近年、増加傾向にある全寮制の学校ですが、大学の学生寮とは違い、中学生や高校生が親元から離れて生活することに不安をもつ方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、首都圏唯一の全寮制・中高一貫校でもある「秀明学園」を取材。広報の川嵜 和雅さんに、同校の魅力や教育の特色などについてお話を伺いました。
共同生活をとおして得られるものはとても大きく、その経験は社会に出てからもきっと役立つはずです。全寮制の学校を検討している方は、ぜひご一読ください。
首都圏唯一の全寮制×中高一貫!独自の秀明教育とは
ー本日はよろしくお願いします。はじめに、「秀明学園」がどのような学校なのか、概要や特色を教えてください。
川嵜 和雅さん(以下、川嵜):「秀明学園」は、創立者の川島 寛士先生により1978年(昭和53年)4月に秀明中学校を、翌年1979年(昭和54年)4月に秀明高等学校を開校しました。
本校は、「全寮制」「中高一貫」「全人英才教育」といった三大特色を活かし、首都圏唯一の全寮制・中高一貫校として埼玉県川越市に校舎を構えています。ちなみに、2025年3月には新校舎が完成予定です。
月曜登校、金曜帰宅の4泊5日の全寮制を基本としている本校ですが、現在は、高校のみ通学制も選択でき、高校からの生徒募集もしています。
また、開校以来「知・技・心」を校訓に揚げ、「知的学習」「技の学習」「心の学習」を実践しながら独自の理想教育をおこなっています。
教育における特徴はイギリス英語研修があることでしょう。中学2年生で2週間、高校1年生で3週間、全生徒がイギリスに短期留学し、本場の生きた英語を学ぶことができます。
留学期間中の半分はカレッジでの寮生活、残りの半分はイギリスの家庭にホームステイして、伝統的なイギリスの文化やマナーに触れます。
学びの多い環境で取り組む「心の学習・技の教育」
ー秀明学園が取り組んでいる「心の学習」について教えてください。
川嵜:「心の学習」では、人間性豊かな「秀明エリート」の育成をおこなっています。
エリートといっても、特定の大学出身者とか、優れた能力や秀でた技能を持っているとか、家柄がよいとか、世間一般にいうエリートではありません。
本校でのエリートは、常に自分の時間的(年齢)、空間的、社会的存在を確かめ、「秀明の生徒である」ことを意識し(認識・思考)、自覚し(自己の義務や使命など)、判断して(真偽・善悪・美醜の判定)、行動することです。
心の学習においては、寮生活が大きく貢献しています。とくに中学生は全員が寮生活をしているため、共同生活をとおして協調性を培うことが可能です。
寮生活を送る約9割の高校生も、相手を思いやる心を発揮して、通学生とともによい雰囲気をつくり出していますね。
また、寮生は包容力があるので、高校から入学してきた生徒を受け入れる寛容さを持ちあわせており、すぐに仲よくなっています。昼食は、通学生も寮生と一緒に寮の食堂でとるんですよ。
そのほか、ホームルームでも心の学習の時間を設け、善と悪の区別や感謝、いたわりの心などについて、先人の言葉や新聞記事を題材に教員と生徒が一緒に学びます。
そういった学びの機会から、なにごとも“自分の意見を発言できる人物”の育成を目指しています。
ー「技の教育」ではどのようなことをおこなっているのでしょうか?
川嵜:「技の教育」では、一生の基盤となる技能を学びます。
中学1年生から参加するクラブ活動もそのひとつです。
実は夜間学習も本校の特色で、クラブ活動を終えて夕食を済ませると、生徒たちは再び登校し、19時前から21時までの2時間授業を受けます。
寮から校舎まで全天候型の専用通路でわずか1、2分なのは利点ではないでしょうか。
授業は、昼間部で教えている教員が交代で夜間部も受け持つため、それぞれの生徒の実力を踏まえた指導が可能です。
この夜間学習の時間にICT教材を使った学習を進めることもあります。
現在はひとり一台ずつタブレットがあるので、個人用アカウントを入力すれば、英・数・国・理・社のデジタル教材を取り組むことができ、セキュリティやプライバシーなどについても、細やかな指導をおこなっています。
また、本校のメディアセンター2階にあるITエリアでは、昼休みと放課後の開放時間に、生徒一人ひとりに発行されたIDカードを入り口にあるスキャナにかざして入室。自由にパソコンを操作することができるんですよ。
インターネット接続やメール送受信のほか、課題のレポートを作成したり、ワイド液晶画面でDVDを観賞したりなど、幅広く利用できます。
さらに現在では、中学校・高校とも全教室にはWi-Fiが整備されています。これにより授業はもちろん、海外の学生と情報交換したり、文化祭の準備を協同作業で進めたりすることが容易になりました。
なお、通学生で夜間学習を希望する場合は、リモートで参加ができます。
説明会を実施予定!感動に満ちた学校生活を一緒に
ー学校説明会や見学会、イベントなどの告知があればご紹介ください。
川嵜:中学校と高等学校の説明会や見学会は、下記のとおりです。
文化祭見学会などもおこなっているので、ぜひお気軽にご参加ください。
また、個別相談・授業見学では、ご希望の方にお食事体験として食堂で本校の生徒の様子をご覧いただきながら実際のメニューを試食することができます。予約制なので、公式ホームページからお申し込みください。
ー最後に、入学を検討している読者にメッセージをお願いします。
川嵜:本校の寮は、全生徒分の部屋を確保しているので、希望者は100パーセント入寮可能です。
基本は4泊5日ですが、なかには北海道や沖縄から来ている生徒もおり、こういった遠隔地のほか、家庭の都合などで週末も宿泊している生徒は少なくありません。
また、寮に対する不安もあるかもしれませんが、共同生活をすることにより協調性を高め、かけがえのない友情を育み、親元を離れて生活することで確かな思考力・判断力・行動力を身につけることができます。
本校には、発見や感動に満ちた学校行事がたくさんあります!ぜひ一緒に明るく充実した学校生活を送りましょう。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
■取材協力:秀明学園