体的にやりたいマジックのイメージがなくても大丈夫ですか。
戸崎:こちらでどんなマジックがいいか提案しますので大丈夫です。
特にやりたいマジックはないけれど、マジック教室を覗いてみたいという場合は、年齢や手の大きさなどを考慮した上で、こちらからマジックをいくつか準備します。
「トランプマジックをしたい」「クラス規模の人数の前でマジックを見せたい」など内容が決まっていればそちらに合わせることももちろんできます。
ー単発でレッスンを受けることもできますか。
戸崎:1回からの参加もできます。入会金や年間契約もかからないので、お気軽にお問い合わせください。
1回のレッスンで、1個〜2個のマジックを覚えることも可能です。
最近では、小学校で「マジック係」になったお子さんから「みんなの前でマジックをしなくちゃいけない」とお問い合わせがありました。
この場合も単発レッスンでマジックを教えましたね。
ー継続で受講する方もいらっしゃいますか。
戸崎:はい。いらっしゃいます。毎週まではいかないですが、月に2〜3回通っていただきもう数年になる方もいます。
マジック業界には、コンテストやコンクールがあるので、コンクール用にマジックのアレンジを継続的に練習することもありますね。
マジックを習い事の選択肢に
ー今後の展望などをお聞かせください。
戸崎:例年ですと習ったマジックを披露する発表会を年2回開催していましたが、ここのところコロナ禍ということもあり開催できていません。
現在はオンラインレッスンも増え、全国に生徒さんも増えてきました。
教えるところまではオンラインでもできるのですが、なかなか発表の場を設けられていないので、今後力を入れていきたいですね。
発表の場を作り、実際にマジックをみる機会も増えれば、マジックをトライする方が増えるきっかけにもなるのではないでしょうか。
もう少し大きな話で言えば、マジックが、もう少し一般的な習い事に近づけたらと思っています。
マジックはみんなは知っているジャンルなのに、マジックを実際にしている方は多くないジャンルです。
街を歩いていると「マジック教室」の看板が目につく状態になれたら嬉しいですね。
ー最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
戸崎:マジックはとっつきにくいイメージがあるかもしれませんが、さまざまなスキルや能力を身につけることができる点は、魅力ではないでしょうか。
マジックによっては覚えて計算をするものや実験のような化学的なマジックもあります。
また、手先を使うマジックは手先の巧緻性にもいいです。あとは、人に見せるので表現するスキルも伸ばせますね。
お勉強というよりは遊びながら学べるという意味ではおもしろいかと思います。マジックも気軽な習い事のひとつとして検討してもらえると嬉しいです。
ー本日は貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。
■取材協力:トザキマジックスクール