「成立学園中学・高等学校」のマルチメディア部を取材!eスポーツがもたらす成長と教育効果とは

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近年、eスポーツ(※)を部活として扱う学校が増えているのをご存じでしょうか。

東京都北区東⼗条にある「成立学園中学・高等学校」も、プログラミングなどをおこなっていたマルチメディア部に、新たにeスポーツを取り入れ、生徒たちが楽しく活動しています。

しかし、親世代から見たら、eスポーツに対してあまりよいイメージを持たれていない方も多いでしょう。

そこで今回は、マルチメディア部 顧問の田渕 彰展先生に、導入した経緯や活動内容、部内での生徒の様子を伺いました。

eスポーツに興味のある方、eスポーツに教育効果があるのか知りたい方は、ぜひご一読ください。

(※)eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)は、コンピュータゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。世界各国で盛り上がりを見せており、日本国内でも注目を集めている。

  1. 中学生と高校生が一緒に活動する「マルチメディア部」
  2. 自己成長につながる仲間の存在とeスポーツによる学び
  3. 各種イベントを開催予定!部活動を通じて輝く学園生活を

中学生と高校生が一緒に活動する「マルチメディア部」

男子生徒3名がゲームをしている画像

ー本日はよろしくお願いします。はじめに、「成立学園中学・高等学校」がどのような学校なのか、概要を教えてください。

田渕 彰展先生(以下、田渕):東京都北区東⼗条に校舎を構える「成立学園中学・高等学校」は、2025年に創立100周年、中学校開校15周年を迎えます。


本校では、日々の授業とともに、将来の目標を具体的に達成する“見える学力”と、幅広い教養を身につけ発信力を育成する“見えない学力”を養い、成立学園ならではの教育であらゆる方向から生徒の学力向上をサポートしています。

2020年度からは、本校で得た教養を海外でも発揮できるよう、海外の大学進学を視野に入れ、高校2年から受講可能な探究クラスをスタートさせました。

また、国際舞台で活躍するには自分の意見を表明できる論理的思考が必要なため、中学から、独自の英語、数学、プログラミング教育にも力を入れているんです。

さらに、本校では、中高一貫校の利点を活かし、中学生と高校生が一緒になって活動するクラブを設けており、全国大会でも数々の成績を残しています

ー中学生と高校生が一緒に活動している「マルチメディア部」についてご紹介ください。

田渕:
もともとマルチメディア部では、KOOV(クーブ / ロボット・プログラミング学習キット)を使ったプログラミングや、Word(ワード)・Excel(エクセル)を用いて情報処理能力を高めながら関連する資格の取得を目指していました。

実は、マルチメディア部は入部する生徒が少なく、廃部寸前だった時期もあったようです。私が顧問になった3年前は、高校3年生が1名のみでした。

そんななか、近年盛り上がりを見せるeスポーツ市場と、eスポーツを支持する生徒の増加もあり、マルチメディア部のなかに、従来の活動をおこなう「PC班」に加え、「eスポーツ班」をひとつの班として取り入れました

その結果、次第に部員数も大幅に増え、部として安定した活動ができています。

しかし、昨年までは新型コロナウイルス感染症の影響で、感染拡大を防ぐため、いかに活動を縮小するかに苦心しましたね。

そこでeスポーツ班を各ゲームごとに細かくグループ分けし、活動できる曜日を実質週3日から1日に制限するなどの対策をとりましたが、それによって、もっと活動したいという理由で部活を離れていく生徒もいました。

今年度は、新型コロナウイルス感染症の行動制限緩和に伴い、自由に活動できるようになっています。

ただ、通常は週3日の活動のところ、現在あるゲーミングPC(パソコン)の所有台数の関係から、ひとつの班において週2日の活動としているので、ふたつの班に所属すれば週3日で活動できるようにしました。

あとは、目標を持たずひたすらゲームをするだけの部活にならないよう、「STAGE:0(ステージゼロ)」や「全国高校eスポーツ選手権」といったメジャーな大会のほか、各専門学校や企業主催のeスポーツ大会には積極的に出場してもらっていますね。

大会への出場が決まると、生徒たちのモチベーションが変わるんですよ。練習も白熱し、ほかの部員に対してもよい刺激になっているように思います。

自己成長につながる仲間の存在とeスポーツによる学び

男子生徒たちがひとつのパソコンを囲んでゲームを見ている画像

ー部活動によって、生徒の変化を感じることはありますか?

田渕:
部活動のなかでは、黙々とゲームをするだけの時間も当然ありますが、さまざまな状況で仲間とコミュニケーションを取らなければならない場面も増えます。

しかし、コロナ禍になり、周りとの直接的な関わりの機会が少なくなったことで、コミュニケーションを苦手とする生徒が以前よりも増えてしまった印象がありますね。

けれども、それを乗り越え、継続的に活動してきた生徒は、以前よりもいろいろな表情を見せ、コミュニケーションを積極的に取るようになりました

とくに今年の高校3年生は、最高学年になったということもあり、教員が指示を出していなくても、上手に後輩たちをまとめてくれているので頼もしいです。

ーeスポーツの持つ、教育的側面があればお聞かせください。

田渕:仲間と切磋琢磨しながらコミュニケーションを取ることで成長できる部分は大きい
です。

複数人でプレイするゲームが多いので、必然的にメンバーとの話し合いが必要になってくるのですが、無口だと思っていた生徒も、eスポーツをとおしてコミュニケーション能力が向上していると思います。

また、マルチメディア部は、残念ながら部員全員分のPCがなく、各班の人数比を考慮してPCを割り振っています。

練習の様子を見ていて思うのは、低学年になるほど、PCの確保は早い者勝ちだと考えている傾向にあるということ。定期的に部活に参加している上級生は、どうすれば全員が公平に練習できるかを考え、きちんと周りを見て活動できているんです。

とくにこちらから指示を出したわけではなく、自然とそういった行動を取るようになっているので、素晴らしいなと感じていますね。

仲間と取り組むゲームだからこそ、コミュニケーションが大事になってくるのですね!eスポーツをとおして得られる学び、成長はとても大きいと感じました。

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各種イベントを開催予定!部活動を通じて輝く学園生活を

部活動をおこなっている教室内の画像

ー今後の展開や、オープンスクールなどの告知があればご紹介ください。

田渕:
今後も、eスポーツの各種目の大会に生徒を積極的に送り出したいと思っています。

なぜなら、目標がないとどうしても活気がなくなってしまうからです。実際に、定期的に大会に出場しているメンバーたちは、目標を持って熱心に活動しています。

部活動を頑張っていると勉強にもよい影響を与えるため、成績もそういった生徒たちのほうがよい傾向がみられるんですよ。

オープンスクールについては、例年同様、7月下旬に実施する予定です。

見学に来る小・中学生たちに部活の魅力が伝わるよう、部員たちにも参加してもらおうと考えています。

また、9月には文化祭も控えています。昨年はスマブラ(大乱闘スマッシュブラザーズ)大会をおこない、大いに盛り上がりました。今年おこなう種目はまだ決まっていませんが、ゲーム大会は予定しています。

ほかにも、本校をより深く、具体的に知っていただくためのさまざまなイベントを随時開催していますので、ぜひご家族やお友だちと一緒にお気軽にご参加ください。

事前予約が必要なイベントもありますので、詳しくは公式ホームページでご確認いただけると幸いです。

ー最後に、入学を検討している読者にメッセージをお願いします。

田渕:
本校には、マルチメディア部以外にも、全国レベルで戦う部活動がいくつもあります。

すべてに熱く、全力で取り組み、生徒一人ひとりが才能を発揮できる環境、そして先生や仲間から刺激を受け合い、心身ともに成長することができる環境がここにはあります。

自分を信じて一歩を踏み出すことで輝ける!充実した学校生活を送りましょう!

ー本日は貴重なお話をありがとうございました。


■取材協力:成立学園中学・高等学校

有田 幸恵
この記事を執筆した執筆者
有田 幸恵

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

幼少期は5歳から小学校6年生まで英会話教室に通う。高校受験時には家庭教師や塾の特別講習で猛勉強し、第一志望に合格。その後、芸能関係の道に進み、ライター業に転身する。エンタメや美容ジャンルの執筆を経験した後、弁護士コンテンツの法律記事に携わったのをきっかけに、読者の役に立つ情報発信を志し、2020年9月から株式会社サイバーエージェントのグループ会社 株式会社CyberOwlで編集者兼ライターとして従事。現在、テラコヤプラス by Amebaで保護者やお子さまの未来に繋がる記事づくりを目指しています。