中学生のお子さんがいる保護者の方は、共に学習計画を立てたり家庭の予定を立てるなかで、高校受験がいつおこなわれるのか把握しておきたいという思いがあるでしょう。
試験日程だけではなく、願書の提出締め切り日や合格発表日なども把握しておきたいところです。
この記事では、高校受験の試験日や合格発表日などの日程を紹介します。公立と私立での日程の違いにも触れるので、中学生のお子さんがいる保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
高校受験の試験日程はいつ?
高校受験の試験日程は、公立と私立、受験方式の違い、お住まいの地域などによって異なります。一般受験と推薦受験の違いとともに、公立と私立の試験日程をそれぞれ確認しておきましょう。
なお、2026年度の日程はまだ公開されていないところも多いため、2025年度の日程も参考におおよその試験日程を紹介します。
一般受験と推薦受験の違い
高校受験の受験方式は、大きく分けて一般受験と推薦受験の2種類があります。
一般受験では、学力試験の成績と調査書の内容で合否を判定します。
推薦受験は在籍する中学の校長から推薦を受けて出願する方式で、面接や小論文と調査書の内容で合否を決定します。
公立高校の試験日程
公立高校については推薦試験の日程は1月下旬ごろ、一般入試は2月中旬~3月中旬におこなわれることが多い状況です。
【令和8年度の公立高校入試日程の例(※)】
| 都道府県 | 受験方式 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表日 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都(※1) | 推薦 | 1月9日~16日 | 1月26日・27日 | 2月2日 |
| 第一次募集および分割前期募集 | 1月30日~2月5日 | 2月21日 | 3月2日 | |
| 分割後期募集および全日制第二次募集 | 3月5日 | 3月10日 | 3月13日 | |
| 大阪府(※2) | 特別入学者選抜 | ・音楽科:2月3日~4日 ・それ以外の学科:2月16日~17日 | 2月14日~24日 | 3月2日 |
| 一般入学者選抜 | 3月4日~6日 | 3月11日 | 3月19日 | |
| 二次入学者選抜 | 3月24日 | 3月25日 | 3月26日 | |
| 愛知県(※3) | 推薦選抜 | 1月26日~2月2日 | 2月5日~6日 | 2月9日 |
| 特色選抜 | 1月26日~2月2日 | 2月5日~6日 | 2月9日 | |
| 一般選抜 | 2月6日~16日 | 2月25日~27日 | 3月10日 | |
| 福岡県(※4) | ・推薦入学者選抜 ・特色化選抜 ・連携型選抜 など | 1月21日~29日 | 2月3日~4日 | 3月19日 |
| 一般入学者選抜 | 2月9日~20日 | 3月10日~11日 | 3月19日 | |
| 補充募集 | 3月23日~25日 | 3月26日 | 3月30日 | |
| 神奈川県(※5) | 一般募集 | 1月23日~29日 | 2月17日~19日 | 2月27日 |
| 二次募集 | 3月3日~4日 | 3月10日 | 3月13日 | |
| 埼玉県(※6) | 一般募集 | 1月27日~2月10日 | 2月26日~2月27日 | 3月6日 |
| 千葉県(※7) | 一般入学者選抜、特別入学者選抜 | 2月3日~5日 | 2月17日~18日 | 3月3日 |
| 第2次募集 | 3月6日 | 3月11日 | 3月13日 |
※学科などにより試験日程は異なります。詳細はお住いの都道府県が公表している情報をご確認ください。
※1 参考:東京都教育委員会「令和8年度東京都立高等学校入学者選抜の日程について」
※2 参考:大阪府「令和8年度大阪府公立高等学校入学者選抜 日程表」
※3 参考:愛知県「令和8年度愛知県公立高等学校入学者選抜実施日程について」
※4 参考:福岡県「令和8年福岡県立高等学校入学者選抜日程等」
※5 参考:神奈川県「令和8年度神奈川県公立高等学校の入学者の募集及び選抜日程について」
※6 参考:埼玉県「令和8年度埼玉県公立高等学校入学者選抜の日程」
※7 参考:千葉県「令和8年度千葉県県立高等学校入学者選抜の日程について」
私立高校の試験日程
私立の試験日程ですが、公立高校入試よりも早い1月下旬~中旬に試験がおこなわれるケースが一般的です。
東京都・大阪府・愛知県・福岡県にある私立高校のなかから複数の学校をピックアップし、出願期間と試験日、合格発表日を表にまとめました。
なお、私立高校は受験形式が複数にわかれるため、ここでは一般入試の日程のみを紹介しています。
【私立高校入試日程の例(※)】
| 都道府県 | 高校 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表日 |
|---|---|---|---|---|
東京都 | 立教池袋高校(※1) | 1月26日~2月7日 | 2月13日 | 2月14日 |
大阪府 | 清風高等学校(※2) | 1月21日~27日 | 2月10日 | 2月11日 |
愛知県 | 名古屋高等学校(※3) | 12月10日~1月16日 | 1月21日 | 1月26日 |
福岡県 | 東福岡高校(※4) | 12月1日~2月6日 | 2月12日 | 2月17日 |
※最新情報は各高校の公式サイトなどをご確認ください。
※1 参考:立教池袋中学校・高等学校「高等学校入試」
※2 参考:清風中学校・高等学校「募集要項」
※3 参考:学校法人名古屋学院名古屋中学校・高等学校「2026年度高等学校入試 」
※4 参考:学校法⼈東福岡学園東福岡学校「⼊学試験要項 」
繰り返しになりますが、高校受験の出願期間や試験日程は高校によって異なります。
おおよその日程は上記で把握しつつ、志望校の試験日程はそれぞれのホームページや案内を確認してください。
高校受験に関するスケジュール|いつから準備を始める?
高校受験の入学試験自体は1~2日で終わりますが、そこに向けてしっかりと準備を重ねていく必要があります。
高校受験のおおよその流れは、以下のとおりです。
- 受験勉強開始
- 志望校別の対策開始
- 願書の提出
- 高校受験当日
- 合格発表
公立高校一般入試の日程は「2月中旬~3月上旬(都道府県によって異なります)」なので、多くのお子さんはそこを目標にして勉強のスケジュールを立てることになるでしょう。
ただし、「志望校の偏差値と自分の現在の偏差値」はそれぞれのお子さんによって異なるため、受験に向けていつから準備を始めるべきかに関して、明確なタイミングはありません。
まずは、全国規模の模試や通っている塾のテストなどを受けて、自分の現在の偏差値を把握することが重要です。目標とする偏差値までの差をきちんと把握することで、スケジュールを組みやすくなります。
また、高校受験には「内申点」も影響します。
お住まいの地域にもよりますが、中学校1年生のころからの内申点が影響する場合もあるため、中学校に入学した瞬間から高校受験のための準備は始まっているといえます。
内申点は12月ごろに確定するため、その結果を踏まえて実際に受験する高校を決めることになります。受験する高校が決まったら、その高校の出題傾向に特化した形の対策をするとよいでしょう。
高校受験の合格を目指すための勉強スケジュール
高校受験に合格するためには、あらかじめ1年間のスケジュールを決め、計画的に勉強を進めることが非常に大事です。ここでは、中学3年生の1年間でどのように勉強を進めるべきか解説します。
【4~7月】定期テスト対策と2年生までの復習
部活動や学校行事などで忙しい1学期は、まず定期テスト対策に力を入れることが大切です。定期テストの範囲でわからない問題があったらあと回しにせず、テスト当日までにすべて理解して解けるようにしておきましょう。
余裕があれば、2年生までの復習にも取り組んでおきたいところです。とくに積み上げが重要な数学や英語を重点的に復習しておくと、3年生で習う内容も理解しやすくなります。
【8~9月】苦手の克服と模試受験
まとまった学習時間が取れる夏休みは、苦手分野にじっくり取り組むチャンスです。ここで苦手を克服し基礎をしっかり身につけておくことで、秋以降の過去問演習へとスムーズに入っていけます。理科や社会の基礎固めが1学期にあまりできていなかった場合、夏休みの間に取り戻しましょう。
8月から9月ごろに実施される模試を目標に勉強するのもおすすめです。
【10~12月】過去問演習
模試の結果を踏まえて志望校を絞ったら、過去問演習に取り組みます。過去問は解きっぱなしにせず、解けなかった問題は必ず復習して、次回はしっかり解ける状態にしておきましょう。過去問演習を通して苦手分野や理解しきれていない分野が見つかったら、その都度基礎に戻って学習し直してください。
もちろん、授業の予習や復習も過去問演習と同時並行でおこなわなければなりません。「今日習ったことは今日のうちに復習して理解する」「授業中にすべて理解するように努め、不明点はすぐに質問する」など、限られた時間を効率的に使う意識を持つことが大切です。
【1~3月】予想問題演習と体調管理
これまでに身につけた基礎力と応用力を活かして、過去問や予想問題に積極的に取り組み、さまざまな問題パターンに慣れましょう。時間を計って取り組むことで、問題ごとの時間配分や解く順番を考える練習にもなります。
ただし、入試直前まで夜更かしして勉強していると、本番で体調を崩し本来の力を発揮できなくなる恐れがあります。体調管理も大切な受験対策ととらえ、しっかり睡眠を取り、栄養のあるものを食べて免疫力を高めましょう。
高校受験の専願と併願の違い
高校受験の出願方式についても、ここで押さえておきましょう。
出願方法は、おもに「専願」と「併願」にわかれます。
専願はひとつの高校のみを受験することで、併願は複数の高校を受験することを指します。専願と併願、それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。
【専願と併願の違い】
| 出願方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 専願 | ・合否判定で優遇される ・受験を早めに終えられる ・複数の高校の対策をしなくてよい | ・合格した場合は必ず入学しなければならない ・1校しか受験できない |
| 併願 | ・複数の高校に合格した場合にどこに入学するかを選べる ・受験に対する「慣れ」が期待できる | ・専願よりは合格のボーダーラインが上がる ・それぞれの学校への対策が大変 |
絶対に行きたい高校が決まっており、専願受験するための条件を満たしているのであれば、専願での受験がおすすめです。
対策もその高校一本に絞ることができますし、試験日が少し早めに設けられていることが多いので、受験勉強を早めに終えられます。
ただし、その高校に合格した場合は、やむを得ない事情がない限り入学しなければなりません。入学しなければその高校と中学校との信頼関係が損なわれ、来年から専願受験の枠がなくなってしまう可能性があります。
複数の高校を受験したうえで、合格したところのなかからどこに入学するかを吟味したい場合は、併願で受験しましょう。
何度も試験を受けることで受験に対して少しずつ慣れてくるので、本命の高校に向けてのリハーサル的な役割も期待できます。
専願と併願、それぞれの方法のメリット・デメリットを把握して、どちらの方法で受験するかを決めましょう。
受験を考えている高校の各種日程は正確に把握しておこう!
高校試験の日程は、公立か私立か、公立の場合は都道府県によって異なります。
私立に関しては近い日程で試験を実施することが多いため、併願受験する場合はそれぞれの高校の試験日程を正確に把握しておかなければなりません。
高校受験は試験自体は1~2日、実際に試験を受けている時間でいえば数時間で終わってしまいますが、そこに向けて長い期間をかけて準備を重ねていく必要があります。
志望校の各種日程を正確に把握して、合格するための実力を身につけられるように、最適な勉強のスケジュールを組みましょう。