不登校のお子さんがいる保護者の方のなかには「もしかして、うちの子は高校受験できないかもしれない…」など進路への不安を感じている方もいるのではないでしょうか。また、「一体何から始めればよいのか」「誰に相談すればよいのか」など、先が見えずに悩んでいる方もいるのでは。
確かに、不登校という状況下での高校受験は、情報収集や学習方法など、通常の受験とは異なる配慮や準備が求められます。
この記事では、不登校のお子さんが高校受験という目標を達成するために保護者の方が知っておくべき情報をまとめました。さらに、お子さんの状況にあわせたサポートが期待できる塾もご紹介します。この記事を参考にして、お子さんの未来を一緒に考えていきましょう。
- 不登校の中学生でも高校受験はできる
- 不登校の子が高校受験する際に注意すべき調査書の存在
- 不登校の子でも進学しやすい高校
- 通信制高校
- 定時制高校
- 不登校の子が高校受験合格を目指すための対策
- 現在の学力を正確に把握する
- 調査書(内申書)を重視しない高校を選ぶ
- 不登校枠を利用する
- 塾や家庭教師を利用して学力を伸ばす
- 不登校の子におすすめの高校受験対策ができる塾10選
- 【不登校・中退・発達障害の受験塾】完全1対1個別指導 キズキ共育塾
- 個別教室のトライ
- 東京個別指導学院(ベネッセグループ)
- 関西個別指導学院(ベネッセグループ)
- 個別指導学院サクシード
- 対話式進学塾1対1ネッツ
- 個別指導塾スタンダード
- 個別指導アップ学習会
- 毎日個別塾5-Days
- 個別指導のone塾
- 不登校でも高校受験はできる!塾を活用して学力を伸ばそう
不登校の中学生でも高校受験はできる
まず前提として、不登校の中学生でも高校受験をすることは可能です。学校教育法の第57条では、高校進学の条件について以下のように定められています。
※出典:e-Gov法令検索「学校教育法:第57条」
そのため、不登校だからという理由だけで高校入学を拒否されることはありません。
しかし、ほとんどのケースで必要になる調査書(内申書)に不登校だったことが反映され、受験に不利に働く可能性があることは認識しておきましょう。
不登校の子が高校受験する際に注意すべき調査書の存在
一般的に高校受験では、「調査書」と呼ばれる書類が合否に影響を与えます。
調査書は「内申書」と呼ばれることもあり、学生一人ひとりの中学校での成績や学校での様子をまとめたものです。
調査書に記載される項目は各都道府県で異なりますが、高校受験の合否に影響を与える可能性があるのは、以下の2つの項目です。
- 出席日数(欠席日数)
- 内申点
調査書には、中学校での欠席日数と内申点が記載されます。
病欠ややむを得ない事情での欠席などもありえるため、年間10日程度の欠席であれば高校試験の合否に影響はないという考え方が一般的です。
しかし、そういった理由以外での欠席が年間30日以上あると不登校と認識され、公立高校では審議の対象になる場合があります(※1)。とはいえ、高校によって考え方は異なり、3年間を通して欠席が多いケースと1・2年生での欠席が多く3年生での欠席が少ないケースでは、受け取られ方も変わるでしょう。
そのため、年間の欠席日数が30日以上あるからといって、高校受験で不利になるとは一概には言い切れません。
内申点は、中学校で学習する9教科の成績を数値化したものです。不登校で中間テストや期末テストなどを受けられなかった場合、内申点が低くなることは避けられません。
公立高校の合否判定は、志願者全員が受ける学力試験の結果と内申点によっておこなわれます。
内申点をどの程度重視するかは高校によって異なりますが、内申点重視の高校を受験する場合、不登校だとやや不利になる可能性が高いことは念頭に置いておくべきでしょう。
なお、最近では調査書が不要な特別枠を求める動きがあり、実際に導入する県も出てきています。調査書によって合否を左右されたくなければ、そういった枠を導入している高校の情報を調べてみるのもおすすめです。
※1 文部科学省「不登校の現状に関する認識」
不登校の子でも進学しやすい高校
全日制の高校の場合、調査書が高校受験の合否に一定の影響を及ぼします。
もちろん、全日制の高校を目指すのも選択肢のひとつですが、調査書の内容次第で不利な状態から合格を目指さなければならず、容易ではありません。
また、中学校で不登校だったことを考えると、高校入学後も不登校状態が続いてしまう可能性も考えておかねばなりません。
そこで以下では、不登校の子でも進学しやすい高校を紹介します。
通信制高校
通信制高校は、全日制や定時制の高校よりも通学の頻度が少なく、基本的には自宅での学習によって卒業に必要な単位を取得する高校です。
入学試験としては、おもに、基礎的な学力を確認する筆記試験や人柄を確認する面接がおこなわれます。全日制高校の試験と比較すると難易度は高くないため、中学校で十分な学習ができず難易度の高い演習がなかなか進められない状況にあるお子さんにも向いています。
通信制高校においても定期的な登校日(スクーリング)はありますが、それ以外は自宅など好きな場所で自分のペースで勉強できます。中学校で不登校になってしまった場合、学校に通うこと自体が負担になることが考えられますが、通信制高校なら比較的安心して通えるでしょう。
定時制高校
定時制高校は多くの場合、夕方から夜にかけて1日4時間程度登校して授業を受ける高校です。
通信制高校と違って毎日登校する必要はありますが、全日制と比べると短い時間の通学で済みます。
また、定時制高校に通うのは同年代の学生ばかりではありません。何らかの理由で高校に通えなかった人が学び直しを目的に通っていることもあり、さまざまな背景をもつ生徒が集まっています。
そのため、不登校を経験した生徒にも通いやすい環境の高校といえるでしょう。
不登校の子が高校受験合格を目指すための対策
不登校のお子さんが高校受験合格を目指すためには、お子さんと家族がしっかりと向き合って話し合うことが大切です。
その際、保護者の方は以下のことを心がける必要があります。
家庭としてお子さんの高校受験を支えるという気持ちがお子さんに届くことで、お子さんも受験合格に向けてより一層頑張れるはずです。
そのうえで、不登校のお子さんが高校受験合格を目指すためには、主以下に挙げるようなことを意識するとよいでしょう。
それぞれを詳しく解説します。
現在の学力を正確に把握する
不登校のお子さんは、学校の定期テストも受けていない可能性があります。そのため、現在の学力を正確に把握できていない場合もあるでしょう。
可能であれば全国模試などを受けて、現時点での学力を正確に把握するのが賢明です。そのうえで受験までの残り期間を踏まえて勉強計画を立てれば、志望校合格が見えてくるでしょう。
調査書(内申書)を重視しない高校を選ぶ
受験において、調査書をどの程度重視するかは高校次第です。
公立よりも私立のほうが調査書に関する自由度は高いので、私立を中心に調査書を重視しない高校を検討するとよいでしょう。
また、作文や面接といった科目で受験できる高校もあります。
「勉強は苦手だけれど文章を書くのは得意」「中学は不登校だったけれど高校では頑張りたい」などの熱意を伝えたいお子さんは、そういった形式で受験できる高校を選ぶのもおすすめです。
不登校枠を利用する
不登校枠とは、地域により「調査書の欠席日数は考慮しない」「個人的に面接を実施する」など、不登校の生徒に特定の配慮がなされる形でおこなわれる受験の選抜方法です。
受験時にネックになりやすい欠席日数を気にすることなく、面接によって不登校の事情を考慮してもらえる制度です。ただし、「不登校枠」とはいわれるものの、募集人員の「枠」が用意されているわけではありません。
そのため、仮に受験生全員のなかで「不登校」に該当するのが自分1人だけだとしても、確実に合格できるわけではないことは、念頭に置いておきましょう。
塾や家庭教師を利用して学力を伸ばす
高校合格に向けて学力を伸ばすためには学校に通って勉強するのがよいですが、不登校のお子さんはそこが一番のハードルになる可能性があります。
学校に通うのが難しい場合は、塾に通ったり家庭教師を利用したりして学力を伸ばしましょう。
個別指導形式の塾なら、ほかの生徒を気にすることなく自分にあったペースで授業を受けられますし、不登校のお子さんを専門にしているような塾もあります。
家から出るのも難しい場合は、家庭教師を利用するのがよいでしょう。
不登校の子におすすめの高校受験対策ができる塾10選
不登校のお子さんが高校受験のために塾に通う場合、みなと同じカリキュラムで勉強を進める集団塾よりも、自分にあったカリキュラムを組んでもらえる個別指導塾のほうがあっている可能性が高いです。
不登校のお子さんにおすすめの高校受験対策ができる塾を、以下で紹介します。
【不登校・中退・発達障害の受験塾】完全1対1個別指導 キズキ共育塾
キズキ共育塾は、不登校・中退・ひきこもりの方の学習サポートをおこなう完全1対1の個別指導塾です。
キズキ共育塾では、同じような経験をしてきたスタッフによるサポートを受けられ、家以外の安心できる居場所となるでしょう。
不登校で高校受験対策したい生徒に向けても、5教科の指導を実施。完全1対1かつ完全オーダーメイド型を取り入れているため、お子さんの学習状況にあわせた対策が期待できます。
学習習慣・進路・自習計画などを相談できるメンターサポートも設けられており、日々の学習に関する不安を解消しやすい環境といえるでしょう。
個別教室のトライ
個別教室のトライは、厳しい採用基準をクリアした講師による1対1のマンツーマン授業を受けられる個別指導塾です。
毎回同じ講師が授業を担当する専任制度を取り入れているので、生徒のことを把握している講師が生徒の学力や目標にあわせて、柔軟に指導をおこなってくれます。
不登校のお子さんの場合、勉強スケジュールは普通のお子さんと大きく異なる可能性が高いです。そういった事情を組んだうえでカリキュラムを組んでもらえるので、不登校で学校の授業についていけていないお子さんでも安心して通えます。
東京個別指導学院(ベネッセグループ)
東京個別指導学院(ベネッセグループ)は、選べる担当講師やオーダーメイドカリキュラムが魅力の個別指導塾です。
1対1または1対2の個別指導なので、周りの生徒に影響されることなく、勉強に集中することができます。家庭学習の内容も生徒一人ひとりに個別に提案するので、自宅でも迷わずに学習に取り組むことが可能です。
ベネッセグループならではの豊富で確かな情報をフル活用した個別サポートで、高校受験合格へと導きます。
関西個別指導学院(ベネッセグループ)
関西個別指導学院(ベネッセグループ)は、実際に授業を受けたうえで選んだ講師に継続して授業をおこなってもらえる個別指導塾です。
指導方針や授業の進め方が自分にあっていることを確認してから担当になってもらえるので、勉強へのモチベーションが維持しやすくなります。
また、受講科目以外の疑問点の解消や学習習慣の定着など、学習全般にわたってサポートしてもらえます。
とくに不登校のお子さんは、学習習慣が身についていないことも多いので、その点をサポートしてもらえるのは大きなメリットです。
個別指導学院サクシード
個別指導学院サクシードは、高い指導力を持つ講師陣が勉強のやり方から丁寧に指導し、やればできると自信をもってもらうことからスタートする個別指導塾です。
きめ細かな指導が受けたい、自立学習を身につけたいなど、さまざまな目的に応じた個別指導をおこなっているので、不登校のお子さんに沿ったカリキュラムを組んでもらうこともできます。
授業がない日も自習室で勉強ができるので、自宅では勉強できないお子さんでも安心です。
高校受験合格というゴールに最短距離で迎えるように、お子さんのバックアップをしっかりおこなってもらえるでしょう。
対話式進学塾1対1ネッツ
対話式進学塾1対1ネッツは、生徒1人に講師1人がつきっきりで授業をおこなう個別指導塾です。
ネッツオリジナルの1on1コーチングにより勉強に対するモチベーションが上がり、生徒が自分から勉強に取り組むようになります。
生徒の表情を見ながら丁寧に指導を進めるので、生徒が「わかったふり」のままで授業が進んでしまうことがありません。
実際に通う前に無料の体験授業も受けられるので、塾の雰囲気をつかんだうえで入塾を検討できる点は魅力でしょう。
個別指導塾スタンダード
個別指導塾スタンダードは、生徒一人ひとりに対する完全オーダーメイドの指導カリキュラムにより、効率的に学習に取り組むことができる個別指導塾です。
講師が授業後のフォローや宿題の確認など、きめ細やかにサポートをおこなうので、モチベーションを維持しながら勉強を続けることができます。
生徒一人ひとりの目標にあわせてスモールステップ方式で学習を進めるので、生徒が着実に成果を実感できるのが魅力です。
不登校で勉強につまづきがちなお子さんでも、課題を一つひとつクリアしていくことで、勉強に対して自然と前向きになれるでしょう。
個別指導アップ学習会
個別指導アップ学習会は、現状と目標のギャップを埋めるため、生徒の個性にあわせた適切な学習カリキュラムを作成する個別指導塾です。
学習懇談を最低でも年に3回実施することで、生徒や保護者の方からの要望を日々の指導に速やかに反映します。
学習指導はもちろんのこと、勉強のやり方やコツも丁寧に指導するので、自宅での勉強もより効率的におこなえるようになるでしょう。
時間内であれば1回の授業で複数の教科を組みあわせて受講することもできるので、さまざまな教科に対する指導をお得に受けたい方にはおすすめです。
毎日個別塾5-Days
毎日個別塾5-Daysは、お子さんの勉強に対する意欲を引き出し、自ら学習する姿勢を習慣づけることを目指す個別指導塾です。
ヒアリングによってお子さんの現状を把握したうえで、個別のカリキュラムやスケジュールを決定することで、目標達成に向けて効率的に勉強できます。
勉強時間を測定するウェラブルデバイス「ヤルキプラス」により、保護者と講師がお子さんの頑張りを把握し応援することで、やる気を生み出します。
不登校のお子さんにとって、保護者や講師といった周囲の大人に「承認」されることは、大きな意欲につながるでしょう。
個別指導のone塾
個別指導のone塾は、成績向上と自らの力で問題を考え解決できる自学自習スキルの養成を目指す個別指導塾です。
指導前に個別面談を実施し、生徒の現状の学力や得意不得意を把握することで、目標達成に向けて適切なカリキュラムを組んでもらえます。
万が一志望校に合格できない場合は3か月分の授業料を返金する「志望校合格保証制度」も、不登校から志望校合格を目指すお子さんや保護者の方にとっては心強いでしょう。
お子さんが常にモチベーションを高く維持して勉強に取り組めるようなサポート体制を提供しているので、安心してお子さんを通塾させることができます。
不登校でも高校受験はできる!塾を活用して学力を伸ばそう
不登校の中学生のお子さんでも、高校受験をすることは可能です。
ただし、「調査書」の内容次第では公立の全日制高校の合格は厳しい可能性があるので、調査書をあまり重視しない私立高校や、通信制高校・定時制高校なども視野に入れましょう。
受験合格を目指すにあたり塾や家庭教師を利用して学力を伸ばす必要があります。塾に通う場合は、みなと同じカリキュラムで勉強を進める集団塾よりも、自分にあったカリキュラムを組んでもらえる個別指導のほうがあっているでしょう。
本記事で紹介した個別指導塾も踏まえてお子さんにあった塾を選んでいただき、高校受験合格を目指しましょう。