その原因のひとつに、塾で受けているテストの活用方法が間違っているために、伸び悩んでいるというケースがあります。
塾のテストには、これから学習するべき道しるべともいえる重要な情報が詰まっています。結果のとらえ方や、役割を知るだけで成績を伸ばすチャンスになります。
そこで今回は、塾でおこなわれるテストの役割や、結果をどのようにとらえていけばいいのかなど解説していきます。
また、記事後半では小学生・中学生の全国テストにもついても解説していきますので、出題される問題の傾向や難度について知りたい保護者の方もぜひご確認ください。
塾のテストは大きく分けて2種類
塾で実施されるのは、大きく分けて「塾内テスト」と「全国テスト」の2種類。いずれも無料で実施されることが多く、結果が記録されていくため、成績の伸び幅をわかりやすく分析することができます。
同じ成績を確認する試験であっても、それぞれの役割や活用法が異なるため、把握して受験することが大切です。
とくに、「全国テスト」は塾生以外でも受験できるため、積極的に受験し上手に活用してほしいところになります。
塾でおこなわれるテストの役割や活用方法について、次より詳しく確認していきましょう。
塾内テストは理解度と次の課題の仕分け作業に活用
まずは、塾内テストから解説していきます。塾内テストには、主に以下の3つがあります。
これらは総じて開催頻度が高く、主に学習状況を把握するために活用されています。
ここからは、それぞれの詳しい目的や活用方法について解説していきます。
確認(実力)テストで日々の成果を確認
実施内容としては、これまでの学習に対しての復習が主になります。そのため、学校の試験のリハーサルのようなものといえるでしょう。
活用方法としては、間違った問題を見つけることによって次の課題を確認するためのきっかけにすることが大切です。
点数は気になるところですが、点数だけにフォーカスするのでは、せっかくの機会を活かしきれていません。
これからの課題やまだ学習が必要な点を見つけるための機会として、ポジティブに考え活用していきましょう。
大手塾ではクラス分けテストで学力の向上を目指す
入塾時や入塾後に実施することによって、そのときの学力に応じたクラスで受講できることを目指したものとなっています。
塾によってはクラス分けテストだけではなく、全国統一模試などの結果も含めてクラス分けをするケースもあります。
クラス分けテストを活用することによって、より効率よく学力の向上を目指せるだけではなく、上位クラスになるなど目に見えた結果でモチベーションを高く保持できるでしょう。
また、レベルの高い上位クラスでは、優秀で実力のある講師が教壇に立つことも多いため、より学力の向上を目指すのであれば、クラス分けテストに力を入れましょう。
レベルの高い塾の入塾テストは最初の受験
しかし、通う生徒が多い・レベルが高いといった塾では、レベルの振り分けが目的ではなく入塾して授業内容を理解できるかを測るための「入塾テスト」を実施しているケースもあります。
試験に合格しなくては塾に通うことすらできないため、入塾テストが持つ意味合いが大きく変わります。生徒にとっては最初の受験ともいえるでしょう。
四谷大塚など試験として入塾テストを実施している塾は、ある程度レベルの高い子どもが通っているため、難関校を狙っている場合などライバル同士としてモチベーションを保ちやすいというメリットがあります。
このように、塾によって入塾時のテストは目的が異なるため、あらかじめ下調べをしておくことをおすすめします。
塾のテストや対策講座を活用して学校の定期試験にも備える!
塾で実施されるテストで経験を積み、学校の定期試験でいい結果を残すことは、理想的なテストの活用方法のひとつです。
また、ほんの一例ですが以下の表のように定期試験対策として特別カリキュラムを組む塾があります。
塾名 | 個別指導の明光義塾 | TOMAS | 個別指導のone塾 |
---|---|---|---|
指導形態 | 個別指導 | 個別指導 | 個別指導 |
対策開始時期 | テスト範囲にあわせて開始 | 自由 | 約2週間前 |
対象 | ・2つのコースに分かれて対策 | ・生徒の希望にそった指導 | ・理解している部分と理解していない部分を仕訳し学習をすすめる ・oneトレを利用し間違った問題の理解力を深める |
個別指導の明光義塾では、「苦手分野克服コース」「理系強化対策コース」の2つに分かれ、定期試験の重要ポイントを確認しながら対策をします。
TOMASは、学校の授業進度やクラブ活動などの学校行事に合わせた、自由度の高い時間割で定期試験対策をおこなっています。苦手教科の点数を伸ばしたいなどといった要望に応じて指導するため、受講数も個人で設定することが可能です。
個別指導のone塾では、50,000題もあるデータベースから、間違った問題と似た問題を何度も復習する「Oneトレ」を活用し理解を深め定着を狙います。そのため、苦手意識の克服にも役立つでしょう。
定期試験対策を実施している塾は、個別指導の塾であることが多いです。個人にあった試験対策ができるため、学校の成績を伸ばしたいという方に塾のテストや定期試験対策は最適といえます。
全国テストは受験本番に向けた力試し
全国テストは、塾生以外にも小・中学生といった入塾していない生徒も受験可能であるため、自分の実力を測るために最適の試験です。無料で開催していることが多く、受験者数が多いのも特徴です。
また、中学・高校受験に焦点をあてた試験であるため、「記述力」や「思考力」が重視されています。
ただし、全国テストを実施している塾は限られています。そのなかでも、実施規模の大きい塾を小・中学生それぞれ2つずつ解説していきましょう。
塾生ではない方も受験できるので、ぜひ参考にしてみてください。
小学生を対象に全国規模で実施される「四谷大塚」
中学受験を目標として通塾する生徒が多いため、全国テストの問題の難易度としては高い傾向にあります。
また、ほかの塾に通う生徒、そして塾に通っていない一般小学生も受験することが多いため、全国的な実力を測る試験としても高く評価されているのが特長です。
名称 | 全国統一小学生テスト |
---|---|
対象学年 | 小学1年~小学6年 |
開催期間 | 6月・11月 |
受験料 | 無料 |
試験形式 | マークシート形式 |
出題傾向 | 基礎力と応用力をバランスよく問う |
特徴 | ・全国テストのなかでは最も大規模 ・出題問題のレベルは高め |
特典 | ・小学3~6年の上位30名に褒賞授与 |
四谷大塚では、一度受験すると「全国統一小学生テスト会員」に登録され、次回開催日が近づくとお知らせが届くなど、受験漏れがないように配慮されています。
また、受験成績が記録されているため、受験するたびに偏差値など学力の推移を測ることが可能です。
「日能研」は問題がすべて記述式なのが特徴
そのため、全国テストの難易度としては中間程度であるものの、記述式の問題のみ出題されるため、「考えをまとめる力」や「答えを導き出す力」が問われます。
名称 | 全国テスト |
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対象学年 | 小学2年~小学5年 |
開催期間 | 年2回 |
受験料 | 無料 |
試験形式 | 記述式 |
出題傾向 | 応用力が重視される |
特徴 | 記述式の問題が多い |
特典 | 成績優秀者には特待生制度が適用される |
日能研の全国テストは、子どもがすぐに見返せるよう回答用紙は会場でスキャンし、採点をせずにその場で返却されるようになっています。
そして、試験の翌日にはスキャンした回答に採点したものと、講師からのメッセージが塾生専用サイトで配信されるなど、フィードバックが早いのが特徴です。そのため、今後の学習に素早く結果を取り入れられるテストとなっています。
難関校を目指す受験生におすすめしたい「駿台中学部」の全国テスト
大手予備校のひとつである駿台の中学生部門である駿台中学部では、「駿台中学生テスト」を実施しています。
駿台が築き上げてきた半世紀近い膨大なデータを基に、難関校にあわせたオリジナル問題が出題されており、難易度は高め。
駿台中学生テストは、塾生外からの受験者数も多く、全国テストとしては最大規模と称されています。
名称 | 駿台中学生テスト |
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対象学年 | 中学1年~3年 |
開催期間 | ・中学1~2年:年4回 |
受験料 | ・中学1~2年:4,500円(税込) |
試験形式 | 記述式 |
出題傾向 | 難関校にあわせたオリジナル問題 |
特徴 | 出題問題のレベルが高いため、偏差値が低く出る傾向がある |
特典 | ― |
駿台中学生テストの結果は、個人成績・資料などをあわせた冊子形式となっており、2週間程度で自宅に送付されます。
国公立・私立ともに難関校を目指している中学生が多く受験するため、ほかのテストに比べ偏差値が低く出る傾向にあります。
「東進ハイスクール」は中学生を対象に最大規模のテストを実施
四谷大塚で開催される「全国統一小学生テスト」と同様に、全国各地で受験をする中学生が多いため、最大級の全国テストといえます。
名称 | 全国統一中学生テスト |
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対象学年 | 中学1年~3年 |
開催期間 | 6月・11月 |
受験料 | 無料 |
試験形式 | マークシート方式 |
出題傾向 | ・中学1~2年:学習指導要領にそったもの |
特徴 | ・志望校はもちろん、大学入試を想定したランクがわかる ・細かい診断レポート |
特典 | 決勝大会成績優秀者に賞品 |
全国統一中学生テストでは、試験結果の診断レポートが特徴的です。
教科別・学年・全学年・都道府県など細かなジャンルに分け診断したものが送付されるため、自分の位置を明確に理解できます。
また、難関校合格までに必要な課題などを教科ごとに示したレポートを受け取れるため、これからの学習に役立てることができるでしょう。
塾のテスト活用法まとめ
ただ点数に着目するのではなく、テストの内容や間違えた問題にフォーカスし、改善していくことが大切なのです。
塾のテストは、次へ進むためのステップのひとつとして活用していくよう心がけたいですね。
また、お子さんの学力を測りたい、志望校への合格可能性を見定めたいという場合には、全国テストに挑戦をしてみましょう。
記事内で紹介したように無料で開催されているものもあるので、気になる方はぜひ一度チャレンジしてみてくださいね。