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小学生の“LGBT教育”約9割の保護者が「必要」と回答!「あのとき理解できていれば…」と後悔の声も

小学生の“LGBT教育”約9割の保護者が「必要」と回答!「あのとき理解できていれば…」と後悔の声もの画像

毎年6月は「プライド月間」。世界各地でLGBT・性の多様性の権利を啓発するための活動がおこなわれています。

「Ameba塾探し」では、小学生の保護者500人に「LGBT・性の多様性教育」(性の多様性教育)についてアンケートを実施しました。

アンケートによると、LGBT・性の多様性についてこれまで学ぶ機会があった小学生の保護者は約3割程度であることが判明。その一方で、約9割の保護者が小学生にも「性の多様性教育は必要である」と回答しました。

しかしその必要性を感じつつも、保護者自身がLGBT・性の多様性について学んだことがないが故に「子どもへどのように話せばよいかわからない」という声も。アンケートから保護者たちの思いに迫りました。

関心をもつ保護者は約3割程度…性の多様性について学ぶ機会がない?

小学生の保護者にLGBT・性の多様性についてどの程度理解していると思うか尋ねたところ「どちらかと言えば理解している(なんとなく多様なあり方を受容する)」がもっとも多く約半数の55.0%でした。

自ら関心をもつようにしているという保護者は、「とても理解している(積極的に関心をもつようにし、多様なあり方を受容する)」6.4%と、「理解している(関心をもつようにし、多様なあり方を受容する)」28.4%をあわせて約3割(34.8%)程度でした。

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また、これまでLGBT・性の多様性について学ぶ機会はあったか尋ねたところ、「あった」と答えたのは3割超(36.2%)程。学ぶ機会があった人にどのような機会だったか尋ねたところ、「テレビで見たり聞いたりした」(31.8%)、続いて「本やインターネット(SNS含む)で知らべて学んだ」(26.2%)が上位二つとなりました。

それらの結果から、LGBT・性の多様性について社会的に関心が寄せられているものの、保護者世代が学ぶ機会はあまり多くないことが考えられます。子どもに LGBT・性の多様性について教える立場の大人こそ、正しい知識を得る機会が必要かもしれません。

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「男の子同士も結婚できる?」子どもから聞かれてどう答えた?

実際には、LGBT・性の多様性について小学生の子どもから質問をされた経験のある保護者はどれくらいいるのでしょうか。

アンケートによると、「ある」と答えたのは25.8%でした。実際にはどのようなことを聞かれて保護者はどのように答えたのか、いくつかご紹介します。

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  • 「『男の子同士、女の子同士で結婚できないよね?』と質問を受けました。男の子が男の子を好きになることだってあるし、女の子が女の子を好きなることもある旨をまず伝えました。そのあと、結婚って難しいんだけどできないことはないことを伝えました。初めて説明したときにはあまり理解できていない様子でした」(小学1年生の保護者)
  • 「テレビで(いわゆる)女の人っぽい恰好をしている男の人を見て『気持ち悪い!』と言っていました。少し言い過ぎな感じがして悲しくなりましたが、『体と心がバラバラで合わない人もいるんだよ』と伝えました。」(小学4年生の保護者)
  • 「とある芸能人に対して『この人は男なのか?女なのか?』と聞かれたので、『体は男でも、心は女だったり、またその逆もあるんだよ』と説明してあげた」(小学6年生の保護者)
  • 「LGBTのニュースを見ているときに、なぜこんなに大きく取り上げられているのか質問されたので、『それだけ悩んでいる人が多いからだ』と答えた。また『世の中にはいろいろな人がいるが、自分と違う価値観を持った人たちとも理解し合うことが重要だ』と伝えた」(小学5年生の保護者)

約9割の保護者「小学生にも性の多様性教育は必要!」

LGBT・性の多様性について、子どもたちにはいつから話すのがよいと保護者は考えているのでしょうか。まず保護者に、「自ら子どもにLGBT・性の多様性について話をしたことはあるか」と聞いたところ、「ある」と答えたのは約3割超(36.0%)でした。

子どもに話をしたことがない理由について尋ねると、もっとも多かったのは「年齢的に理解できない(まだその時期ではない)と思ったから」で39.7%。1.9ポイント差で「(知識不足で)どのように説明すればいいかわからないから」(37.8%)が続きました。

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しかし、自ら説明したことのある保護者は少ないものの、小学生の子どもにも性の多様性教育は必要だと思うか尋ねたところ、「とてもそう思う」「そう思う」をあわせて、約9割(88.4%)の保護者が教育の必要性を感じていることがわかりました

また、どのような教育方法がよいかという問いには、「学校での教育を充実させる」(33.8%)と答えた保護者がもっとも多い結果に。しかし、ただ“学校に任せたい”と考えているだけではないようです。

続いて「自分自身が知識を深め、子どもに教える」(21.6%)と「家族の会話などで話題を自然に出す」(20.9%)と答えた保護者が多かったことから、保護者も自ら子どもに伝えることが大切だと感じている様子が伺えます

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以下では「小学生にも性の多様性教育は必要だと思うか」という質問に寄せられた意見をいくつか紹介します。

「とてもそう思う」「そう思う」と回答した人の意見

  • 「年齢が低いうちに学んだ方が、偏見などが無く素直に理解しそうだから。また、LGBTの子どもにとっても、早いうちから知っていれば、違和感や苦しみや悩みを軽減できそうだから」(小学5年生の保護者)
  • 「最近の子どもたちはスマホなどで、知らない間にいろいろなことを学んでくる。そこで知った情報は間違っていることもあるので、正確な情報を教えてあげるためにもしっかり学んだ方がいいと思う」(小学6年生の保護者)
  • 「大人になると自分から学びにいかないと学ぶ機会がないので、今学べる環境にいる子どもたちには知っておいてほしいことだからです」(小学2年生の保護者)
  • 「時代が変わってきているとはいえ、親世代がそのような時代を生きてきたので、昔から埋め込まれたものは強い。生活を共にする親がそうでは子も影響されます。なので、自ら子どもたちに学んでもらうことはとても重要で、それを親へも伝え学んでいくことが大事かなと」(小学2年生の保護者)
  • 「自分たちが子どものころは、性教育も性自認や同性同士の交際なども、偏見や恥ずかしいものとしての印象が強く、肝心なところは教えてもらえなかった。大人に聞いても誤魔化されるか話を流され、怒られるなどといった対応。真摯に向き合ってほしかったと感じたし、知らないまま大人になることの不安も少なからずあったため」(小学5年生の保護者)
  • 「よくテレビのドキュメントで、『小さなころは誰にも言えず苦しんだ』と言っている方が多いので、小さいうちから受け入れられる社会になればいいと思います」(小学4年生の保護者)

「あまりそう思わない」「そう思わない」と回答した人の意見

  • 「学ぶことで逆に偏見が生まれそうな気がしますし、学ぶよりかは自然に知っていく方がいいと感じます」(小学5年生の保護者)
  • 「低学年ではまだ早すぎますが、高学年になると今の子どもたちは自分で調べることができるので、本人から質問を受けたら真摯に相談に乗れるようなスタンスでいいと思います」(小学3年生の保護者)
  • 「関心がない子もいるので、すべてを押し付けて認めてあげようという考えはあまり共感できない」(小学6年生の保護者)

身近な人がLGBT当事者だったら?「もっと理解できていれば…」と体験談も

最後に「子どもがLGBT当事者だった場合に理解を示せると思うか」と尋ねたところ「理解できる」が26.6%、「すぐには理解できないが、理解できるように努める」が64.6%となり、合わせて約9割(91.2%)の保護者が、理解したいと考えていることもわかりました。

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なかには、相談を受けた経験があるという保護者もいました。

  • 「長女が、自分は男であるとカミングアウトしてきた。元は小学校6年生の時の担任を通じて話があり、後日私と家内とで本人から話を聞いた」(小学4年生の保護者)
  • 「物心ついたことから、仮面ライダーや戦隊モノが大好きで、いつも男の子と一緒に遊んでいました。本人は女の子扱いをされるのがとても嫌だったそうで、何度か『なんで自分は男の子と違うのか。男の子になれないのか?』と聞かれました」(小学3年生の保護者)

そのほかにも、LGBT・性の多様性に関して保護者のさまざまな体験談が寄せられたのでご紹介します。

  • 「息子が幼稚園の頃、女の子向けのテレビ番組の方が好きで、クリスマスプレゼントにそのグッズを欲しがったら、祖父が『男の子らしくないから駄目だ』と反対したことがありました。男の子には男の子らしいものをという考えが、性の多様性で悩む人たちを傷つけるのではないかと思います」(小学5年生の保護者)
  • 「昔LGBTに該当する友人がいました。家族の理解が得られずに死んでしまい、周りがもっと理解できれば、普通に生活できる世の中になれば、と常に思っています」(小学2年生の保護者)
  • 「学生時代、レズビアンの女の子が同じ部活にいたが当時珍しい存在だったのでその話題を出すときはコソコソ、ひそひそといった感じで当事者から見たら噂話をしているように見えたと思います。今になってそういう目線や態度が当事者の方を生きづらい世の中にしているんだろうなと理解できました」(小学1年生の保護者)
  • 「同級生にトランスジェンダーの男の子がいました。女の子として接するように努めていましたが、心から女性と思って接することができず、卒業してから自然と疎遠になってしまいました。子どもたちにはLGBTなど気にすることなく、人間同士の関係を築くことができる大人になって欲しいと願っています」(小学5年生の保護者)
  • 「まだ娘が3歳ぐらいのとき、興味あるのがきかんしゃトーマスだったりディズニー映画の『カーズ』だったりあまり女の子が興味なさそうなものだったので『ん?』と思ったことがありました。ただ幼稚園に入るころにはリカちゃんやらシルバニアなどに興味がいき若干ですが安心してしまった自分がいました」(小学6年生の保護者)
  • 「職場にLGBTの子がいます。またメイクが好きな男の子がいたり、可愛いものが好きな男の子もいます。昨今、多様性を受容する世の中になり身近にそういった若い子が増えてきたように思います。自分の子どもたちもいつどんなところでLGBTのお友だちに関わったりするか分かりません。そんなときに戸惑ったり固定概念で傷つけてしまったりすることがないように家庭でも少しずつ話していけたらいいなと思っています」(小学1年生の保護者)
  • 「私の同級生で今思うとLGBTの男の子がいました。当時は理解できる世の中ではなかったので差別用語を言ってしまったことを今でも後悔しています」(小学5年生の保護者)

特に子ども時代を振り返り「もしかしたら同級生はそうだったのかも知れない…」などと語る保護者からは、“知らなった”が故にそのときとってしまった自身の行動に対する後悔の声が多く、教育の大切さを改めて感じさせるものでした。

まとめ

アンケートによると、多くの小学生の保護者が「小学生の子どもにも性の多様性教育は必要である」と考え、また保護者自身も理解したい、理解に努めたいと考えているようです。

しかし、LGBT・性の多様性について注目され始めたのがこの数年であるため、学ぶ機会があった保護者は少なく、子どもがどのように理解するのか、子どもに理解してもらうためにはどのように伝えることがよいのか悩む保護者も多い印象でした。

2024年度から小学校の保健体育で使われる教科書では、LGBTなど性の多様性について取り上げるケースが大幅に増えたようですが、子どもだけでなく保護者が学ぶ機会が増えることもまた、理解ある世の中を実現する一助になるかも知れません。

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【調査概要】
調査期間:2023年5月19日~6月1日
調査機関:自社
調査対象:全国の小学生の保護者、500人
調査方法:インターネット(クラウドワークス)
調査内容:「LGBT・性の多様性教育」に関するアンケート

ひらおか ましお
この記事を執筆した執筆者
ひらおか ましお

Ameba塾探し 執筆者

大学で入部したスポーツ新聞部をきっかけに、大学卒業後から本格的にライター業に従事。主にスポーツ雑誌を中心に活動していましたが、結婚と出産を機にwebや地元の情報誌などに活動拠点を移しました。子どもの成長と共に教育関連に興味をもち、2021年11月より「Ameba塾探し」で執筆を担当する二児の母。インタビューを通して得た情報を皆さまにシェアする気持ちで執筆しています。