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遊びながらプログラミングが学べる「Springin‪'‬(スプリンギン)」で子どもをクリエイターに!

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小学校でのプログラミング教育が必修化されましたが、うまく始められてますか?プログラミングというと、大人は難しく考えがちですが、実は小さな子どもでも遊びながら感覚的にプログラミングが学べる楽しいツール(アプリ)があるんです。
その名は「Springin‪'‬(スプリンギン)」。

2015年にリリースされたこちらは、小学校や塾などの教育現場でも使われています。プログラミング初心者でもこのアプリで作品をつくれば、誰もがクリエイターに!

今回は、プログラミングが学べるアプリ「Springin‪'‬(スプリンギン)」を開発された株式会社しくみデザインの代表取締役であり、開発担当の中村俊介さんにお話を伺いました。プログラミングを導入したい教育関係者の方はもちろん、ご家庭で子どもにプログラミングを学ばせたい方、必見です。

プログラミングを学ぶのではなく、作品をつくることが目的

しくみデザインの事例

―本日はよろしくお願いします。まずは「Springin‪'‬(スプリンギン)」を開発された、株式会社しくみデザインについて教えてください。

中村 俊介さん(以下、中村):2005年に会社を創業してデジタルサイネージやライブ・コンサートでの演出の映像を製作したり、科学館や商業施設などで人に反応する映像をリアルタイムにつくるってことを、いろんなジャンルで15年以上やってきました。

その途中で「KAGURA」っていう身体を動かして演奏するAR楽器をつくったりとか、簡単にいうと「人に反応して楽しませるもの」っていうのをずっといろんな場所でつくってきた会社です。15年くらいでコンテンツの数は1500ほどになりました。現在は、誰もがプログラマーやクリエイターになれる創造的プログラミングアプリ「Springin’(スプリンギン)」を軸にしたサービスの提供をはじめています。

―株式会社しくみデザインはもともと人を楽しませるものをつくる側だったんですね。

中村:そうですね、人が楽しむものをずっとつくり続けてきたんですが、つくる人が一番楽しいんじゃない?って思うようになりまして。すると、一番楽しい「つくること」を僕らが独占してるように思えて、それだったらみんながつくれるようになって欲しいな、つくる楽しみや醍醐味を味わってもらえるような仕組みをつくりたい、と考えるようになってきたんです。

とはいえ、大半の大人は、子どもの頃につくることそのものが楽しいと思ったまま大人にならなかった人が多かったのかなって思ったんですね。それだったら、つくることを一番やってきた我々クリエイターが、子どもも大人もみんながクリエイターになれるようなツールを提供することができるものはないだろうか?と思うようになったんです。

Springin‪'‬(スプリンギン)

―それが今回ご紹介していただく「Springin‪'‬(スプリンギン)」につながっていくのですね。「Springin‪'‬(スプリンギン)」を開発するに至る背景など教えていただけますか?

中村:Springin‪'‬(スプリンギン)」というアプリの前に、音が鳴る絵を簡単につくれる「paintone(ペイントーン)」というアプリを作りまして、当時2歳だったうちの娘がこのアプリを使ってけっこう絵を描いていたんですね。これはいいなと思ったんですけど、アプリを使ってるのを見ているうちに、これ動かしたいなって思うようになったんですよ。

社内でも動かせるといいよねっていう話をしていたら、今の「Springin‪'‬(スプリンギン)」のメイン開発者がこっそりつくってきて、こんな風に動いたらどうですか?って言われて見るとすっごい面白くて!やっぱり描いた絵から音が出たり動きをつけたりすることで、自分の表現が広がっていくんだなって実感したんです。

ただ、プログラミングっていう要素がないと描いた絵を自由に動かすことができないので、プログラミングの要素をいかに感覚的に実装するかっていうのが「Springin‪'‬(スプリンギン)」をつくるきっかけの1つですね。

Springin‪'‬(スプリンギン)

―すごい開発秘話ですね!

中村:こういうこと、あまり外では言ってないですね(笑)。実際、小学校の図工の授業で、絵を描くのがイヤだっていう子どもは少ないと思うんですよね。なので、絵を描くことをベースに音をつけて動くっていう点が抵抗なく始められるのが「Springin‪'‬(スプリンギン)」の面白さであり、良さだと思うんですよ。

「Springin‪'‬(スプリンギン)」は、使いながら知らないうちにプログラミングをしてるんです。プログラミングやりなさい!とか、プログラミングを学ぼう!とかではなくて、音をつけたい!動きをつけたい!という欲求から、自然とプログラミングが身についていくところが「Springin‪'‬(スプリンギン)」の面白さだと思います。

―魅力がいっぱい詰まっているので、私も使いたくなりました。ところで、子どもでもプログラミングを学べるソフトといえば「スクラッチ」や「マインクラフト」などがありますが、それらとの違いはありますか?

中村:世の中のプログラミング教材の多くはプログラミングそのものを学習することを目的にしています。だから、今ある言語をどうしたら子どもが扱えるようになるか?といったエンジニア的なコンセプトになりがちです。それに対して、自分がつくりたいものを最短で表現するためにはどうしたらいいか?という、表現の延長線上にある作品をつくることを目的にしているのが「Springin‪'‬(スプリンギン)」なので、コンセプトが根本的に違うんです。

―プログラミングを学ぶのではなく、作品をつくることが目的なんですね。

中村:プログラミング言語には構文があるんですが、文字で書く代わりに構文をブロック化してわかりやすくしたのが「ブロック言語」といわれています。ただ言語というのは、抽象化概念が理解できないと扱えないんですね。

いろんな概念の組み合わせが世の中にはあるわけですが、それをちゃんと自分で整理できて、再構築できるから、プログラミング言語が書けるわけです。このブロック言語を組み合わた「スクラッチ」が現在スタンダードになっていて、「マインクラフト」もゲームの中にスクラッチと同じようなのが入っています。

とはいえ「ブロック言語」も字のごとく「言語」なので、「言葉」をちゃんと扱えて、それを再構築できるようになって初めてプログラミングがつくれるので、小さな子どもでも扱えるかっていうと、おそらく難しいと思うんですよ。

「Springin‪'‬(スプリンギン)」は「言葉」という概念をいったん置いておいて、物理現象とか世の中の事象をそのまま「絵」と「アイコン」にして組み合わせてプログラミングができるように作ってあるので、「言語」に縛られていないのが「スクラッチ」との大きな違いですね。

「Springin‪'‬(スプリンギン)」はカテゴリーとしてはもちろんプログラミング言語の一部ではあるんですけど、別にプログラミングだけが目的ではないので、僕らとしては「Springin‪'‬(スプリンギン)」はクリエイティブツールだと思っています。絵も描きやすくしてるし、音も扱いやすくしてる、そこにプログラミングもある、と。この3つがあることに意味があると思っています。

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つくった作品はマーケットへ出品できる!誰でもクリエイターに!

Springin‪'‬(スプリンギン)

中村:アプリにあるマーケット機能を利用すると、つくった作品を世界中のユーザーに発信できるほか、自分の作品を並べるギャラリーが持て、作品へタイトルや説明文をつけてPRすることもできるんです。

そこからユーザーはアプリ内だけで完結する仮想コインを使って他のユーザーが作った作品を購入して遊ぶ、ということもできるので、子どもにとってはプレゼンやマーケティングの勉強にもなるんですよね。小さな子どもでも使えるように無課金&無料のアプリですので、親御さんも安心して使わせられますよ。

―プログラミングに加えて、マーケティングまで学べるなんて、子どももそうですけど大人の私も勉強になりそうです!出品した作品にはコメントがついたりするんでしょうか?

中村:はい、その作品が面白かったらコメントできるようになっています。ただし、ネガティブな要素が一切ないように、ポジティブなコメントと絵文字を組み合わせるだけのシンプルなコメント機能だけにしています。ユーザーのコメントが子どものクリエイティブなモチベーションにもつながり、「褒めて伸ばす」効果も期待できますよ。

教える側の負担が少ないから導入しやすい

Springin‪'‬(スプリンギン)

―実際に「Springin‪'‬(スプリンギン)」はどのような場所で導入されているのでしょうか?

中村:文部科学省・総務省・経済産業省と企業が連携して、小学校のプログラミング教育の充実を図る取り組み「みらプロ」で、2020年度に「Springin‪'‬(スプリンギン)」が採択されまして、プログラミング教育をおこないたいという小学校10校で実施しました。

新型コロナウイルスのこともあり授業をオンライン配信したのですが、プログラミング初心者の先生方でもスムーズに授業を進めることができ、その場で生徒が素敵な作品をつくることができたんです。先生たちの負担がこんなに少ないプログラミング教材は初めてだっていうのはよく言われました。

―先生方の負担が少ないと、教育現場で導入するハードルが下がりますね。

中村:ええ、そうなんです。プログラミングの授業配信に関しては不安があったのですが、いざ授業をしてみると、教える側の先生がわからないということがなく、先生は生徒の様子を見るだけで、生徒ひとりひとりがちゃんと作品をつくっていたんです。

学校のほかにも、昨年から学研グループの学童保育施設「クランテテ」、全国で幼児教室を展開する「EQWEL」、九州の大手学習塾「英進館」、全国で子ども向けプログラミングスクールを展開する「テックアカデミージュニア」などが、クラウド型のプログラミング教材提供サービス「Springin’ Classroom(スプリンギン クラスルーム)」を導入しています。

―学童保育施設や学習塾での反響はいかがでした?

中村:どちらも高く評価していただいて、大変好評でした。テキストとアプリがあれば自分たちだけでどんどん進められるという点が良かったようです。しかも、「Springin‪'‬ Classroom(スプリンギン クラスルーム)」は小学校低学年からプログラミングを学ぶ教材として適している、と仰っていただけたので嬉しかったですね。この教材は小学校低学年から学べるよう開発しているので、テキスト教材も小学1年生が自分で音読しながら勉強できるようになっているんですよ。

現在、無料トライアルという形で今年の10月末まで無料で「Springin‪'‬ Classroom(スプリンギン クラスルーム)」を提供させていただいているんですが、全国で370の事業者の方からお申し込みをいただいています。

年齢や国籍に関係なく、気軽に作品つくりを

Springin‪'‬(スプリンギン)

―「Springin‪'」ユーザーがどんどん拡大していきますね!教育機関での活用と個人での活用、それぞれあると思うのですが、今後どんな風にユーザーに使ってもらいたいですか?

中村:「Springin‪'‬(スプリンギン)」は当初から日本語版と英語版の両方をリリースしていたので、日本はもちろん世界中の人に使ってもらいたいですね。年齢や国籍に関係なく、小さな子どもからお年を召した方まで気軽に作品をつくって、他の人とやり取りするというような環境をつくっていきたいと考えています。

ある教室では4歳の子どもと83歳の高齢者の方が一緒になって「Springin‪'‬(スプリンギン)」を使って勉強しているんですけれども、つくる体験を積み重ねていけば、そこからさらに発展させて、「Springin’(スプリンギン)」でさまざまなものをクリエイティブできるようになると思いますから、子どもだけでなく、高齢者の皆さんにも、つくる楽しさが広がってくれればいいですよね。

僕もいろいろな学校で授業をおこなうのですが、発達障害の生徒さんがイキイキと夢中になって素敵な作品をつくっているのを見ると、それぞれの能力を活かすためのきっかけになればと願っています。

―子どもが夢中になれるツールなら、親は安心して与えたくなりますね。

中村:昔、不登校で学校では勉強できない子どもがいたんですけど、その子が「Springin‪'‬(スプリンギン)」で活躍して、いろんな人から認めてもらえたことで自信をつけて不登校を解消したという事例も報告されているので、作品をつくったり、つくった作品が認めらえるっていうことがいい効果を生んでいるんだと思います。

ご家庭でも子どもに使わせてみたいという親御さんもいらっしゃるかと思いますので、基本の使い方やアプリを使ったつくり方などをストーリー仕立てで解説した「はじめてのスプリンギン」という本を見ながら、子どもと一緒に楽しんで使っていただけたらと思います。

Springin‪'‬(スプリンギン)

「はじめてのスプリンギン」(技術評論社) 


中村:
本を読むとホッケーゲームやシューティングゲームをつくれるようになりますが、そこからさらに深堀りしたい場合は、塾や教室などの講座で勉強していただけるとかなり本格的な作品がつくれるようになりますよ。ぜひトライしてみてください。

―最後に、読者へのメッセージがあればお願いします。

中村:うちの子には創造力がないと思っている親御さんも多いかと思うのですが、創造力は、何歳からでも身につきますので、まずは「Springin‪'‬(スプリンギン)」を触って、体験してみてください。遊びながらクリエイトする能力がついて、失敗をおそれない、未来を切り拓く子どもになります。

―本日はお時間をいただき、ありがとうございました!


■取材協力:株式会社しくみデザイン

■関連リンク:創造的プログラミングアプリ「Springin‪'‬(スプリンギン) 」 

■関連リンク:小学校・塾・教室向け教材サービス「Springin‪'‬ Classroom(スプリンギン クラスルーム)

坂本 菜緒
この記事を執筆した執筆者
坂本 菜緒

Ameba塾探し 執筆者

ピアノ、体操、フィギュアスケートなどの習い事を掛け持ちしつつ、小学3年生から進学塾に通う。高校受験で山手学院高等学校に進学。その後、大学受験で東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻に入学。同校の大学院美術研究科を修了し、美術と工芸の専修免許状を所持。2012年から東京都公立小学校にて勤務。2018年5月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。2021年3月から「Ameba塾探し」にてエディターとして従事し、保護者の方やお子様にとって、目的にあった最適な習い事に出会える記事作りを目指しています。