子どもは一人ひとり異なる個性を持っており、勉強が苦手な子もいれば得意な子もいて、得意な教科もさまざまです。その日にあったことで落ち込んだり悩んだりすることもあるでしょう。
愛知県にある「つくし学園」は、生徒一人ひとりと向き合って指導をおこなう学習塾。勉強の指導だけでなく、悩みを持つ生徒に対して心のケアもおこなっています。
今回は発達障害を持つ子どもの指導にも力を入れる「つくし学園」塾長の伊藤 文敦さんにお話を伺いました。
お子さんが集団での学習になじめず悩んでいる方、子どもの個性を尊重してほしいと考える保護者の方はぜひご覧ください。
つくし学園では学びの実践の場を用意
ー本日はよろしくお願いします。まずは「つくし学園」がどのような塾なのか、概要を教えてください。
伊藤 文敦さん(以下、伊藤):つくし学園は、小学生から高校生、高卒生までを対象に、授業の補習から受験対策までおこなう進学・補習教室です。
入塾試験をおこなって生徒を選抜するような塾もありますが、つくし学園は入塾試験のようなものがなく、成績が良い子も悪い子も、勉強が苦手な子も受け入れています。
ー他社にはない「つくし学園」の強みについて具体的に教えてください。
伊藤:まず、マンツーマンや集団授業ではなく、「グループ型の個別指導」をおこなっていることですね。問題が解けたら先生のところに持っていくというスタイルを取っています。
これにより、生徒一人ひとりにあわせたきめ細かい指導が可能です。集団授業の場合は子どもの出来具合や、その日の状態にあわせた進行ができません。また、マンツーマンでも熟練度が高くない先生の場合は生徒の出来具合や状態を見極めるのは難しいでしょう。
つくし学園では、指導能力の高い講師が少人数の生徒を見ていますので、簡単に進めるところは短く、時間をかけてやったほうが良いところは時間をかけ、苦手なところをしっかりと学べます。
なかにはどんどん学習が進み、学年を超えて内容を先取りしている教科がある生徒もいますよ。1科目でもテスト勉強が不要なレベルに到達すると視野が広がります。
それから、単に学習の進行具合や理解度を見るだけでなく、それぞれの生徒について、その日その日の「様子」を読み取ってケアすることもほかにはない特徴です。
子どもたちは、その日に学校や家であったことによって落ち込んだり悩んだりすることもあるでしょう。塾に来たときの表情や挨拶の仕方などから子どもの様子を読み取り、何かあったようであれば休憩時間にちょっと聞いてみて寄り添うようにしています。
子どもの悩みのなかには、できるだけ早く解決したほうが良い深刻な悩みもあるので、そんなときは話を聞いてあげることを優先したほうが良いと考えています。
勉強は後からでもカバーできますし、先に心のつっかえを軽くしたほうが却って勉強に身が入るということもあります。
ー「つくし学園」ならではのお取り組み内容についても教えてください。
伊藤:野外教育といいますか、キャンプやスキー合宿を開催しています。これらはもちろん楽しいものなのですが、単なる遊びだけではなく、普段、紙の上だけで勉強している内容を実践して活かす場として活用しています。
たとえば、キャンプであれば山間部で河原の石を調べたり、山の岩石を調べたりします。また、自然だけでなく祭りなどの伝統文化に触れるなど、勉強の枠組みを超えた体験ができます。
家から離れて3日間過ごすため、不登校だったり引きこもりがちだったりする子どもが自立に向かい、違う1歩を踏み出せるような機会になればこれ以上のことはないですね。
また、先ほど説明した生徒の悩みについても、悩んでいる子にいきなり聞くのは失礼なので、泊まりがけイベントでは夜に話しやすい時間を作って、自然と話してくれることを待っているところもあります。
キャンプではさまざまなことを自分でおこなわなくてはなりません。自分でご飯を作ってみると、ご飯を毎日作ることの大変さがわかりますので、自然と家の人へ感謝の気持ちが生まれます。
私は常々、感謝を感じている子は辛いときに頑張れると思っていまして、家の人へのお手紙やはがきを書く時間を設けることで、家の人がしてくれていることが感じやすくなるんじゃないかなと思っています。
ほかにも芋掘り大会や博物館見学などをおこなっており、学力面だけでなく、すべての面で子どもたちに輝いてほしいと願って活動しています。
ー野外教育活動に参加したお子さんの反応や、保護者の方の感想はいかがですか?
伊藤:学校ではあまり自分から話すことのない、おとなしめの子どもを持つ保護者の方からは、「つくし学園の行事の帰り道は、ずっとそのことをしゃべっている」という感想をいただきました。学校や家族の行事ではそんなことはないそうで、「つくし学園の行事には必ず参加させます」とおっしゃっていましたね。
また、発達障害の傾向がある子どもを持つ保護者は、「つくし学園にいるときは、その子が本当の姿になれる」とおっしゃっていたのが印象に残っています。
その方は学校とのやりとりや学習の遅れで悩んでいたのですが、つくし学園に来ると子どもが元気いっぱい飛び回っていたので、それがうれしかったのでしょう。
キャンプやスキーに参加している子どもはのびのびやっていて、心が軽くなっているような感じが伝わってきます。
心のふれあいを持ち、共有できる講師を採用
ー講師の方の採用基準について教えてください。
伊藤:つくし学園では指導方法などに特徴があり、時間を重ねないとなかなか理解できない部分があります。このため、ある程度長期間、腰を据えてやっていただける方が必要です。
つくし学園では「塾食」という、長時間の授業の休憩時間にみんなでカレーを作って食べる機会があるのですが、一緒に食事をして、一緒に笑ってみたいな、そんな心のある人がいいですね。
ただ勉強だけ見てるという感じではなく、人間的な心のふれあいを持って共有できる人かどうかっていう部分を注意深く見ています。
それから、子どもと年齢が近い若い方も積極的に採用しています。年が離れているとお互いに聞きづらいこともありますが、そこをカバーしてくれるお兄さん、お姉さん的な存在は必要と考えています。
ー講師の方が指導する上で、心がけていることはありますか?
伊藤:
学習面でのつまずきをしっかり捉えるということです。その後にどのあたりに戻ったらいいのかとか、ただ1番から順番に教えて終わりではなくて、たとえば3番のところでつっかえているなら、3番に関連するところに戻っていくということです。
そういう流れの組み方への配慮、あとは様子ですね。つくし学園に来たときの表情から挨拶の仕方から伝わってくるものがあるので、講師はそういうことも感じながら指導しています。
それから、先ほど強みのところでもお話ししましたが、生徒の様子を見て、生徒に寄り添いながらサポートすることを心がけています。
生徒一人ひとりにあわせてテキストを使い分ける
ーカリキュラムにこだわりのポイントなどあれば教えてください。
伊藤:特に算数、数学は、基本的なワーク教材がありまして、それをもとに小学校の低学年のお子さんには水道方式という考え方を取り入れた解き方、算数に関する考え方を取り入れたものとか、計算中心のプリントだとか、「文章題ドリル500」という文章題にも力を入れるように教材など、いろいろ用意しております。
中学生は、メインのテキストと、その後にサブのテキストが2冊扱うんですけれど、その2冊目は個々に合わせて3レベル用意していまして、その中でまた指定を変えていきます。
また今後展開される公立中学受験も今までの蓄積を活かして対応していきます。
基本テキスト、標準テキスト、発展テキストからどのテキストを使うかは、生徒一人ひとりにあわせて使い分けてやっています。
ー料金についても教えてください。
伊藤:料金は小学生、中学生、高校生ごとに異なりますので、以下の表をご覧ください。
【小学生】
コース名 | 時間/内容 | 料金 |
---|---|---|
2科目(算数・国語、算数・英語、算数特訓) | 週2回(80分) | 10,000円/月 |
4科目(算数・国語・理科・社会) | 80分を2回 | 12,000円/月 |
120分を2回 | 14,000円/月 | |
5科目(算数・国語・理科・社会・英語) | 80分を3回 | 16,000円/月 |
強化コース | 80分を6回 | 30,000円/月 |
特訓コース(私立中学受験) | 10時間 | 45,000円/月 |
特訓コース(国立・公立中学受験) | 10時間 | 35,000円/月 |
ビーズアクティビティ | 英語での工作や料理教室 参加費500~1,000円(1回) |
※上記の価格は税込みです。
伊藤:また、単科コースもあり、こちらは週1回45分から80分で6,300円から15,000円です。料金は時間や学年によって異なります。
長期休暇に集中的に授業を受ける「パワーアップ」コースの料金は以下になります。
コース | 内容 | 料金 |
---|---|---|
小学生高学年基本コースA(4~6年生) | 80分授業を5回 | 10,000円 |
小学生低学年基本コースB(1~3年生) | 60分授業を5回 | 6,000円 |
※上記の価格は税込みです。
【中学生】
コース名 | 時間 | 料金 |
---|---|---|
Si-2 | 週2回 | 25,000円/月 |
Si-3 | 週3回 | 25,000円/月 |
Si-4 | 週4回 | 35,000円/月 |
※上記の価格は税込みです。
伊藤:週4コースは土曜日に2コマ設定して週3の通塾も可能など、いくつか注釈がありますので公式サイトをご覧ください。
小学生同様「パワーアップコース」があり、こちらは80分授業8回で20,000円です。
【高校生】
コース名 | 時間 | 料金 |
---|---|---|
Si-3 | 週3回 | 25,000円/月 |
Si-4 | 週4回 | 30,000円/月 |
Si-2 | 週2回 | 20,000円/月 |
※上記の価格は税込みです。
発達障害の子どもの能力を社会に活かしたい
ー今後の展望などありましたらお聞かせください。
伊藤:発達障害の子どもに対する指導をより充実したいと考えています。
発達障害は否定的にとらえられがちですが、発達障害を持つ子どもはある部分で高い能力を持っていることが多いです。それを活かして社会につなげていくこと考えています。
実際、30年の指導経験のなかで発達障害の子どもは本当に良いものを持っているというのが実感です。
つくし学園では授業が始まる前に、先生に向かって生徒が挨拶するだけでなく、先生も生徒に向かって挨拶するようにしています。これは発達障害を持つ子どもに教わったことです。
指導方法についても勉強ができない子どもから学んだことが多く、さまざまな指導方法の工夫ができたのはそのような子どもたちのおかげと感謝しています。
勉強ができないからとか発達障害だからと否定されることなく、のびのびかつ生き生きと生きていける場を作るのが理想ですね。
現在はつくし学園グループとして「しぜん農学校」を運営し、不登校や発達障害の生徒に対して農業を通じて自立を促しています。この活動をより充実させていきたいと思っています。
ー最後に、入塾を検討している読者の方へメッセージをお願いします。
伊藤:子どもは大人と違い、短い時間の間に大きな変化が起こる生き物です。実際、つくし学園を訪れた子どもはどんな子どもでも日々変化していると感じています。ハキハキとして、自信を持って生きていく感じに、逆にこちらがパワーをもらったりすることもあります。
たとえ今勉強などが苦手であっても、ふとしたきっかけで変わることがあります。どんな子どもも諦めずに、苦手と感じていることを含め、いろいろなことに取り組んで、向き合っていただきたいと思います。
変化は子どもによって小さかったり大きかったり、変化が起こるタイミングもさまざまです。つくし学園ではそれぞれの子どもに合わせ、心の面も含めて最適な指導を心がけています。
入学相談や体験は随時受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
■ 取材協力:つくし学園