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非進学校から東大合格!孤独を乗り越えて夢を掴んだ東大生に成功の秘訣を聞いてみた

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東京大学は、通称「東大」と呼ばれており、日本国内最高峰の大学です。さらに、東大は受験生にとって最難関大学のひとつであり、東大合格を目指す受験生は日本全国にいます。

東大生といえば、大学受験に力を入れている進学校から入学する学生が多いイメージだと思いますが、学生のなかには「非進学校」と呼ばれる進学校以外の学校から東大合格の夢を叶えた学生たちがいます。

そして、自らの努力で非進学校から東大合格を果たした学生たちが集まって活動している「UTFR (University of Tokyo Frontier Runners)」という団体があるのはご存知でしょうか?

今回は、東大受験を乗り越えて「UTFR」に所属している東京大学工学部社会基盤学科3年生の山田 春佳(やまだ はるか)さんに、「UTFR」の活動内容や東大受験を目指したきっかけ、受験に役立つ独自の勉強法、受験中のモチベーション維持方法などについてお話を伺いました。

非進学校から東大合格を果たした生徒が集まり活動する「UTFR」

東大 インタビュー UTFR
―山田さんが所属している「UTFR」とはどういった団体なのでしょうか?

山田 春佳さん(以下、山田):
東大には進学率の高い進学校出身の学生が多いのですが、進学校以外の学校から入学した学生もいます。私たちは、東大などの難関大学に合格者を輩出したことがない学校のことを「非進学校」と呼んでおり、「UTFR」は、その非進学校出身の学生のみが所属できるサークルのことです。

所属するためには、非進学校出身でなければならないという基準や所属するための審査があります。非進学校という基準や審査では、「その年の東大合格者が自分のみ、かつその年の旧帝大(※1)合格者が10名以下であること」を大まかな目安とし、面接を通して入会可否を決定しています。

「UTFR」は、大学受験の際に東大が志望校の選択肢に入らないような非進学校の高校生たちに対して、もっと東大に入学してもらいたいと「東大受験を応援・サポートする活動」をおこなっています。まだ東大合格者が出ていない地域に行って中高生に学習指導をおこなったり、地方で東大受験に関する講演会を実施したりしています。最近では、石垣島の高校生に勉強を教えに行きました。

また、「UTFR」は同じ高校出身の友達が少ない学生のためのコミュニティ、情報源的な側面も大きいです。たとえば、期末テストでは教授ごとに過去問があり、過去と同じ問題が出たり、出題形式が似ていたりすることがあります。その場合、多くの過去問を集められる方が、単位や成績的にも有利になります。そのため、授業・テスト・進学振り分けなどの情報提供をおこなうことで、学生の学習面もサポートしています。

(※1) 北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の7つの国立大学をまとめた呼び方

非進学校から東大受験を目指す

―山田さんが東大受験を考えるようになったきっかけは、どのようなものだったのでしょうか?

山田:
私は私立の中高一貫校に通っていたのですが、中学校の頃は特にやりたいことがあったわけではなかったので、進路は文系を志望していました。しかし、中学3年生のときに、国語と社会がとても苦手だったので希望進路を理系に変更したいと担任の先生に相談したところ、突然「東大なら後から学部を変えることができるから、理系の一般入試で東大を目指してみたら」と先生から言われたことがきっかけで、東大受験を意識するようになりました。

それ以来、高校では東大受験を意識しながら勉強していました。ただ、本当に東大を受験するかどうかは最後まで迷っていたのですが、センター試験で高得点を取ることができたので、最終的に受験をすることを決めました。もし東大受験を迷っている人がいたら、センター試験の点数で85%を超えるのであれば受験するべきだと思います。

―受験勉強をするにあたり、塾や予備校には通っていたのでしょうか?

山田:
高校2年生の時から河合塾と駿台予備学校に通っていて、河合塾では現代文、駿台予備学校では数学を習っていました。学びたい教科ごとに塾を選んだ結果、このふたつの塾を組み合わせて勉強することになりました。

私の通っていた高校は岐阜県の山奥にあり、高校の近くに塾がなかったので、少し離れた場所にあった河合塾まで通っていました。河合塾を選んだ理由は、体験授業のときに、事務の人に現代文の講師を紹介されて、実際に現代文の授業を体験してみたら内容が面白くて印象的な授業だったからです。

また、駿台予備学校を選んだのは、中学・高校でお世話になっていた先生が「駿台予備学校にいい数学の講師がいる」と紹介してくれたのがきっかけでした。ただ、そのおすすめの講師がいる駿台予備学校は名古屋にあったので、岐阜の山奥から名古屋まで片道2時間かけて通っていました。

自分でもよく頑張って通塾していたと思いますが、駿台予備学校の講師の教え方が本当にわかりやすくてとても良かったため、通塾を苦だと思ったことはなかったです。

―受験生が塾や予備校を選ぶとしたら、どのように選んだ方がいいでしょうか?

山田:
塾は、講師の質で選ぶのがいいと思います。いい講師を知る手段として、大手の塾などでは、講師の担当する授業の受講生徒数が多いかどうかが、講師の質を見極める基準になると思います。

また、塾の事務の人に講師の情報を聞いてみるのもひとつの方法です。たとえば、「数学で人気の講師はだれですか」と聞けば、きっと人気の講師を教えてくれると思います。授業後に、講師室に生徒がたくさん並んでいる講師は、質の高い人気講師の証拠です。

―塾や予備校に通ってよかったことは、どのようなことでしょうか?

山田:
私のいた学校は過去に東大生を輩出したことがなかったので、東大受験について先生の知識が少ないという欠点がありました。しかし、塾に通ったことで、受験に関する知識や情報を得ることができたのが1番大きかったです。自分で情報を調べるだけでは限界があったので、塾に通っていなかったら東大受験について分からないことだらけだったと思います。
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東大受験で合格するための勉強法

東大生インタビュー
―受験に向けてどのように勉強していましたか?また、具体的な勉強法などはありましたか?

山田:
塾に通う日以外は、学校の授業後や土曜日の朝9時から18時まで、学校の先生にマンツーマンで補習授業をしてもらい勉強をしていました。

数学の勉強は、主に「鉄緑会」の問題集を使用してひたすら東大の過去問を解いて、先生と一緒に答え合わせをしていました。しかし、高校の授業は学習指導要領に合わせた指導だったので、数Ⅲは3年生からしか学ぶことができず、「微積」や「複素数」などは勉強時間が足りませんでした。

そのため、数学の試験では、出題される問題を過去問から分析し、6題のうち4題は数学ⅠAⅡB(※1)だろうと予想して、数Ⅲが解けない代わりに数学ⅠAⅡBは絶対に点数を落とさないようにしよう決めていました。「整数」と「確率」を重点的に勉強し、公式も完璧に覚えたので、人並み以上に問題量を解いて勉強したという自信があります。もちろん、数Ⅲも授業で習った基礎だけは完璧に覚えて合格最低点に届くように勉強しました。

国語の勉強では、センター試験の過去問を何度も解いて先生に添削指導をしてもらい、文章力を鍛えました。記述問題は、指定文字数に応じていくつ解答要素が必要なのかを考えなければならないのですが、私は要素が足りないというミスを何度もしてしまっていたので、最低数の要素だけは何とか出して、要素と要素を繋げる訓練を徹底的におこないました。

また、私は帰国子女なので特に漢字が苦手で、国語の勉強時間の半分以上を漢字や単語の勉強に使っていました。勉強法は、単語帳などは作らずに、学校で配られた参考書に載っている漢字をとにかく何度もノートに書いて覚えました。

英語は唯一の得意科目だったこともあり、勉強にはあまり時間をかけていませんでした。その代わり、友達などに英語を教えることが多かったので、教えるなかで気づいた英語の問題を解くコツがありました。

それは、英語の問題でわからない英単語に出会った場合、その英単語を読み飛ばすことがとても大切だということです。英語が苦手な人のなかには、実は単語や文法がしっかり身についているのに、問題で知らない単語が出てきたり読解しにくい文法があると、文章全体がわからないと悩んで手が止まってしまう人がいます。それでは、時間がもったいないです。

わからない英単語が出てきたとしても、ほかの動詞や名詞さえ理解できていれば、英文は読み解けることがあります。そのため、問題を解く際のおすすめ方法は、わからない英単語は潔く飛ばすことだと思います。その代わり、もちろん動詞と名詞は時間を費やしてでも必ず覚えるべきです。最低限、これができれば英語の問題には対応できると思います。

(※1)数Ⅰ、数A、数Ⅱ、数Bの略称

―山田さんは、どのような学習スケジュールだったのでしょうか?

山田:
学校の補習や塾の時間をメインに勉強していました。学校の補習から帰ってくると寝てしまっていたので、家ではその日学んだことの確認や復習程度の勉強しかしていませんでした。

その代わり、夏休みや冬休みなどの長期休みのときは、時間を設定して各教科バランスよく勉強していました。ただ、化学などの好きな教科を勉強していると、楽しくて何時間もやり過ぎてしまうことがあったので、好きな教科の勉強のやり過ぎには注意していました。

―苦手科目についてはどのように勉強していたのでしょうか?

山田:
私は物理や数Ⅲが苦手で、試験科目のなかでは諦めて捨てていた科目でした。ただ「捨てる」といっても、学校の授業で習った基礎内容については大前提として完璧にできるようしていました。

試験で出る応用問題については潔く空白で出すくらい諦めていましたが、そのほかの基礎問題では確実に点数を取ると決めて、学校の授業内容は人の倍以上は必死に勉強して覚えていました。

勉強が苦手な人が勉強を好きになる方法

―山田さんはずっと勉強が好きだったのでしょうか?

山田:
私は中学校に入るまでずっと勉強が嫌いでした。しかし、中学校の授業で、偶然周りが解けないような難しい問題を私だけが解けたときに、先生や友達から褒められたことがありました。

それ以来、難しい問題があると友達から昼休みなどに少しずつ問題の解き方などを聞かれるようになり、いつの間にか「周りから褒められたい」という外的要因から勉強を好きになりました。

そのため、褒められる経験というのは、勉強が好きになるために大事なポイントなのだと思います。

―勉強が苦手な人に役立つようなおすすめの勉強法はありますか?

山田:
おすすめの勉強法として、まずはノートを綺麗にとることが大切だと思います。ノートを綺麗にとると、見返したときに「自分は頑張った」という自信に繋がります。

自信に繋げるためには、自分にできる小さなことから積み重ねていくことが重要です。まずは字を丁寧に書いてみることを癖づけるだけでも効果はあると思います。そのほかにも、図をわかりやすく丁寧に書いてみるのもおすすめです。

綺麗なノートができあがると、それだけで何度も見返したくなり、学んだ内容をノートに書くことが楽しくなってくるはずです。汚くて見にくいノートよりも「自分でも見たいと思うノート」を作ることを心掛けてみるといいと思います。

ノートの取り方ひとつでも少しずつ自信に繋がり、次へのやる気になります。その小さな努力の積み重ねを繰り返していると、いつのまにか勉強を好きになっていると思います。勉強にも基礎が必要なように、自分自身の基礎をしっかり作ることが大切だと思います。

東大受験へのモチベーション維持

東大生インタビュー
―受験勉強中、気持ちが折れかけたことはありますか?

山田:
学校の同級生の9割以上が推薦入試でした。そのため、早い人は10月には進学先が決まり、学校に来なくなり遊びだしていたので、一般入試の私は「なんで私だけはずっと勉強を頑張らないといけないのだ」という気持ちになってしまい、辛い時期がありました。

友達はよかれと思ってお土産を買ってきてくれたり、楽しかった思い出話をしてくれるのですが、嬉しい反面、気持ち的には自分だけ勉強している辛さもあり、とても複雑でした。

―辛い時に、モチベーションはどのようにして保っていたのでしょうか?

山田:
私の場合、非進学校だったこともあり、高校で初の東大合格者になるかもしれないと、学校の先生や友達からの期待が大きくてかなりプレッシャーがありました。そのため「これは落ちるわけにはいかない」と、その一心でひたすら勉強していました。

友達が楽しそうで自分だけが辛い時期も、周りからの大きな期待とプレッシャーがあったからこそ、それをバネに頑張れたのだと思います。

また、一般入試でしっかりと学力を身につけておけば、大学に入ってから授業についていけずに困るということはないと考えていたので、「周りの友達が後からする苦労を先にしているだけで、最終的に笑うのは私だ」と自分に必死に言い聞かせてモチベーションを保つようにしていました。

―受験期間中、なにか独自の息抜き方法はありましたか?

山田:
受験期間中、私は試験日ギリギリまで友達に勉強を教えていました。勉強を教えていると、自分の頭のなかで学習内容を整理することができて、いつの間にか友達に勉強を教えることが息抜きになっていました。

自分のことだけに集中して周りが見えなくなってしまうよりも、周りを気にかけて勉強の手助けをすることで、何気ない会話で心が癒されて、友達との心の触れ合いが息抜きに繋がっていたのだと思います。

―受験時、なにか役立ったものはありましたか?

山田:
推薦入試で先に受験が終わっていた友達が、御守りを作ってくれたり、寄せ書きで応援メッセージを書いてくれたりして、それらを受験のときに持ち歩いていました。

寄せ書きや御守りをもらったときは、受験勉強の疲れが吹っ飛んでしまうくらい嬉しくて、見るたびに力をもらっていました。そのときに初めて、周りからのプレッシャーだと思っていた私への期待が、実は私を支えてくれている力だったのだなと実感しました。

―受験で苦労したことや失敗はありましたか?

山田:
東大の受験当日、試験会場に向かう電車から降りるときに、ホームと電車のすき間に落ちてしまい、足を擦りむいてスカートがグシャグシャになってしまうというハプニングがありました。

しかし、悲惨なハプニングが起こってしまったことで、私は逆に「今悪いことが起こったからもう大丈夫だ」と開き直ることができました。

受験の際、「落ちる」や「滑る」といった言葉は縁起が悪いとされていますが、本人の気持ちの持ちようであり、むしろ何があっても慌てない気持ちが重要だと思います。

東大合格を果たした成功の秘訣

―受験で一番大事なことはどのようなことでしょうか?

山田:
親や先生、友達といった周りからのサポートはもちろん大切なことだと思います。しかし、私と同じように非進学校から難関校を受験する場合、ひとりで孤独に受験勉強を頑張っている人が多いはずです。孤独に頑張っているときに一番大事なのは、自分自身の「気持ちの持ち方」です。

「落ちたらどうしよう」といったネガティブなことを考え始めてしまうと負のループに入ってしまうので、「なにがあっても自分は受かる」と思い続ける気持ちが必要だと思います。

私は、夏の東大模試での判定はD判定でした。それでも諦めずに夏の段階で自分になにが足りないのかを分析し、「この科目のこの部分を完璧に覚えきれていなかったのだから、今は仕方ない」と自分に言い聞かせていました。周りからは言い訳だと言われてしまうかもしれませんが、そうやって自分を肯定して必死に勉強しました。

受験勉強をしていると不安や孤独なことばかりだと思います。それでもしっかり自己分析をして、自分を肯定する気持ちを持っていることが、受験で成功するための秘訣だと思います。

―受験生に向けて、なにかアドバイスやメッセージがあればお願いします。

山田:
受験期間中は辛いことや大変なことが多いですが、私の場合、自分を救ってくれたのは「勉強をしている自分が好き」という気持ちでした。受験のようにひたすら毎日勉強をしていると、勉強を負担に感じて、勉強を嫌いになってしまうことがあると思います。

しかし、それでも自分がやってきた努力を信じて、自分を肯定することで「勉強をしている自分を好きになる」ことができると思います。

どんな大学を目指している受験生でも、合格に向けて必死に勉強している自分を肯定して好きになってあげてください。それだけでも不安な気持ちは救われますし、自己肯定ができるようになることで見えてくるものが絶対にあります。

その小さな積み重ねが、受験合格へと繋がっています。

勉強をすることはいい事です。ぜひ、そう考えて受験勉強を頑張ってもらえると嬉しいです。そして、受験を乗り越えて、東大に入学してくれた人と会えることを楽しみに待っています。

ー本日はお時間をいただきありがとうございました!

■取材協力
「UTFR」公式HP
「UTFR」公式Twitter
工藤 智也
この記事を執筆した執筆者
工藤 智也

Ameba塾探し 執筆者

「Ameba塾探し」の編集兼ライター。子どものころは勉強が苦手で、好きな教科と嫌いな教科でテストの点数が極端に違ったタイプ。国語が好きで、本ばかり読んでいた学生時代。中学校で塾に通い、その時に初めて塾で勉強すると成績が伸びることを実感。苦手な数学の成績が上がったことは、勉強に対する考え方が変わった良いきっかけに。この経験を活かし、勉強することが苦手な人が、少しでも勉強を好きになり前向きな塾選びができるようなサイトを目指します。