薬学部合格を目指している現役学生の方や浪人することを決めた方のなかには、合格のために予備校に通うことを検討している方もいるのではないでしょうか。
しかし、予備校の数はとても多いので、どこを選べばよいかわからない方もいるかもしれません。
薬学部合格を目指すには、十分な合格実績やノウハウがあることなど、ポイントを押さえた予備校選びが重要です。
本記事では、薬学部合格のための予備校選びのポイントを解説します。
そのうえで、おすすめの予備校も紹介するので、薬学部合格を目指している方はぜひ参考にしてください。
- 薬学部合格のために予備校に通ったほうがよい理由
- 理系や薬学部に特化した対策講座を受けられる
- 効率的に学習を進められる
- 薬学部に特化している予備校でなくても合格は目指せる
- 予備校はどう選ぶ?失敗しない6つのポイント
- ①通いやすい立地にある予備校を選ぶ
- ②合計費用を比較して予備校を選ぶ
- ③志望大学の合格実績やノウハウが豊富な予備校を選ぶ
- ④授業形式があっている予備校を選ぶ
- ⑤サポート体制が充実している予備校を選ぶ
- ⑥薬学部に進学した先輩がチューターとして在籍している予備校を選ぶ
- 薬学部を目指す人におすすめの予備校8選
- 薬学部や医学部の受験に特化した予備校
- 薬学部受験対策におすすめの大手予備校
- 自分にあった予備校を選んで薬学部合格を目指そう
薬学部合格のために予備校に通ったほうがよい理由
予備校に通うことは、薬学部合格のために必須ではありません。
とはいえ、多くの方が予備校に通うべきだと考えているはずですし、予備校に通うことは薬学部に合格するために合理的な選択です。薬学部合格のために予備校に通ったほうがよい理由を、あらためて確認しておきましょう。
理系や薬学部に特化した対策講座を受けられる
予備校では、志望する大学・学部などに応じてクラス分けやコース分けがおこなわれており、在籍するクラス・コースによって受ける講義の内容は異なります。
予備校によって異なりますが、薬学部を目指す場合は理系クラスや薬学部向けコースなど、理系学部や薬学部への受験に特化したクラスやコースに在籍することになります。
薬学部の試験問題や出題傾向を踏まえたうえで講義がおこなわれるので、自学自習では得られない知識やノウハウを得ることが可能です。
効率的に学習を進められる
予備校に通わない場合、自分自身で学習スケジュールを策定し学習内容も考えなければなりません。自分の弱点や合格に向けて足りない部分を客観的に把握できている方であれば問題ありませんが、自分だけで計画を立てるのは不安という方も多いでしょう。
予備校は長年受験生を指導してきた経験があり、それをもとにしてカリキュラムを立てて講義をしています。志望校の出題傾向や最新の受験情報に基づいた指導を受けられるため、効率的な学習が可能です。
薬学部に特化している予備校でなくても合格は目指せる
薬学部や医学部の対策に特化している予備校を選ぶのが適切ですが、そういった予備校は数が少なく、お住まいの地域によっては通えない方もいます。薬学部に特化している予備校でなくても、もちろん薬学部への合格を目指すことは可能です。
納得のいく予備校選びをするためのポイントを次より紹介しますので、複数の予備校で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
予備校はどう選ぶ?失敗しない6つのポイント
予備校選びが合格に直結するとまでは断言できませんが、予備校選びが適切だったかどうかという意識は、日々のモチベーションや学習内容に影響を与える可能性があります。
予備校選びを失敗しないためには、以下に挙げるポイントを意識することが重要です。
それぞれのポイントについて解説します。
①通いやすい立地にある予備校を選ぶ
予備校の立地は、学校や家から近い、通いやすいところが理想的です。とくに浪人生の場合、予備校には学校のように毎日通うことになるので、家や学校から1時間以上かかるような立地やアクセスだと負担が大きくなってしまうデメリットがあります。
自宅や学校の最寄り駅や、通学で乗る路線の途中の駅などにある予備校を選ぶとよいでしょう。授業が終わるのが夜遅くなることも多いので、予備校からの帰りに通る道が夜間でも安全かどうかの確認も重要です。
②合計費用を比較して予備校を選ぶ
予備校に通うための費用は、選んだ予備校やコースによって異なります。決して安い金額ではないため、保護者と相談して予算にあう予備校を選びましょう。以下に、主な予備校の入学金と授業料をまとめますので、参考にしてください(※)。
【大手予備校の費用例】
予備校・コース名 | 費用項目 | 金額 |
---|---|---|
駿台予備学校 (難関国公立大理系コース) | 入学金 | 100,000円 |
授業料 | 1,000,000円 | |
合計金額 | 1,100,000円 | |
河合塾
(早慶大理系コース) | 入学金 | 100,000円 |
授業料 | 862,000円 | |
合計金額 | 962,000円 | |
代々木ゼミナール (国公立大・私立大受験科/理系 オリジナルカリキュラム[国公立理系]) | 入学金 | 100,000円 |
授業料 | 865,000円 | |
合計金額 | 965,000円 | |
四谷学院 (私立薬学部コース) | 入学金 | 50,000円 |
授業料 | 850,000円 | |
合計金額 | 900,000円 |
※上記の料金はすべて税込みです。
※2025年5月現在の料金です。
※地域や学年・講座によって料金は異なります。
※授業料以外にも諸費用がかかる場合があります。詳しくは各予備校の公式サイトや資料をご確認ください。
予備校によって設けられているコースは異なるので、複数の予備校のコースと費用を比較しましょう。
③志望大学の合格実績やノウハウが豊富な予備校を選ぶ
志望する大学が明確に定まっているのであれば、その大学への合格実績が豊富な予備校を選ぶのがおすすめです。実績が豊富ということは、予備校自体や講義をおこなっている講師にノウハウが蓄積されているということなので、志望校合格に向けて効率的に対策をすることができるでしょう。
志望校に対する質問や相談もしやすい環境なので、安心して勉強に打ち込むことができます。
④授業形式があっている予備校を選ぶ
予備校の授業は集団で講義を受ける形式が一般的ですが、予備校の規模によって同時に授業を受ける人数は異なります。
大手予備校は、講師は一流で教材も充実していますが、数十人ほど(場合によっては100人近く)が同時に授業を受けます。一方、中堅予備校は大手予備校よりも同時に授業を受ける生徒の人数が少ないのが特徴です。
周りに人がいすぎるとなかなか集中できない方は、大手予備校よりも中堅予備校のほうが向いているかもしれません。自分が集中して学習できる人数の予備校を選びましょう。
また、人によっては多くの生徒と一緒に授業を受ける集団授業よりも、ほかの生徒の存在があまり気にならない個別指導のほうが性格的に向いていることもあります。そのような方は予備校ではなく、個別指導塾に通うのがおすすめです。
⑤サポート体制が充実している予備校を選ぶ
受験生の学力アップにつながる適切なカリキュラムの設定や、保護者を交えた定期的な三者面談の実施など、サポート体制が充実しているかどうかも、予備校を選ぶにあたって重要なポイントです。
設けられているサポート体制は予備校によって異なるので、以下に挙げるようなポイントを中心に必要な体制が整っているかどうかを確認しましょう。
- カリキュラム・日々のスケジュールが適切に組まれているか
- 自習室が自由に使える環境か
- いつでも講師に相談・質問できる環境か
予備校の公式サイトで確認できる内容もあればそうでない内容もあるので、実際に予備校に通っていた方の口コミや評判をチェックするのがおすすめです。
⑥薬学部に進学した先輩がチューターとして在籍している予備校を選ぶ
予備校によっては「チューター」が在籍していることもあります。チューターは受験を熟知した進路指導のプロであり、学習計画の策定を補助してくれたり、勉強での悩み相談に乗ってくれたりします。
チューターは現役の大学生や大学院生が務めているケースが多いですが、薬学部や志望大学に進学した先輩が在籍している予備校であれば、自分にとって有益なアドバイスをもらいやすいでしょう。
薬学部を目指す人におすすめの予備校8選
薬学部合格を目指すためには、自分にあった予備校に通って勉強に励むことが重要です。
そこで、薬学部や医学部向けの指導に特化した予備校と大手予備校から、薬学部を目指す方におすすめの予備校をピックアップして紹介します。
薬学部や医学部の受験に特化した予備校
薬学部や医学部の出題傾向は、同じ理系の学部でも工学部や農学部とは少々異なります。そのため、薬学部合格を目指して医歯薬系の受験に特化した予備校を選ぶのは、合理的な判断といえるでしょう。
校舎の数がそこまで多いわけではないですが、通える距離にある場合は選択肢として検討するのがおすすめです。
駿台医学部専門校
駿台医学部専門校は、医学部合格のために特化されたカリキュラムのもとで授業を受けられる予備校です。
医学部受験に精通した講師陣と、蓄積されたノウハウによって生み出された最短最速合格システムによって、合格に向けての確かな力を養えるでしょう。
2024年度は、18名(推薦入試も含めると19名)の薬学部合格者を輩出しています(※)。
東京・横浜・名古屋・大宮に校舎があるので、通える距離にお住まいで薬学部合格を目指している方にはおすすめです。
※駿台医学部専門校「2024 合格実績」より
武田塾医進館
武田塾医進館は、授業をおこなわずに参考書を用いた生徒の自学自習で学力をアップさせる予備校です。
生徒一人ひとりの現在の学力レベルを把握したうえで、志望校合格までを逆算して個別カリキュラムを組んでもらえます。
自学自習を集中しておこなえるように快適な自習室を設けていることはもちろん、遠方の生徒には校舎からのアクセスがよいところにある提携寮を紹介するなど、サポート体制もバッチリです。
近年の合格実績については、公式サイトからご確認ください(※)。
※2024年の合格実績はこちら
PMD 医学部個別予備校
PMD 医学部個別予備校は、医学部・歯学部・薬学部の入試対策に特化した完全1対1のマンツーマン指導を手掛けている予備校です。
合格に向けた独自カリキュラムに基づき、生徒一人ひとりの学力や学習状況に応じて柔軟な指導を実施しています。
個別指導とAI教材「atama+」を掛け合わせた指導で、志望校合格まで効率的な対策をおこなうことが可能です。
i. med 医学部オンライン予備校
i. med 医学部オンライン予備校は、医学部・歯学部・薬学部を目指す方を対象にしたマンツーマン授業をオンラインで実施しています。
医学部・歯学部・薬学部の対策に強みをもつPMD予備校グループが展開するオンライン予備校で、PMD予備校グループのクオリティが高い指導や各種模擬テストなどの演習も受けることができます。
時間や場所に関係なく質が高い授業を受けられるため、「薬学部のノウハウが豊富な予備校に通いたいけど近くに予備校がない」「部活動や習い事が忙しくてスケジュール調整が難しい」という方にはおすすめです。
薬学部受験対策におすすめの大手予備校
大手予備校は受験に関する実績やノウハウがとても豊富なので、授業を受けることで効率的な学力向上が期待できます。薬学部を第一志望と考えているものの、ほかの学部も視野に入れている場合は、幅広く対策ができる大手予備校を選択するとよいでしょう。
駿台予備学校
駿台予備学校は、伝統的かつ革新的な教育によって「真の思考力」を磨く予備校です。深い専門知識と最新の入試問題研究に基づき、学問の本質まで伝えられる講師陣の講義により、学力を着実に向上させられます。
薬学部に特化したコースは設けられていませんが、「難関国公立大理系コース」や「私立大理系コース」などのコースを選択することで、薬学部合格に向けた対策が可能です。
2024年度は国公立大薬学部に292名、私立大薬学部に2,574名の合格者を輩出しています(※)。
※駿台予備学校「大学合格者数 2024年度」より
河合塾
河合塾は、学年や目的にあわせた多彩なコースラインナップが魅力の予備校です。
経験豊富な講師陣による質の高い講義を受けられるのはもちろんのこと、受験を熟知した指導のプロであるチューターが在籍しているため、学習計画の策定や勉強に関する不安や悩みなどに対するサポート体制も整っています。
薬学部に特化したコースは設けられていませんが、「難関国公立大理系コース」や「私立大理系コース」などのコースでは、薬学部合格に向けた対策が可能です。
2024年度は国公立大薬学部に411名、私立大薬学部に5,119名の合格者を輩出しています(※)。
※河合塾「合格者数」より
四谷学院
四谷学院は、「解答する力」を段階的にレベルアップさせるための「55段階個別指導」が特徴的な予備校です。
ステージごとに「予習→テスト→採点・個別指導」のルーティーンを繰り返すことで、入試に必要な解答力を着実に鍛えることができます。
浪人生に向けに設けられている「国公立薬学部コース」や「私立薬学部コース」では薬学部に特化した対策ができます。高校3年生向けのコースには薬学部に特化したものはありませんが、「東大理系対策」「早慶理系対策」など志望校別の理系対策コースが設けられており、対策は可能です。
薬学部の合格実績を公式サイトで確認することはできませんが、医歯薬系の学部に受かった方の合格体験記や合格速報を確認することができるので、参考にするとよいでしょう。
東進ハイスクール
東進ハイスクールは、志望校に特化したピンポイントな対策が可能な予備校です。
テレビや雑誌などの媒体で見かけることの多い有名カリスマ講師も多数在籍しており、大学受験のプロフェッショナルの指導を体験できます。
薬学部に特化したコースは設けられていませんが、「難関国立理系クラス」や「早慶理系クラス」といったクラスに在籍することで、薬学部合格に向けた対策が可能です。
薬学部の合格実績を公式サイトで確認することはできませんが、旧七帝大、国公立大学、医学部、早慶など難関私大における合格実績は豊富なので、安心して指導を受けられるでしょう。
自分にあった予備校を選んで薬学部合格を目指そう
薬学部合格を目指すためには、予備校に通い理系や薬学部対策の講座を受けるのがおすすめです。予備校によっては、薬学部や医系学部の受験に特化したところもあります。
そういったところを選んで通うのはもちろんおすすめですが、重要なことは「自分にあった予備校かどうか」という点です。授業形式があっていなければ期待しているほど学力は向上しませんし、サポート体制が充実していなければメンタルに不安を抱えたまま受験勉強を続けなければなりません。
立地や授業形式、薬学部に在籍しているチューターの有無などを踏まえて複数の予備校を比較し、自分にあった予備校を選んでくださいね。相性がよい予備校であれば、薬学部合格に向けてモチベーションを維持したまま受験勉強と向き合えるでしょう。