ダンス部のある学校が、テレビなど、各メディアに注目されていることで、興味を持った方も多いのではないでしょうか。
昔からダンス部はありましたが、今のダンス部は創作ダンスなどをおこなっていた昔と違い、ストリートダンスが主流。部活動も時代の変化にあわせて多様性が求められているように感じます。
七十余年の歴史を持つ「清風中学校・高等学校」も、ブレイクダンスを中心としたストリートダンスの練習に励み、活動しています。
今回は、そんなダンス部の活動や魅力について、ダンス部 顧問の立花 延之先生にお話を伺いました。
仏教精神で心の教育を実践する中高一貫の男子校
ー本日はよろしくお願いします。はじめに、「清風中学校・高等学校」がどのような学校なのか、概要を教えてください。
立花 延之先生(以下、立花):高野山真言宗の大僧正・平岡宕峯が創設した「清風中学校・高等学校」は、七十余年の歴史を持つ、中高一貫の男子校です。
校舎は、大阪府大阪市天王寺区にあります。
建学の精神は、「徳・健・財、三拍子そろった姿でルールを守り、世の中のために尽くす人間となるために勤勉努力する人物の育成」。
仏教に基づいた人間教育をおこない、社会から「安心」「尊敬」「信頼」の対象となる、次世代を担うリーダーの育成を目指しています。
また、本校では、人の役に立ち、人生を豊かにする生き方を「福の神のコース」と呼び、「時間を守る」「きちんとした言葉遣いをする」「身だしなみを整える」など、生活面において日常の習慣を重視した指導にも力を入れているんです。
本校のコースとしては、中学校は、東京大学・京都大学、国公立大学の医学部医学科を目指す「理Ⅲコース」、難関国公立大学を目指す「理Ⅱコース」、国公立大学や難関私立大学を目指す「理Ⅰコース」があります。
そのほかにも、21か月間の留学をおこない、真の国際人を目指す「国際コース」もあり、あわせて4コースを用意しています。
高校は、東京大学・京都大学、国公立大学の医学部医学科を目指す「理Ⅲ6か年編入コース」、京都大学・大阪大学などの難関国公立大学を目指す「理数コース」、国公立大学や難関私立大学を目指す「文理コース」の3コースです。
このように、生徒一人ひとりの進路にあわせたコースと、個人のレベルにあわせた指導でしっかりサポートしています。
さらに本校には、高野山、法隆寺・薬師寺、伊勢神宮への参拝が三大修養行事としてあり、高野山100km歩行や文化祭、体育祭、ハイキング、富士登山など、年間30近くの行事が予定されています。
とくに、毎年希望者を募って実施する「高野山100km歩行」は、昼夜兼行でおこない、学校から和歌山県の高野山まで、先人が歩んだ約100kmの道のりを体力と気力を振り絞って挑むんですよ。
この行事のねらいは、生徒同士の一体感をつくり、厚い友情が芽生えること。そして、このような困難を乗り越え、達成感を得る体験こそが、“生きる力”の根源になると考えています。
本校はそういった行事以外にクラブ活動も盛んで、多くの生徒が活動に参加していますね。オリンピック選手を輩出している体操競技部や、陸上競技部のほか、新体操部、テニス部も全国総体(※)優勝の実績があります。
(※)全国総体:全国高等学校総合体育大会 / インターハイ
ダンス部を通じて学ぶ「努力の先にあるもの」
ー清風中学校・高等学校の「ダンス部」について詳しくお聞かせください。
立花:ダンス部では、主にブレイクダンスを中心にストリートダンスを練習しています。
練習は、週4日の限られた時間とスペースを上手に使いながら効率よくおこない、上級生や経験者が技を指導したり、動画などを見て自分たちで技を練習したり、生徒が主体となって、個人とチームそれぞれで必要なことを考えて活動していますね。
高校3年生においては、引退後も受験勉強の合間を縫って技術指導に来てくれるんです。また、卒業したOBとも関係が深く、週末に練習会を開いてくれるなど、先輩後輩の縦のつながりが非常に強いクラブだと感じます。
現在の部員数は、高校3年生が引退し、高校2年生が3名、中学3年生が5名です。中学生と高校生が一緒に練習をおこなっているのは、中高一貫校だからこそではないでしょうか。
文化祭では、曲選び、編集、ダンスの振り付けまでをすべて生徒が考え、約1年かけて練習してきたものを披露しています。文化祭にはOBも必ず応援に来てくれるんですよ。
近年はコロナの影響もあり、文化祭でのショーケースが開催できず、部員集めに苦労しているので、絶賛部員募集中です!
文武両道をモットーとしており、ダンス部からは毎年国公立大学への進学者が多数出ています。このように本校は、勉強もクラブ活動も頑張って両立させることができる学校だと自負しております。
ーダンス部の活動によって得られる学びや、生徒たちに身につけてほしい力などはありますか?
立花:ブレイクダンスの特徴として、「パワームーブ」といわれる、必殺技があります。パワームーブとは、遠心力を使い、背中や頭でクルクルと回転する大技です。
これらは一朝一夕に身につくものではなく、長ければ半年ほどの練習を経て、ようやくできるようになります。
だからこそ生徒たちには、ダンスをとおして、継続した努力の先にある“なにか”を掴む成功体験を味わってほしいと思っています。
ダンスはほかの競技と違い、タイムや得点といった明確なルールがあるわけではなく、非常に自由度が高い競技です。もちろん基本となるステップはありますが、組み合わせ方は自分次第で、そこに答えはありません。
そこで生徒たちは、「どんな動きがかっこよく見えるのか」を自分なりに試行錯誤しながら研究しなくてはならず、私はここに人としての成長があると考えています。
また、本校の生徒の多くは、勉強に対して知識がある分、「この問題はこう解く」といった、型にはめることが得意。
その一方で、自由な発想が苦手な傾向がみられ、「(自由すぎて)なにをすればよいのかわからない」と、ダンスに対してハードルが高くなってしまっている部員も多いんですね。
しかし、変化の激しい現代社会に、与えられたことをただこなすだけではこれからの時代に求められる人材は育ちません。
そのため、ダンス部の活動を通じて、自分だけの武器で自己表現することにより、自分の目指すべき道を自身で考える力を養い、新しい時代に必要とされる人に育ってほしいと思っています。
学校説明会などを開催!文化祭ではダンスショーも
ーオープンスクールや学校説明会などの告知があればご紹介ください。
立花:入試説明会、国際6か年コース説明会、相談会は、下記日程で開催予定です。
中学入試説明会・国際6か年コース相談会は、本校以外に西宮市のなでしこホールでも9月30日(土)14時00分~開催しています。
また、そのほか説明会や相談会、文化祭などのイベントもありますので、詳細は本校の公式ホームページをご覧ください。
ー最後に、入学を検討している読者にメッセージをお願いします。
立花:本校は、勉強はもちろん、クラブ活動にも力を入れているため、運動部や文化部ともにレベルの高いクラブが揃っています。
ダンス部も、全国でおこなわれるダンス大会へ、部として参加することを目指して日々練習に励んでいます。
また、9月におこなわれる文化祭では、ダンス部のショーケースや、そのほかさまざまなクラブ活動を体験することが可能です。
文化祭含め、学校説明会や見学にぜひ一度足を運んでいただき、清風学園の雰囲気を感じてほしいなと思っています。たくさんのご参加をお待ちしております!
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
■取材協力:清風中学校・高等学校