学校や塾で授業を受けるだけ、解説を聞くだけといった受け身の学習が身につくと、子どもは自ら考えることをしなくなります。
岐阜県岐阜市にある「学志舎」では、子ども自らが考えて計画を立て、PDCAサイクルを回せるように講師陣がサポートしています。
計画を立てて実行に移したとき、失敗しても大丈夫。また計画を立て直してトライすればいいんです、その経験こそが子どもには大切なんです、と塾長の山田 勝登さんはいいます。
今回は、「学志舎」塾長の山田さんに取り組み内容について詳しくお話を伺いましたので、岐阜市で塾をお探しの方はぜひご一読ください。
生徒の自律を目指してサポートする学志舎
ー本日はよろしくお願いします。まずは「学志舎」がどのような塾なのか、概要を教えてください。
山田 勝登さん(以下、山田):「学志舎」は、生徒の自律を目指した集団個別の塾です。
基本的には小学生から高校生を対象にしていますが、年長さんにも対応しております。
学志舎では「智をつけよ そして人の為に活かせ」を指導理念として掲げていますが、生徒たちによく聞くんです。何のために勉強しているのか?と。
高校合格や大学合格は目標であって、目的ではありません。もちろん目標達成のためには全力を尽くしますし、塾はそのためにあります。
勉強本来の目的は、己のためだけじゃない。人が喜んでくれるために一生懸命学んで、学んだものを社会に出たときに活かすことだと。それを生徒たちにこんこんといっていますね。
ー他塾にはない「学志舎」ならではの強みや特徴について具体的に教えてください。
山田:自分で考えて自分で行動を起こせる生徒を一人でも多く育てたいというのが私の一番の想いとしてあります。
ですから、「自立」ではなくあえて「自律」という言葉を使い、自律学習によって学ぶ力が身に付くよう指導しています。それが強みですね。
具体的な取り組みとして、計画を立て実行する、いわゆるPDCAサイクルを回しています。
生徒一人ひとりが、計画表に日々の学習計画だけではなく、テレビを見る時間や遊ぶ時間も書きます。今日やるべき勉強をしたのだから、自分で決めたテレビを見る、遊ぶ。
我々は生徒が計画を立ててそれを実行することを大切にしておりますが、全員ができるわけではありません。
とくに夏休みなどは、計画表の通りにできていないところが出てきます。でも、そこが大切なんです。
その失敗をどのようにクリアしていくのか、遅れた分をどう挽回して行こうか話をして、計画をもう1度作り直すんです。
小さなミスというのはやってもらいたいんです。塾というのはミスをさせないところではなくて、小さなミスをどうやって自分で乗り越えていくか、訓練の場でもあると思うんですね。
そのマインドが社会に出ても大事だと思いますし、生徒がさまざまな問題をクリアしていける人になるよう、我々がサポートしています。
また、当塾は岐阜県でいち早く「コーチング」を取り入れて、生徒一人ひとりを褒めること、認めてあげる指導に力を注いでいます。
コーチングにはいろいろな技術・技法があると思いますが、子どもたちに明るい未来を見させてあげることを基本としています。
たとえば「勉強しなかったら○○高校には受からないよ」と、「これだけ頑張ると、この高校に受かるんだよ」では、言っていることは同じでも受け取るイメージが異なります。
我々は子どもたちに未来に対して明るいイメージを持ってもらいたいので、後者のような言い方で接しているんですね。
また、生徒からの質問に対しても講師がすぐに解説するのではなくて、何が原因で解けないのか、生徒自身が一生懸命考えて、自分なりの答えを導き出せるよう、講師はサポート役に徹します。
それから、当塾では国語力の指導に注力している点も強みです。
私はすべての科目の根底をなすのは国語力だと思っていますので、小学5年生以上の生徒には、新聞のコラムを書き写して感想を書く「コラムチェック」をおこなっています。
小学生は週1回、中学生は週2回、高校生は時事問題について感想を書きます。
子どもたちに世の中で何が起きているのか知ってほしいと思いますし、内容の是非はあるにせよ、コラムというのは非の打ち所のない文章です。
何十回とコラムを書き写すことによって、それなりの文章が書けるようになります。また、知識の引き出しが増えるという側面もあります。
たくさんの引き出しを持っていますと、これとこれを組み合わせればいいんだと、どんなジャンルについても対応できるようになるんですね。
コラムチェックに加えて、読書や辞書引きなどを通して子どもたちの語彙力のアップを図っています。
国語力が身に付くカリキュラムで将来の土台を作る
ー講師の方の採用基準があれば教えてください。
山田:中学・高校時代に、なるべく部活動や課外活動を一生懸命やっていた人を採用しています。
私が部活好きということもありますが、採用試験で学生の頃に何の部活をしていたか必ず聞くようにしていますね。
ー講師の方が生徒を指導するうえで心がけていることはありますか?
山田:とにかく生徒とたくさん話をするように心がけています。どんな話題にもすぐふれるようにするんです。
「この前、野球の試合があったの?」とか、「バレエ習いに行ってるんだよね?」とか。子どもって勉強以外の話を聞いてほしいじゃないですか。
すると、「この前、試合でホームラン打ったんだよ」とか「発表会だったんだ」とか、嬉しそうに話してくれるんですよね。
そういうコミュニケーションの積み重ねが、生徒との信頼関係を築くことにも役立っています。
ーカリキュラムにこだわりのポイントなどありましたら教えてください。
山田:小学部は6年生までのあいだで、その後の中学・高校で花開く土台作りをしなければいけないと考えていますので、速読と語彙力をメインに国語力が身に付くようなカリキュラムにしています。
小学校のときにそういった素地を作ってあげると、中学校や高校で困らなくて済むんです。
たとえば岐阜県の公立高校の入試では、国語の問題が6,500字くらいあります。
普通のお子さんだと1分間に400~600文字ほどのスピードで読みますが、それだと6,500字を読み終えるのに10分~15分ほどかかるんですね。
2回読むとどうなるか。1回読んだだけではわかりませんからね。30分はかかるわけです。
そうすると、試験の時間内で考える時間がほとんどありません。うちでは速読で1分間2,000字読むスピードを身に付けますので、早く読めることで考える時間ができ、それが試験などで大きなアドバンテージを持つんです。
これは国語に限ったことではなく英文にも当てはまります。速読、語彙力、読書は将来の大きな財産になると思いますね。
ー料金についても教えてください。
山田:授業料は小学生が5,500円(税込)~、中学生は1コマ4,950円(税込)~となっておりますが、詳しい料金は公式ホームページをご覧ください。
毎月の授業料のほかに、入塾金や学力サポート費、教材費、学力テスト、検定料が別途かかります。
子どもが本来持っている力をどれだけ出せるか
ー今後の展望などありましたら教えてください。
山田:田植え・稲刈り・収穫祭、10人1チームでおこなうマラソンなど、毎年のようにおこなっていた数々のイベントが、コロナ禍ということもあり縮小傾向にありました。
去年は座禅とオールナイト学習会を実施できましたが、今年は1つでも多くイベントを開催したいですね。
イベントというのは直接学力につながるものではありませんが、四季を肌で感じることは非常に大切だと思っています。
たとえば、我々は昔ながらの鎌を使った稲刈りをするのですが、稲穂から落ちる米粒を「もったいない」と一粒でも拾う生徒が出てきます。そういう子は、ご飯を残さなくなります。
また、10人1チームで42.195kmを走るマラソンリレーでは、たすきをつなげる意味や想いが伝わるんですよね。
互いに励まし合いながら、次につなげるチームプレーは、その後の受験などにも役立つんです。とくに小学生には絶対必須なものだと思います。
ー最後に、読者の方へひと言メッセージをお願いします。
山田:保護者の方には、もっと楽に子育てしてほしいなと思いますね。
とくにお母さんのお仕事というのは世界で一番大切なのですが、愛情をいっぱい注いで一生懸命になって、肩に力が入っている方もいらっしゃいます。
本当に力を抜いて、お子さんと学志舎に来てもらうといいかなと思います。
塾ですから成績を上げる、学力を伸ばすというのはもちろん使命としてありますが、子どもたちには「〇点取ったからOK」とはいいません。
たとえば、みんなが同じトレーニングをしたからといって50m走で7秒を切れるとは限りません。みんなが同じ練習をすれば、オペラ歌手みたいに上手に歌えるかというと、それはありえない話です。
みんな持っている素質が違うからです。勉強についてもそうです。
私が大切にしているのは、子どもが本来持っている力をどれだけ出せるか?です。自分の力を100%出したお子さんは、同じことをいいます。「まだまだできるわ」と。
お子さんと一緒に必ず次の景色を見に行きます。私はこれを学志舎でやり続けたいと思っています。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました!
■取材協力:学志舎