授業ノートの取り方にコツがあるのを知っていますか?ノートは常に教科書とセットで学校に持っていきますよね。
授業には欠かせないノートですが、上手なノートの取り方について理解している人は少ないのではないでしょうか?
今回は、わかりやすく、見やすい授業ノートを取るコツを、東大生のオンライン個別指導「トウコベ」の木下雅翔さんに教えていただきました。
効率的かつ学習理解が深まる授業ノートの取り方をマスターしましょう!
見やすい授業ノートを取ることで得られる2つのメリット
私たちは小学校に入ったときから、当然のように授業でノートを取り続けてきました。
しかし、なぜノートを取るのか、ノートを取るメリットについて考えたことは、あまりないですよね。
まずは、木下さんにノートを取るメリットを聞いてみましょう。
つまり、ノートを「授業を記録する」というインプットのためだけでなく、アウトプットのためのツールだと考えればOK!
こうしたメリットがあることを知っておくと、ノートを取るときの意識も変わってくることでしょう。
授業ノートの取り方|東大生が教える7つのコツ
では、効率よく授業ノートを取るためのコツを、具体的に見ていきましょう。
これから伝授する7つのコツをうまく使えば、「いつでも簡単に見返せる」「内容への理解が深まる」自分だけのノートをつくることができますよ!
①遠目で見てわかるように書く
はじめに、いつもよりちょっと遠くからノートの内容を見てみましょう。あなたのノートは、遠目で見てもわかりやすいですか?
わかりやすいノートとは、授業の内容の全体が書き込まれ、それぞれのトピックスについて簡潔にまとまっているノートのこと。
そのためには、文字の大きさを揃える、色使いを工夫する、表や図を使うなどの工夫が必要です。
②構造が理解できるように書く
ノートを取る際は、構造が理解できるよう、因果関係までまとめるのがおすすめ。
たとえば、歴史上の出来事には、起きた原因(理由)やその出来事による影響(結果)が必ずあるものです。
「ザビエルの上陸」を例にとってみましょう。
宣教師フランシスコ・ザビエルは1549年に鹿児島に上陸。ザビエルが日本に来た理由は、ヨーロッパで宗教改革が起きたことや、大航海時代を迎えていたことなどが関係します。
結果として、ザビエルの上陸により日本にはキリスト教やヨーロッパ文化が持ち込まれ、キリシタン大名と呼ばれる大名が生まれることとなりました。
このように、ザビエル上陸にも原因と結果があります。
しかし多くの人は、「1549年ザビエル上陸」と、歴史上の出来事の年号と内容だけを暗記しようとします。
歴史上の出来事は、因果関係を含めてノートにまとめておくことで、時代の流れに幅をもたせて理解できるようになります。
③本質と些事は分ける
「本質を見抜く」ことは、難しいものですね。
本質とは、欠くことができない、最も大切な根本の性質・要素のことをいいます。そして些事とは、あまり重要でないこと。
授業時間の多くは、みなさんに本質を理解してもらうために費やされています。
しかし、本質だけを話しても理解しにくいもの。そのため、先生方は関連情報や具体的な例といった些事を紹介しながらわかりやすく解説してくれているのです。
授業では「何が本質か」という点を気にしながらノートを取ることが大切。
そしてノートを取りながら、「本質の部分は赤色の蛍光ペンで目立たせる」などのマイルールを決めておくと、効率よくノートを取ることができます。
④重要なことはすぐわかるように強調する
「見返してわかりやすい」ノートをつくるためには、重要なトピックスがすぐに目に飛び込んでくるよう強調することを心がけましょう。
強調する方法としては、以下のような方法があります。
- 太字にする
- 色をつける
- 下線を引く
- 斜体にする
- 箇条書きにする
- 付箋で目次を付ける
⑤色は数色に制限する
「見返してわかりやすいノート」をつくることに一生懸命なあまり、さまざまな色を使ってしまう人もいます。
しかし、授業を聞きながら、たくさんの色を使い分けることは、授業内容に集中できず効果的ではありません。
色の使い方には、マイルールを決めましょう。
たとえば、赤色は重要事項、青色は記憶する事柄、緑色は補足情報のように、色の役割を決めて使うようにするのです。
とはいえ授業中にノートを取りながら色を付けることは難しい場合もあるでしょう。
そんなときには、まずは黒ですべて書き込み、あとから重要な部分に蛍光ペンなどで線を引く方法もあります。
⑥無駄に派手にしない
ノートの目的は、きれいなノートをつくることではなく、「見返したときにわかりやすい」ノートをつくることです。
しかしノートは、色が多くなればなるほど逆に何が大切な事項なのかわからなくなっていきます。
派手になるほど、ノートを取るメリットが薄れていってしまうと考えてよいでしょう。
色数については3色までで止め、無駄に派手なノートにならないよう気をつけましょう。
⑦自分の言葉で書く
授業内容を理解する際に「自分の言葉で書く」というのは、とても大切です。なぜなら、しっかりと理解していなければ、自分の言葉で書くことはできないからです。
また、先生が話した内容を自分の言葉で説明できなければ、解答用紙にきちんとアウトプットすることもできません。
ノートを取るときから、「つまり先生はこういうことを言っているのだな」と考えて、自分の言葉で書く癖をつけておきましょう。
また、友人に授業内容を「自分の言葉で」説明してみることも、自分の理解度を確認するトレーニングになります。
こんな方法はNG!おすすめできない授業ノートの取り方
上手なノートの取り方を紹介しましたが、その一方で「こんなノートの取り方はNG!」という例もあります。
ここからは、おすすめできない授業ノートの取り方を紹介します。具体的にNG例を挙げていますので、ノートを取る際は注意しましょう!
NG例①板書を丸写ししようとする
授業ノートは、見返して復習ができるかどうかが大切。
板書の丸写しで済ませてしまうと、あとから見返したときに理解しにくくなることがあります。
また、板書を写すことに集中するあまり、授業内容が理解できなくなってしまうことも。
すべての板書を丸写しする必要はありません。板書はいざとなれば友だちなどに見せてもらえばよいので、とにかく大事だと思うポイントをもれなくまとめることを意識しましょう。
授業中、先生は大切なことを板書しますが、話したけど板書はしていない内容にも大切なポイントがたくさん含まれています。
板書だけに頼らず、先生が話した言葉もノートに書き留めることで、「見返してもわかりやすい」ノートを目指しましょう。
NG例②きれいにまとめようとする
時間をかけてきれいなノートをつくることに満足していませんか?とくに時間のない試験前には、問題演習などアウトプットに専念すべきです。
「ノートはきれいにできあがったけれど、頭のなかに入っていなかった」ということにならないよう気をつけたいですね。
ノートをきれいにまとめることばかりを意識せず、授業のポイントを押さえ、わかりやすく書き込むことを意識しましょう。
NG例③教科を分けずに同じノートを使用する
1冊のノートで全教科の授業内容を書き留めていませんか?
さまざまな教科の授業内容が一冊のノートに書かれていると、どこに何が書かれているのかわからなくなってしまいます。
また、教科ごとの流れや連続性もわかりにくくなり、混乱を招いてしまうことにもなりかねません。
ノートは教科ごとに1冊用意しておきましょう。
NG例④授業用とまとめ用のノートを別にする
授業用のノートと別に、ポイントをまとめたノートをつくる人もいます。
学習に効果的な場合もある一方で、授業以外にもう一冊ノートをつくるには時間もかかるため非効率です。
また、まとめノートをつくることが勉強になっていると勘違いしてしまい、つくることに満足してしまう人も少なくありません。
どうしてもまとめ用ノートを作成するのであれば、時間のあるときにして、授業用ノートとの使い分けがきちんとできるようにしておきましょう。
授業ノートの取り方まとめ
今回は、授業ノートの取り方について、東大生や藝大生にコツを伺いながら紹介しました。
授業の記録のためにノートを取っていた人にとっては、とても参考になる内容でしたね!
では最後に、ポイントをおさらいしておきましょう。
これらのコツを参考に実践していけば
、次第に授業の本質を理解でき、テスト対策としても効果を発揮していくことでしょう。
ぜひ明日から実践してみてくださいね!