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素因数分解とは?やり方を5つのステップでわかりやすく解説【例題・応用問題付き】

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素因数分解は、数ある整数分野のなかでも基本中の基本そのため、しっかりと理解しておくことが大事です。

素因数分解という言葉のイメージから、「難しそう…」と思う人も少なくないことでしょう。でもご安心を!今回は、素因数分解のやり方をわかりやすく解説します。

最初は理解できなくても大丈夫。記事をよく読んで一緒に問題を解けば、素因数分解のやり方がわかり、得意になりますよ!

坂口 秀
この記事を監修した専門家
坂口 秀

Ameba塾探し 専門家

とにかく問題の本質を考える勉強法で、塾に通うことなく現役で京都大学工学部に首席合格。現在は大学で情報工学を専攻しながら、オンライン京大家庭教師KYOBITの講師を務めている。講師として、生徒の理解が曖昧な箇所を徹底的に見つけること、そして毎週勉強の進度を確認して最適な勉強計画を提案することを大切にして指導している。

素因数分解とは?

素因数分解とは、ある正の整数を素数のかけ算で表すことです。

素因数分解をすると、正の約数や個数などを求めることができます。

しかし、これだけ聞いても「どういうこと?」と思ってしまいますよね。

まず、「正の整数」は自然数とも呼び、「1」以上の数を指します。このとき、マイナスになる数や「0」は正の整数ではありません。

次に、「素数」とは「1」とその数自身以外に約数を持たない数を指します。

たとえば、「3」は「1」と「3」以外に約数を持たないので素数となりますが、「4」は「1」と「4」以外に「2」を約数として持っているので素数ではありません。

素因数分解では、この素数をある程度覚えておくとスムーズに計算が進められます。

素数一覧表
2、3、5、7、11、13、17、19、23あたりまでの素数は暗記するのがおすすめ!

「素数」の記事では語呂合わせの覚え方も紹介しているので、あわせてチェックしてみてくださいね。

また、「自然数」についても詳しく解説している記事があるので、素数と混乱しそうな人は一度復習してみましょう。
坂口 秀
オンライン京大家庭教師KYOBIT講師
高校の「数学A」で学習する「整数の性質」という分野では、素因数分解ができることを前提に、整数のさまざまな性質について考えます。

中学生のうちに素因数分解をマスターしておくことは必須になります。

素因数分解のやり方・コツを5つのステップで紹介

ここからは、素因数分解のやり方を詳しく見ていきましょう。

計算式を画像でわかりやすく解説していくので、ノートに書きながら一緒にやってみてくださいね!

素因数分解のやり方①分解したい数に線を書く

例として「60」を素因数分解してみましょう。

素因数分解のやり方

まずは、分解したい正の整数「60」を書き、数字の左側と下側に線を引きます

このあと、割って出した答えをどんどん下に書き足していきます。

素因数分解のやり方②分解したい数を素数で割り算する

素因数分解のやり方

素因数分解をするときは、一番小さな素数から割れるか試していきましょう

割れないときは、次に大きな素数で試してみます。

素因数分解のやり方③線の左に割った数を書いたら、下に割り算の答えを書く

「60」を「2」で割ることになるので、下線の下には「30」と書きます。

素因数分解のやり方

素因数分解のやり方④割り算の答えが素数になるまで分解する

ここからは少し地道な作業になりますが、割り算の答えが素数になるまで繰り返し素数で割っていきましょう

素因数分解のやり方

素因数分解のやり方⑤線の左のすべての数と1番下の素数のかけ算を書く

最後に、線の左側と一番下の数をすべてかけ算の形で書き出すと、以下のような式が完成します。

同じ素数は指数を使ってまとめましょう!

素因数分解のやり方


素因数分解を解くコツは以下の3点。

素因数分解を解くコツ
  • 素数をある程度覚えておくこと
  • 「素因数」「整数」「自然数」「約数」といった用語の意味をしっかり理解しておくこと
  • 小さな素数から順番に分解していくこと
坂口 秀
オンライン京大家庭教師KYOBIT講師
小さい素数から順に割れるかどうかを確かめていき、2乗したらその数を超える素数まで試して割れるものがなかったら、そこで素因数分解ができたことになります。

この方法を覚えておくと、素因数分解がスムーズにできますよ!

まずはこれらを意識しつつ、次に紹介する例題を見ていきましょう。

素因数分解の問題を実際に解いてみよう!

ここからは、実際にいろいろな素因数分解の問題を解いてみましょう。パズルを当てはめる感覚で解くと楽しく進められますよ!

算数・数学は一度つまずいてしまうと、そこにつながった先の単元がどんどんわからなくなります。

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素因数分解の例題:「6」を素因数分解しなさい。

苦手な人でも解けるよう、わかりやすく計算式をつくって解説していきます。

素因数分解の例題

1桁の数を素因数分解するときは、計算式を書かなくても何となく頭のなかで計算できてしまう方もいるかもしれません。

この問題の答えは 6 = 2 × 3 です。

素因数分解の例題:「24」を素因数分解しなさい。

少し数は大きくなりますが、一番小さな素数「2」から順番に割っていきましょう。

素因数分解の例題

かけ算で表わすと「24=2×2×2×3」となります。これを指数でまとめると…

答えは 24 = 2³ × 3 になりました。

素因数分解の例題:「90」を素因数分解しなさい。

こちらも同様に「2」から順番に素数で割っていきます。

素因数分解の例題

かけ算で表わすと「90=2×3×3×5」となります。これを指数でまとめると…

答えは 90 = 2 × 3² × 5 です。

素因数分解の例題:「4301」を素因数分解しなさい。

2桁くらいまでの数字であれば小さい素数から地道に割っていく方法でもそれほど時間はかかりませんが、3桁、4桁と大きくなると最初に割りきれる素数を見つけることさえ大変です。

しかし、7以外の2~11までの素数であれば実際にわり算をしなくても自然数を割りきれるかどうか簡単に判別できます

【割れる素数の確認方法】

割れるか確認したい素数割りきれる場合の自然数の特徴
2自然数の1桁目が偶数321641058など
3自然数の各桁をすべて足したときに3の倍数になる361231218など
5自然数の1桁目が「0」か「5」301251230など
111桁目から上の位に向かってひき算と足し算を交互にすると、その結果が11で割り切れる(結果が0であった場合も割り切れるとみなす)1212321など


4301を素因数分解するとなると、割りきれる素数はどれでしょうか?

  1. 4301は「2」で割れるか…1桁目が奇数なので割れません。
  2. 4301は「3」で割れるか…「4+3+0+1=8」に。「3」の倍数ではないので割れません。
  3. 4301は「5」で割れるか…1桁目が「0」でも「5」でもないので割れません。
  4. 4301は「7」で割れるか…「4301÷7=614あまり3」となり割れません。
  5. 4301は「11」で割れるか…「1-0+3-4=0」に。「0」も割り切れるとみなすので、最初の素数は「11です。
素因数分解の例題

「391」は 1-9+3=-5 となり、11で割りきれないため「13」から試していきますが、13では割りきれません。しかし、次に大きな素数「17」で割りきれます。

指数に置き換える必要がないので、答えはシンプルに 4301 = 11 × 17 × 23 となります。

素因数分解の例題:「13」を素因数分解しなさい。

こちらの問題、実は少々引っかけ問題になっています。

「13」はすでに素数になっているので、素因数分解は終了。答えは13です。

坂口 秀
オンライン京大家庭教師KYOBIT講師
桁数が大きい数字の素因数分解の問題を解くには、まず小さい素数から割れるかどうかを確かめていき、考える数を段々と小さくして計算しやすくします。

このとき、以下の判定法を覚えておくことでより早く計算することができますよ。
  • 1の位が偶数であれば2で割れる
  • 各位の数字の合計が3の倍数で割れれば3で割れる
  • 1の位が0か5であれば5で割れる
  • (4桁以上の数字の場合に限って)一の位から3桁ずつに分け、分けた3桁の数字を順に足し引きしたものが7の倍数だと7で割り切れる(※「1001」が7の倍数であることからこの判定法が出てきます)
  • 各位の数字を順に足し引きして11の倍数になれば11で割り切れる
Ameba塾探しでは、素因数分解を発展させた「因数分解」の解説記事も公開中!

素因数分解をマスターした人はぜひ、因数分解の記事もあわせてチェックしてみてくださいね!

素因数分解を利用した応用問題に挑戦してみよう!

ここまでの例題は、「~を素因数分解しなさい」というとても素直な問題でした。

しかし、入試はもちろん、定期テストでも数学は応用問題が出題されます。

そこで、代表的な応用問題を2パターン確認しておきましょう。これを覚えておけば、どのような応用問題にも対応できるはず!

素因数分解の応用問題①

【問】「40」にできるだけ小さい正の整数をかけてある整数の2乗にしたいとき、「40」にかける正の整数を答えなさい。

これはつまり、「40 × 〇= 〇²」という形にしたい、ということ。素因数分解をおこないつつ、2乗の形になるように誘導していきます。

解き方のステップ
  • まず、もとの数を素因数分解する
  • 次に、各々の素因数の指数が偶数となるように、なるべく小さい正の整数をかけていく

上記のステップのとおり、まずは「40」を素因数分解していきましょう。

素因数分解の例題

次に、上記の素因数分解で導き出した「2³」と「5」をそれぞれ2乗の形になるように、かける数を考えます。

「2³」はもうひとつ2をかけると2乗になります。

2³(2×2×2)×2=(2×2)×(2×2)=4²

よって「」となります。

続いて、「5」にもうひとつ5をかけて「」にします。

5×5=5²

問題文にある「40」にできるだけ小さい正の整数「10」をかけると20²で表すことができます。

40=2³×5なので、2×5=10をかければ、2³×5×10=4² × 5² =20²という式が完成します。

つまり、「40」にできるだけ小さい正の整数をかけてある整数の2乗にしたいとき、「40」にかける正の整数は「10」となるのです。

素因数分解の応用問題②

【問】「2520」の正の約数の個数を答えなさい。

この問題にも、素因数分解を利用した計算式があります。

まず「約数」とは、元の数をかけ算の形で表したときに出てくる数字のこと。

たとえば、2520=252×10と表したとき、「252」と「10」はどちらも2520の約数です。

まず「2520」を素因数分解していくと、以下のような式になりました。

2520 = 2³ ×3² × 5 × 7

上記の「2³」「3²」「5」「7」は、どれも2520の「素因数」と呼びます。

「2520の約数の個数」というのは、この素因数の組み合わせのパターン数=正の約数の個数なのです。

地道に組み合わせのパターンを数えるという方法もありますが、この手の問題は便利な公式があります。

素因数分解の公式

上記の公式に2520の素因数分解を当てはめると、

(3+1) × (2+1) × (1+1) × (1+1)=4×3×2×2=48

よって答えは48個となります。

坂口 秀
オンライン京大家庭教師KYOBIT講師
上記の問題は応用的な内容ですが、しばしば入試で扱われる内容なので、ぜひ覚えておいてください。

さらに、正の約数の総和の求め方も覚えておくとなお良しです。

【約数の総和の求め方】
例:N = pᵡ×q×rᙆ で表されるとき約数の総和Sは、

S=(1+p+p²+…+pᵡ)×(1+q+q²+…+q)×(1+r+r²+…+r)

となります。

素因数分解のまとめ

今回は、素因数分解の基礎から応用まで解説しました。問題を解くコツをまとめると、以下の3点になります。

  • 素数をある程度覚えておくこと
  • 「素因数」「整数」「自然数」「約数」といった用語の意味をしっかり理解しておくこと
  • 小さな素数から順番に分解していくこと

応用問題は、素因数分解を使うのかどうか判断しにくいことが多いですが、出題されやすい問題にはパターンがあります。

さまざまな問題に挑戦して、問いに対する解き方を覚えるとともに、公式を暗記して活用できるよう演習しておきましょう。

もしわからなくなったら、この記事を最初から読んで基礎を確認してくださいね!

坂本 菜緒
エディター
Ameba塾探しでは、素因数分解のほかにも算数・数学の記事を続々公開中です!

気になる記事があったら、ぜひチェックしてみてくださいね。
坂本 菜緒
この記事を執筆した執筆者
坂本 菜緒

Ameba塾探し 執筆者

ピアノ、体操、フィギュアスケートなどの習い事を掛け持ちしつつ、小学3年生から進学塾に通う。高校受験で山手学院高等学校に進学。その後、大学受験で東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻に入学。同校の大学院美術研究科を修了し、美術と工芸の専修免許状を所持。2012年から東京都公立小学校にて勤務。2018年5月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。2021年3月から「Ameba塾探し」にてエディターとして従事し、保護者の方やお子様にとって、目的にあった最適な習い事に出会える記事作りを目指しています。