教科ごとのテキストの構成やポイント、活用法についても解説しながら、河合塾のテキストの魅力についてご紹介します。
河合塾大学受験科のテキストは入試逆算型!
河合塾のテキストの大きな特徴は、入試逆算型で作成されていることです。生徒を合格させるために、何をいつどのタイミングで教えるのかを逆算しています。限られた受検勉強期間のなかで、基礎や応用などをどの時期にどの順番でどれくらいの時間を割いて教えるかなどを徹底的に分析し、問題が配列されているのです。
参考書やテキストというより、問題集というイメージです。必要最小限の問題数に絞ることで、受験に必要なノウハウを効率よく身につけられます。
多くの大学入試で、河合塾のテキストと同じ問題が出題され、的中率の高さに定評があります。公式サイトの「ズバリ!的中」のコーナーで的中した問題を公表できるのは、最新の入試問題を徹底的に分析した上で、テキストを毎年改定している結果です。
公式サイトなどで「テキストで扱わなかった問題は入試に出ません」と言い切れるほど、講師陣が問題を厳選し、入念に作り上げたテキストといえるでしょう。
テキストの「T」と「無印」の違い
「サクセス・クリニック」という学力診断テストでレベル分けされ、テキストが決まります。開講前と夏期の年2回実施されるテストで、学力がどの程度かを分野別に細かくチェックされます。
標準の無印テキストで基礎を積み上げることも大事ですが、簡単すぎては意味がないため、Tテキストをもらえるように励むことをおすすめします。ただし、Tテキストが難しすぎてレベルにあっていない場合は身につかない可能性もあるので、必要に応じて講師やチューターなどに相談しましょう。
参考書や問題集は本当に必要ない?
志望校の過去問だけをひたすら解いていても、基礎が定着していなければ解けないのはもちろん、1問中に複数のテーマが融合された問題には対応できません。問題の構成や解き方の順番を理解しておくことが重要です。
河合塾のテキストと授業は基礎を万全にすることに重点が置かれており、入試で出題される融合問題の解き方もマスターできます。河合塾のテキストを授業前に予習しておき、授業後に復習すれば、受験に必要な学力が十分定着します。河合塾のテキストは合格に必要なノウハウをすべて網羅しているので、何度もやり直すことをおすすめします。
もし、何度繰り返してももの足りなかったり、不安に感じたりする場合は、自分にあった参考書や問題集に取り組んでも問題ありません。
テキストの構成やポイント
「予習→授業→復習」の構成がどのように確立できるのか、必要な学力をどのように身につけられるのかなど、テキストの内容について教科ごとに解説します。
英語
グラマー
予習用の「Warming Up Test」は、ポイントを把握しやすい内容のため基礎事項を確認でき、授業中の演習問題にスムーズに取り組めるように配慮されています。演習問題は重要事項を厳選した内容で、文法や語法を体系化して学べます。復習用の自習用補充問題は、解答や解説が詳しく説明され、授業後の知識の整理に役立ちます。
予習用と復習用の問題には、「英文法・語法サブテキスト」に対応する例文番号が付けられ、連動させながら例文を確認できます。
ライティング
さらに、巻末付録には書き方の基本ルールをまとめた「自由英作文の書き方」があり、参照することで自由英作文を書く力が養えます。
リーディング
授業中の演習問題は、英文内容の理解をより深く身につけられる内容です。復習用に活用できる巻末付録には例題と解説があり、授業で学習した構文をチェックできます。
数学
テキストは、学力基盤をつくる数学4冊、実戦力強化の演習テキスト1冊の合計5冊、別冊の「数学基本事項集」から構成されます。
数学4冊は、高校3年間で学ぶ内容を1年で習得できるように効率よく編集されています。単なる問題解法の解説ではなく、その背景にある重要事項を学べるように構成され、入試に直結する知識の理解と定着に役立ちます。
まず、基本的な予習用問題を解いてから巻末の解答を確認します。その後に授業で演習問題に取り組むことで、入試突破に必要な定理・公式をしっかりと習得できます。数学4冊で習得した内容をさらに発展的かつ総合的な演習テキストで使いこなすことにより、合格するための実戦力を身につけることが可能です。段階的に難易度がアップするため、無理なく学習を進められます。
「数学基本事項集」は、基本の概念・公式・計算技術をまとめたコンパクトな冊子で、大学受験科生全員に配付されます。常に携帯しておくことで、必要な知識の理解および定着をサポートします。
国語
私大現代文では、文語文や4,000字超えの文章に記述問題を含む問題も扱い、難関私立大に対応できるように作成されています。巻末には付録として、文学史問題が掲載されています。入試で出題される文学史の対策も可能です。サブテキストには、評論文に出てくる表現や文学史など重要なポイントがまとめられています。
古文では、予習用として文法の基本事項をまとめたドリルを活用します。授業では志望校や入試問題の傾向にあわせて2種類のうちいずれかの文章に取り組みます。サブテキストには、重要古語や文法事項の確認のほか、系図や図解もあり視覚的に知識が身につきます。付録には文法演習もあり、復習に役立ちます。
漢文総合のテキストは、過去の入試問題をベースに編集されています。頻出の句形をチェックしたうえで、白文に訓点を付けて書き下し、現代語訳にする能力を身につけることで、さまざまな文章に対応できる読解力を養えるように構成されています。サブテキストでは、句形の知識を整理できます。
理科
物理では、穴埋め問題による重要事項の整理と理解、基礎シリーズで重要事項の定着、完成シリーズで入試に必要な問題対応力を養います。
化学では、授業で扱う演習問題のほか、基本・必修・補充・復習・発展問題などの解答付き自習問題を掲載し、「予習→授業→復習」が可能です。
生物の解説編は、図表を使ったり資料を掲載したりなど、重点整理と理解を深めるための工夫を凝らした内容です。巻末の索引で生物用語のチェックにも活用できます。
地理歴史・公民
地理は、単純な暗記では身につかない論理的思考力の養成を目的としています。コンパクトに整理され、補足事項や併用資料の参照ページを掲載することで効率よく学習できます。
公民は、経済編と政治編にわかれ、見開きで基礎から発展まで理解を深められるよう構成されています。副教材に「時事資料集」があり、公民学習で重要な時事問題の理解を助けます。
テキストに直書きしても問題ない?活用法とは?
もし、テキストに直書きしたり、マーカーを引いたりしたほうが勉強しやすい場合は、自分流のやり方で構いません。ただし、テキストを繰り返して学習することを念頭に置いて使用しましょう。
河合塾のテキストに関するよくある質問
最後に、河合塾のテキストについて受験生からよく寄せられる質問をまとめました。受験対策に役立つ情報なので、ぜひ参考にしてみてください。
Q.河合塾のテキストは市販されていますか?
残念ながら、河合塾で使用されるテキストやその解答は市販されていません。テキストは受講申し込みをおこない、支払いが完了したあと、宅配便で届けられます。
なお、河合塾の授業で使用されるテキストとは異なりますが、河合塾グループの「河合出版」からは、河合塾の講師が執筆・監修したテキストや問題集が出版されています。
Q.模試の過去問題集は市販されていますか?
はい、市販されています。
河合塾で実施された模試の過去問題集は、前述した河合塾グループの「河合出版」から発行されています。河合塾の全国模試(マーク式)を収録した「共通テスト総合問題集」や、一部国立大学のオープン模試を収録した「入試攻略問題集」などがあります。
また、過去10年分の共通テスト・センター試験を収録した「共通テスト過去問レビュー」や、国公立大二次試験・私立大試験に特化した「入試精選問題集」をはじめ、受験対策に役立つ問題集のラインナップも豊富です。
詳しくは河合出版の公式サイトをご覧ください。
Q.Tテキストはどのくらいのレベルですか?
一般的に、Tテキストのレベルは東京大学・京都大学・主な国公立大学の医学部をはじめとした難関大学レベルとされています。
Q.テキストでわからない箇所がある場合は?
テキストでわからない箇所があるときは、いつでも講師に質問可能です。
通学の場合は、授業前後に講師が待機している「講師室」で対応してもらえます。映像授業を受けている場合は、専用サイトからWebでの質問が可能です。ただし、オンライン授業はWebからの質問ができません。
わからないところは、すぐに質問してクリアにしておくことが重要です。河合塾の講師は、疑問が解決するまで丁寧に向き合ってくれます。その都度質問して疑問を解消することで、着実に学力アップを目指せるでしょう。
河合塾のテキストまとめ
入試逆算型のテキストで、学習する時期にあわせて必要なことを体系的に学べます。また、「予習→授業→復習」ができる構成のため、テキストだけで入試に必要な学力が効率的に身につきます。何度も繰り返し学習できるように、テキストに直書きしないほうがおすすめです。