スザンヌ、35歳で大学進学は「子どもから自立する」ため…“学び直し”を決意させた子どもの成長

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クイズ番組などで珍回答を連発して一躍お茶の間の人気者となった、タレントのスザンヌさん

2021年に中退していた高校へ再入学をして「学び直し」に取り組みました。それをきっかけに、高校卒業後は大学へ進学。現在は、母、タレント、大学生の“三足のわらじ”を履いています。

「テラコヤプラス by Ameba」では、スザンヌさんの大学進学の決意の裏側や子育てや仕事との両立方法、またそれらを通して得たものについて教えていただきました。

スザンヌ

現在大学2年生のスザンヌさん。大学生活について尋ねたところ、「就職活動がないぶん、4年間時間をかけて勉強することができているんです」とのこと。明るいキャラクターそのままにお話いただく様子からは、日々の充実ぶりが伺えました。

スザンヌ:大学の授業は、基本はオンラインで受けていて、必要なときに登校するような形です。高校の勉強は暗記が多かったのですが、大学はレポートを書くことが中心になっていて、私にとってはまったく新しい勉強法。「脳が動いてる」って感じがしますね。

「キャリアデザイン」という授業のなかで、大学で学んだことを将来どのように活かしていきたいか、自分の未来を描くレポートを書く機会がありました。

私も年を重ねていろいろな経験をしてきたぶん、今している勉強が将来どのように役に立つのか明確になっているから、書くのは楽しかったです。20代の大学生の子たちが一生懸命自分のキャリアについて書き出しているのを見て「人生そうそう上手くいかないけど、まずは頑張れ~」なんてつい見守ってしまいました(笑)

そもそもスザンヌさんが「学び直し」に取り組み始めたのは、高校への再入学がきっかけだったそう。

スザンヌ:息子に「勉強しなさい」「宿題しなさい」って言っているのに、そもそも自分は勉強をしてこなかったし、自分自身はそういう姿を子どもに見せてきてないなと思ったのが大きな理由でした。自分の知識を得るための勉強でもありながら、息子にママも勉強してるんだよというところを見せてあげたかったんです。

でも、高校生だった当時はぜんぜん勉強していなかったので、再入学しても「こんなの習ったけ?」って思うことだらけで、想像以上に大変でしたね(笑)

スザンヌ

当初は“高校卒業後”についてはあまり意識していなかったスザンヌさんですが、「学びを深めたい」という思いや、息子さんの成長を目の当たりにしたことがきっかけで大学進学を決めました。

スザンヌ:息子は本当に甘えん坊で、“世界の中心はママ”みたいなそんな子でした。私ももちろん息子が大好きですし、息子も「ママ大好き~」っていつも言ってくれて、どこへ行くにもくっ付いて離れない。私は離婚していて母と子2人だけなので、“2人で1つ”のようにお互いに支え合っているところがあったんです。

でも、年齢が上がるにつれて段々と手が離れて、部活が始まり、週末はお友だちと遊ぶように。少しずつではありますが「こうやって成長をしていくんだな…」と、ちょっとした寂しさのようなものを感じました。

もちろん、息子は小学4年生ですからまだまだ手がかかるところはありますよ。でも今のような関係は一生続かないし、息子だけが成長していく…このままではいけないなと。

息子が成長していつか急に離れていったときのために、私も自分の趣味や勉強、ビジネスなど新しい何かを見つけて、違う一歩を踏み出しておきたいなって思ったのが1番大きいところですかね。私自身が子どもから自立する準備をしておく必要があるように感じたからなんです。

それを機にスザンヌさんの学びの意欲はさらに増し、大学で心理学の授業を受けたことをきっかけに民間の心理カウンセラーの資格をオンラインで取得。「ただ、しっかり勉強してわかったのは私にカウンセラーは向いていないってことでした」と笑って話すスザンヌさんですが、 “三足のわらじ”を履き続けることは容易ではありません。多忙な日々を乗り切る秘訣を次のように話します。

スザンヌ:私の場合は時間で区切るようにしています。早起きが得意なので、朝は5時に起きて子どもを起こす6時半までが勉強の時間。また、予習復習、レポートも提出期限などから逆算して仕事の合間にコツコツおこなうようにしたら私の場合はうまくいくようになりました。

でもこれもトライアンドエラーを繰り返した結果。最初はその時間配分がうまくいかず、提出期限ギリギリになったことも…。そんなときに限って子どもが熱を出したり、仕事が遅くまでかかってしまったことも何度もありました。

そうすると、「なんでこんなときに…」なんて思いたくもないことを思ってイライラし、自分がやりたいと思って始めたことなのにこんなことになるなんて「本末転倒だな」って自己嫌悪に陥っちゃったことも。

そんなときに見つめ直したのが、私にとって勉強とはどのような位置づけか、ということ。私にとって一番大切なことはもちろん子育て、そしてシングルマザーなので仕事もしなければならない。その二本柱は絶対しないといけないことです。でも勉強は“絶対”ではないんですよね。あくまで“自分のため”であり、広い意味で言えば趣味みたいなもの

趣味であるなら追い込まれてやるのではなく、楽しんでやりたい。楽しんでやるのであれば一人で追い込まずに、わからないところを先生や友人に聞いたりして、少しでも楽しめるエッセンスを自分で探していこうと思ったんです。

勉強をぴたっと止めることだけは避けたかったので、楽しんで続けられるように、そのときそのときでモチベーションを探しました。そもそも“やる気”なんてすぐになくせちゃうタイプなので(笑)

スザンヌ

試行錯誤を繰り返しながら継続してきた「学び直し」は、スザンヌさん自身に大きな変化をもたらしました。

スザンヌ:まず、勉強をするようになって“話を聞く姿勢”がとれるようになりました。今までは「どうせわからないし」と思っていたのが「わからないかも知れないけれど、一度聞いてみよう」「わからなかったら聞いてみよう」と間口がすごく広くなったと感じます。

あと「子どもって偉い!」って心の底から思うようになりました!子どもって一教科約50分×6時間、ずっと机に向かって座って勉強しているんですよね。夏は暑いし、冬は寒いし、苦手な教科だって苦手な給食が出る日だってあるのに…そんななか子どもは毎日学校行ってるんですよ。今その生活をしなさいって言われても絶対できないです(笑)

だから、今は心の底から「今日も学校お疲れ様」って子どもを褒められるようになりました。本当に子どもって偉いですよね。

日々の充実ぶりが伺えるスザンヌさん。大学卒業後についてはどのように考えているか尋ねると、まだ具体的には決まっていないものの、それを考えながら勉強することもひとつのモチベーションになっていると話します。

スザンヌ:先日知人の紹介で、「みんなまずは起業をしたほうがいい」って熱く語る、“起業しろしろおじさん”に会ったんです(笑)それなら、とその方に「焼きたてのパンの香りがする目覚まし時計とか、目覚まし機能付きトースターを作りたいです」って提案したら「スザンヌさん、それが落とし穴です。在庫を抱えることになりますよ」ってすぐに却下されちゃいました(笑)

でも、そのように考えるのは楽しいですね。ママたちのためにオンラインサロンを開いたりしたいなって思ったこともありましたが、ママの大変さが分かるからこそ、そこでお金をいただくとなると気が引けてしまうのでビジネスにはならないし、難しいですね。

でもそれもこれも、一番は子どもが成長して私から離れていくときに「ママもママで頑張ってるよ」って息子にも安心してほしいから。お互い自立して「人間同士頑張っていこうね」みたいな感じでやっていけたらいいなっていう目標があります。

スザンヌ

最後に、スザンヌさんのように一歩踏み出したいけれど踏み出せずにいる方へのアドバイスを求めると、経験を押し付けない寄り添うような言葉でこたえてくれました。

スザンヌ:日本のお母さんたちは時間がないなかで、子育てや仕事を本当に頑張っていますよね。それこそ“学び直し”なんかしなくてもこの実生活の中でいろいろな学びがあると思うんです。

でもスキルアップなどを目指して頑張りたいと、調べたり資料請求してみた方もきっと多いと思うんです。手元に届いた資料を見ても本当にできるのかな、と先のことを考えてしまいますよね。私も高校に入り直すときに、両立できるのかすごく悩みました。入った後も「どうしよう、どうしよう」って毎日言っていたかも。

でも、一歩踏み出してみたら後でいろいろついてきたなと感じています。まずは学び始めてみて、そのあと本格的に何を学ぶか決めようなど、そのくらいの気持ちでスタートを切ってみるのもいいかもしれません。

熊本在住のスザンヌさん。熊本県で塾・学習塾をお探しの方は、 熊本県の地域(市区町村)から塾・学習塾ランキングを探すをぜひ参考にしてみてくださいね!

取材協力:スザンヌ
Instagram:@suzanneeee1028
オフィシャルブログ:LOVE MYSELF
YouTube:
スザンヌChannel

写真:堤 博之

ひらおか ましお
この記事を執筆した執筆者
ひらおか ましお

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

大学で入部したスポーツ新聞部をきっかけに、大学卒業後から本格的にライター業に従事。主にスポーツ雑誌を中心に活動していましたが、結婚と出産を機にwebや地元の情報誌などに活動拠点を移しました。子どもの成長と共に教育関連に興味をもち、2021年11月よりテラコヤプラスby Amebaで執筆を担当する二児の母。インタビューを通して得た情報を皆さまにシェアする気持ちで執筆しています。