厳しい指導で生徒の成績アップを目指す塾、アットホームな雰囲気で生徒のモチベーションを上げる塾など、学習塾にはさまざまなタイプがあります。
ときには厳しい指導も必要かもしれませんが、楽しい雰囲気のなかで「自ら学べる人」に成長してほしいという方もいることでしょう。
今回は、神奈川県の地域密着型学習塾「国大Qゼミ」を運営している、「株式会社理究」の伊藤先生にお話を伺いました。
叱るよりもほめることを大切にしながら、塾のいらない「自学者」の育成を目指している「国大Qゼミ」。
神奈川県在住の方や、勉強の習慣を子どもに楽しく身につけさせたい方は、ぜひ読んでみてください。
小学生から高校生まで“ほめて伸ばす”学習塾
ー本日はよろしくお願いします。神奈川県に全11校舎を構える「国大Qゼミ」ですが、どのような学習塾か教えてください。
伊藤さん(以下、伊藤):当塾のルーツは幼児教室で、1984年に横浜国立大学の故・依田明教授が、ご自身の研究分野である発達心理学や児童心理学の実験的活動の場として立ち上げた「どんちゃか村 学力向上道場」がそれです。
そこに通う子どもたちが大きくなると、「小学校の勉強や中学受験の面倒も見てほしい」という声が保護者の方々から上がるようになりました。
その声に応えるために「どんちゃか村」の運営を手伝っていた大学生たちが始めた学びの場が、「国大Qゼミ」です。
学習塾というと、殺伐としたなかで熱血指導をするというイメージもあるかと思います。しかし、「国大Qゼミ」はそのような殺伐とした雰囲気は一切なく、アットホームな学習塾であることが特徴です。
また、「国大Qゼミ」とは別に、0歳から6歳までの幼児教室「どんちゃか幼児教室」や幼稚園・小学校受験の「理英会」も運営しています。
それも含めると、0歳から18歳まで幅広い年齢の生徒をお預かりする教育機関であるということも特徴のひとつですね。
ー「国大Qゼミ」の教育理念についてお聞かせください。
伊藤:「国大Qゼミ」では、「かわいくば、二つ叱って三つほめ、五つ教えてよき人にせよ」という理念を掲げています。
これは、もともと江戸時代の農政家・二宮尊徳(にのみやたかのり)が詠んだとされている道歌で、その言葉の順番を入れ替えて当塾の指導理念として用いています。
「二つ叱って三つほめ」なので、ほめるほうが多いですよね。私たちは大人として、目の前にいる子どもたちを叱らなくてはいけない場面があります。
ただ、叱ったらそれ以上にほめることが大切だと考えているので、とにかくほめて伸ばしてあげることを基本に指導しています。
ーたしかに、ほめられると「次は何をしようかな」と考えることにつながるような気がします。
伊藤:大人でも、ほめられて嬉しくない人はいませんよね。
ほめられるということは小さな成功体験につながると思うので、その小さな成功体験を積み重ねて大きな成功に導いてあげたいと考えています。
目指しているのは「自学者を育てる」こと
ーほかの塾にはない、「国大Qゼミ」の強みについて教えてください。
伊藤:集団指導、個別指導のほか、最近ではICT(情報通信技術)をうまく使用した形の学習塾がありますよね。学習塾というと、いずれかの形式をそれぞれ独立させているところがほとんどでしょう。
「国大Qゼミ」では、1つの教室に集団指導と個別指導が共存しています。
入塾テストを受けてもらうと、5科目すべてが得意な子どもはなかなかいません。
たとえば「ほかの科目はできるが数学が苦手」という子どもの場合なら、苦手な数学だけは個別で指導したほうが伸びるんです。
生徒によって集団指導と個別指導を併用するということもよくあります。
もちろん、どちらかだけを選択することも可能ですが、「中間を取りたい」というニーズにも対応できるのが大きな強みですね。
ー集団指導と個別指導のどちらにするかは、いつどのようにして決めるのでしょうか?
伊藤:まず、入塾時に私たちから指導方法を提案して、ご納得いただいたうえでスタートします。
入塾してから、ある科目が突出して苦手になってきたり、逆にすごく得意になってきたり、ということもあります。
集団になるとどうしてもある層にターゲットを絞って授業してしまいますよね。
私たちは「浮きこぼれる」と表現しますが、できる子はどんどんできるようになるので、集団指導のなかでは浮きこぼれてしまうんです。
そのため、入塾してからも必要に応じて個別指導を提案していますね。
ー入塾後も柔軟に指導方法を変えてもらえるのは心強いです。「手とり足とりお世話塾」のキャッチフレーズのとおりですね!
伊藤:「国大Qゼミ」全体では、「自学者を育てる」ことを目標にしています。
自分で勉強ができるようになれば、もう塾がいらなくなりますよね。それが教育の理想であり、そのためにさまざまな方法で手取り足取り教えてあげながら、最後は自学者として自立させてあげたいと思っています。
その方法として説明させていただくと、集団指導の場合はわからないところが出てきたり、テストで不合格になったり、そういうことを一つひとつ拾ってあげるのが使命だと思うんです。
そこで、中学生のコースでは授業後30~40分の「やりきりタイム」、中学受験のコースでは授業後の「質問タイム」を設けています。
そのほか、非受験の小学生には「おたすけ広場」という形で補習の時間をつくっています。
明るさ・楽しさ・元気さ・素直さ・賢さを兼ね備えた講師陣
ー小学部には6つのコースがあるようですが、特徴のあるコースについて詳しくお聞かせください。
伊藤:もっとも特徴的なのは、「まなび道場」という非受験の小学生向けのコースです。
彼らにとって初めての受験は高校受験ですよね。
このコースでは、小学3年生から6年生までまなび道場に通い、小学校卒業後に高校受験のコースに上がります。
最大7年計画で高校受験のためのベースをつくっていく流れですね。
まなび道場だけは、集団でも個別でもない「個別進度学習」という形態を採用しています。
非受験の小学生は習い事で忙しいので、曜日と時間を自由に選べるようにしているんです。
まなび道場は小学3年生から6年生までが混在している状況で、講師が1、2名つきます。
マンパワーだけで複数人の指導は難しいので、1人1台タブレットを使い、ICTの力をうまく借りてそれぞれの課題に取り組みます。
そして私たちは都度手助けをする、という形をとっています。
ー効果的にICTを取り入れつつ、講師の方の助けも受けられるのは安心できます。コースによって講師の方に違いはありますか?
伊藤:中学受験のコースは、全員が専門スタッフで、大学生の講師はいません。
一方で高校受験のコースの講師は、7割が専門スタッフで、3割大学生の力を借りています。その理由は、年齢差のギャップですね。
年齢の近い大学生の若い講師なら生徒たちも心を開きやすくなるので、コンタクトをとったり、やる気を引き出したりと活躍してもらっています。
ー講師の採用は、どのような基準でおこなっているのでしょうか。
指導をするにあたり6つの原則があり、そのなかの1つに「情熱指導の原則」というものがあります。
私たちは、何よりもまずこの「情熱」を持っていなければ、子どもたちの前に立てないと考えています。
一般的にも聞く言葉に「明・元・素(めい・げん・そ)」があるのですがご存じですか? 新入社員研修で教えられることが多いようですね。
新社会人には何よりも「明るさ・元気さ・素直さ」が求められるという意味です。私たちは学習塾の人間として、そこに「楽しさ」と「賢さ」の要素も必要だと考えます。
そこでQゼミでは 「明・楽・元・素+賢(めい・らく・げん・そ・プラスけん)」 という言葉を指導の際のモットーにしています。
講師採用においても、まずはこの「明・楽・元・素+賢」を備えているかどうかを重視しています。
個別指導をおこなう講師においては全員が大学生です。ただ、指導は学生講師でも、カリキュラムはすべて専門スタッフがつくります。
その専門スタッフたちが大学生講師にしっかりと情報を伝えて指導をさせるので、生徒一人ひとりが何をしているのか、すべての講師が把握した状態で指導ができていますね。
地域密着ならではの、質の高い指導を大切に
ーところでなぜ「国大Qゼミ」と言うのでしょうか?
伊藤:「国大」は最初にご説明したように、当塾のルーツが横浜国立大学の研究室にあり、創業メンバーが国大生だったからです。
「Q」は「クオリティ(quality)」のQで、質の高い教育を提供したいという思いが込められています。
また、私たちは地域密着を大切にしています。近隣の学校の行事はすべて把握していて、校舎の判断によるところもありますが、修学旅行などの期間には該当する学校の生徒については振替授業をおこなうなどの対応もおこなっています。
ー神奈川県在住の方にとって、安心して通える塾であると感じました!では、最後に入塾を検討している読者にメッセージをお願いします。
伊藤:学習塾を探している保護者のみなさんは、自身の子どもの学力に対して、さまざまな不安や不満を抱えているのではないでしょうか。
「国大Qゼミ」は、そのような不安や不満を1つずつ解消できる場であると自負しています。
当塾に通っている生徒や保護者のみなさんからは、「対応がよくて安心しました」「先生方の熱意が感じられました」などのコメントをいただいていますね。
また、大学受験コースについては、生徒一人ひとりの目標に合わせて最適で必要な講座のみを提案してくれて好感が持てた、という評価もいただいています。
何かお悩みで学習塾を探している方は、ぜひ「国大Qゼミ」にご連絡ください!
―本日は貴重なお話をありがとうございました!
■取材協力:国大Qゼミ