大学生活が始まり、アルバイトを探している方も多いでしょう。なかでも、自身の受験経験を活かせる塾でのアルバイトは魅力的な選択肢です。
しかし、「チューター」という役割について具体的にイメージできない方も少なくないでしょう。
本記事では、チューターの役割や仕事内容、塾講師との違い、そして向いている人の特徴などを詳しく解説します。これから塾でのアルバイトを検討している大学生の方々は、ぜひ参考にしてみてください。
塾のチューターとは?仕事内容や講師との違いを解説
チューターは英語で「tutor」と表記し、家庭教師や指導教員を意味します。
塾におけるチューターは指導教員といった意味合いが強く、学生アルバイトが担当するのが一般的です。
チューターの主な役割は、生徒の学習面と精神面の両方をサポートすることです。
その業務内容は、授業で理解できなかった問題の質問対応や、効果的な学習方法のアドバイス、さらには進路相談、事務作業まで多岐に渡ります。
単に知識を教えるだけでなく、生徒一人ひとりの悩みや不安に寄り添い、モチベーションを高める役割も果たします。また、チューターの業務は学習指導に留まりません。事務作業や保護者対応など、塾の運営をサポートするさまざまな仕事も含まれます。
塾のチューターと塾講師の違い
「チューター」と「塾講師」は異なる役割を担っています。
チューターは、授業ではなく生徒の悩み相談や学習方法のアドバイスを主におこないます。
一方で塾講師は、授業を通して生徒に勉強面の指導をおこなうこと、成績を上げることがおもな業務です。担当する教科やクラスが決まっており、生徒の学力向上に直接的に関わります。そのため、担当生徒の成績を上げる指導ができるか、という点で評価されることが多い仕事です。
塾にチューターがいるメリット
チューターが塾にいることで、生徒にとって講師には聞きづらいことも気軽に質問することができたり、受験を乗り越えるうえでの適切なアドバイスを受けることができます。
精神的に厳しい状況になり得る受験生活のなかで、塾講師とは異なる方法で生徒をケアするチューターというポジションの学生がいることで、生徒の心の支えとなります。
また、雑用の一部を担うこともあるため、塾講師がより教育に専念するための助けともなるでしょう。
大学生が塾のチューターとして働くメリット
塾のチューターとして働くことは、将来のキャリアに活かせる経験になるでしょう。ここでは、チューターとして働くメリットを紹介します。
塾の生徒の成長に貢献できる
塾のチューターは、生徒にとって身近な先輩です。自身の受験経験や学習方法を直接伝えることで、生徒の学習意欲を高められる存在となるでしょう。
同じ道を歩んできた先輩として、生徒の悩みや不安に共感し、より親身なアドバイスをすることも可能です。塾の生徒の成長に貢献できるチューターの仕事は、教育関係の仕事に就いたときや、後輩育成の立場になったときの貴重な経験となるはずです。
コミュニケーション能力が上がる
チューターとして働くことで、年齢や立場が異なるさまざまな人と接する機会を得られ、コミュニケーション能力の向上が期待できます。
【チューターが求められるコミュニケーションの例】
相手 | 求められるコミュニケーション例 |
---|---|
生徒 | ・効果的な学習方法のアドバイス ・進路相談 |
保護者 | ・生徒の学習状況の報告(電話やメール) ・塾での様子や進捗の共有 |
講師やスタッフ | ・生徒の様子に関する情報共有 ・業務連絡や引き継ぎ |
生徒とのやり取りでは、学習相談や進路相談を受ける際に、わかりやすく説明する力や相手の気持ちを理解する力が養われます。
保護者の電話対応では、礼儀正しく、かつ的確に情報を伝える能力が身につくでしょう。講師やほかのスタッフとの連携を通じて、チームワークやビジネスマナーも学べます。コミュニケーション能力が向上すると、相手の意図を適切に理解できたり、自分の考えを順序立てて伝えやすくなったりします。
また、状況に応じた柔軟な対応力も身につき、円滑な人間関係を構築する力が養われるでしょう。
課題解決能力が身につく
チューターは、生徒一人ひとりが抱えるさまざまな課題に向き合います。
たとえば、学習意欲の低下、特定の科目への苦手意識、時間管理の難しさなど、生徒それぞれに課題があります。これらの問題に対して個別にアプローチし、解決策を見出す必要があるのです。各生徒の学習進捗や心理状態を把握し、問題が大きくなる前に予防的な対策を講じることも求められます。
また、チューターは生徒だけでなく、保護者や塾講師と連携して課題解決にあたる機会もあるでしょう。多角的な視点から問題を分析し、より効果的な解決策を見出す力が身につくでしょう。
塾のチューターに向いている大学生の特徴
塾のチューターとしての仕事は、自己成長や将来のキャリアを見据えた経験を積みたい大学生にとって大きなメリットとなるでしょう。
以下より、チューターに向いている大学生の特徴を紹介します。
対人コミュニケーションに積極的な方
塾のチューターは、さまざまな人とコミュニケーションを取ることが好き、得意な大学生に向いています。
生徒と自然な会話ができれば、その分親しみやすさを感じてもらうことができるでしょう。生徒も悩みや質問を気軽に相談しやすくなり、よりよい関係性が構築できます。
また、チューターは生徒とだけでなく、保護者やほかのスタッフとも関わる機会が多くあります。多様な関係者と円滑にやり取りができる方は、情報共有や協力体制の構築がスムーズにおこなえるでしょう。
責任感をもって仕事に取り組める方
塾のチューターには、生徒との信頼関係構築のために高い責任感も必要です。一人ひとりの生徒に真摯に向き合い、成長を最後まで見守る姿勢が求められます。
たとえば、チューターには生徒から質問が寄せられるケースが多く見受けられます。その場で答えられない質問を受けた際でも、次回までに調べて伝えるなど、確実にフォローアップする姿勢が大切です。
時間や労力を最大限活用し引き受けた仕事を最後までやり遂げる責任感をもち、生徒の課題解決に尽力できる方に向いている仕事といえるでしょう。
教育に関心がある方
塾のチューターは、学校の教師を目指していたり、教育分野に教育系の職業に大学生に適した仕事です。
チューターとしての経験は教育について深く学ぶ機会となり、将来の教育関係の仕事に就く際にも貴重な財産となります。自身の興味を深めスキルを磨きながら、生徒の成長をサポートできる喜びにもつながる、やりがいのある仕事といえます。
就職活動でのアピールポイントを作りたい方
塾のチューターの経験は、就職活動でのアピールポイントとなります。
就職活動では、履歴書や面接で「ガクチカ」と略されている「学生時代に力を入れたこと」を聞かれます。塾のチューターとして努力した点や、貢献できた点は、強いアピールポイントになるでしょう。
また、チューターという仕事を通して養われるコミュニケーション能力、課題解決能力などは、多くの企業が求める素質です。
とくにアピールできる点の例としては、生徒の学習意欲向上への働きかけや困難を抱える生徒の精神的サポートをおこなった結果どうなったか、保護者やほかのスタッフとの連携によって達成できた課題はなにか、といったものが挙げられます。
具体的な経験を語ることで、自身の成長や貢献度を明確に伝えられるでしょう。
チューターとして働く塾の選び方
学業との両立を図りつつチューターとして充実した経験を積むためには、自分の状況や条件にあった塾を見つけることが重要です。 そこで、チューターとして働く塾を選ぶポイントを紹介します。
過去に通っていた塾を選ぶ
チューターとして働く塾を選ぶ際、過去に自身が通っていた塾はおすすめです。
既に環境や雰囲気に馴染みがあるため、スムーズに業務に適応できる可能性が高いでしょう。
顔見知りの講師や先輩、後輩がいることで、人間関係の構築に苦労することも少なくなります。
また、現在の生徒と自身が受けてきたカリキュラムが同様のため、学習面での悩みや不安に対してより親身になって相談に乗りやすいという利点もあります。
自宅や大学から近い塾を選ぶ
塾のチューターの仕事は、主に夕方以降の時間帯に集中します。
自宅や大学から遠い場所にある塾に通うと、出勤時間が限られてしまったり、長時間の移動によって疲労がたまったりする可能性があります。
塾のチューターは、大学の講義後や休日に勤務することが多いため、時間を有効活用するためにも、自宅や大学から近い場所にある塾を選ぶことをおすすめします。
近場の塾を選ぶことで通勤時間を短縮でき、学業との両立がしやすくなるでしょう。
給料や勤務時間で選ぶ
給料や勤務時間は塾や校舎によって異なるため、ご自身が求める基準に達するかどうかで選ぶことが大切です。
時給や月給などの給与形態、昇給や交通費支給の有無などを確認しましょう。勤務時間は、学業やプライベートとの両立が可能かどうかを吟味する必要があります。もしも複数の塾を検討している場合は、募集要項を比較し、自分にあったほうを選びましょう。
塾のチューターは自分自身と生徒の成長を実感できる仕事
塾のチューターとしての仕事は、生徒の成長をサポートしながら、自分自身のコミュニケーション能力や課題解決力を磨くことも可能です。
また教育への関心をより深め、将来のキャリアに活かせるスキルを培う絶好の機会にもなります。チューターに向いている大学生の特徴を理解し、自分の条件にあった塾を選ぶことで、より充実した経験を得られます。
塾のチューターは、学業との両立を図りつつ自己成長と社会貢献を同時に実現できるという点で、大学生にとって理想的な選択肢のひとつといえるでしょう。